2月10日質問事項1
1H27当初・H26補正予算
○山陰中央新報:知事、済みません、当初予算なんですけど、前回の会見でも質問があったんですけども、前年度当初に比べて0.5%の増額の予算になってる。で、通常、知事選を控えてる中では骨格にするというのが通常だと思うんですけども、その中で本格編成に踏み切られた、その理由について改めて教えていただけますか。
○溝口知事:政府は、経済回復を進めるために経済対策の予算を、補正予算を編成して対応しようとしているわけですね。県も県内経済を考慮して必要な対策を県民にできるだけ早くお知らせするということが大事だということであります。そういう中で、政府は補正予算の中で地方創生のための交付金を計上して、地方には今年度の補正予算や当初予算に計上してやってもらいたいということを言っておられます。そのために島根県におきましてもスピーディーな対応をするために、本年度の補正予算と来年度の当初予算の中で必要な予算を計上することが適当だというふうに考えたというのが一つですね。
それから、公共事業の関連につきましては、やはり今後は災害の事業が減ってまいりますし、そうするとやはり公共事業全体がどういうふうになるのかということは、企業の経営計画に大きな影響を及ぼすわけですね。事業が縮小するんであれば要員の増加を抑えようかとかいうことにもなりますし。そういう意味で、6月議会まで全体像がわからないということは、今の状況、雇用情勢なんかを見ますと適当でなかろうということですね。
それから、公共事業のほうも従来の、先ほど公債が伸びていった平成の初めから中ごろにかけてはすごい勢いで公共事業がふえて、新規もあったわけですけども、今はほとんど新規分というのはそんなにないんですね。新規事業をするというようなことじゃなくて、継続する事業をどの程度やっていくかというのが主体でありますから、そういう状況でありますので、やはり全体の事業がどの程度になるかということを早目に示すということは、県内の社会インフラの円滑な整備にとって必要だと、そういう判断で行ったと、こういうことです。
○山陰中央新報:ということは、国の地方創生の動きもあるし、一方で、この地域は人口減少が進んでるし、あと地域経済というのはまだまだ道半ばというか、回復がというとこがあるんで、それで切れ目なくやっていく必要があるという。
○溝口知事:それと同時に、建設業なんかも、人を確保するというのは難しい状況ですね。災害復旧で県外のほうで需要もふえますしね。そうすると、やはり公共事業なんかはやっぱり安定して事業が進むということが大事でありますから、そういう面も配慮して、6月議会ではなくて、今の時点で示しておこうと、こういうことです。
○山陰中央新報:あと、済みません、これから地方創生に絡んで総合戦略というのもつくっていくことになると思うんですけども、そこには例えば人口の将来的な目標だったりとか出生率だとか、U・Iターン者がどれぐらいだとかっていうような、そういう目標も当然盛り込んでいくことになるんですか。
○溝口知事:そうですね。それは必要だろうと思いますね。
○山陰中央新報:知事は、どういう目標というのを今思い描いていらっしゃるんですか。
○溝口知事:いや、それはこれからですね。
それから、県は県全体としての、県全体が一つで人口の自然減がどうなる、あるいは社会増がどうなるという推計をしますね。それは一定の前提を置いてやります。他方で、市町村のほうもつくりなさいということになってまして、県のほうは先行して、来年度半ばぐらい、秋ぐらいをめどに総合戦略をつくるようなことになります。市町村のほうともいろいろ打ち合わせをしながら、調整をしながらやっていきますから、市町村のほうでも、市町村のほうがどういう目標でやっていかれるということも参考にしながら、両方やっていくということになるんじゃないでしょうかね。市町村のほうも、県全体でどんな状況でやっていこうとしているのかというのをある程度見ながら、そしてよく意見交換しながらやっていかないと、現実的なものはつくるのは難しいんじゃないかというふうに思ってます。
○山陰中央新報:済みません、あと財政再建のことでちょっとお伺いしたいんですけども、今、財政健全化の基本方針におおむね沿って進んでるっていうことなんですけど、ただ、職員の削減1,500人を1,300人程度っていうようなことにして、ちょっと目算も崩れて、狂ってるっていうところもあると思うんですけども、2年後の末に130億円の基金を確保した上で収支均衡っていうのは、知事はこれは達成が可能だというふうに見てらっしゃるんですか。
○溝口知事:そうですね。今まで大体そういう達成をするような予算編成をやってきておりまして、来年度当初においても、今までの年度途中における執行による減なんかも考慮して基金の取り崩し額を出しておりますけども、大体基本方針に沿ったものになってきておるということです。
○山陰中央新報:なかなか自助努力できるところも少なくなってきてるっていうのが現状だと思うんですけども、知事、どういう手法でその収支均衡なり基金の確保というのをこれからやって。
○溝口知事:もう現実には最終的な減は、財政の不足の部分は小さくなっていますからね、それは今までやってきておりますように、執行段階の節約でありますとか、それから予算の項目によっては社会保障の経費なんかは、いろんなことがあってもある程度変動に耐えられるように、当初の段階では厚目に予算を計上しなきゃいけませんね。そういうものが特別そういうところになければ、最終的には減額になったりしますしね。そういう要素があるんで可能なわけですね。
○山陰中央新報:ということは、あらゆる手段を使ってという意味ですかね。
○溝口知事:あらゆる手段というか、大体みんなが通常やるようなことで達成できてますからね。そういうことでやっていきたいということです。
○毎日新聞:知事、済みません。本格予算、さっき質問も出ましたけれども、選挙前の本格予算ということで、それは裏返して言えば、先ほどから6月以降のお話も次々出ているわけで、当然ですけども、選挙に出られるからそういうおつもりだとは思うんですが、引き続きやっていくという前提で組んでるということなんですね。
○溝口知事:それは前提というか、私だけの意見で決めるわけじゃなくて、県内のいろんな要望があって、あるいは国の政策があって、県庁内で議論して決めるわけでして、そんなに幅のあるもんじゃないということですね。
それから、もちろんその6月の段階で補正をすることは可能ですからね。あるいは選挙は4月の初めには結果が出るわけでして、それがいろんな制約になるという感じはないと思いますね。
○毎日新聞:通常、一般的に言うと、当初の予算編成のところに選挙が絡んでくると、通常でいうと骨格予算を組んで6月に本格予算を組むというのがよくあるパターンだとは思うんですけれども、そこをあえて本格予算にしていらっしゃる、選挙前に本格予算にしているところの意味というのを改めて知りたいんですが。
○溝口知事:それは4年前もそうでしたけどもね、あのときも景気対策をやらなきゃいかんということですので、そういう背景があるということですね。
○毎日新聞:ただ、予算というのは首長さんのカラーが出るというか、特に骨格以外の部分ですね、本格予算にする場合というのは各首長さんのカラーの出る部分というのは非常にあれこれあると思うんですが、そうすると、その選挙の前、後で考えるとどうなんでしょうかと。
○溝口知事:それは、理論的に言えば、補正で変更することも可能ですし、すぐに執行されるわけじゃなくて、執行は4月になってからやるわけですよね。
それから、多くの予算は、それは一応積み上げはやりますけども、その積み上げたものをそのまま実行するかどうかは別の話ですね。できないものもあるし、買収ができなきゃ、その事業できないとか、その執行は新年度になって行われてますからね。
それから、過去と違うのは、例えばいろんな事業が今の財政再建中であって、当初の段階で新規の事業がどんとふえて、それをどういうふうにするかというようなことは余り、私の経験では、余地は非常に少ないわけです。だから大きなこの財政再建という枠組みの中でやっていくと、特に公共事業などはほとんど継続事業をどこまで進めるかということが主要になっていきますので、それで新規をどうするかというのは、いずれにしても最終的には新年度の執行の中で決めていくわけでありまして、この段階でこうしますということを発表するわけでも何でもないんです。
○中国新聞:知事、今回、3本柱でつくられているんですが、御自身で今回の予算にタイトルをつけるとしたら、どんなタイトルをつけられますか。
○溝口知事:さっき申し上げましたように、住みやすく活力のある地方の先進県島根を目指す予算と。
○山陰中央新報:知事、済みません、その中で、住みやすく活力のある地方の先進県ということなんですけど、特に地域別で見ると、島根県の西部、あと離島である隠岐というところが、どっちかというと県東部に比べたらいろんな面でおくれをとっているという面が感じられるんですが、県西部と隠岐について、それぞれ予算編成の上で意識されたこと、もしくは力を注ぎたいという、そういった思いというのがおありでしょうか。
○溝口知事:観光振興、出雲大社の大遷宮でありますとか縁結びでありますとか、ここ数年、多くの方々が県東部にも来られるようになってますけれども、西部では石見銀山あり、そして温泉あり、神楽あり、あるいはNHKの大河ドラマ、萩と近い関係があるといったようなことで、西部においても地域的にいろんな観光誘致を進めていこうという動きがありますが、そういう動きを支援していこうということ。
それから、隠岐につきましても、隠岐のジオパーク、世界ジオパークに認定をされ、4町村が一緒になって協議会をつくって、それぞれのところで観光誘客のための活動を強化しようということで動きが出てますから、そういう地元の動きに呼応して県のほうもそういう活動を支援をしていこうということです。
○山陰中央新報:3点ばかりお尋ねしたいんですけども、まず、第1点は、新年度の予算の伸び率が0.5%ということなんですけども、この伸び率をどう評価するか。積極型なのか、あるいはニュートラルなのか、控え目なのか、この0.5パーという伸びの評価をどう見てらっしゃるか。積極型かニュートラルか、それが第1点ですね。
それから、第2点は予算の消化の状況なんですけども、25年度の決算で、これ災害復旧があって、なかなか地元で建設業の受注能力が足りないのでかなりの積み残しを出したわけですね。それで、まだその要因が続いていて、やっぱり地元の建設業の受注能力が落ちてると、そういうところにさらに、確かに災害復旧は落ちますけども、その分、普通建設で補うという姿になっているんですが、果たして依然として予算が消化できてない状態で、さらにそういった公共事業を積み増す必要性があるのか、果たして地元がそれを消化し切れるのか、そこら辺の問題ですね。これが第2点。要するに地元の建設業の消化能力、受注能力の問題ですね。
それから、3点目が県財政の問題で、確かに県債全体は減ってますけども、その分、臨財債がふえてます。残高ベースでは臨財債は過去最高になっていると。新規の発行は減ってるんですけども、臨財債のストックは一番ふえてるわけですね。それで、臨財は将来、その償還については交付税で手当てをするんですけども、しかし、臨財債の償還が交付税の使い道を食っていくと。いわばその分だけ交付税がふえればいいんですけども、交付税の総額はふえないで臨財債の措置分がふえると非常に交付税の硬直化が進む、総額ふえればいいんだけども、臨財債の償還のシェアがふえますと、当然交付税の使い勝手がかなり制限されてくる。そこら辺の問題をどう見てらっしゃいますか。それだけです。
○溝口知事:最初は0.5%をどう見るかということですが、過去の10%とか何かと比べるとニュートラルに近いでしょうね。マイナスじゃないということでしょう。
○山陰中央新報:積極型ではないですか。スタンスとしてはね。
○溝口知事:積極というと、語感でいうともう少し高い伸びでだろうと思いますね。要するにゼロに近いわけでしてね。
それから、公共事業のほうは、災害復旧は進んでまいりましたからね、災害復旧は減るんです、かなり。そういうものを見越して前年度と同額ということですね。だから公共事業のとこは金額でいえばニュートラルということになりますね。総額もそれに近いものですね。減りはしないということであります。
それから、臨財債のほうは、これは本来であれば臨財債という形じゃなくて、要するに交付税そのものをふやさなきゃいかんわけですけども、国の財政がそういうことでできない状況でありますから、赤字地方債と言ってはちょっと語弊がありますけれども、地方がとりあえず借金で調達をしましょうということでありまして、臨財債の元利償還費は将来、交付税を配るときにカウントしましょうということでありまして、臨財債の償還費がふえるから財政は厳しくなるというよりも、それは国の財政全体がどう再建されていくかに依存をしてるということだと思いますね。国が地方よりも大きな借金を抱えておりますけども、それはやはり、国は税の配分からいえば多いわけですね。交付税という形で配分しなきゃいけないので、大都市から上がる分を地方に回すという仕組みをとっているわけですから、臨財債の部分はやはり通常の県債とは別に考えるべきものだろうというふうに思います。
ただ、臨財債がふえるということは、国の財政自身が弱くなっていくということですから、弱くなっていく部分の一部なわけです。そういう面で無関係とは言いませんけども、それは国全体の問題ですね。
○日日新聞:済みません、予算の関係なんですけど、今回の予算の、知事、いろいろやりたいことはあったと思うんですけども、満足度って何%ぐらいお持ちになってますか。
○溝口知事:満足度は人によっていろいろ違いますから、我々としては状況を見、それから経済の状況、あるいは県財政の状況を見て、できるだけ適切な予算を編成したという考えです。
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