1月29日質問事項1
1原発
○山陰中央新報:知事、済みません、島根原発の1号機について、ちょっとお伺いしたいんですけども、中電は本年度中に再稼働するのか廃炉にするのか判断するっていうことも言ってるんですが、松江市の松浦市長とか鳥取県の平井知事は、原則40年というのは重いというようなことも言っておられますが、改めて知事のお考えというのをちょっとお聞かせ願えますか。
○溝口知事:廃炉にするかどうかは、まず電力会社が継続して延長して行おうとするといろんなコストがかかるわけでありますし、それから廃炉に向けての計画をつくって規制委員会に審査を受けなきゃいかんと。そのためにはいろんな手続を、期限がありますからね、そういう手続の中で、電力会社がまず決めるということが、決めるのは電力会社が判断するほかないですね。いろんな事情を、一番自分のとこでわかってるわけですから。その上で、計画書をつくって規制委員会のチェックを受けて、計画が承認されると、それに基づいて廃炉、解体に向けて長いプロセスが始まるわけでありまして、私どもとしては、そうした、実際に廃炉するとしたら、廃炉・解体がきちっと行われるようにチェックを我々もすると申しますか、原子力規制委員会にきちっと審査をしてもらうと、その説明をよく聞く、そういうことが必要だというふうに思います。
○山陰中央新報:中電と安全協定も結んでますけれども、ということは、知事おっしゃると、その廃炉計画を規制委員会に出す前に、安全協定に基づいて、そこで意思を示すというか、そういう形になるという認識なんでしょうか。
○溝口知事:その手続は、廃炉に向けての計画の作業が変わりましたから、新しい作業の中でどういうふうにチェックをしていくのか、規制委員会がどういうふうに認可をされていくのか。終了となると、多分すごく長い時間がかかるわけでありますけども、その間どうするか、そこら辺はまだ決まってないですね。先に先行するところもあるでしょうし、そういうところの動きなども我々としては注視をしていきますし、そういう中で規制委員会の審査がどういうふうに行われるのかということもよくチェックをしていくということじゃないかと思いますね、当座の話としては。
○山陰中央新報:中電が廃炉にするかというのは決めることだとは思うんですけども、仮に廃炉というのを決めた場合というのは、なぜ廃炉かというのは当然、中電から考えを聞かなきゃいけないっていうようなこと。
○溝口知事:それはあるでしょうね。中電が経営の判断としてどういう判断でされたかということはあるでしょうし、それから、安全協定上は、非常に細かい手続までは書いてないわけですね。安全協定では、電力会社が原子炉を解体しようとするときは事前に島根県及び松江市の了解を得るものとするとありまして、解体しようとするというのを一体どういう段階なのか、それからいずれにしても解体しようとすると安全性が確保されなきゃいけませんから、規制委員会の審査が必要だろうと思います。そうすると、そういう審査をどういう過程でやり、それから審査結果について我々が説明を聞いたりするという作業も必要ですね。それから長い期間かかりますから、その間にいろんな知見も出てくるでしょうし、いろんな、最初に計画したとおりで済むのかどうかもわかりませんから、そのプロセスをやはりよくチェックをする、もちろんそれは規制委員会の仕事が第一ですけども、我々も規制委員会の判断などを聞きながら、どういう対応をするべきかということも関係者とよく協議をして、話をしていかなきゃいかんと。まだ、それにはもうちょっと時間かかりますね。そういうことです。
○山陰中央新報:仮に廃炉にした場合っていうのは、今、県にも国から交付金が落ちてきてるわけなんですけども、それが打ち切られるっていうことになるんですけれども、ただ、防災対策というか、その辺の財政需要はなくならないわけで、それで地元の経済の支援とかも含めて、廃炉後も一定の国からの財政措置というのは必要だというふうにお考えになりますか。
○溝口知事:一般論としてそうでしょうね。どういうふうにされるか、まだわかりませんけども、そこら辺は国ともよく話をしていかなきゃいかんですね。
それから、いずれにしても、過去に安全協定なり、あるいは交付金制度ができていますから、廃炉になったときにどういうふうにするかということは、これまできちっと整理がされてないんですね。いずれにしても、それを整理をしていくということは必要ですね。
○山陰中央新報:あわせてお伺いしたいのは、核燃料税については、来年度から出力割というのが導入されるんですけれども、これも廃炉になった場合というのは入ってこなくなると思うんですけども、それについて、また1号機について別の形で徴収するような形っていうのはお考えになってるんでしょうか。
○溝口知事:核燃料税も、廃炉になれば課税も終了となるとの表現になっていますけども、廃炉というのは、どの段階でどう見るかという問題は、島根の場合ですと出力割は、先に進んだ県の条文を参考にしてつくってますから、そこら辺は先進県でも詰めてないわけですよ。それは、その当時は廃炉になるという、相当先だということもきっとあったでしょうしね。それで、廃炉というのがどういうプロセスで起こるかということも十分、その当時はわからないわけでしょうから、だから、そういう辺を含めて、これから関係の自治体なりとも協議をしたり、あるいは国の意見も聞いたり、そしてまた規制委員会などの考えなども、工期自体が違いますけれども、廃炉のプロセスをどういうふうに考えるかということ、そういう議論が必要ですね。
○山陰中央新報:いつ安全協定に基づいて県として廃炉に対して意思を示すかはわかりませんけれども、さっきおっしゃった交付金の話だとか、地元の経済への影響への支援だとかっていうのが、それ当然廃炉にかかわる意思決定のとこの条件になってくるというふうにお考えになりますか。
○溝口知事:関係は、まず電力会社がありますね。そして電力会社も全国各地域にありますから、やはりあるとこではこうして、あるとこでは違うということはなかなか考えにくいですよね。そして、国も交付金を税で取って配ってるわけですよね。それで県とかの段階では、やはり県がいろんな方式で核燃料税って取ってますけれども、そこにおいても国の交付金と同じように、いつ、どうするかということは明確になってませんから、そういう関係者とよく話をしていかないと決まりませんね。
○山陰中央新報:じゃあ、それが明確になってこないと、なかなか廃炉云々というところ、それは安全かどうかということの事前了解になるわけですか。
○溝口知事:いずれにしても、基本的な考え方は、国の交付金を立地自治体に配付するとかいったこと、それから自治体のほうで、立地自治体、県などで核燃料税を課すということは、やはり原発があることによっていろんな経費がかかりますね。それはやはり、その電力を使う人全般が負担をしなきゃいかんので、立地自治体が負担するというのはおかしいことですから、そういう意味で、国は原発に関連した税で徴収して交付すると、県は核燃料税で交付すると、使うとね。それで周辺自治体にも県の場合は交付しようというふうにしているわけですから、そういう関係者とよく話をしませんと、最終的にこうだということは決まりませんね。そのプロセスがいずれにしても先行する、今、既に廃炉の届け出をたしか出したところもあるんじゃなかったかと思いますけども。
○山陰中央新報:はい、静岡が。
○溝口知事:ありますからね、そういうところなどとも協議しながら、島根だけの話じゃなくて、関係するところが一緒に協議をしていくということでしょう。電力会社も、島根でいえば中電だけでこうしますというわけには多分いかない。同じ電力をみんな国民使うわけですからね、やっぱり似たようなあれでないと不合理だということになるでしょうから。だから関係者も多いですからね、すぐに決めるというのは難しいですね。
それから、使用済み核燃料なんかをどういうふうに処分していくかということも決まってないわけですね。それも一つの要素ですよね。あるいはどういうふうな方法であったら安全が保てるのかということもありますし、どのぐらい期間がかかるのかと。いずれにしても、この問題は原発が国民経済に必要だということでできたことによるもんですから、一部の立地自治体とか周辺自治体に負担がかかるということは望ましくないと、全体で負担すべきだというふうに思いますね。
○山陰中央新報:知事、済みません、先ほどの話で廃炉計画を出した後に安全協定に基づいて協議をされるということですけれども。
○溝口知事:いや、出した後かどうかは言及してないんですよ。だから、いつかの段階でやるかということについても、よく話をして、詰めていかなきゃいかんと、こういうことです。
○山陰中央新報:済みません、中電から計画が出された後の県としての対応というのは、前回の知事会見のときに、再稼働させる場合は2号機と同様のプロセスというふうなお考えを言われてましたけれども、廃炉にした場合のプロセスというのは、具体的には何か。
○溝口知事:まだそこは決まってませんけども、いずれにしても規制委員会に出す前にすることもあるでしょうし、あるいは最終的に規制委員会が計画を承認するかどうかというところがポイントですよね。稼働のときは、まあやはり稼働をどうするかという、そのものについていろんな手続も必要ですから、いずれにしてもどういう段階でどういうふうにするかということでは決まったルールがありませんから、これから関係者などともよく相談をしていくということです。
○中国新聞:核燃料税の話が出たのでちょっと聞きます。
この前の議会のときに関連の条例改正案が通りまして、あのときはまだ周辺に配分するという話で松江市が6割、出雲市が2割、安来・雲南1割という方向で検討してるというような書きぶりだったと思うんですけど、あれはもう正式に決まったと、合意を得られたということでいいんですか。
○溝口知事:基本的枠組みについては合意を得られてますよ。
○中国新聞:また配分率もあれでいくということですか。
○溝口知事:配分率はそうですね。
○中国新聞:特にあれに対して周辺からの異論はなかったんですか。
○溝口知事:ありませんね。合意をされてます。
○山陰中央新報:知事、済みません、安全協定のさっきの話で、条文とか、ああいうのを読むと、普通は中電が原子炉等規制法に基づいて原子力規制委員会に廃炉計画を出す前に事前了解するかどうかっていうのが普通かなあとは思うんですけど、それを、いつの段階でそういうふうに了解出すかも含めて、今後、中電なり松江市なりと検討していくということですか。
○溝口知事:そこは、やはり立地自治体、松江市、周辺自治体、鳥取県も周辺自治体ですから、いろんな意見を聞いた上で考えなきゃいかんでしょうし、ほかの県も同じようなことがありますから、それぞれの考え方を聞いたりして、そして電力会社とも話をしたり、そういうことはやっていくんでしょうが、まだそこは、そういうプロセスを経てから決めるほうがいいだろうというふうに思ってます。
○山陰中央新報:結局審査は規制委がやるんで、2号機と同様に、これまでの2号機の2段階で了解を得るっていうようなパターンも考えられるということですか。
○溝口知事:いや、いろんなことが考えられますけども、今そこを詰めなきゃいかんということじゃ、無理ですね。いろんなことを、何が合理的かということでしょう。
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