知事定例記者会見(12月5日)
質問事項
2.特定秘密保護法案
○中国新聞
済みません、きょう、特定秘密保護法案が採決される可能性が高まってまして、そのことに関してちょっと伺います。
島根県、原発があります。で、要はそういう原発なんかというのはテロとの絡みで特定秘密というふうに指定されやすい情報なのかなというふうに私は個人的に思うんですけども、そういう、例えば特定秘密、一般の市民が知れなくなるということもありますし、地方自治体が情報をどこまで仕入れられるのかということもあると思うんですけども、その辺ちょっと原発が立地している県の知事として、この今の法案、非常に懸念の声が多いわけですけども、これが今、強行採決をされようとしていることについてどういうふうに思われるかというのをちょっとお願いします。
○溝口知事
これは報道等を見ますと、いろんなイシューが政府とその他の党の間でなされておりますけれども、やはり一つの中心は、何を秘密として取り扱うのか、それが適切であるのかどうかチェックをすると、そういう機関をどういうふうにつくったらいいかというのが大きなイシューになっていますね。それが多分現段階でもなされているんじゃないかと思いますが、それも大事なことだろうと思いますね。そういうことで、いろんな具体案も出ていますから、そういう具体案を中心に、どうされるかは国政の場できちっと議論をし、適切な対応を期待しております。
○中国新聞
かなりチェック機関についても、これが本当にチェック機関になり得るのかというような批判もありますし、最初に言われた秘密、何を秘密として取り扱うのかというのも、時の政権の都合なんかで指定されてしまうんじゃないかと、明確じゃないのでですね、そういう懸念があって、世論も反対という声のほうが多いわけですけども、それが今、半ば強引に採決されようとしていることについては、例えばここで、きょうもし仮に採決されるとなれば、それをどう思うのかというところでいうと、どうでしょうか。
○溝口知事
そこはやはり国政の場で論議を尽くしてほしいということじゃないでしょうか。
○中国新聞
あんまり望ましくないとかいうところまでは思われないですか。例えば......。
○溝口知事
そこは、両方あるでしょう。いろんな面がありますけれども、日本を取り巻く安全保障の状況が変わってきて、日本の安全保障を確保するために関係国で情報の共有をしたりするということが出てくると。そうしたときに、それに関係する日本以外の国にとってはいろんな情報が適切に取り扱われるということが必要だということがありますから、そういう観点から今の法案というのが出てきているように思いますけれどもね。それも一つの立場でしょう。
だから、それはいろんな論点がありますから、これでどっちかがどうだということはなかなか決めがたいですね。だから、そこはやはり民主主義の世界ですから、よく話し合いをし、民主主義のルールの中で対応していくということでしょう。
それから、やはり政府はいずれにしても少数であっても少数の意見に耳を傾けるということも大事なことですしね。いろんな要素がありますから、国政の場で適切に対応されることを望んでおると、こういうことです。
○中国新聞
適切にって、もうちょっと時間があればそれでいいんですけども、きょうにも採決されようとしている状況の中で、そのことについて、だから要は、それは法案が出ているのでそういう立場ももちろんあるんですけども、こんだけ、何というのかな、疑問というか、不安というのが高い法案を強行採決しようとしていることについて、知事のお考えというのはないんでしょうか。国政の場で議論してくださいって......。
○溝口知事
いや、そこまで、具体的なところまで我々が関与するわけにもいきませんからね。
○中国新聞
関与はしなくていいんですけど、その知事のお考えというのは。
○溝口知事
いやいや、それは実際のところの論議というところまでは入らないので、そこはやはり国民を代表される国会の場で処理をされるということが常道でしょう。
○毎日新聞
それはだから、国会の場でいろんな議論があっていて、それに対して、国会でいろんな議論があって、いろんなやりとりがあって、それで決まっていくものについては、知事としては、特にどんな思いも抱かないのかということ、何も、決まるんだからそれでいいですよというふうなスタンスなのかという。
○溝口知事
いや、だから、それは国政の場で論議を尽くしてもらいたいということですよ。
○中国新聞
それは、ある意味当たり前、失礼ですけど、当たり前のことであると思うんですよね、議論を尽くすというのは。そこから......。
○溝口知事
いや、それ以外にはなかなかないでしょう。
○中国新聞
知事の評価というか、どういうふうに見てるのかということなんですけど。
○溝口知事
いや、評価といっても、それは民主主義のルールでね、そういう問題については要するに安全保障だとか、そういうことにかかわる問題は国政の場で扱うわけですから、それは国政に関与している人が責任を持って対応していただきたいということでしょう。
○中国新聞
もちろん決定権を持つのは国政なんですけども、そこについて自治体にも、先ほど申し上げましたように影響が出かねない......。
○溝口知事
だから、それはいろんな議論はあり得ると思いますよ。だけど、本筋の議論はあれでしょう、かつてなかったように、こういう動きが出てきているのは、日本を取り巻く安全保障のいろんな状況が変わってきているということがメーンのテーマだと理解しておりますけど。
○山陰中央新報
知事として、必要性というのはあるとお考えですか。法案、法そのものに関して。
○溝口知事
それはあると思いますね、一定の必要性はあると思いますね。しかし、それに付随するいろんな問題も、それは全くないということじゃないんで、そういう問題も含めて、やはり国政の場で対応する、しっかり議論すると。それは国政の場に出ている人たちの責務じゃないですか。
○山陰中央新報
先ほどから同じ質問で申しわけないんですけども、審議の過程では強行採決という批判も野党のほうからありまして、それを踏まえて、時期がまだ成立に早いんじゃないかという批判もあるんですけど、そこら辺に関して、国会の審議の過程と国会運営についてはどういうふうにお考えですか。
○溝口知事
そういうことが起こらないように、早くから準備をされないといかんということでしょう。議論をしなきゃいかんと。
○山陰中央新報
それとあと、先ほど原発の話でしたが、竹島という問題もあると思うんですけども、この法が成立したことに伴う県政への影響、県への影響というのは、どのように考えておられますか。
○溝口知事
外交問題ですからね、それは県でそれぞれどうするかという話よりも、外交問題についてはやはり政府がこれも責任を持ってやるほかないわけですよ。
○山陰中央新報
原発の問題ですとか竹島の問題、情報が......。
○溝口知事
いずれにしても、そういう外交、竹島の問題はいろいろありますよ。だけど、それは日韓間の問題だとかになると、それは政府間でやるほかないです。
○中国新聞
原発でいうとどうですか。必ずしも外交ということじゃないと思うんですが。というか、必ずしもというか......。
○溝口知事
原発のどういう問題ですか。
○中国新聞
例えば原発の、例えば、何だろうな、実際、核燃料の輸送とか今やってますけども、その輸送についても市民団体とかからは、前に比べると情報公開度が少なくなったとか、そういう問題、僕らもその取材してても非常にセキュリティーが厳しくなって、写真撮影なんかでも、ここを撮るなとか、そういうことを言われるわけですけども、それはなぜかというと、テロ特措法というのがあって、テロの懸念、テロの標的になる懸念があるからということで、そういう情報がどんどん、何というのかな、私たちは市民に伝える立場ですから、市民に伝えられる情報量が減ってるわけですよね。そういうことも考えられるんですけども、今後。
○溝口知事
だけど、それは今の法案と直接関係あるんですか。そこが僕はわかんないんだけども。今の法案ではなくて、そういう手だてがなされているということじゃないんですか。
○中国新聞
それはそうなんですけども、写真撮影の分はですね。ただ、そういう根っこのところで、例えば特定秘密に指定するときにテロ対策という名目になった場合に、そういうことも起こり得るんじゃないのかという......。
○溝口知事
だから、そこはいろいろな論議があるでしょうね。
○中国新聞
そういう、これまでのこの法案が提案されてからの間で、担当、例えば竹島であったり原発であったりの県の担当部署の方とそういう意見交換というか、今は全くされてないんでしょうか、この問題に関して。
○溝口知事
いや、してますよ、担当部署からも聞いてますよ。
○中国新聞
それはそういう何か自治体に対する情報が入ってこなくなるんじゃないかという議論はないと。
○溝口知事
そこはあれですね、要するに具体には聞いていませんね。
○中国新聞
そういう声はないわけですね、県の中には。
○溝口知事
いや、あなたの言われるようなところまで詰めているわけじゃありませんけどもね、要するに外交の問題としてこの秘密の問題が議論されていますけれども......。
○NHK
外交だけじゃないでしょう。
○溝口知事
いやいや、主たるところは。
○中国新聞
だけども、外交面で、要はテロの標的になるからということで、仮に特定秘密に......。
○溝口知事
そこはいろんな状況を想定するということがあり得ると思いますけれどもね。だけど、それはいろんな論議があるけれども、そういう中でどうするかというのは、やはり議会の中で、議会のルールに沿ってやるほかないんじゃないですか。
○中国新聞
ということは、現段階では議論はもちろんされてるということだったんですけども、県のほうに例えば国のほうから情報が入ってこなくなるんじゃないかというところまでの懸念はないという。
○溝口知事
外交の問題に関して、それは政府自身がしなきゃいかんものはあるかもしれませんよ。だけど、そういうことでこちらに、県の行政に対してこれまで大きな問題が生じたということは聞いておりませんけどもね。ただ、あなたがおっしゃったように、原発の核燃料といいますか、あれを輸送するときなんかに、そのルートなどについて一定の手だてがなされるということはあると思いますけどもね、それはむしろ住民の安全を考えてのことでしょうしね。
○中国新聞
一定の何がなされると言われました。
○溝口知事
いや、措置がなされる、私も詳細は知りませんよ、そこはちょっと現実のところは、今突然聞かれてあれですけども、要するに住民の安全を守るという観点からね、それはあるでしょう。
例えば非常に危険な物資が来るときに、どうですか。そういうものについて必要以上に情報を提供するというのがいいかどうかという問題は、一般論としてはあるでしょうね。ただ、具体的にどうなっているかというのは承知していませんから、今、それについての具体的な返答はできませんね。ただ、今まで県自身として、それで困ったというような話は、私自身は聞いておりません。
○中国新聞
いやいや、これまでじゃなくて、今後、さっきも言ったように、何が現実に指定されるかというのがあやふやなところに問題があるというのが今回の法案だとさっき言われましたよね。だから、そうした場合に、これまでじゃなくて今後、そういう懸念があるんじゃないのかという......。
○溝口知事
だから、そういう面において、国において第三者委員会をつくる、つくらないという議論がある。あるいはそういうやり方では、第三者機関でいえばいろいろ議論があるわけでしょう。現実になされているわけですね。だから、それは国政の場でそういう問題についてきちっと調整を図る必要があるというふうに私は思います。
○中国新聞
調整というのは、第三者委員会でそういう外部からしっかりと監視をするようなというか、意見を言うような、しっかりとした機関を置くことによって国民の理解を得る必要があるということですか。
○溝口知事
だから、それは曖昧なことで厳密なことをここで議論するわけにはいきませんけれども、そういう問題があるのは事実ですから、それについて国政の場できちっと論議をし、詰める努力をするというのが国政に関与している方々の役割であり、政府の役割じゃないですか。
○朝日新聞
知事、さっき、先ほど法案について、一定の必要性はあると思うけれど、付随する問題も全くないとは思わないとおっしゃいましたが......。
○溝口知事
修正は言ってないですよ。
○朝日新聞
必要性はあると思うけれど......。
○溝口知事
あ、必要性ね。
○朝日新聞
はい。付随する問題も全くないとは思わないって言われましたけど......。
○溝口知事
だから、今の......。
○朝日新聞
その付随する問題っていうのを具体的におっしゃって......。
○溝口知事
いや、だから、それは今、国会の中で論議されているように、第三者委員会などでチェックをするということでしょ。
○朝日新聞
第三者委員会がチェックするというのは、付随する問題じゃないですよね。
○溝口知事
いやいや、付随する問題があるから第三者委員会でチェックをするということですよ。
○朝日新聞
あ、付随する問題は何でしょうか、知事が考えられる。
○溝口知事
いや、僕が考えてるわけじゃなくて......。
○朝日新聞
でも、あるっておっしゃったじゃないですか。
○溝口知事
いや、いろいろ新聞でおっしゃってるようなね、我々が知るようなことで、そういう論議がなされてるというのは承知してるということですよ。
○朝日新聞
付随する問題が全くないとは思わないっておっしゃったんで、知事が思ってらっしゃることがあるんだと思います。
○溝口知事
いや、それは報道でされてるから、そうだろうと推定をしているということですよ。
○毎日新聞
それは......。
○溝口知事
というのは、私がそんな細かい論議まで関与しているわけじゃありませんから、そこは私の得られる情報で見ると、今、あなたからも指摘がありましたけれども、いろんな論議があるというのは報道されてますから、そういう報道を見る限り、そういう問題があるんだろうなと推定をしておるということです。だから、そういう問題について国政の場できちっと論議をして、適切な対応をしてもらいたいということを申し上げているということです。
○毎日新聞
法律ができると、溝口知事もどう頑張っても知ることができないものっていうのが政府の中の情報としてこれからたくさん出てくるということになると思うんですけれども、知事がもし知りたいと思ったことが全く知れないというような状況になるわけで、それについて知事は不安とか、そういうものは感じられませんか。
○溝口知事
それは一般論でしょう。どういうケースをあなたは言ってるのかわからないと、答えようがないですね。
○毎日新聞
いや、でも、どう頑張っても、知事が、よく霞が関のほうに出張で行かれますけれども、行かれても絶対にわからない情報っていうのがこれから何らかの形で出て、それで何が知事の耳に入ってこないのかということすら秘密になってるという状況だって考えられるんですけれど......。
○溝口知事
だから、あなたがどういうケースを言っているのかおっしゃっていただかないとわからないですよ。
○中国新聞
ただし、どういうケースがというのは、さっき冒頭に言われたように、やっぱり秘密が何であるか、何になるのかというのが非常に恣意的に決められるというのが問題だというふうに言われているんで、一回決まってしまうと、何が一体その秘密に指定されるのかというとこも含めて、非常に危ない法律だというふうに思うんですけども、その辺、国政の場で議論するのはというのは、本当当たり前の、失礼ですが、当たり前の話であって、そこに知事がどういうふうに思っているのかというのをさっきから何度も聞いてるわけです。
○溝口知事
いや、だから、そこは第三者機関とかでチェックをするというようなことも論議の俎上に上がっているわけでしょ。だから、そういうことをきちっとやっていただくことが必要だということを繰り返し申し上げていると。
○中国新聞
そのきちっとやっていただくの中身をもうちょっと言ってください。
○溝口知事
いや、それ以上はありませんね。
○山陰中央新報
第三者機関の話は、衆議院で出てなかったものがいきなり参議院で出てきたりして、参議院議員も驚かれてる人もいるようなんですけど、そういった議論のされ方について、知事はどのようにお考えですか。
○溝口知事
それは、論議がいろんな場でなされるということの一つのあれじゃないですか。
○NHK
でも、議論がきっちり、何かされてないというか、衆議院で通りましたけど、衆議院でもそういうふうな話をするべきだったんじゃないのかなと思うんですけど、何か固まらないまま進んでいってる気がするんですけど、そういうところはどうですか。
○溝口知事
衆議院でも議論はありましたね。
いずれにしても、それぞれの国政の場でルールがあるわけですから、そしてそれぞれが果たすべき役割があるわけですから、そういうものを踏まえて、それぞれの関係者が最善の努力をするということしかないんじゃないですか。
じゃあ、いいですか。それじゃあ、終わります。
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