知事定例記者会見(11月13日)
質問事項
1.島根原発に伴う訓練、安全審査等
○山陰中央新報
知事、済みません、昨日、小泉元首相が原発に関して即ゼロがいいというような発言をされておられるんですけども、それについて知事の所見をお伺いしたいんですが。
○溝口知事
小泉さんの発言は、いろいろ報道出ていますけれども、それは詳細を私も承知しているわけではありませんが、小泉さんのお考えだと、こういうことだと思います。それは人によりましていろんな評価の仕方が違いますし、また見方も違うわけでありまして、いろんな見解があり得るだろうというふうに思います。日本の中でやはりいろんな見解があって、そういう中で、大勢としてやっぱりどうだということが問われることになるんではないかというふうに思います。
○山陰中央新報
小泉元首相が即ゼロと言う背景には、最終処分場の選定がなかなか困難だというようなことを言っておられるんですけれども、知事としては、そのあたりについてはどのようにお考えでしょうか。
○溝口知事
そこは、国のエネルギー政策全体の中で考えていかなければならないと思います。そして、そういう問題につきましては、エネルギー政策全般を国として見ておられる政府によって判断をされると、それを国民に説明をされるということではないかと思いますね。
○山陰中央新報
それは例えば再稼働の議論に入った場合に、そういった候補地の選定であるとか、そういったことも国のほうでちゃんと示さないと議論はできないということなんですか。
○溝口知事
そこも県民の方々の意見、あるいは議会の意見、いろんな意見を総合的に勘案して考えていくということではないかと思いますね。
○毎日新聞
済みません、5日と10日にやられた原発事故想定の訓練のことで改めてお伺いしたいんですけれども、2日目、10日にやられて、少し日がたっておりますけれども、知事として今回やられて、多少の検討はされてらっしゃるとは思うんですが、何か課題で浮き彫りになったなと思うようなものっていうのはありましたか。
○溝口知事
課題と申しますか、一番の課題は、やはりこういう訓練を重ねていくということが大事ではないかというふうに思いますね。住民全員の方々が参加できるわけでもありませんし、そしていろんな事態が想定もされますし、こういうものを積み重ねていくということが大事な課題ではないかというふうに思います。訓練をしながら、想定をしないような事態も生じますから、そうしたときにどうするのかとか、あるいは訓練をしながら様子を見て、さらに対応しなきゃいかんようなものに対して対応していくとか、積み重ねていくということが大事だということですね。
○毎日新聞
訓練、ことしの1月にもやって、今月もやって、2回で、県の訓練を、いろんな訓練を拝見してると、知事が常にいらっしゃるというようなものを想定していろんな訓練......。
○溝口知事
ん。
○毎日新聞
いや、知事が常に災害本部にちゃんと出てるというような状況で、その指揮官である知事が常にいらっしゃるという状況でやってらっしゃるように見えるんですけれども、例えば知事が上京しているとか、いろんなことも想定されると思うんですが、事故はいつ起こるかわかりませんし、そういう意味で、例えばそういう知事がいないとか、いろんなそういう想定というのは今後考えてやったりということはあるんですか。
○溝口知事
ええ、ありますが、いや、考えることも必要ですけども、それは基本形の応用形になりますね。基本形で、私が仮に東京なんかにいた場合は、それは代理の者がやらなきゃいかんわけでして、だから、それは連絡系統をしっかりしていくということで対応できるわけですし、いろんなことがあると思いますね。
○毎日新聞
それは現状でいうと、今知事がおっしゃったみたいに、知事が上京していないとか、離れた遠方にいて、すぐに県庁に入れない、そういうような状況だとしても対応は可能だと。
○溝口知事
ですね。一つは通信網がいろいろありますからね。それから衛星電話というものも使えるようにしていますから連絡は可能だと思います。
常時何か指示をするわけではなくて、一定の報告を受けて、じゃあ、こういう指示でいきましょうということでありますし、そこら辺は応用形として、その訓練の中でこれからもやっていく必要があるというふうに思います。
○毎日新聞
応用なので、それはそういうことも想定されるというのは当然あるわけですね。
○溝口知事
それはありますね、これから。それは別に訓練としてその場でやらなくても、そういう連絡網を使って連絡をするということを確認をしておけばいいわけですね。
○毎日新聞
例えば福島の事故のときなんかでいうと、東京電力さんなんかは会長さんも社長さんも東京にいなくて、会長さんは海外にいらっしゃったりとか、そういうようなことで、非常にその後大きな問題になったりとか、近いところでは、この前の知事定例会見のときにも話題になりましたけれども、伊豆大島の町長さんがまさに隠岐島にいらっしゃったわけですけど、そういうふうに離れていて、なかなか対応がすぐできたのかどうかというのがその後、検証が求められたりとかいうような事態になってますけども、島根県の場合は、今のお話だと通信網なんかも設備してるんで、そういうような事態は起こり得ないというふうに考えてらっしゃるんですか。
○溝口知事
得ないじゃなくて、それはいろいろな事態がありますからね、そういうときの想定も考えて訓練を行っていく必要があるということだと思いますし、そういう訓練は、訓練というよりも確認でもできますね。
○毎日新聞
確認。
○溝口知事
ええ。そういう連絡をどうするかというようなことを日ごろから。
○毎日新聞
衛星電話というのは、それは知事は上京されるとき、常に衛星電話を持っているんですか。
○溝口知事
向こうにあるわけです。
○毎日新聞
東京事務所にあるということでね。
○溝口知事
車の中に。
○毎日新聞
東京の車の中にある。
○中国新聞
済みません、原発の安全審査のことで伺います。
中国電力、今、御存じのとおり2号機と3号機で申請の準備を進めているというふうに言っておりまして、先日報道されたんですが、松江市の松浦市長がその3号機について、2号機とは多少性格が違うと、それはまだ新規稼働の原発に当たるので、もう既に稼働実績がある2号機とは違うということを言われました。確認なんですけども、知事、今は中国電力は2号機と3号機で進めているということで、公にはどちらを先に出すとか、そういう話はしてませんけども、知事のお考えとして、これから地元説明というステージがやってくるわけですけども、2号機と3号機の違いというか、例えば申請をどちらが認めやすいのかであったりとか、その辺も含めて、ちょっとその性質についてどういうふうにお考えなのかというのを伺いたいんですけども。
○溝口知事
3号機は工事が完成したチェックがまだ行われていないわけでありますから、そういう点では2号機と違うわけですね。3号機のようなものについてどう取り扱うかは、それは規制委員会が審査をする中で、あるいはする前に決められることでしょうから、こちらに考えがあるということはないです。要するに規制委員会としてどういう取り扱いをされるか、規制委員会として必要な審査はそれぞれおやりになるということじゃないかと思います。
○中国新聞
ということは、知事として特に性格が違うということはないという......。
○溝口知事
いや、性格というか、性格というよりも、まだ完成して、完成したチェックは終わってないですわね。だから、それは状況が違うわけですから、それに応じた審査をきちっとやっていただきたいということですね、考えということでいえば。ただし、それをどういうふうにされるかというのは、今の段階で明らかでありませんから、それは規制委員会できちっと対応していただきたいというのが我々の考えです。あなたの質問に答えるとすれば。
○中国新聞
ということは、安全協定に基づいて地元の事前了解というのを求めている立場からすると、今、国が、言われたように3号機、新規稼働の原発についてどういうふうな審査をするかというのは明らかにしてない状況ですよね。
○溝口知事
ええ、だけど、それは必要なときにやられるんだと思いますよ。
○中国新聞
やられるんでしょうけど、まだ今やってないという状況で、仮にそれが出てきたときというのは、2号機はもう完成してるんで、すぐ話が進んでいくと思うんですが、3号機の場合はどういうふうになるというふうに思われますか。
○溝口知事
いやいや、それは私が想像してもあれなんで、それは規制委員会がきちっと対応してほしいというのが我々の立場です。
○中国新聞
対応というのをもうちょっと具体的に言っていただくと......。
○溝口知事
だから、必要な審査をやっていただきたいということです。
○中国新聞
審査というか、その審査の前提の話だと思うんですけど......。
○溝口知事
いや、だから、審査というのは広い概念で使っているわけですけどね。
○中国新聞
ええ。
○溝口知事
完成の審査もあるでしょうし、それは、いや、どういう違いがあるのか、審査の中で違いがあるのか、そこはそういうものを判断するのが規制委員会の仕事ですからね。
○時事通信
済みません、関連してなんですが、松浦市長は3号機の事前了解については、国がエネルギー政策を策定しない限りは、その事前了解についてもイエス、ノーって是非を判断できないということだったんですが、知事としては、そういうことはないと。
○溝口知事
いや、松浦さんから直接聞いてませんから、あなたの解釈でいいのかどうかがわかりませんので、その点についてはコメントしかねますね。
○時事通信
いや、済みません、じゃあ、松浦市長がそうおっしゃったことについてはどうお考えですか。
○溝口知事
いやいや、だから、松浦さんがどうおっしゃったかというのを、私も要するに報道でちょっと見たぐらいのことですから、曖昧なことについて申し上げるのは適当でないと思います。
○時事通信
国のエネルギー政策が決まってない状態で、新規稼働に当たる3号機の事前了解の是非は、この国のエネルギー政策が決まらない限りは判断できないということ......。
○溝口知事
いや、だから、そこの点がどう言われたかわかりませんから、その点についてコメントはちょっとできませんね。
○時事通信
済みません、次回伺うので、その点についてのコメントをごらんになってきていただいてもよろしいですか。
○溝口知事
いやいや、いずれにしても規制委員会が、いろんな原子炉があるわけですけども、それに必要な安全審査はやる義務があるわけですね。それが規制委員会の仕事ですから。だから、私どもとしては規制委員会にきちっと必要な審査をしていただきたいと、こういうことです。
○時事通信
事前了解は規制委員会が審査するわけじゃないという......。
○溝口知事
事前了解というか、最終的に要するに審査を受け付けるかどうかということを含めて、それは規制委員会がお決めになることですね。
○時事通信
だって、それは安全協定は県と市が中電と結んで、それで、その部分については規制委は関係ないと......。
○溝口知事
いや、だからそれは、規制委員会がどう取り扱われるかを規制委員会に確認をしなきゃいかんと思いますよ。
○時事通信
じゃあ、事前了解が中電から求められてきたら、知事は規制委員会に......。
○溝口知事
事前了解っていうか、要するに審査を、要するに申請する、それを受け付けるというのは規制委員会の仕事ですから、それは規制委員会できちっとやっていただきたいということです。
○時事通信
はい。事前了解は、知事のほう......。
○溝口知事
だから、そこはそういう細かいとこまではちょっと私も今、この場でお答えできませんね。それはむしろ規制委員会に聞かないといけませんよね。あるいはそれは中電が聞いて、こういうことですよという説明をしなきゃいけない。我々がする話じゃない。
○時事通信
松浦市長のこの認識について、どう思われてるかっていうのは。
○溝口知事
いや、だから、その松浦さんの発言が、私は直接聞いていませんから、間違ったことを言ってもいけませんから、それはコメントは控えますが、いずれにしても、審査をするのは規制委員会ですから、規制委員会がどういう手続でやられるかというのは説明が必要でしょうね。
○時事通信
安全審査についてはですね。
○溝口知事
うん。
○時事通信
はい。事前了解は、安全審査と違って、その前の段階で県なり市が判断するものだと思うんですが......。
○溝口知事
だから、それは聞いて判断をするということでしょうね。
○時事通信
事前了解をなされた規制委員会に大丈夫かって聞いて。
○溝口知事
それは中国電力が規制委員会に聞いて、我々に説明していただくということじゃないですかね、一つは。
○時事通信
その3号機についてはですね。
○溝口知事
いやいや、だから3号機、まだ私のほうはどうされるか、まだわかりませんから。
○時事通信
済みません、わかりにくくて。
○溝口知事
こういうような問題は、それは規制委員会がどうされると、規制委員会の判断はこうですよというのがないと、コメントしようがありませんね。
○中国新聞
少なくとも完成してないというとこで、2号機とは違う状況だという御認識であることは、これは間違いないですよね。
○溝口知事
そうですね。
○中国新聞
とすると、完成してるものについて事前了解を求める動きというのが今後想定されますけども、完成してないものについても今、中国電力は準備を進めていると言ってるんで、そうやってきた場合にどう対応されますかということです。
○溝口知事
だから、それは規制委員会がそういうものについてどう取り扱われるかというのを中国電力のほうが聞かなきゃいかんでしょうね、審査を申請するに際して。
○中国新聞
中国電力がやらなければいけないんですね。
○溝口知事
いけない面もあるし、それから規制委員会がそれに対して答えなきゃいかん部分もあるでしょうね。だから、そこら辺はまだ現実になされていませんから、そういうものについて想定した、状況を想定してコメントしても、間違いがあってもいけませんから。
○中国新聞
そこは大枠のとこなんで間違いはないと思うんですが、ちょっと確認したいのが、今、議会答弁なんかで、この前の総務委員会でもありましたけども、要は最初のとこというのは国の審査が始まる前のとこなんで、そこで一旦受けて、またその審査が終わった後に詳細な説明を求めて、そこで実質的な判断をしていこうという流れだと思うんですけど、その最初のステップというのを認めたら審査に入っていくわけですけど、3号機と2号機、状況が違うんで、それを要は2号機だけじゃなくて3号機にもその流れが当てはまるんですかという......。
○溝口知事
いや、だから、それはむしろ中国電力がどうされるかを見て、規制委員会に確認をしたり、あるいは中国電力から規制委員会に確認をしてもらったり、そういうものを踏まえてどうするかということを決めていくということになるでしょうね。
○中国新聞
その辺の、3号機というのは非常に特異な立場にある、全国でも、原発なんですけど、その辺の考え方を規制委員会のほうから早目に示してほしいというお考えはありますか。
○溝口知事
それはできればしてもらったらいいと思いますけれども、まだそういうことになっていませんね。だけど、いずれにしても中国電力が申請をするというときには、その間の事情を規制委員会に確認をするとか、そういうことをした上で我々にも説明をしていただくというのが必要でしょうね。我々のほうも、そういうものがあれば、それを規制委員会にも確認をしていくとか、聞いていくとか、そういうことじゃないですか。
○中国新聞
それは事業者としての安全審査なので、あくまで中国電力が申請をするのであれば中国電力が確認するべきだと。
○溝口知事
まずやらないかんでしょう。それで規制委員会の見解はこうですよというのもあるし、我々もそれを踏まえて、また規制委員会に問い合わせるということもあるかもしれませんね。まだそういう事態になっていませんから、仮定の問題ですから、あんまり仮定の状況で厳密なことを言うのは難しいですね。
○中国新聞
厳密な、まあ厳密なことというか、準備を進めていると言っている以上は、可能性があることなんで、それはどういうふうに大枠で対応されるのかというのを確認したい。
○溝口知事
だから、大枠としてはその程度かなと。それ以上のことはわかりませんね。
○山陰中央新報
じゃあ、総務委員会で、まだ2号か3号か、あのころもわからなかったんですけれども、県としては2段階の手続を追って事前了解の判断をされるということですけど、これは2号、3号にかかわらず、どちらも大枠としてはそういうやり方でやっていくという認識でよろしいんでしょうか。
○溝口知事
いや、だから大枠としてはそうだろうと思いますけども、それは曖昧な、まだ要するに3号機のようなものをどう取り扱うかについて規制委員会のほうで説明がありませんからね、だから、それはそういう時期になれば、きちっと説明をしてもらいたいということでしょう。
○山陰中央新報
仮に何か規制委員会のほうでそういった方針が示された場合は、枠が変更する可能性もあるということ。
○溝口知事
いやいや、だから大枠といっても曖昧なあれですから、そんなにかちっとした定義があるわけじゃありませんから。ただ、審査前、審査をしてもらう申請の段階で我々としては一回チェックをしますと。それから終わった段階でよくまた説明を受けてチェックをします、そういう2段階がありますよということで、そのコロラリーとしてね、それは3号機と2号機の若干の違いのようなことは、それはあるのだろうと思いますけども、そこを今、厳密に議論してもわかりませんから、わからないというのは規制委員会がそういう問題に対してどうするということを言っていませんからね。
○山陰中央新報
規制委がそういう方針を示さない限りは、大枠、2段階のやり方でやっていくという......。
○溝口知事
やり方の中で考えていくということぐらいしか言えないでしょうということを言っているだけです。
○時事通信
知事、済みません、こちら......。
○溝口知事
そういう手続を今決める必要はなくて、それは規制委員会なりの考えが出れば、それに対してどうするかというのを我々が考えていくということなんですが。
○時事通信
市長会見の議事録、今、改めて伺いますが、済みません、事前了解について、国がエネルギー基本政策みたいなのを出さない限りは、市長として3号機について判断できないということでよろしいですかという質問に対して、市長がですね、まず前提として、やはり国としての基本的なエネルギー政策、あるいは今後の原発の新規稼働というのをどういうふうに考えるのか、基本的な考え方が出ないと、私たちだけの判断でいい悪いということは言えないということなんですが。
○溝口知事
それは要するに原子力発電が必要だということについてのエネルギー政策上の政府の見解が必要でしょうということを言っているわけです。だから3号機、2号機も同じですね。
○時事通信
いや、3号機だけについてですね。
○溝口知事
いや、それは要するにエネルギー政策上、原発が日本経済のために必要かというのは、それは大前提ですね。
○時事通信
それが必要ということですね。
○溝口知事
うん。それは3号機、2号機にかかわりなくですね。
○時事通信
国のそういうエネルギー基本政策というのが出ない限りは......。
○溝口知事
基本政策というか、そういうものについての見解ですね。
○時事通信
国のエネルギー基本政策について出ない限りは、3号機については判断できないとおっしゃったんですね。
○溝口知事
いやいや、3号機じゃなくて、原発そのものについて、各地とも同じじゃないですか。
○時事通信
その3号機が新規稼働に当たるので、国がその新規稼働自体を認めるのかどうかというのは、やはり国にそういう大まかなエネルギー政策を出してもらえないと、3号機の事前了解についても判断できないという......。
○溝口知事
事前了解というのは何の事前了解ですか。
○時事通信
安全協定上のですね。
○溝口知事
いや、審査が終わった段階ですか。
○時事通信
いや、審査前です。安全審査前の稼働、稼働じゃなくて......。
○溝口知事
うん、だからそれは原発全体について、再稼働についてね、政府は再稼働が必要だというエネルギー政策上の判断が必要でしょうということですね。
○時事通信
いや、重ねて、済みません、詰めて伺ったら、もうその事前了解の段階でということですか。
○溝口知事
いやいや、それは3号機であれ2号機であれ、ほかの原発であれ、再稼働が必要だということについては、エネルギー政策上、やっぱり原発が必要だという政府の考え方が示されるということが必要でしょうということです。
○時事通信
知事も同じような立場ということですか。
○溝口知事
ちょっとわかりませんね、あなたの言っていることが。
○時事通信
済みません、僕もちょっとわからなくて、知事のおっしゃっていることが。
○朝日新聞
済みません、関連して、この前の防災訓練でもやっぱり皆さんが感じたと思うんですけど、相当県民はやっぱり大きなリスクを背負っているという現状があって、福島ではもう帰還は困難であるというような現実が今出てきている状態なんですが、国は経済政策上、原発が必要だとしましても、そのリスクを背負ってまで原発を抱える県民にとってのメリット、見返りみたいなことというのは、知事は具体的にどのように考えてらっしゃいますか。これ原発が島根にあることで、何が県民にとってはいいことがあるというふうに、リスクに見合うものがないと、当然納得できるものじゃないと思うんですけども。
○溝口知事
それは難しいことですけどもね。原発というのは、そういうリスクがありますが、それを建設を認めてきたのは過去においてなされたわけですね。その時代、その時期においては、福島で起こったような事故が起こるという可能性はほとんどないという想定でエネルギー政策が始まったわけですね。それで、原発の立地自治体に対しては、いろんな安全対策ももちろんですけれども、経済振興だとか、いろんな対策も打たれて行われてきたわけですね。それでその後、福島のような事故が起こったと。それはやはり地震とともに津波が生じて、大きなああいう津波が生じて冷却体系が機能しなくなるというようなことは想定されていなかったわけですね。
福島の原発はやはり冷却水の供給ができなかったということですから、そういうものに対する新たな安全基準を規制委員会がつくられて、それから地震動についても今後大きな想定をして、安全になるような対策を打って、それでエネルギー政策上も引き続き原発が必要だから、国としては稼働をしなければならないだろうというのが政府の考えなわけですね。そういう文脈の中であなたの言ったような問題は考えないといけないと思いますね。
○朝日新聞
安全対策は、ある意味当然なところであると思いますし、そういう意味では、島根県民は国のエネルギー政策に貢献しているんだというような、何か観念論的な、そういうメリットしか今ないように感じられるんですけども、もう少し何か......。
○溝口知事
だから、そこは要するに原発を、島根原発を認めた段階で、もうそこの判断は一定行われたわけですね。
○朝日新聞
そこの軌道修正というのは、もうできないものなんでしょうか。
○溝口知事
それは、さかのぼって修正するということは、それは原発そのものをなくそうと、必要ないと、そういうやっぱり政府の判断が必要でしょうね。
○朝日新聞
知事、あと関連して、3号機との違いというのは、やはり今はただのあれ、取り壊したところで産業廃棄物だと思うんですが、一旦起動して運転開始をすると、全て放射性廃棄物になってしまいますよね。そうすると、40年とプラス20年、最長60年、半世紀以上動いていく原発ということになると思うんですね。今、国際的な状況を見ると、アメリカでシェールガスが甚大な埋蔵量があって出てきていると。ロシアにも天然ガスがあって、非常に今、エネルギー政策が動いている中で、国が今持っている考えというのは今後、恐らくまた変わってくることがあると思うんですが、そこで3号機を動かすというのは......。
○溝口知事
だからそれは、そういう点を含めて、あなたがおっしゃったような意見もあるでしょうし、違う意見もあるでしょうし、そこはやはり我々が県民全体のことを総合的に考えてどうしていくかということでしょうが、その前提として、政府は日本の経済のために原発による発電が必要だという判断があって出てくる問題ですね。
○中国新聞
知事、済みません、安全審査の件で、中国電力は一貫して早く早期稼働を目指しておりまして、安全審査についても2号機、3号機で準備を進めていると。早く出したいということは言っておられます。知事は、さっき言ったように、最初は申請することだけ了解して、内容については後で国から説明を受けましょうということですが、今、これは今のタイミングというのが、2号機についてですけども、2号機について、最初に知事が言う申請することだけ了解するというのに、今、そういう環境にあるのかどうか、タイミングとしてですね。現状、それがもし来たときに知事として了解できるようなタイミングにあるのかどうか、これは時期の話ですけども、その考え方を。
○溝口知事
どういう意味ですか。
○中国新聞
今、仮に中電が2号機の申請に対して事前了解をしてくださいというふうにやってきたときに、知事が言われている申請することだけ了解するというのができるタイミングにあるのかどうか。
○溝口知事
いや、それは仮にそういう申請があれば、県民の方々の意見でありますとか周辺自治体の意見でありますとか、議会の意見でありますとか、やはり総合的にそういうものをお聞きして、その上で判断するという問題でしょうね。だから、一般論としてどうかというよりも、それは先ほど来からありますし、原発を直ちにゼロという考えだって、それはあるわけですからね。だから、そういう中で県として判断する際には、そういう多くの方々の意見をできるだけ聞いて総合的に判断していくということだと思いますね。
○中国新聞
他者の意見というのはもちろん重要で、聞かれると思うんですけども、知事の、一般的な話じゃなくて、知事自身のお考え......。
○溝口知事
いや、知事はやはり、この場合の知事の仕事は、みんながどう考えるかということをよく把握するということが知事の任務ですね。
○中国新聞
ということは、知事の考えありきで聞いていくということではないということですか。
○溝口知事
ん。
○中国新聞
知事の考えありきであって、ありきというか......。
○溝口知事
そうではないですね。
○中国新聞
それをもって......。
○溝口知事
私が何か固定的な考えを持っているということじゃないです。やはりそれは先ほど来ありますように、いろんな意見があるわけですから、やっぱりそういうものを総合的に判断するということが必要だと思います。
○日本海テレビ
知事、一つ伺いたいんですけど、原発の訓練で、避難訓練に今、全国の中でも力を入れているほうだともちろん受けとめているところもあるんですけれども、やはり原発、いろんな、先ほど知事がおっしゃったみたいに、稼働、そのまま稼働、次稼働するのかしないとかいろいろあると思うんですけど、やっぱり県民といいますか、県境を越えて周辺の方々は、いかに安心・安全、安心に思ってもらえるかということだと思うんですけれども、そうなってくると、やはり避難ということが非常に大きな、再稼働に向けて大きな、知事が県民と周辺住民に対してもたらす、やっぱりやるべき大きなことだと思うんですけども、伺います。
今後、安全審査とかいろいろ出てくる中で、避難というところのポイントということが、やはり県民の方々に、仮に原発を再稼働するとなったときにも、ある程度担保していくということは大事だと思うんですけども、この間の訓練では、まだまだつまり渋滞を、つまり非常に地形的に島根県の場合は橋が5つあったりとか、特に鹿島の方々ですね、やっぱり移動する場合というのは渋滞が少なからず起きるだろうということは言われているし、そういう研究しているところもあったりしますし、特に福島の場合、30キロ圏どころか、40キロとか、幅広い範囲内で大混乱が生じるだろうという、そこのところをいかに安全に避難できるかという、想定外なことはある程度もう言えなくなっているわけですから、するかということがポイントだと思うんですけど、今後、島根原発の動きで中国電力が、国とのやりとりはある中で、国はここまで避難ということをもうちょっと進めてない、そういう中で島根県はある程度進められてるのをよく踏まえた上で、避難というところのウエートですね、そこのところが今後大事になってくると思うんですけども、知事の安全審査がこうやって進められていく中で、再稼働に向けて動きが進められていく中で、避難ということのウエートについて、ちょっと教えてください。
○溝口知事
そこは、やはり一つはそういう体制が動くように枠組みをつくるということですね。
○日本海テレビ
国ということもあわせてですか。
○溝口知事
いやいや、我々のほうでね。
○日本海テレビ
我々が。はあはあ。
○溝口知事
それはやはり、さらにその中で訓練をやり、訓練を重ねたり、あるいは足らないところを補ったりしながら、そういう体制を強化していくということですね。どこまでどうというのは、それはなかなか判断しにくいですね。
○日本海テレビ
かなり緻密なものをより目指されていると思うんですけども、私のイメージでは、中国地方全体の中で、どうやってそれを机上訓練じゃないですけども、どうやってそれを、できるだけ多くの人を安全に、安心させるか、避難できるのかというところも同時進行で、原発のほうの安全ももちろんそうなんだけども、人々の安全みたいなものもやっぱりかなり練っていく必要がもちろんあると思うんですけども、今後、訓練を重ねるというのはよくわかるんですけども、何かその辺で、国ももうちょっとその辺も知事のおっしゃるとおり避難というところがあんまり表立って出てないような感じもするんですけれども、そこのところのやっぱり......。
○溝口知事それは段階があると思いますね。
○日本海テレビ
段階が。はあはあ。
○溝口知事
避難場所を決め、それからルートも決め、それで車両なんかも確保する。そして、大体そのようなところは、大体の机上のあれではできていると思いますけれども、それから要援護者についてもね、こういう枠組みでやっていきますというようなことを進めていくということですね。
○日本海テレビ
一歩一歩ということ。
○溝口知事
そうですね。
○日本海テレビ
国に対しての要望みたいなのはお考えじゃないですか、何かもうちょっと国の動きが......。
○溝口知事
だから、国の支援も必要なわけですわ。例えば医療でありますとかね、医療ですと国にそういうシステムがありますからね。福島のときに既にそういうシステムを使ってやっておりますけれどもね。だから、そういうことを早くやるようにする努力をすると。あるいは介護施設なんかもそうですね。
○日本海テレビ
まあ進めていきながらという感じですね。
○溝口知事
ええ、そこら辺は、もうそれは相当前から厚労省などにも、福島の例を聞いたりしましてね、我々の事務方も現地に行って考えを聞いたりして、そういうことで準備を進めておりますけれどもね。
○山陰中央新報
それから今、中電からの事前了解願から再稼働までのところで県に判断を求められる局面で、今の避難の実効性というところをどういうふうに客観的に見て判断するかというところがある、その線引きがあるかということと、それから逆に今のこの訓練が終わった段階で、その判断、オーケーできない、支障になるような状況かどうかというところはいかがでしょうか。
○溝口知事
そこら辺は、もう少し安全審査そのものをよく聞かないといけませんでしょうし、それから我々が進めています避難対策の進行にもよるでしょうから、今どうだということを申し上げ得る状況にはありません。
○山陰中央新報
それから、ちょっとさかのぼるんですけど、今の判断の局面の話ですけれども、何回か国のエネルギー政策が示されることが必要だということでしたけども、その国が経済上の理由で必要だということを言ったときに、現実の問題として最終処分場のところまでサイクルとして回ってない状況の中で、そういう必要だと言ってくるということはあり得ますよね。そうしたときに、地元自治体として判断するときに、その部分がしっかり、非現実的なのに、国が経済上必要だからと言ったということをもとにして判断ができるかというところ、逆に言うと、それは国が判断すべきことで、県としてはそこら辺は判断材料、最終処分の問題ですけども、判断するべき事柄ではないというふうにお考えなのか。
○溝口知事
それは国の話もよく聞かないと、何とも言えませんね。
○山陰中央新報
県としては、判断材料じゃないんですか、最終処分場の問題は。
○溝口知事いや、そこら辺を一般論で言われても......。
○山陰中央新報一般論というか、知事のお考えを。
○溝口知事いや、そこは国の考えもよく聞かないと、何とも言えませんね。
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