知事定例記者会見(10月25日)
質問事項
4.島根原発再稼働判断および安全協定
○山陰中央新報
知事、済みません、先日、原発から周辺3市から明文化の申し入れがあって、知事のほうもそれに応じるということを言われたわけですけれども、現在の、今、事務的に話は進んでいると思うんですが、現在の状況と、大体いつぐらいに終えたいかというところについてお伺いしたいんですけども。
○溝口知事
いつぐらいかは、まだ別に決めていませんけども、できるだけ早くと、こういうことです。
○山陰中央新報
内容については、どういうふうなものをということで想定されていますでしょうか。
○溝口知事
3市長さんが要請をされていますからね、それに基づいてよく話をお聞きするとか、そういうものを関係の当局などにもよくお伝えをするとか、そういうことが中心になるでしょうね。
○山陰中央新報
できるだけ早くということでした、きょうはどうも鳥取側からの申し入れについても日程が決まったようですけれども、それとの、スケジュール的にはそれより前ということなのか、後ということになるのか、どういうふうにお考えですか。
○溝口知事
それぞれ並行してやっていきますけどね。まだ鳥取県のほうは、平井さんがきのうですか、お話しになったように、島根の周辺3市と似たような明文化を求めたいという発言があり、11月1日でしたか、たしか中四国の知事会議がありますから、そういうときにこっちに来る予定があるので、その機会を活用したいということだったと思います。
○中国新聞
確認ですけども、島根県内の周辺3市に対しては明文化に応じる考えを示されましたけども、この鳥取県と米子、境港市もそういう要望があれば応じたいというような趣旨のことがこの前言われていたかと思うんですが、今の時点でもう一回確認ですが、同じ、そこに差をつけるというお考えはないということでよろしいですか。
○溝口知事
同じような考えですね。
○中国新聞
意見を反映させてくださいということなんですけども、その内容とかっていうのは全く今、まだ検討中ということですか。
○溝口知事
内容といいますと。
○中国新聞
どういうふうにその意見を反映させるのかという、その明文化するときにですね、どういう内容にするのかという、その文章をですね。
○溝口知事
明文化の文章ですか。
○中国新聞
はい。
○溝口知事
それは今詰めているところですね。だけど、そう難しい、長い条文になるような話じゃないと思います。
○山陰中央新報
済みません、一つ考え方として、これまで知事がずっとおっしゃっているんですけれども、いろいろ判断する際には3市の意見を聞いて総合的に判断されるということだったんですが、今回、この明文化というところで、例えば出雲であるとか雲南であるとかの判断としてバツと言った場合に、県として丸と言えないような、そこまでこの明文化の中で権限を持たせるのかどうかというところに関しては、知事としてはどういうふうにお考えでしょうか。
○溝口知事
権限を持たせるというか、意見を聞くのは我々として必要なことですからね、そういうことだと思いますよ。
○山陰中央新報
仮に今バツと言っても、知事の中で総合的に丸と判断すれば、そういうことになるということ。
○溝口知事
それは、考えが違った場合にどうするかというのはありますけどもね。そういうことも含めて明文化をしようと、こういうことです。
○山陰中央新報
3市と県の中で明文化で合意した際には、知事や、また3市のほうで調印式とか、そういったようなものというのは考えておられますでしょうか。
○溝口知事
いや、できたらいずれにしても発表を皆さんしますよ。どういうやり方でやるかは決めてませんけども。
○中国新聞
済みません、原発の安全協定について伺いますけども、きのう、松浦市長が、要は周辺市が要望している立地自治体並みの協定については、立地市と周辺市は事情が違うんでという否定的な見解を示されたんですけども、まず知事として、周辺市が中電と県、松江市並みの協定を結ぶことについて、まずそれをどういうふうに思われるか。
○溝口知事
周辺3市がそういう要請をされるということは、3市の立場としてそうだろうと思います。他方で、そういう問題に対して県もできるだけ支援をしていきましょうということは言っておりますけれどもね。これは前も申し上げたと思いますけれども、それぞれが事前了解を個別に持つということになりますと、意見が違った場合にどういうメカニズムで調整するかというのがないまま、例えば4件の協定ができ、あるいは鳥取のほうも入って、県も入れると8団体になりますね。そういうことになると、そういう調整を一体どうするかということがないと、なかなか現実の問題としては難しいことになりますね。同じような、全部事前了解を得ないと全てが決まらないのか、そういったことが起こり得るわけですね。だから、意見が一致している場合は何ら問題がないわけでしょうけども、いろんな点で全く一致になるかどうかわからないと、その違いをどう調整するかという調整のメカニズムがないといかんということでしょう。だけど、それはなかなか難しいことでしょうね。
○中国新聞
調整のメカニズム......。
○溝口知事
それは、だから国がやはり立地自治体なりの意見を聞いて対応しようということなので、国としてどこまでそういう意見を聞いたり、あるいは調整したりするのが、やはり適当かどうかというような国の判断も多分関係するんでしょうが、ただ、国はこういう問題については、私の知る限りでは余り見解を示していませんね。それぞれの電力会社と自治体との関係に任せている感じですね。だから、安全協定の内容も、電力会社と自治体との関係で全国共通のものになっていませんね。だから、潜在的にそういう問題があるわけです。ありますから、他方で、私のほうは周辺30キロもUPZの中へ入るわけですから、そういう方の意見もよく聞きましょうと、そういうものを総合的に判断して、国なり電力会社に意見を伝えましょうと、こういうことをずっと言っているわけです。
それで今回は、そういう県がよく聞いたり、そういうことについて、島根県でいえば周辺3市との間で明文化したものをつくろうと、こういうことに今なっているということです。
○中国新聞
その調整のメカニズムというのは、ちょっと技術的な話というか、まず3市と、知事、この前も3市が協定を結べるように支援をするということについては言われたんですけど、その調整のメカニズムというのは、大きな枠が決まった後の話だと思うんで、大きな考え方として3市が立地並みの協定をまず結ぶことをどう思うのかと。それが結んでもいいよといったときに調整するということになる、そういう順番だと思うんですよね。その調整が必要だからというのは、調整が必要だから、もともと必要がないという......。
○溝口知事
それは両方あると言えるでしょうね、事前も事後も。そんなに画然としたものじゃないです。
だから、私のほうがずっと言ってますのは、周辺3市もUPZの中に入るわけですし、万が一のときには影響もこうむるわけですから、いろんなこと、できることを一緒にやっていきましょうと。避難計画をつくるとかね、あるいは情報の共有でありますとか、それから電力会社が申請するときの意見などもよくお伝えしましょうと。それから安対協にも正式なメンバーとして入っていただきましょうということを言っておって、そういう中で3市の意見をどういうふうに聞いて、どういうふうに対応するかについて明文化したものをつくりましょうというのが今の段階なわけです。
○中国新聞
それは、だから3市としては協定が結ばれない、立地並みの協定が結ばれない中での現実的な策として今動いて、それに知事が応えられた......。
○溝口知事
3市にしてはそうだったでしょうね。
○中国新聞
ええ、3市にしてはそうなんですけども......。
○溝口知事
我々のほうもそうなわけですよ。
○中国新聞
その3市が、だから立地並みの協定を結ぶことに対しては、さっきの調整のメカニズムがあるので必要なのでということでいうと、それ自体に否定的なのかという受け取り方もできるんですけど。
○溝口知事
いやいや、だから、できることはやっていきましょうということなんですね。協定の中身には事前了解のところもあるし、検査に立ち会うとかね、いろんなことも、ほかの項目もあるわけですよ。
○中国新聞
だから、結局のところ否定的なのか肯定的なのかということでいうと、どうなるんですか。
○溝口知事
だから、基本的に肯定的だけども、事前了解のところは、やはりそういうメカニズムがないと動きがとれないことになるでしょう、意見が違った場合に。
○中国新聞
それは、知事のお考えとしては、やっぱりこれは基本的に電力会社と自治体との間の協定なんですけど、福島の事故という、ああいうのがあったので、やっぱり国が示すべきだというお考えなんですか。
○溝口知事
違う違う、そうじゃなくて、そういう国はエネルギー政策をどうするかということに責任があるわけですね。それで、その中で現段階では原発がある程度使われていくのは必要だという判断なわけですね。今、原発をなくすというところまで政府は言ってないわけです。だから、政府の立場としては、そういう自治体の了解が要るものですから、その地域において了解を得るといった場合に、どういう手続で了解を得るということが判然としてないと困るわけでしょう。そこは今の事前了解に関連して、どういうメカニズムで意見が違う場合に調整をするかということがないと、デッドロックのようなことになるといったような問題があるでしょうね。だから、そこのところはね、私のほうは、そういうふうな調整を国が今やるという段階にないですから、それで、これまでも安全協定は地域と電力会社のやり方に任せてきたわけですね。だから若干の差異もあるわけですよ。
○中国新聞
その現状で、今、知事は明文化を......。
○溝口知事
だから、それはむしろ政府がちゃんと考えるべき問題だというのが私の見解ですね。
○中国新聞
そういうことですね、結局。だから、それを立地市でもあり3市も包括している立場の県が音頭をとって、その調整をどうするかというのを考えるのではなくて......。
○溝口知事
それは難しいでしょうね。
○中国新聞
それは政府がやる......。
○溝口知事
難しいでしょう、それは。
○中国新聞
意見が違ったときにどうなのかというのは、やっぱり政府がやる......。
○溝口知事
だから、私は総合的にそういう意見をよく聞いて、総合的に判断していきましょうということを繰り返しているわけです。
○毎日新聞
済みません、政府がちゃんと考えるべきだということは、それはつまり全国どこの原発で結んで、どこの電力会社が結んでる安全協定にしても、現実としてどの法律に基づいているものでもないですよね。法的に言うと、現状でいうと規制委員会がオーケーを出した原発というのは、法律上でいくと、地元に何か問い合わせをする必要もなく動かすことというのは、法律上は可能なわけですよね。すると、それに、そのさらに上に任意の協定としての安全協定というのが入ってるわけですよね。
○溝口知事
それはそういう問題もありますから、やはり原発の問題については一定の地域の了解がないと、やっぱり進めないというのが現実でしょう。
○毎日新聞
すると、その地域の了解について政府がちゃんと考えるべきだという知事がおっしゃってる意味は、政府が何らかの安全協定に関するような、原発を動かすときには地域の意見を聞いて、それで地域がオーケーした原発じゃないと動かせないというような何らかの法制化をするべきだという意味なんですか。
○溝口知事
いや、法制化とも言いませんが、何かそういうのがあったほうがいいだろうと、こういうことですよ。ないと、例えばどこかの地域でそういう問題が生じたときに、その地域の中で意見が違って、その調整のメカニズムがないと何も決まらない状況が続くということになりませんか。
○毎日新聞
それはあれですか、今のお話で、何らかの調整をしなければならないというのは、私の理解で今の話だと、動かす前提でやってるような......。
○溝口知事
いやいや、ほかにも例えばなんでしょう、いろんな対策をしたりするときの、そういう問題とも関係しますね。
いずれにしても、要するに抽象的に言うと、3人いて何かを決めたいというときに、多数決なり、あるいは全員一致なり、何かのやっぱりルールがないと物事は決まらないでしょう。
○中国新聞
それは県じゃなくて......。
○溝口知事
だけど、ただ、きょうの新聞を見ると、やはり原発に近いところと遠いところでは若干の差異があるでしょうというのは現実にあるわけですよ。今ですと、立地自治体の事前了解が基本になっている。しかし、UPZが30キロになったわけですから、政府としてもそういうところに影響が大きいということを認めたわけだからね、そういう30キロ圏内の地域を一回、地域の意見をどう反映するようにするかというのは、やっぱり政府が考えなきゃいかん。あるいは30キロの外だって関係するわけですね。だけど、そこは今のところ事前了解だとかという話にはなってない。しかし、30キロ内の市町村では事前了解がある安全協定にしてもらいたいと、こう言っているわけですよ。
○毎日新聞
それ、何らかのメカニズムのところですけれども、例えば現実にあった例でいうと、新潟で柏崎刈羽の安全審査の申請をする際に、柏崎市刈羽村はオーケーを出したけれども、新潟県の泉田知事がノーを出したというような事例が現実としてありましたよね。そのときに協定を持っている3つのうちの意見に差が出たと。現実として、最終的に泉田知事が認められたというのはありましたけれども、ああいう安全協定、3つ結んでて、1つの自治体がノーと言ったと、そういうような状況というのは、知事としては好ましくないというふうにお考えですか。
○溝口知事
いやいや、好ましくないということじゃなくて、それは例えば島根県が返事をするときに、どっちの意見を選択するというのはなかなか難しいことでしょう、そういうふうに違った場合には。県としては、例えばその重みがね、ウエートが違うんであれば、それは機械的に計算をするというようなこともできるでしょうけども、ない場合には、やっぱり調整のメカニズムがないと、県としてこうだということはなかなか言えませんわね。
○毎日新聞
それは、県が19市町村を包括、松江は入っていないのかもしれません。松江を除く18市町村の意見を包括して安全協定を結んでいるというお立場からすると、その残りの3市の意見、ほかの意見とかが食い違ってきたときに、県としては了解すべきなのか了解しないべきなのかというところで選択が難しいということですか。
○溝口知事
いやいや、違う場合に、県としてはやはり何らかの返事をしなきゃいかんわけですね。そうしたときに総合的に判断をするほかはないでしょうということになるわけです。
○中国新聞
延々と今、明文化の詰めをやられているということでしたけども、この調整のメカニズムと今知事が言われたやつがない限りは、それは今のをずっと聞いてると、ここの時点で1市でも反対したら、知事も反対するということには、もう絶対ならないですよね、今の流れでは。
○溝口知事
いや、だから、それはどういうふうな形で明文化するということを考えておると、こういうことです。
○中国新聞
ただ、そこについては調整が必要だから政府に示してほしいというお考えなわけですから......。
○溝口知事
いや、またそれだけじゃないわけでして、だから今、まだそのプロセスがありますからね、それ以上のことは今の段階で申し上げるわけにはいきませんね。
○中国新聞
確認ですけど、それはあくまで立地県の知事が調整するよりも、やはりそれは政府が何らか示すべきだと。
○溝口知事
いやいや、それとはまた別の話。
○中国新聞
ええ、別の話、先ほどの話。
○溝口知事
それは別の話。
○中国新聞
調整のほうですけども。
○溝口知事
だから、そちらは今やってますね。
○中国新聞
だから、やってるほうはいいんですけど、だから、その稼働に向けた判断なんかのときに、さっき言われた、もし安全協定、立地並みの、全部結ばれたら、意見が違ったときにどうなるかというお話をされましたよね。
○溝口知事
いや、だから、そういう違うときにも、違うこともあってもね、今までは総合的にできるだけ周辺の意見を聞いて、ぎりぎりのところまで、事実上の調整できるところまでやりましょうという考えなわけですね。
○山陰中央新報
済みません、関連してなんですけども、今、県として広域避難計画をつくられてるわけですけれども、現状として、知事の中で今の避難計画が、住民が安全に避難できるものかどうか、という内容なのかどうかというところの認識というのは、現状ではどういうふうに考えていますでしょうか。
○溝口知事
万が一の体制はね、それは一挙に全てができるわけじゃなくて、できるだけそういうスムーズな対応ができるように努力を続けるということですよ。そういうことを政府にも要請をしておるということです。
この前、9月に国の、正式な名前は忘れましたが、防災の関係の会議で原発の立地地域ごとにワーキングチームをつくってそういう対応を強化していこうということになりまして、そういう作業が始まっていますから、そういう作業をできるだけ早く進めて、万が一の対策ができるだけ充実したものになるように努力を続けるということですね。
○山陰中央新報
具体的なところで、今持ってる課題というのがどういうふうなものがあるのかというのは。
○溝口知事
それは、一つは要援護者の対応ですね。やっぱり具体的な枠組みのようなものをまずつくらないといかんということですね。自衛隊の出動でありますとか、あるいはすぐに避難できない方々に対しては、そういう避難する場所をちゃんとつくるとか、あるいは放射物質を、被曝しないような対応をするとか、まあまあそういう、あるいは避難地域での、避難場所での運営をどうするかとか、いろいろありますね。あるいは避難のバスを確保するとか。それも枠組みができれば、それに応じて対応できるものはありますし、あるいは設備を設けなきゃいかんようなものもありますし、それぞれの対策、対応は目的等によって違いますね。
○山陰中央新報
でも、これだけ課題があるということは、現状ではやっぱり安全とは言えないということ......。
○溝口知事
そこは程度の問題ですね。常にそういう問題を改善していくようにやるほかないですね。
○山陰中央新報
結局立地自治体であるとか周辺の自治体の中では、まだ今、避難計画も道半ばの状態もあると思うんですけども、そういう中でなかなか県のほうが再稼働の判断というのができないんじゃないかというような声もあるんですけれども、知事のお考えで、やっぱり避難の実効性が担保されないと、再稼働の判断はできないというふうな考えはあるんでしょうか。
○溝口知事
もろもろのことをやはり総合的に考えていくということですよ。
○山陰中央新報
総合的にというと、具体的には。
○溝口知事
もろもろ。だから、今の段階でどうこう、具体的には言えませんね。
○山陰中央新報
その実効性の確保の部分が道半ばという状態で判断を迫られるときに、その実効性がどうだと、住民の声がどうだということ、その判断に占めるウエートというか、意味合い、大きさというのはどういう、あるんですか。
○溝口知事
そういう仮定の話についても、いずれにしてもいろんな方々の意見を聞いて対応していくということですね。
○山陰中央新報
実効性についてはまだ道半ばであって、まだ最終的に判断する前、判断する段階でもまだ道半ばということはあり得るということですよね。
○溝口知事
いずれにしても、そういう問題を含め、安対協でありますとか議会でありますとか、あるいは周辺市でありますとか、あるいはいろんなチャネルで多くの方々の意見もよく聞いて考えていくと、対応していくと、こういうことです。
○中国新聞
知事、済みません。先ほどの、ちょっと戻りますが、その立地と周辺の意見が違った場合にどうなるんだという問題があると指摘されましたね。で、これを、今、そういうメカニズムがないと、今、中電とそういう権限を持った協定を結んでいるのは県であり松江市なんですけども、県がそういう調整をするんじゃなくて、県でやるのは難しいとさっき言われましたけども、これは政府がやるべきだと。この理由は、なぜ政府がやるべきだというふうに。
○溝口知事
それは全国的な問題だから、その方が、あるところではこういう手続をやり、あるところではこういう違う手続があるというよりも、ある程度標準形がある方が、皆さんが理解しやすいんじゃないかという、現実的なことから申し上げているわけですね。
○中国新聞
全国的な......。
○溝口知事
ただ、それはなかなか難しいですね、そういうメカニズムをつくるということは。
○中国新聞
今、まだ国がそういう検討をしているという情報は......。
○溝口知事
全くありませんからね。
○中国新聞
ないですが......。
○溝口知事
それから、これまでの経緯も各地域ごとに安全協定の内容が違っているように、地域でのやりとりに任せてきておりますからね。
○毎日新聞
済みません、標準があるほうが、国が定める標準があるほうがいいというのは、それは今国が持ってる標準というのは原子力規制委員会が了承したものは動かしていいよということなんじゃないですか。
○溝口知事
いやいや、それは安全性の基準からすれば、安全基準は原子力規制委員会がどう判断するかでしょうが、もちろんリスクがゼロになるわけじゃないですから、万が一の対応とかはやはり別途考えなきゃいかんわけですね。
○毎日新聞
いや、だから、その動かす動かさないの判断とか、いわゆる安全協定なんかで示されている事前了解が要るようなものについて、そこについて国がという判断になると、どうしても法的な整備であるとか、そういうほうになってしまうとしか考えにくいと思うんですけど。
○溝口知事
必ずしもそうじゃないでしょう。
○毎日新聞
何らかのガイドラインみたいなのをつくるということですか。
○溝口知事
いや、それはいろんなやり方があり得るでしょうが、いろんなやり方があり得るでしょう、わかりません。
○毎日新聞
ただ、地域と電力会社が結んでるあくまで任意の協定でやる安全協定のところに、どういうふうな形で国がコミットしてくるというものを知事が想定されているのか、ちょっとなかなか理解できないんですけど。
○溝口知事
いや、例えば立地市町村と周辺が違った場合にどうするかについて、立地市町村と周辺市町村との間の話というのはなかなかつかないですわね。同じレベルのあれでありますとね。だけど、それは県が調整するというのも難しいですよ。だからそれはやはり国が、例えば30キロというのをUPZとするとか、そこで避難計画をつくるとか、いろんなことを言うわけですから、だから、国がある程度目安を示したほうがいいと思いますけども、現実にはなかなか難しいと。
○中国新聞
それはだから、可能性としては1個でも反対すりゃだめというか、違ったときは県が最終的に判断するかとか、その辺しかないと思うんですけどね。
○溝口知事
うん、まあ、わかりませんけどもね。
○毎日新聞
複数のところが安全協定を結んでいて、それでその安全協定を結んでいる自治体内で意見の相違があったらどうすんだという話、ところにいくと、じゃあ、島根県でも中国電力は島根県と松江市と結んでいるわけであって、そうすると、島根県と松江市の意見がずれたらどうするんだとか、例えば現状でいっても浜岡みたいに複数の自治体が結んでいるとこも現実にあるわけで、そうするとどう......。
○溝口知事
まあ、県の場合は県議会とも話をしますから、議会は県内全体から選出された県議会の議員がおられるわけですからね、そういうチャネルを通じて県としての意見は固まってくるということはありますわね。
○毎日新聞
そこで、じゃあ松江市と県で意見がもし異なった場合というのは、そういうことについても、やっぱり国が何らかの標準を示してほしいということなんですか。これまでそれが違ったということは、島根県ではないと思いますけれども。
○溝口知事
仮定の話を今するわけにはいきませんね。
○毎日新聞
いや、ただ、でも違ったらどうすんだというところの議論も、そもそも仮定の話ですよね。
○溝口知事
うん、だから仮定の話として言っても、今の具体的な問題をどうするかということには言えませんよね。それはどういう違いがあるかというのは案件案件によって違いますから。軽微なものか、いずれにしても総合的に考えるわけです。
○毎日新聞
いや、ただ、これまでこの数十分間にわたって松江とそれ以外の3市の安全協定の話、各社としていただいて、その中での前提として、じゃあ違ったらどうすんだという、そこのメカニズムという話で、それ、そもそもそこで仮定の話でやってるわけで、そこで最終的なとこで仮定だから言えませんというのは。
○溝口知事
現実には、要するに松江市と県は安全協定を結んでいるわけですから、だから新たにどうするかということになると、そういう問題が生ずるわけですよ。それは状況が変わったからですね。かつては福島の事故がある前、あるいは新潟の事故がある前は、そういうものがないというような想定でいろんな対策が行われてきたわけですけれども、現実にああした事故が起こると、今までの考えでいいのかどうかという問題が新たに出てきておるということですよ。
○時事通信
済みません、知事のお話を伺ってると、国がそういう調整メカニズムをつくらない限りは、3市が中電と結んでもらっては困るというふうに聞こえてくるんですが。
○溝口知事
いや、その前に市町村の間でやっぱり話がある程度できないといかんでしょうね。
○時事通信
その間というのは。
○溝口知事
例えば松江市と周辺3市の間で。
○時事通信
そういうの、国がそういう調整をするメカニズムがない限りは、動かそうとしても身動きがとれない状態になってしまうから困るという......。
○溝口知事
いや、そうじゃなくて、その話の間でできれば、それで問題ないし、ただ、今の現実のあれを見ると、そこは意見が違っているわけでしょう。だから、それを調整することができる場がないわけですね。
○時事通信
であると、知事は基本的に肯定的だがってさっきおっしゃったと思うんですけど、3市が結ぶの。
○溝口知事
うん。
○時事通信
それだったら......。
○溝口知事
いや、だから、県としてはできる支援はしましょうということですが、できない支援は難しいということですね。
○時事通信
国のメカニズムができるまでは......。
○溝口知事
いや、だから、その安全協定の中身は、そういう事前協定承認だけじゃなくて、検査をどうするかとか、いろんなことがありますから、そういうことも含め申し上げているということです。
○中国新聞
支援というのは、例えば国に何か県のほうから言うとか、そういうことですか。
○溝口知事
いや、国がそこまで対応できませんね、見てると。
○中国新聞
それは現実的な問題としてということですか。
○溝口知事
うん。
○中国新聞
例えば支援というのはどういうことが考えられるんですかね。この前も3市長が来られたときに言われましたけども、できる支援をしていくという。今の想定で構いませんけど。
○溝口知事
それは我々のほうとしてよく話をしてくださいとかいうことですね。
○中国新聞
話をというのは、誰と誰が。
○溝口知事
例えば中電と周辺3市とか。
○中国新聞
ああ。
○毎日新聞
済みません、基本的に肯定的というのは、周辺3市、出雲、安来、雲南が中国電力と安全協定を結ぶというようなことがもし可能なんであれば、それは結んでもらっても全然県としては構わないよという意味でいいですか。肯定的というのは。
○溝口知事
それは中電がそうされるんならそうでしょうね。
○毎日新聞
県としては特にその意向に対して妨げるようなつもりはないと。
○溝口知事
ただ、中電のほうは、松江市とも結んでいますからね、松江市のほうの意向も聞かないといかんでしょうね。
○毎日新聞
松江市の意向は松江市の意向であるとは思うんですが、昨日も定例会見で随分松江市長さんは3市と一緒の立場にはなりたくないというような、そういうようなお話をされてたと思いますけれども、島根県として、知事としては周辺3市が安全協定を結ぶということは、基本的に問題はないことであると、結んでもらっても別に構わないと。
○溝口知事
問題はないが、できることは支援をしていきましょうということですが、現実にはなかなか進展を見るのは難しいという現実はありますよ。
○毎日新聞
そういう現実はあるけれども、もし結べるんであれば結びますよという話になったときに、ちょっと待て、県はそれは反対だというようなことにはならない。
○溝口知事
だから、そういう仮定の問題には答えられませんと。どういう状況かわかりませんから。
○毎日新聞
いや、基本的に肯定的っておっしゃったから。
○溝口知事
それはね、あなたのそういう一般論みたいなことで言える話じゃありませんから。
○毎日新聞
いや、だから基本的に肯定的とおっしゃったじゃないですか、今。だから、肯定的というのはそういう意味にしかとれないと思うんですが。
○溝口知事
いや、だから基本的に肯定的というのは、その言葉だけですよ。それ以上のことをさらに詰めるのは難しいと。
要するにね、いろんなシチュエーションがあって、いろんな要素がありますからね、それを一言で、こういう問題で片をつけるのは難しいんですよ。
○毎日新聞
いや、だから、その基本的に肯定的という、非常に曖昧な表現で知事がおっしゃって、なので、ただ、それを......。
○溝口知事
曖昧なんですよ。だから、それはできることをその都度その都度考えていきましょうということを言っているわけですよ。
○毎日新聞
いや、そうじゃなくて、ここの......。
○溝口知事
拒否しているわけじゃないということですよ。
○毎日新聞
いや、ここの文言について、はっきりちゃんとしてくださいよ、だから。基本的に肯定的って......。
○溝口知事
いや、拒否しているという意味じゃないという意味に考えていたらいいですよね。だから、そのほかでできることはやっていきましょうということを言っているわけです。
○毎日新聞
結ぶことは邪魔はしないということですね。
○溝口知事
しませんよ。
○読売新聞
済みません、確認なんですけど、3市とも明文化の際に、意見の調整というのは何らかの形で、その明文化の中に盛り込みますか。
○溝口知事
いや、だから、そこは今、詰めていますからということです。
○読売新聞
それも含めて検討中ですか。
○溝口知事
いや、含めてとか、そういういろんなことを考えて、今、どうするか検討していると、こういうことです。
○時事通信
もう少し、済みません、丁寧にその基本的に肯定という言葉を御説明いただけますか。それ、基本的に否定的だと、すごくすっきりするんですけど、基本的に肯定的なのに事前了解は調整メカニズムがないと意見が違う、そうすると身動きがとれなくなる......。
○溝口知事
いや、だから基本的に肯定というのは、否定してませんと。だから、それは松江市の了解が得られれば、それはそれで結構だし、得られなくてもほかでやられることがあればまたやったらいいし、いろんなことがあり得るわけであって、一概に具体的にこうだということが今言える状況じゃなくて、できる協力はしていきましょうと、こういうことでございます。ちょっとわかりにくいでしょうが、そういうことです。
よろしいですか。では終わります。
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島根県政策企画局広聴広報課 〒690-8501 島根県松江市殿町1番地 【電話】0852-22-5771 【FAX】0852-22-6025 【Eメール】kouhou@pref.shimane.lg.jp