知事定例記者会見(9月18日)
質問事項
1.消費税増税への方針について
○中国新聞
消費税の関係ですけども、政府が来年の4月から8%にというような方針を、4月からですね、来年の4月から8%にという方針を固めましたけども、この前もちょっと若干会見で伺ったんですけども、改めてその4月に8%にされるという見通しに対して、どういうふうにまず思われてるのかという、御存じのとおりいろんな御意見がありまして、まだ増税の前にいろいろほかにやることがあるんじゃないのかという意見もありますし、もう増税やむを得ないんじゃないかという意見もありますけども、知事の今の率直なお考えをまずお聞かせください。
○溝口知事
報道では、政府が方針のようなものを決めたというのもありますが、まだ政府のほうからは正式にこうするということは出ておりませんね。10月の初めに決めるんではないかというような観測記事もありますが、まだ政府におかれては検討中、慎重に検討中だというふうに思っています。
消費税の問題、国内の中でもいろんな意見がありますから、政府におかれては8月の末でありましたか、各界から意見を聞かれたということであります。いずれにしても、経済の見通しとか消費税を上げた場合の影響とか、そういうものはなかなか予測が難しい問題でありますし、それから市場などがどういうふうに反応するかということもありますし、それからこの消費税の増税は法律では4月からとあるわけですけれども、経済の状況、それによる影響、あるいは引き上げになりますと国民生活各層にもいろんな影響があるわけでして、景気対策をどうするのか、その内容をどうするのか、あるいは消費税が上がりますと、できるだけ転嫁をして一部の生産者あるいは業界、企業等に負担がかからないようにしなきゃいかん一方で、ご家庭によっては大きな影響を受けるわけでして、そういうものに対する対策をどうするか、そういう全貌をまだ政府として示しておりませんね。やはり私の考えというよりも、そういうもろもろの意見でありますとか考え方でありますとか、そういうものを政府としてどのようにされるのかということを国民によく説明をして、できるだけ多くの方々に理解される努力を続ける必要があるというふうに思います。したがって、私がどうこうということよりも、私の考えは、そういうことを政府が国民によく説明をし、理解を得るように努めてもらいたいということであります。
それから、消費税の問題は、一つは社会保障に関連する経費がずっとこれまでもふえてきておると、今後もふえると、そういう中で、国、地方を合わせた公的な債務は1,000兆を超えるような状況で、GDPの2倍を超えるような状況ですね。この問題を放置すると、それは財政の破綻というようなことが起こると、欧米といいますか、欧州などで見られたように、これはそのこと自体がまた国民生活に大きな影響を及ぼすものでありますから、やはり長期的な展望に立ち、やはり国民の信頼を得ながら適切な政策をとっていくということが大事な課題ですね、極めて大事だと思いますね。そういう意味で、よくよく慎重に考えられると同時に、なかなか長年かかって起こっている財政の問題でありますから、短期的に解決はできない。そういう意味で、長い間、国民にも理解をされながら経済にも大きな影響を与えずにするというのは非常に狭い道だと思いますね。そういう意味で、慎重に検討すると同時に、いろんな対策を、国民の声をよくお聞きしながら適切に対応していただきたいというふうに思います。
それから、県としましては、県の財政のうち、交付税でありますとか国からの補助金等に大きく依存していますから、国の財政が立ち行かないというようなことになっていきますと、大きな影響をそのルートでも受けますね。そういう意味で、非常に難しい、困難な状況に日本の経済はあるわけでして、そういう意味で、多くの方々に理解をできるよう全力を挙げて取り組んでいく、そういうナローパスを精妙な調整をしながらいかなければならないというふうに思います。
○中国新聞
今のお話を伺いますと、非常に財政厳しい中で、方向性としては消費税を上げて税収を上げるという方向に対しては、もう知事は一定の理解をしているという受けとめでよろしいんですか。
○溝口知事
それは、もう国会でそういう法律が通っているわけですね。基本的に私というよりも国政の場でそういう方針が決まっておって、それが今言ったような難しい状況の中で与野党が合意したものでありますから、その基本ラインの中で対応していくということだと思います。
○中国新聞
そうすると、あと、タイミングと数字ですよね。来年の4月なのか、それが8%なのかというとこだと思うんですけども、そこはまだ国の決定を待ってからの判断。
○溝口知事
そういう判断は国が責任を持って判断しなきゃいかんということですね。
○山陰中央新報
関連ですけど、国民生活の影響に対する対策として、軽減税率のことがいろいろ言われています。どの分野にというのは別にして、やはりそういうものを同時に入れることが、分野によるんでしょうけど、必要だというふうに知事としてはお考えになっているんでしょうか。
軽減税率の議論はありますし、国民の理解を得るといったこと、あるいは消費税の先進国というか、早くから進んでいる欧州では、ヨーロッパではそういうものがとられておりますね。だから、政府としてもそういう考えは、たしか正確には覚えていませんけども、考えなきゃいかん課題だという認識だろうと思いますが、いつ、どういうふうにするかという点は、まだ余り議論がなされてないような気がいたしますね。
○山陰中央新報
大きな議論としてはどうでしょう、何らかのことを、そういうことをするべきかどうかという、島根県民の生活というのは景気の回復というのが都市と地方でおくれが出るんじゃないかと言われているとこで、税が上がるのは一遍に上がるわけですから、生活への影響というのは当然地方の県民のほうが負担が重いということも想定される中で......。
○溝口知事
その問題は、地方としての問題じゃなくて日本全体の問題でしょうね。
○朝日新聞
関連して、消費増税、引き上げの判断は国の判断といたしまして地方経済への影響というところで考えますと、アベノミクスも当初言われて、都市部では一部明るい兆しもありながら、地方へはまだまだ、おくれているという話がある中で、地方への配慮というのが必要になってくるかと思うんですが、知事は今、県内の県経済の現況をどのように見てらっしゃって、もし必要なことがあれば、どのようなことが国へ求めていく内容として必要でしょうか。
○溝口知事
円高が日銀の金融緩和などによりまして若干の調整が行われてきておって、それによって輸出企業などにいろんな面で波及しておりますね。それから輸出で稼いだ利益なども海外で保留をされておったりしますから、そういう面で、円高というのがこれまでの大きな問題だったわけですけれども、その部分は少し改善しているということ。島根などでは、そういう輸出企業に部品などを供給する企業がありますね。鋳造でありますとか自動車の部品でありますとか、あるいは電子部品ですね、最近のスマホなどのコンデンサーなどの供給も大変ふえておる。そういう面で、影響を既に受けておられるところもありますね。そういう意味で、海外活動に関連した企業に納入する企業などにおいてプラスの影響が出ておるというふうに思います。そういう意味で、有効求人倍率なども県内でも上がっておりますね。それから企業全体としてアンケート調査など、それから商工労働部がヒアリングなどをやっておりますけれども、そういうプラスの影響が出てきておるというふうに答えられる企業はふえていますね。それから、もう一つは観光面で出雲大社の60年に一度の大遷宮ということで、旅館、ホテルでありますとか、あるいはそれに関連した企業等において好影響が出ているということであります。しかし、そういう分野とかかわりの少ない企業におきましては、必ずしも売り上げがふえるとかが、ないわけでありまして、そういう面で受ける影響、好影響を受ける企業、そうでないところ、いろいろあると思いますが、そういう状況にあるというふうに思います。
○朝日新聞
そういう意味では、消費増税に耐え得る状況ではないという、もしくは......。
○溝口知事
耐え得るかどうかというのは、それはいろんな対策もどういうことになるかわかりませんからね。それから、そこら辺は、耐えるとか耐えないとか、そんなに1かゼロかという問題じゃないでしょうね。
○山陰中央新報
要は税が、消費税は国の問題なので、あんまり地方の細かいとこを見とってもしようがないという......。
○溝口知事
いやいや、消費税の問題は一部の問題ですね、それは日本経済全体がどう立ち直るかということであり、消費税もそのための面があるわけですよね。要するに財政が破綻しますと、これは金利が上がったり、これは日本経済そのものが大混乱になりますから、だから、そういう問題もありますし、それから大企業、あるいは輸出企業だけでなく、他の業界にも好影響が及ぶような、あるいは消費税の引き上げで困るような方々、いろんな問題に対応していくと、総合的に考える必要があるでしょう。
○山陰中央新報
そうしますと、大局的な見方からすると、国の財政の破綻とか考えると、さっき先ほどからタイミングの問題になってますけど、そう先へ送れるような話じゃないなというふうな感じは、もちろん国民にどう説明するかというのは大事なんですけど。
○溝口知事
それは政府がちゃんと判断すべきですね。
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