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知事定例記者会見(8月23日)

質問事項

1.松江市教育委員会『はだしのゲン』閲覧制限要請

 

○山陰中央新報

 よろしいですか。

 昨日、松江市の教育委員会の方で、漫画の「はだしのゲン」の閲覧制限の問題で議論なされていますが、まず知事として、この問題の本質というか、論点がどこにあって、あと一般的な教育論としてどうあるべきかという考え方をちょっとお聞かせください。

 

○溝口知事

 この問題自身についてコメントするのは、今、松江市の教育委員会で議論をされておられ、来週、月曜でしたか、再度もう一回議論をされるということになっております。そして、これの問題は、一般のね、島根県以外のところで起こった話ですと、有識者として発言をしたりするというのが可能ですけれども、今、島根県の中で起こっていますから、そういう意味では、教育行政におけるいろんな役割分担がありますからね、そのことを踏まえてしませんといけないだろうというふうに思います。その点は皆さんも御承知だと思いますけども、若干、私が県の教育委員会から聞いているところでお話ししますと、小・中の学校の教育の内容ですね、どういうふうに教えるかと。基本的にいえば国のいろんな指導要領とかがあって、具体的にどうするかというようなことについては、それぞれ小・中学校の設置者である市町村の教育委員会が必要な指導をしたり指針を出したりされるという関係にあります。そういう意味で、子供たちが読む図書の扱い等については、市町村の教育委員会、今回でいえば松江市の教育委員会がやっておられるということですね。

 それで、そういう図書の扱い、何を使うかといったようなことについて、図書館の運営みたいなことですかね、それは市町村の中でも各学校の校長先生などがやられると。しかし、教育委員会として意見を言ったり、いろんな指針を出されるということはあるということですね。

 それから、今回の取り扱いについては、教育委員会には十分、ちょっと詳しいところまでは知りませんけれども、お諮りになってなくて、教育長の管轄の中でおやりになっているという問題もあると報道されていますけども、そういう問題じゃないかと思いますね。

 それで、県の教育委員会の方は、やはり小・中の現場での教育をどうするかというのは市町村の教育委員会がやられますから、県の方はいろいろ問い合わせがあったりしますと、相談に乗るというようなことはありますけれども、現段階ではまだそういう状況ではないようですね。松江市の司書さんはやっておられると、県の教育委員会も、内容についてどうするこうするということを、考え方を表明しているわけじゃありません。

 それで、さらに私が、県の中でいえば、県教育委員会の実際の内容は教育委員会で決められますが、予算でありますとか、あるいは全般的に子供の健全発育といいますか、成長といいますか、そういう面で県として必要な施策について、主として予算でありますとか提言でありますとか、そういうような要求の中で教育委員会から相談があり、予算の中でそれをやるということでありますから、だからそういう意味で、具体的な今やっている問題について、私がこの時点で、その内容についてコメントするのは差し控えた方がいいと。そういう意味で、他県の方々はいろいろなことは、それは有識者として言っておられることで、私も有識者として発言できないわけじゃないんですけれども、県のいわば教育委員会、そして市町村の教育委員会等の関連がありますから、私が今のこの具体的な問題について言及することになりますから、その点は申しわけありませんけれども、差し控えたいというふうに思います。

 

○山陰中央新報

 1点確認させてください。教育委員会の方できのう結論が出ませんで、いろんな、広くさらに意見を聞いていきたいという教育長、あるいは教育委員長の思いがあったのですが、そこに県として、組織として絡んでいくという話は、まだ相談も受けてないということでよろしいんでしょうか。

 

○溝口知事

 教育委員会、県の教育委員会は受けてないと思います。

 

○山陰中央新報

 受けてない。

 もう1点、就任されて、特に学校図書のあり方というのは知事として思いをこうやって記者会見の中で聞く機会がありまして、学校の司書さんも、実際は知事の思いの中で政策として小・中学校全校に派遣されている中で、学校図書に対する思い入れというのは、知事、私は非常に強いものがあると受けとめていますので、そうした立場からも、学校司書さんにとっても、この問題は非常に大切で、大きな問題だと思うんですが、そういう観点から、やはり教育委員会、行政としてどうだったかということは今おっしゃれないということだったんですけど、一つの本を取り扱うということで、学校司書さん、今、判断として重い判断を迫られて、非常に悩まれている方もいらっしゃると思うんですが、そうした観点から、あの「はだしのゲン」という漫画に対する内容について、そういう論争が起こっていることに対して、一人の学校図書に力を入れておられる方としての話というのがちょっと聞きたいと思うんですが。

 

○溝口知事

 いや、だから、それは、具体的な内容に関連しますからあれですが、図書館を充実した方がいいというのは、二、三年前になりますけども、学校の図書館の現場に行ってみて、昔と違って、昔というのは、私なんかの時代ですけども、違って、図書館というものが子供たちによく利用されるようになっていて、それで、その利用の進んだところと進んでないところが県内であって、あるいは司書さんのいるところ、いないところがあったり、相当の違いがありますからね。本来は設置者である市町村が、それぞれのお考えで図書の充実、司書の配置などもされるというのがいいと思うんですけども、予算的な措置でできるものであれば、そういう体制が十分でない市町村にも対応ができるようにということで予算措置を中心にしたということでありまして、私の個人的な考えとして、子供たちがいろんなことを本で知るというのは非常にいいことでありますし、外の世界を知ったりするのにいいことですから、そういうことで始めたんでありまして、内容について、どういう本がいいとか、そういうことは私は申しているわけじゃないんですね。

 

○山陰中央新報

 今、単純にこの本についてどう思いますかと聞かれても、そういう個別な本に対する感想も控えたいということですか。

 

○溝口知事

 だから、そこはちょっとね。

 

○山陰中央新報

 もう1点、有識者ではないとおっしゃって、今、知事としては、この問題に対しては当事者の一人という感覚でいらっしゃるという。

 

○溝口知事

 やっぱり間接的にこの島根県の中で起こっておりましてね、県の教育委員会もやはり学校教育に、小学校、中学校の教育体制の問題にかかわっていますからね、その県の教育委員会もまだその問題について何かをするというような状況にないわけでして、私はまたその背後にあるわけですから......。

 

○山陰中央新報

 全く無関係でもないけど......。

 

○溝口知事

 それはやっぱり無関係とは言えないでしょうね、子供たち、島根県の子供たちにかかわることですから。

 

○山陰中央新報

 あと1点確認させてください。

 知事、先ほどの御発言の中で、いわゆる設置者として、学校図書の本の選択ということになると、今、手続論の中で、やっぱり学校の校長に裁量があるべきだという......。

 

○溝口知事

 いや、あるべきじゃなくて、たしかそういうふうな仕組みになっているんじゃないかということを申し上げた、ちょっと正確じゃありませんけど。学校図書をどういうふうに購入するかとか、それぞれの学校がお決めになっていることじゃないかと。

 

○山陰中央新報

 はい、そう理解しとるんですけど、設置者として、教育委員会に意見を言うとか要請するということもあり得るというふうに今ちょっと聞こえたんですけど。

 

○溝口知事

 何がですか。

 

○山陰中央新報

 学校図書でどういう本を置くかという選定について、教委が強制的な効力があるかどうかは別にして、意見を言うとか要請というか、そういうことはできるというふうにちょっと受けとめたんですけど、そこまで何か判断をされるというわけじゃない。

 

○溝口知事

 いやいや、それは、もしそういうことを言ったとしたら、不正確な......。

 

○山陰中央新報

 不正確。はい、わかりました。

 

○朝日新聞

 済みません、関連して、市教委の対応はひとまず置いといたとしまして、全く一般論として、「はだしのゲン」そのものは、お読みになったことっていうのは、知事。

 

○溝口知事

 僕は、ありません。

 

○朝日新聞

 ないですか。

 島根県というと、「はだしのゲン」というと広島が舞台ではありますけれども、島根県というと、永井隆博士、松江でお生まれになって、飯石村、今の雲南市でお育ちになられて、長崎の原爆と闘われた医師がおられたり、あと有福温泉って、被爆者療養施設があって、非常に関連が深いところでもあると思うんですが、そのあたりを踏まえると、いかがですか。そのあたりを踏まえると、この被爆教育というか、原爆教育。

 

○溝口知事

 だから、現場の教育の問題については、それは市町村の教育委員会であり、それぞれの学校の先生方がお考えになることであって、私が何か言うということは誤解をされてもいけませんから差し控えたいということです。

 だから、さっきから繰り返しになりますけれども、どこかの県で起こって、そういう面について有識者としてどうかと言われた場合は、それは言えることも可能かもしれませんけれども、現時点では、今申し上げたような状況ですからね、私自身の有識者としての意見として言われても、どうかなということで差し控えたいと、こういうことです。

 

○朝日新聞

 これ実質、事実上、ちょっと関係があるからと、当事者に近いものがあるというところで......。

 

○溝口知事

 いや、だから、さっき申し上げたように、学校のね、先生、学校、それから市町村教育委員会、県教育委員会、それで県行政を担う私ということでありますから、無関係ではないわけですね。それで今取り扱っているのは、松江市の教育委員会で議論をされている最中でございますから、私が何か言うということは、内容について言うということは差し控えたいと、こういうことです。

 

○朝日新聞

 知事、内容の可否であったり是非みたいなところは、当然コメントするお立場にはないと思うんですが、逆に言うと、今回の件を見て、奇貨とすべきというか、ある意味でまた「はだしのゲン」がクローズアップされて、また議論のきっかけになっていますよね、平和を考える上で。このあたりはいかがですか。一つ、そういう......。

 

○溝口知事

 そういう問題を含めまして、また問題を、別の機会にそういうことがあれば申し上げますが、今はまだ、来週の月曜日にも市の教育委員会が再度議論をされるという状況ですから。

 

○NHK

 済みません、NHKの木村といいます。

 きのう、そういった教育委員会が開かれて、市の方もアンケートをやっていると。校長先生にアンケートをやった結果、閉架は必要ないとか、再検討すべきだという意見が半分ぐらい出たと。そういうことは、知事としてはどういうふうに考えられているか。

 

○溝口知事

 だから、そういう具体的な内容についてね、私が申し上げるべきではなくて、それは市町村の、松江市の教育委員会がまずお考えになることでありますから、この時点で私が何か言うということは差し控えたいと、こういうことであります。

 

○毎日新聞

 知事、お読みになったことはないということなんですけど、「はだしのゲン」という漫画があることは......。

 

○溝口知事

 あることは仄聞していましたね。

 

○毎日新聞

 例えば御家族で読まれたりとか、そういうようなこと自体とかいうことですか。

 

○溝口知事

 私は、家族は知ってたような気がしますけれどもね。

 

○山陰中央新報

 今後、知事は読まれたり、読みたいと思われたり、そういうお気持ちは。

 

○溝口知事

 まあ、またいずれ時間があれば読みます。

 

○中国新聞

 知事、この問題で陳情が昨年の8月に市議会に提出されてまして、当時の松江市民の方から。で、その問題に端を発しているというふうなことは市教委も認めているわけですけども、実はその前の4月の段階で、その陳情者の方が松江市の方に抗議に来られていまして、5月には県の教育委員会の方にも抗議に来られたようなんですね、どうも。で、そのことについて、知事は報告なり、そういうことは受けていましたか、当時。

 

○溝口知事

 それは受けていません。

 

○中国新聞

 今現在は、まだ、今でさえ受けてないですか。今現在。

 

○溝口知事

 その県の方に来たということですか。

 

○中国新聞

 はい。

 

○溝口知事

 あるいは、私の記憶には残っていませんね。あったのかもしれませんが、今時点で問われて、そういうことがあったと明確な記憶はありません。

 

○中国新聞

 当時は、じゃあなかったということなんですけど、この問題を受けて1週間、発覚して、社会に出てから1週間になりますけど、この1週間の間でそういう状況、昨年の5月に県教委の方に来られてたという報告は受けてますか。

 

○溝口知事

 それは受けてないと思います。

 

○中国新聞

 受けてない。

 

○溝口知事

 うん。それで、そこ、私が関心がありましたのは、こういう問題については、だれがまず判断すべき問題で、どういう仕組みになっているかということを教育委員会からはよく聞きました。それで今この場で申し上げているようなことをよく聞いたわけです。それで、それは市町村教育委員会が取り扱うことであり、県の教育委員会としては、現段階で取り扱っていませんと。取り扱っていないというか、何かしているというようなことは報告を受けていないと、こういうことです。

 

○山陰中央新報

 それと、市の方から相談があった場合は、あなたが判断することですから、知りませんとは言えないということなんじゃ......。

 

○溝口知事

 そこら辺はちょっと教育委員会に聞いてください。私は行政手続のあれを、必ずしも詳細を知っているわけじゃありませんから。

 

○中国新聞

 知事、そういう、無関係ではないということでコメントを差し控えるというのが、ちょっと余り腑に落ちないというか、余りちょっとよくわからないんですよ、議論として。というのも、別に市教委があって、市教委はそれ単独で判断できるし、県教委ももちろん判断できて、別に知事が今回何かここで言うことによって市教委の決定に影響を及ぼしたりとか、そういう問題でもないし、独立した決定機関であるわけですから、そこの、もうちょっとわかりやすい理屈をちょっと言っていただかないと、ちょっと納得できないですね、そのコメントを差し控えるという理由を。

 

○溝口知事

 今申し上げたとおりです。

 

○中国新聞

 どういう、無関係じゃないから差し控えるというのはどういうことですか。その問題が起こってて......。

 

○溝口知事

 やはりあれでしょう、その問題でいろんな議論があるわけですね。そこをどういうふうにするかということを松江市の教育委員会が法的な権限に基づいて今やっているわけでしょう。やっているわけですね。それで、県の教育委員会はこの具体的な問題に今関与しているわけではない。それで、教育全般ということになると、教育の内容とか、そういうものについては教育委員会というのがあって、そこでやるわけですね。小・中の教育の内容については市町村の教育委員会がやる、県立の高校等については県の教育委員会がやると。しかし、そういうものについては予算措置だとか、あるいは教師をどういうふうに配置をするとか、それは県の行政と深く関連しますし、それから県の行政として子供たちの健全な発育、成長ということは、教育だけでなく、いろんな施策があるわけですね。そういうものはやはり県全体として考えなきゃいかん問題ですから、関係があるわけです。

 ただ、教育の内容、今やっている内容について、私が直接の関与をする関係にはないわけです。しかし、いろんなことで関係はあるわけですね、予算措置をどうするかとか、いろんなことに関連しますし。そこら辺のところは、多くの方々に、やや行政の中の話ですから、皆さんが知っているわけじゃないですし、私自身も今回よく聞いて、ああ、そういうことかということでわかって言っているわけでありますけども、やはり知事としてこういう具体的な問題についてコメントするというのは、現時点で、こういう状況を考えますと、差し控えたいというのが私の考えであります。

 

○中国新聞

 先ほど申し上げた5月の県教委に抗議に来られたという事実があるんですけども、そのときに図書の選定というのは学校の判断でやるものであって、具体的に「はだしのゲン」を学校から撤去しろという抗議というか、申し入れなわけですけど、そこに対して、学校にそういうものは裁量があるということで、学校図書館法とかいうのも県の担当者の方は根拠として言われているわけですよ。で、要はこれ、結果的に陳情なんかが上がってきてないんで、県でどうのこうのというのはなかったですけども、県にも及びかねない問題であったということなんですよ。

 

○溝口知事

 いいや、県に及びかねないけども、教育制度の中ではね、学校における教育の内容については設置者、小・中であれば市町村の教育委員会が担当するということになっているわけですから。

 

○中国新聞

 いや、ですから、市町村の教育委員会が担当しているわけですけど、そこで起きた問題について、今回、知事がどういうふうに受けとめてらっしゃるのかというのを......。

 

○溝口知事

 いや、私は、それはそれぞれありますけれども、それを今のこういう時点で申し上げるのは差し控えたいということです。

 

○中国新聞

 今申し上げるのは差し控えたいというのは、今差し控える理由は何なんですか。それは26日の決定に影響を及ぼすからということですか。

 

○溝口知事

 いやいや、影響を及ぼすかどうかはわかりませんけども、多くの方々に対して、何といいますか、そこは難しいところですけれども、やはり権限がある機関が今やっておりますからね、全く無関係の一私人として言うことはなかなか難しいということを申し上げているわけで。余り、難しい問題なのですっきりしないと思いますけれども、そこら辺で御了解、御理解願いたいと思います。

 

○毎日新聞

 この問題に関連してしまうかもしれませんけど、隣の鳥取県の鳥取市で、市の図書館で「はだしのゲン」を手にとれる場所から外していたという措置があって、その措置は解除されたという報道も流れていますけれども、そういうことが他県でもあっているわけですけども、何らかの、特定の本なのか、いろんな本があると思いますけど、その本を図書館、学校の図書館なり公的な図書館、県にも県立図書館ありますけれども、そういうところから、余り人の目の届かないところに置くという、その行為についてはどう思われますか。

 

○溝口知事

 いや、ちょっとあなたの質問の趣旨がよくわかりませんね。

 

○毎日新聞

 いや、だから、本を、図書館にある本を、ある特定の本なりを利用者の目の届かないところに置くと、ある意図を持って置くという行為について、余り見えないようにするという行為というのは、知事はどう思われますか。

 

○溝口知事

 そこら辺は図書館の運営の問題ですからね、我々が、第三者がどうこうというよりも、やっぱり地域地域でね、地域地域の問題を解決していくということじゃないかと思いますね。

 

○毎日新聞

 地域地域の課題なんですかね、それは。

 

○溝口知事

 今あなたがおっしゃったのは、鳥取市の図書館でしょう。


○毎日新聞

 ええ、鳥取の。

 

○溝口知事

 だから、それは鳥取市の市民の方がどうされるかということでやられるべきことでしょう。

 

○朝日新聞

 今回の問題とちょっと切り離して、一般論として伺いたいんですけども、平和学習の大切さみたいなところは、知事はどのように、平和学習の大切さ。特に原爆ですね、永井隆博士の出身地として、今、現場の先生たちは5年生、6年生になったら平和学習をやって、学校で勉強して、広島の方へ修学旅行で行って見学して語りべの皆さんからお話を聞いて、一生懸命現場ではやられているんですけども、平和教育の大切さというところは、知事は一般論としてどのように。

 

○溝口知事

 一般論として、大切なことだと思います。

 

○朝日新聞

 それは、特に例えば永井博士であったり、あるいは......。

 

○溝口知事

 だから、それを具体的にどうされるかはね、学校であれば学校の中でどういう本を選定されるかとか、あるいは市の図書館であれば、それは市の図書館でお考えになることであり、また、そういうものに対して住民の方から御意見などがあれば、それはそこで解決されるということだろうと思いますね。

 

○朝日新聞

 あとちょっと繰り返しでありますけれども、学校図書のやっぱり意味の大きさというのは、さっきおっしゃったように、子供たちはいろんなことをやっぱり本で外の世界を知ったり学んだりできるという、やっぱり非常に知事としても今後も力を入れていきたいという。

 

○溝口知事

 はい。ただ、本はたくさんありますからね、それはどの本を選ぶかは、やっぱりそれぞれの現場で担当される方が選び、あるいはそういうものに対して、その図書館を利用される方々が意見を言うとか、そういうことを通じて調整が行われていくものじゃないかと思いますね。

 

○毎日新聞

 済みません、先ほど私が質問したものに追加で、改めてなんですけれども、同じく、同じようにある図書館にある本なり雑誌を利用者の見えないようにするということ、いろんな問題があるたびにそういうことって、たまに起こっているんですけども、例えば昨年の末ですけれども、大阪市長さんの関連で、とある週刊誌の記述が非常に問題になったというケースがあったのを御記憶にあると思うんですけども、これ昨年の12月、県のホームページにも載っていますけれども、県民ホットラインという県に来た提案なりに対する回答を書いてあるコーナーに、県民の方だと思いますけれども、大阪市長の関連の載った週刊誌について、県立図書館に置くというのはいかがなものかというようなことに対して、県立図書館の回答として、人権またはプライバシーを侵害するものについて司法判断、回収命令や提供制限の求めがあるかどうかなど、総合的に検討して制限の必要性を判断していますと書いてあって、御意見のあった週刊誌については、提供制限すべき資料ではないと該当すると判断しておりますということで、いわゆる図書館の自由、県民に知らすべきものというところの観点で、撤去などはしないというふうに明快に答えていらっしゃるんですけれども、こういうようなことというのは、県立図書館が答えているわけですけれども、知事も同様にお考えでしょうか、そういうふうに。

 

○溝口知事

 いや、ちょっと長いんで、フォローし切れませんでしたけども、本はたくさんありますからね、だから、そういうものでどういうものを選ぶかというのは、一義的には図書館を管理している人たちがなさることでしょうしね。それで問題があれば、だからやっぱり現場でそういうことをされる、その司書さんがおるとかね、学校でいえば学校の先生もおられるし司書さんもおられるし、そういう現場で判断をされていくということでしょう。要するに本は無数にあるわけですから、その中からどういうものがいいかどうかというのは、それぞれやっていきませんと。

 

○毎日新聞

 ん。あくまでそれはもう現場の判断でやるべき問題だということですか。

 

○溝口知事

 いや、それが教育をどうするかということ、教育ですと関係してきますよね。

 

○毎日新聞

 知事のお考え......。

 

○溝口知事

 ただ、要するに一般論として平和教育だとか、これはもうみんな大事であることは間違いないわけですけれども、どういう本を選んでどうするというのは、それぞれ現場で選ばれたりするということじゃないですか。

 

○毎日新聞

 大枠の考え方として、知事はどういうふうな考えを持っていらっしゃるのかを知りたいんですけれど......。

 

○溝口知事

 いや、責任ある人たちがまずやっぱり選別をされるわけでしょう。

 

○毎日新聞

 いや、だから......。

 

○溝口知事

 それで、それに対してこういう本を置いてくださいとか、こういう本をというのは、いろんな住民の方から意見があるかもしれませんね。それはやはり、そういうものを管理される方々が判断をしてお考えになるということじゃないですか。

 

○毎日新聞

 いや、そこは知事、論点が少しずれていらっしゃると思うんですけども、特定の本を図書館に入れるかどうか、図書館の本棚に並べるかどうかという問題ではなくて、既に図書館が蔵書として持っているものを人の目に見えるところに置くか置かないかという、そういう判断ですよね。

 

○溝口知事

 だから、そういう判断も含めてね、それぞれ現場でまずお考えになるということでしょう。

 

○毎日新聞

 現場で考えるということも当然あると思うんですけれども、知事は一般的にそういう、ある特定の本、何らかの社会的に問題があるというような形で言われたりとか、そういう今回のように、今回のだと話しづらいのかもしれませんが、表現で何らかの問題があるんではないかというような指摘があったような本があるとして、その本を見えないところに置くべきと思いますか、それともそのまま置いておいても、それは知る権利なんかの部分とも関連してくると思いますけれども、その辺はいかがでしょうか。

 

○溝口知事

 そういう話は、そういう一般論は何とも言えませんね。

 

○中国新聞

 知事、先ほどから現場の判断というのをずっと言われてますよね。

 

○溝口知事

 現場というか、管理している人がまずやっぱり、毎年、予算があってね、購入したりするわけでしょう。学校ですと、先生方がこういう本がいいとかでお買いになるわけでしょう。

 

○中国新聞

 だから、さっき冒頭にもおっしゃいましたけど、現場の判断、校長の判断というふうに言われましたけども、ということは、「はだしのゲン」の今回の問題についてピンポイントで言うのが難しいということであれば、一般的に図書の閲覧をどうするかということに関しては、現場の判断が尊重されるべきというお考えでよろしいですか。

 

○溝口知事

 だから、そういう一般論も、現在議論されていますから、それは教育という観点もありますからいろんな意見があり得るわけでしょうから、それは今、この市の教育委員会で検討されているところですからね、私がこの時点で何かを言うのは差し控えたいと、こういうことです。

 

○中国新聞

 そうすると、完全に一般論で構いませんので、図書館の図書館に何を置いて、何を例えば書庫にしまったりする、しまうのかということに対して、行政が物申すということに対して、一般論ではどういうふうに思われますか。

 

○溝口知事

 何とも言えませんね。それはいろんな本もあるでしょうし、そういうあいまいな、非常に漠っとした質問に対しては、お答えしかねますね。

 

○中国新聞

 ただ、先ほど申し上げましたけど、5月に、昨年5月に来られたときに、県の担当者の方は、学校図書館の自由がある、権限があるということを明確に言われているわけですよ。

 

○溝口知事

 ただ、その担当者の話を僕聞いていませんから、聞いてないことについて、具体的にコメントするのは、内容を承知していませんからね、それはコメントを差し控えた方がいいだろうと、こういうふうに思います。

 

○中国新聞

 そういう理念は、細かい話じゃなくて大まかな話で、知事、政治家ですから、そういう部分は示されるべきだと私は思うんですけど。

 

○溝口知事

 いや、政治家として、あるいは要するに一私人として、あるいは有識者とするときは、それはあるかもしれませんが、今あなたが聞いているような問題は、松江市の問題に絡んで聞いているわけだから、その問題については今、松江市の方で市の教育委員会で議論されていますので、その最中でありますからね、私としてはコメントを差し控えますと、こういうことを申し上げているわけです。

 

○中国新聞

 コメントを差し控える、その一番の根拠は、何ですか、無関係じゃないということですか。

 

○溝口知事

 今やっておられるからということですよ。直接責任ある機関が対応しておられるからと、こういうことですよ。

 

○中国新聞

 いや、他の自治体のトップの方なんかは、それやっておられる中でも......。

 

○溝口知事

 他の自治体の場合は、それはね、有識者として言うということは大いにあり得ると思いますよ。

 

○中国新聞

 いや、だから、さっきも言ったように、独立しているわけですよ、機関として。

 

○溝口知事

 独立しているとしても、私も島根県の教育についてね、教育も行政の一部でありますから、関心は持っているわけですよ。

 

○中国新聞

 関心がある......。

 

○溝口知事

 ある一定の、何といいますか、影響もあるわけでありましてね、だから今、そういう事態ですから、私が、私から言うことは差し控えた方がいいだろうという判断を私はしているということです。

 

○中国新聞

 県のトップとしてのお考えは一切示されないということですね、この問題については。

 

○溝口知事

 いやいや、まず松江市の検討を、松江市教育委員会の検討を見守っておると、こういうことですよ。それが見解ですよ。

 

○朝日新聞

 知事、重複しますけども......。

 

○溝口知事

 だから、松江市の教育委員会に対してね、私が何か言っているようなことは避けたいということですよ。

 

○中国新聞

 いや、それは何か言ってくださいと言っているわけじゃなくて、知事の政治家としてのお考えを聞きたいんです。

 

○溝口知事

 いやいや、だけど、それはそういうふうに皆さんの、何ですか、メディアというのはそういう機能があるわけですから、一人一人、私はそう思って、そういうことを進めているけど、誤解されてもいかんということですよ。

 

○中国新聞

 その進めているというか、この問題について、知事がどういうふうに受けとめるのかというのを、今の当事者である教育委員長とか教育長が、それは今の段階で言えませんというのはわかるんですけど、知事が今言えませんというのはあんまり理解できないんですけど、そこは。

 

○溝口知事

 私の考えはそうだと、こういうことです。

 

○朝日新聞

 知事、監督権限がないという意味では、逆にそれは知事がこう考えている、で、例えば市長はこう考えてる、これ逆に今議論されてる段階ですので、それもまた一つ、議論の材料にしていくというのは、非常に言論の自由というか、これは大切なことだと思うんですけれども、そこはいかがですか。知事が何か言うから悪いではなくて、むしろ......。

 

○溝口知事

 なかなか明快なあれは出ませんけども、私の考えはそうだということを繰り返し申し上げていると、こういうことです。

 

○朝日新聞

 そういう意味で、島根県としての情報発信がないなというふうに感じるんですけど、今、全国的に関心を集めているこの問題で、島根県のトップである、リーダーである知事がどう考えているかというのは非常に大切な問題だと思うんですけれども、その発信力というところはいかがですか、逆に。

 

○溝口知事

 いや、その問題については、私の発信しているのは、今、責任ある松江市の教育委員会が検討しておるので、それをよく見守っていきたいと、こういうことを発信しているということです。

 

○朝日新聞

 裏を返せば、市教委のある程度方向性なり結論が出た後であれば、個人的な......。

 

○溝口知事

 まずそこをやっぱり見るべきだと、こういうことを申し上げているわけです。それが私の考えです。

 

○中国新聞

 確認ですけど、図書の選定というのは、基本的には現場が判断することだというお考えは間違いないですね。

 

○溝口知事

 それは通常考えても、そうするほかないでしょう。

 

○中国新聞

 そこに、だから今回、教育行政が、要請と言っていますけど、要請をしたというのが問題になっているわけですので......。

 

○溝口知事

 だから、その点でのところについては、今議論されているからコメントはしませんと、こういうことを申し上げている。

 

○中国新聞

 この問題で、下村文部科学大臣が閲覧制限は法的に問題ないというふうに発言されたのは御存じだと思いますけど、このことに対してはどういうふうに思われますか。

 

○溝口知事

 いや、ちょっとそれはどういう文脈でおっしゃっているのかがわかりませんから。

 

○中国新聞

 いや、文脈は、まさにこういう文脈でおっしゃったんですけども。

 

○溝口知事

 それは、文部大臣として、教育に関係のある大臣としておっしゃっておられるんでしょうね。教育全般を見ておられる大臣として。

 

○中国新聞

 下村大臣のお考えに賛同できますか、できませんかということでいうと、どっちですか。

 

○溝口知事

 だから、そこのところは、私は教育の問題について、松江市内における小・中学校の教育については、今、松江市の教育委員会が担当されて、どういうふうに解決すべきなのか、どういうふうにすべきなのか、議論の最中でありますからコメントは差し控えますと、こういうことです。

 

○NHK

 知事は、松江市教委が出した結論について、もう最大限尊重していくという。

 

○溝口知事

 ん。

 

○NHK

 松江市教委が出した結論に対して、最大限に尊重していくと。

 

○溝口知事

 尊重するとかっていうことじゃないですね。それは松江市の教育委員会がお決めになるということでしょう。

 

○中国新聞

 今回問題となっている描写のところというのは、さっき読まれたことないっていうふうに言われましたけども、問題となっている描写のところを確認されたりとか、そういうこともされてないわけですね、知事は。

○溝口知事

 していません。

 

○中国新聞

 してない。

 

○溝口知事

 ただ、報道では、その概要は紹介されていますから、大体そういうことから浮かぶことはありますけれどもね。

 

○中国新聞

 ちょっと失礼な言い方になるかもしれないんですが、県教委の方にそういう抗議を申し入れと言った方がいいのか......。

 

○溝口知事

 県教委のどこにしたんですか。

 

○中国新聞

 県教委の担当のところに。

 

○溝口知事

 担当のだれですか。

 

○中国新聞

 だれって、私、ここで言ってもいいんですか。

 

○溝口知事

 要するに教育長とかなんとかが受けたんですか。

 

○中国新聞

 いやいや、担当者が受けたんです。

 

○溝口知事

 担当者というのは。

 

○中国新聞

 課長代理と担当者が受けてます。

 

○溝口知事

 課長代理ですか。

 

○中国新聞

 はい。が受けてますが、そういうことをまずこの時点まで御存じないということと、「はだしのゲン」の問題になっている部分も確認されてない。で、さっき御自分で無関係でないと言われたんだったら、それぐらいの情報収集はされてしかるべきだと思いますけど。

 

○溝口知事

 いや、話は聞いてますから大体のことは知ってます。

 

○中国新聞

 それはちょっと甘いんじゃないかという、言われても仕方がないと思うんですが。

 

○溝口知事

 いや、その教育の内容のところまで、私が今、何かすべき状況ではないと思いますね。やはりそれぞれの担当の部署がありますから。

 

○中国新聞

 あと島根県で無関係でないからコメントできないというのは、何か本当によくわからないんですけどね、その理屈のところが。何をそんなに恐れてらっしゃるんですか、コメントすることに対して。

 

○溝口知事

 恐れてはいないですよ。恐れではなくて、私はそういう権限の、今担当している、そういう中で申し上げているだけですよ。

 

○中国新聞

 権限は、でも知事が決めることじゃないですから、これは。

 

○溝口知事

 だけど、それは、こういう仕組みというのは複雑ですからね。

 

○中国新聞

 この問題が起きたときに、間違いなくこの会見で知事のコメントを求められるだろうという予測はつくと思うんですけど、その段階で、もう余計なことは言わないというふうに決められたんですか。

 

○溝口知事

 じゃなくて、それは権限の関係が、今、県等の教育委員会との関係とかね、市町村の教育委員会の受け持つ、担当している仕事だとか、あるいは学校、あるいは校長先生との関係、そういうものは全部聞いておりますよ。

 

○山陰中央新報

 1点確認ですけど、県立高校でどういうふうになっているかというのを改めて把握されるお考えはありますか。

 

○溝口知事

 それは、教育委員会がどうしているか、ちょっとそれは聞いていませんから、聞いてみましょう。

 

○山陰中央新報

 今の段階で、知事としてはこうだって、ちょっと言えない。

 

○溝口知事

 いや、それは教育委員会からも受けていませんから。

 

○中国新聞

 この問題に関して、教育委員会の方から何か、何らかの報告は受けたんですか。

 

○溝口知事

 何回も受けてますよ。

 

○中国新聞

 で、どういう対応をされたんですか、それに。

 

○溝口知事

 ん。

 

○中国新聞

 知事としてどういう指示を出されたんですか、今のところ。

 

○溝口知事

 指示はしていませんよ。

 

○中国新聞

 何もしてない。

 

○溝口知事

 教育委員会の方も、松江市の教育委員会が今やっていますからね、それをよく見守っているところですということですね。それで、私が市の教育委員会との関係とか、あるいは市の教育委員会と各学校との関係とか、そういうものについて、すべて話は聞いております。そういうことを踏まえて今、申し上げているということです。

 

○中国新聞

 先ほどの質問とちょっと重複しますけども、この決定が26日に恐らくなされる見通しですけども、その後であれば、知事はこういう公の場であれ個別の取材であれ、これは応じるんですか。

 

○溝口知事

 その時点で言えることは申し上げます。

 

○時事通信

 それが少し違和感を感じるというのは、その結論が市教委に出された後で、知事が、それでまた発言されることで、それでまた何らかの影響を及ぼすというふうには......。

 

○溝口知事

 いや、だから、言えることは申し上げるというんでありましてね、何を言うかはまだ、現時点ではわかりませんよ。

 

○時事通信

 何かをおっしゃるんであれば、今おっしゃるのと、後でおっしゃるのは余り変わらん......。

 

○溝口知事

 違う違う、市町村の、松江市の教育委員会が判断されたことについて、何か私が言うべきこと、あるいは言うことが可能なことがありましたらね、それは申し上げますよということを言っているわけです。

 

○朝日新聞

 今おっしゃれないというのは、やっぱり今の議論、市教委の判断に影響を及ぼしたくないという、そういうことですか。

 

○溝口知事

 影響を及ぼしたくないということも、それはあるかもしれませんけれども、そういうことよりも、その問題は市の教育委員会が担当してやっていることですからね、それを見守る方が適当だという判断ですよ。

 

○朝日新聞

 ただ、問題が非常にこれだけ大きくなったのは、やっぱり「はだしのゲン」というのは非常にシンボリックな平和教育の象徴的な存在であって、これだけ全国的な、今ちょっと関心を集めている問題だと思うんですけども、そこで、じゃあ今、島根県の知事が何を言ったかとニュースになったときに、無関係ではないからコメントできないというと、ちょっとやっぱり全国の方も何か、逆に誤解を生むんじゃないですか。

 

○溝口知事

 無関係ということじゃなくて、松江市の教育委員会が今やっておられますから、それを見守っていきたいと、こういうことですよ。だから、そこが主文ですね。だから、それ以上のことについては、現時点では発言を差し控えますと、こういうことです。

 

○朝日新聞

 お立場上、ちょっと差し控えたいという......。

 

○溝口知事

 いや、一番のあれは松江市の教育委員会が、教育の問題については担当されているわけでありますし、この問題は松江市の教育委員会と関係することでありますから、その権限を持っておやりになる立場にあるわけですから、それを見守るのが適当だということですよ、一番のあれは。だから、その理由としてはね、やっておられるから見守っていきたいというのが私の立場であると。

 

○朝日新聞

 当然、お考えはお持ちではいらっしゃるということなんですね。ただ、それを公にできないというだけで、いろいろ知事としての個人的な所感はお持ちでいらっしゃると。

 

○溝口知事

 いや、だから一般論はありますけれどもね。ただ、具体的なところは、今やっておられるわけですから、それを見守るのが適当だというのが私の考えですよ。あなたに、無関係というのは、それは後に来る話であって、無関係ではないというのは後に来る話で、それはなぜ言うかというと、それはほかの県の知事さんとか、それは言って差し支えないでしょうね。

 

○中国新聞

 その違いがよくわかんないんですよ。広島の知事と島根の知事の何が違うのか。

 

○溝口知事

 いや、それは島根県の中の教育に関連することであり、教育の内容について責任を持っている松江市の教育委員会がやってますからね、そこを......。

 

○中国新聞

 いや、そこは市教委の管轄なわけじゃないですか、今回の問題というのは。

 

○溝口知事

 ん。

 

○中国新聞

 市教委の管轄の部分でしょう、そこは。

 

○溝口知事

 何の管轄。

 

○中国新聞

 市教委が管轄されてる部分の問題じゃないですか、今。市の教育委員会の問題であって、それは県の問題じゃないわけじゃないですか、今。

 

○溝口知事

 県の教育委員会じゃないんですよ。

 

○中国新聞

 ええ。

 

○溝口知事

 それは市町村の教育内容は市町村ですからね、県は先生の......。

 

○中国新聞

 いや、ですから、そこで広島と島根がそこまで違うというのは、どういうことなんですかということで。

 

○溝口知事

 だけど、全く無関係じゃないですよね。

 

○中国新聞

 まあ全く無関係じゃないですけど、それは。

 

○溝口知事

 いろんな問題が起こった場合は、まず県の教育委員会が受けるわけですよ。まだそこまで行ってないわけですよ。行ってない段階で、私が何か言うというのもおかしいですね。

 

○毎日新聞

 ただ、一般論はお持ちだというのは、今、先ほど言ったんですけど、一般論としての考えは持ってる。その考えは、だから今、現時点では言えないということでいいですか。いや、さっき......。

 

○溝口知事

 いや、一般論、もちろんありますよ。

 

○毎日新聞

 一般論はありますよというのは、一般論として、一般論でこういうようなことを一般化したときに、知事としての何らかの見解とかコメントというのは持ってらっしゃるわけですね。

 

○溝口知事

 まあ一般論といってもね、それはこういう問題を一般論と言っても、いろんな一般論があるでしょうからね。現実のあれをよく、松江市教育委員会のお考えだとかね、よく見た上で......。

 

○毎日新聞

 いや、だから、その一般論はありますよと言ったのは、それは私の理解が間違っていれば違いますよと言ってほしいんですけど、今回の話を一般化したときに、そのことに対する溝口善兵衛さんとしてのある一定の見解なり考えなり、賛否というところまであるのかわかりませんけれども、そういうふうなものというのは、知事の頭の中になのか、心の中にはあるわけですね。

 

○溝口知事

 それはありますね。

 

○毎日新聞

 ただ、それは今は言えないということなんですね。

 

○溝口知事

 言えないというよりも、松江市の教育委員会の検討が今、最終段階にありますから、それを見守っておくべきだという判断をしているということです。

 

○毎日新聞

 先ほど少し前に、ほかの方との議論の中で、じゃあ、それについては何らかの結論があった後には、公表するお考えはあるのかという趣旨で聞かれたと思うんですが、それについては、話せる範囲で話せるというふうにおっしゃった......。

 

○溝口知事

 いや、それは、出た段階で言えることは申し上げますと、こういうことです。

 

○毎日新聞

 ただ、一方で、言えることというのの範囲なんですが、知事のこれまでの会見の中での御発言を考えると、大抵のことに関しては一般論には答えないという姿勢がまずあり、さらにほかの、県以外のところが決められたことについては、だれだれのお考えでしょうと、そこそこのお考えでしょうから、それについて私が言うことはありませんという、この2つ、非常にパターン化しているというか、信念を持ってらっしゃるような部分だと思いますので、じゃあ、そういうところを考え合わせると、じゃあ終わった後に話せる部分の話せる部分というのは、知事は一体何を話すんだろうなと私は思うんですけれども、そう考えると、基本的に終わった後でも話さないというふうに推測して構わないんでしょうか。

 

○溝口知事

 いや、それはあなたのお考えですね。

 

○毎日新聞

 私の考えですか。

 

○溝口知事

 私は私として適切なことを申し上げたいと思います。

 

○中国新聞

 きのうの会議は、県の担当の方は行っておられたんですかね。

 

○溝口知事

 ん。

 

○中国新聞

 きのうの会議は。県の担当の方も行っておられたんですか。

 

○溝口知事

 きのうの会議というのは。

 

○中国新聞

 教育委員会議。

 

○溝口知事

 行ってないでしょう。

 

○中国新聞

 行ってないんですか。

 

○溝口知事

 うん。

 

○中国新聞

 傍聴は。

 

○溝口知事

 いや、傍聴もしてないと思いますよ。ちょっと確認してみましょう、それは後で。そういうことはないと思いますね。

 そこは県の教育委員会の役割とかね、市町村教育委員会の役割とかというのは、非常に難しいところがあるわけですよ。要するに時代の変遷とともに、もう変わっているところもあるでしょうし、それからいろんな歴史もあるでしょうしね。

 

○中国新聞

 ただ、これは私の意見ですけど、市教委の判断に対して今回、知事が、別にどういう結論を出せとか、そういうことを私たちは聞いているわけじゃないんで、今回起こった事態、市教委の判断に対して、やっぱりどういうふうに受けとめられたのかというのは、別に結論を求めているわけじゃないんで、そこについては別にコメントされても、コメントされてしかるべきだというふうに思いますけどね。

 

○溝口知事

 まだ松江市の教育委員会の中でどういう議論があってね、あるいはこの問題がどういうふうにして起こったか、まだ十分公表されているわけでもないでしょうし。

 

○中国新聞

 いや、きのうかなり公表されましたけどね、詳しく。

 

○溝口知事

 松江市の中の教育委員会のこともあり、あるいは教育委員会事務局のこともあるでしょうし、あるいは各学校との関係もあるでしょうし、そこら辺はね、やはりそれぞれきちっと整理をされた人のところでやはり判断をまずしないとね、そういうことがわかる前から推測で物を言うわけにはいかないと。

 

○中国新聞

 いや、そんな細かい話を言ってるわけじゃなくて、政治家としてのスタンスであり、もっと大きな話を言ってほしいなという意向なんですけど、県知事としての。

 

○溝口知事

 いや、そこを含めてね、政治家としても、それはやはり現実に今やっているところを見守るべきだというのが私の考えです。

 

○中国新聞

 基本的には、学校の判断だということですね。

 

○溝口知事

 そんなことは言ってませんね。要するに現場現場で一般論として申し上げているわけでありまして。

 

○中国新聞

 現場の判断だと言われましたけど。

 

○溝口知事

 現場現場でですね。

 

○中国新聞

 学校でいえば司書もいるし、現場で判断されると。

 

○溝口知事

 ただ、教育の内容をどうするかということもあるでしょうからね、どういうやり方でやるか。そういうものについて教育委員会というのは一定の、どういう指導をされるのか知りませんけども、教育委員会の方もあるでしょうからね。教育委員会が、要するに教育全般をどういうふうに進めたらいいかというところですから、広いですから。それがどこまで及んでいるのか、どうしたらいいかというのはケース・バイ・ケースで変わるわけでしてね、それは現場と教育委員会がいろいろ話をしながら、そういうことを決めていくということじゃないですか。

 

○中国新聞

 基本的には現場の判断だけど、そこに市教委が何らかの......。

 

○溝口知事

 いや、教育委員会というのはそのためにあるわけでしょう。

 

○中国新聞

 だから、あり得ることだということですね。

 

○溝口知事

 いやいや、だから、そういうふうに進められて言われてもいけませんけれどもね。要するに相互作用があるわけでしょう。例えば市町村の中で、学校がもう、何ですか、学校でそれぞれ判断するというのが適当でないから教育委員会というようなものを設けて、基本的な考え方とかをそこでも整理をしながら市全体としてやるということがあるし、まずそういうことじゃないですか。だから、常に相互作用があるんだと思いますよ。だから、あんまり簡単に割り切るわけにはいかない。特にこういう大きな関心を持っている問題について、あいまいなことを言うわけにはいかないと。

 

○中国新聞

 最後に、知事のお考えはいいので、今回の論点というか、最初の質問ですけど、何が一番問題になっているというふうにお思いですか。表現の自由とか知る権利の問題とか、いろいろあるわけですけども。論点。知事のお考えはもういいので、何が論点になっている、何が問題でこんだけ全国から関心を持たれているというふうにお思いですか。

 

○溝口知事

 それは、子供たちに対する教育の観点から、どういうことをすべきであり、すべきでない、そういうことが論点になっているということでしょう。

 

○中国新聞

 どういうことをすべきか、すべきでないか。ということは、教育委員会がどこまで......。

 

○溝口知事

 ということでしょう。

 

○中国新聞

 何ていうのかな、介入と言うとちょっとネガティブな表現だけど、教育委員会がどこまで教育現場に対して......。

 

○溝口知事

 教育委員会がどのような役割を果たし、あるいは各学校がどのような役割を果たし、だけど、それも相互関係がありますからね、一義的にすべてに当てはまるかどうかはわかりませんね。だから余り一般論では答えにくいと、こう言っておるわけです。

 

○中国新聞

 どこまで指示であったり要請であったり、そういうことができるのかという......。

 

○溝口知事

 え。

 

○中国新聞

 教育委員会が現場に対して......。

 

○溝口知事

 あるでしょうね。例えばいろんなことを考えた場合にね、子供、例えば読書の関係なんかでいえば、図書館をよく利用するようにいろんな施策をしなさいというようなことを市の教育委員会がやってもいいですわね。あるいは朝、子供たちが読むようにいろんなことをやりなさいとか、あるいは図書を利用した教育をやりなさいとかね、そういうようなやり方としては、こういうことがありますよとか、こういう研修をしましょうとかね、いろんなことがあるわけですよ。

 だから、現場現場といっても、それは教育委員会という制度があり、市町村の教育委員会という制度があり、県の方にも県の教育委員会があり、そして文科省においては指導要領があり教科書があり、いろんな機関が非常にいろんな形で関与しているわけですからね、だからあんまり簡単にこうだというふうに決めつけるという、こういう具体的な問題についてはね、よく知ったところがまず一義的に判断をされるべきであって、現時点ではそれを見守っている方が適当であると、こういうことです。

 

○中国新聞

 一義的に判断される主体は市教委ですか。

 

○溝口知事
え。

 

○中国新聞

 一義的に判断されるという主体は市教委。

 

○溝口知事

 それは市の教育委員会から起こっている話ですからね。

 それじゃあ終わります。いいですか。

 


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