知事定例記者会見(8月12日)
質問事項
2.隠岐ジオパーク、隠岐の島観光振興等について
○日本海テレビ
知事、よろしいでしょうか。
隠岐ジオパーク、いよいよ9月9日に向けて発表があると思うんですが、今日も審査機関に向けて報告書を提出ということですけども、知事の所感をちょっと。
○溝口知事
昨年、審査が行われたわけですけれども、必ずしもジオパークの利活用等について十分でない点があるということで、追加の資料、あるいは我々の側の考え方などの提供を求められて、その対応を行ってきたと、こういうことであります。また、ジオパークの関係者の方々にも、事務局でありますとか、積極的に説明に行っておりまして、そういう方々の御理解も得るということをやっております。こういうことを通じまして、隠岐のジオパークのよさはもちろん、それをどのように利活用していくかということについても御理解をかなり得られるものだというふうに思っておりますので、これからさらに努力をしていきたいというふうに思います。ぜひとも今回でジオパークの認定がなされるということを強く期待をしておるということであります。
○中国新聞
知事、ジオパークの関係で、追加ですけども、認定をされることのメリットというのを改めて知事としてどういうふうに考えるのかというところをちょっと教えていただけますか。
○溝口知事
ジオパークというのは、やはり国際機関で国際的な基準に基づいて評価をされるということでありますから、価値が世界的なものになる、普遍的なものになるということで、そこに行けば、そういう機関が認めたものがあるんだ、見られるんだということで、大きなインパクトがあるというふうに思っております。それによりまして、隠岐に来られる方がふえる、隠岐の振興にもつながる、そしてそれが島根全体のイメージのアップにもつながるというふうに考えております。
○中国新聞
そうすると、仮に、認定をされるかどうかはまだわからないわけですけども、これまで県の方もいろいろ予算を投じてハードの整備を中心にやられてきたと思うんですけれども、今後、やはり地元の町というのは財政規模も限られているわけで、そこがやるのももちろん重要なんでしょうけども、県として財政的な支援は欠かせないというふうに、今後、振興をしていく上で、思うんですけども、今までそういう一定のハードの整備なんかをやられて、今後の見通しとして、細かいことはいいんですけど、大きな方針として、県としてもそういう隠岐を振興していこうということに力を入れていくという、やはり方針はあるんでしょうか。
○溝口知事
そうですね、島根の、一つは産業振興という面があるわけですね。各地に観光のためのいい素材がたくさんあって、それを掘り起こして多くの方々に来ていただく、それによって、その地の産業活動の活性化につながるということでありますから、そういう観点から支援をしていくと。石見銀山もそうでありますし、各地の古事記1300年もそうでありますし、いろんな素材があるわけですから、そういうものを活用して地域振興のために支援を行っていきたいと。
また、そういうためにも利活用でありますとか、あるいは観光にダイレクトにつながるというよりも、いろんな資料集めをするとか、そういう研究調査をバックアップするということも大事でありますし、それから地元自身がいろいろ取り組まれることに対して支援をしていくとか、いろんな形態があると思います。
○読売新聞
関連してなんですけど、今、隠岐が、海士町なんかがかなり、町長さんとかの力もあったりでIターンがふえたりしていて、大分観光面でも人がたくさん来ていると思うんですけど、反面、ほかの町村では結構格差が出てきている面もあると思うんですけれども、そのあたりは隠岐ジオパークを通して、何か県として全体の底上げというのを図ろうとか、そういうような方策というのはあるんですか。
○溝口知事
全体といいますか、地域の資源を活用してできるだけのことをやるということです。
○読売新聞
地域地域で今持っている力というのが、差が出てきてしまっている面もあると思うんですけれども......。
○溝口知事
いや、それぞれいろいろ活用されていると思いますよ。それぞれのそういう努力を支援していくと、こういうことです。
○中国新聞
ちょっと関連なんですけども、ジオパークにもし認定されると、それは非常に隠岐にとってはプラスのことなんだなというのは私も思いますけれど、一方で、私、島根にいるんで、皆、隠岐のことは知ってますけども、日本全部で見たときに、まだやはり知名度が低いであったりとか、いろんな課題がまだまだあると思うんですけども、県として、ここから予算を投じていくんであれば、そうした、どこがまず、今まだ足りないのかというのをちゃんと把握する必要があると思うんですけど、その辺の課題については、知事はどういうところにあるというふうにお考えですか。
○溝口知事
地域ごとのですか。
○中国新聞
隠岐諸島としてのですね、ジオパーク、観光振興がメーンになると思いますけども、それを図っていく上での今の課題というか、どういうところに課題があるというふうにお考えなのか。
○溝口知事
それは、一つはやっぱり隠岐は離島であるという不利な条件がありますね。そういう意味で、離島振興などについて国の支援を求めるということがありますね。それからそういう離島であるがために、本土における鉄道のようなものと比べると運賃が高いといった問題がありますね。そういう問題は大きな課題でありまして、政府にもフェリーというのは動く国道だと、だから国道と同じような支援をすべきじゃないかというようなことも言っております。そういうことも直ちには実現できませんけども、そういうことの要望をしていくとか、あるいは離島がゆえにいろんなもののコストが高くなるというようなこともありますね。燃油なんかがそういう一つの例でありますけれどもね、そういうものの支援を行ってもらうとか、あるいは観光資源があって国立公園にも、一部になっているわけですけれども、そういう面で政府の環境省などの支援も求めると。環境省の方も駐在の方をふやしたり、あるいはジオパークに関連していろんな標識の整備なども行っていますね。そういうことも行う。そして県は、やはりPRでありますとか、そういう中で隠岐がよく知られるように、いろんな形でPRをしますし、あるいは隠岐の8月のジェット便などもそういう支援の一つですね。さらに、旅行商品の中に本土と隠岐を入れたような旅行商品をつくっていただくよう、いろんな支援も行っていく。考えられることをできるだけ行っていくということですね。
○中国新聞
済みません、これも関連なんですが、昨年、一昨年の古事記1300年から遷宮にかけての大きな観光キャンペーンの中で、もちろん県東部を中心に、非常にたくさんの人が訪れたという成果はあったと思うんですが、一方で、それを全体に波及させようというねらいというのは、必ずしもうまくいかなかったと思うんですが、県西部というのは必ずしも人がふえなかったと。
今回の隠岐ジオパークの認定についても、やっぱりそれを起点に県全体に波及させたいという思いはあるかと思うんですが、じゃあ、1300年、遷宮という中で課題として残った県西部への誘導という部分で新しく考えてらっしゃることというのは何かありますでしょうか。
○溝口知事
一つはやっぱり交通のアクセスというのが大きいですね。県西部にもいろんな観光資源はありますけれども、特に車で来られる方、あるいは飛行機で来られる方、あるいは鉄道で来られる方というふうなことを見ますと、やっぱりそういうインフラの整備がおくれていますからね、そういうことを進めるということですね。一つは山陰道の整備をそういう意味で早くやってもらいたいということを言っていますし、隠岐もやはり離島ということで、やっぱり運賃が高いということがあるわけですよね。そういうものはなかなか県だけでは対応できませんから、国に対してそういう要請を行っていくというものが大きな枠組みの中では大事な要素ですね。
それから、そういう中でそれぞれの地域にある観光資源を活用する。隠岐ではジオパークということが一つ新たに出てくるわけでありますけども、西部の方では古事記1300年の中でも石見神楽などについて、各地でいろいろ共同して取り組もうという機運が高まっておりますね。毎日どこかで神楽があるとか、あるいは石見でそういう協議会をつくってPRなどについても一緒にやっていこうという機運がありますから、そういうことを進める。旅行商品にもそういうものを入れていく。それからやっぱり航空便なんかも、石見空港は東京、大阪便、1便、大阪便はもう夏だけになっていますしね。だから、そういうインフラの整備などがやはりバックにあるわけですね。そういうものを進めていくと。そういう中で観光資源も開発する。そういうものを旅行商品に入れてもらう。それからやっぱりPRがあるでしょうね。
○山陰中央新報
済みません、関連ですが、そういうだんだん隠岐のすばらしい魅力をこの地域に広げていくという意味では、鳥取県が、鳥取県、兵庫県、既に山陰海岸ということで既にジオパークに指定されて、結構海のカヌーとか、そういうのが少しずつブームで盛り上がってきて、非常にいい好例だと思うんですが、そうした鳥取県との連携のテーマにも一つなり得るのかなと思いますが、これは認定されたらの話になるんですが、そういった連携の可能性というのは、やっぱり知事から、もし認定された場合は働きかけていただきたいというお考えは念頭にあるんでしょうか。
○溝口知事
ええ、そういうアイデアもありますね。
○毎日新聞
済みません、関連で、隠岐に限らず観光全体というところで少しお伺いしたいんですけれども、新たな観光キャンペーンも始められて、首都圏を中心にやってらっしゃると思いますけど、一方で、そのベースとなるような調査を県の方もやってらっしゃると思うんですけれども、その中で、島根県の観光の認知度の部分で、県がやっている観光キャンペーンに対して7割ぐらいの人が知らないというような感じの回答が出ていると。それも知事のお耳に入っていると思うんですが、その辺について、これまでいろいろとやってはこられたと思うんですけども、7割の人が知らないというのはちょっと、効果的にできているのかどうかという疑問もあるんですけれども、その辺、知事はどういうふうにごらんになっていますか。
○溝口知事
それはやっぱり長い時間を要するでしょうね。やっぱり基本的に遠いですから。それは東京近辺ですと、大阪以西になりますと、なかなか単身はあれですよね、行けませんし、やっぱり近場が多いでしょうから、やっぱり距離的なものというのは非常に大きいと思いますね。だから、それを、そういう距離的なハンディをカバーするためにいろんな地域の資源を掘り起こす、島根の特色を生かしたPRをやっぱり粘り強くやっていくということだと思いますね。
○毎日新聞
具体的に、じゃあこれからどういうことをすればいいと知事はお考えですか。
○溝口知事
古事記1300年の関係でいいますと、これは私、いろんなところで言っていますけれども、日本全体が大きな曲がり角に来ていて、大都市の生活も大変厳しいものになってきておりますね。日本はどんどん企業も大きくなる、経済も大きくなるという時代はなかなか戻ってくるのは難しいですね。そういう中で、人々の価値観として安定した生活を求めるとか、ゆとりのある生活を求めるとか、あるいは自然に近いところで生活をしたいとか、そういう中で古き文化などにも関心を持つ人がふえてきている。そういうことになると、島根などが関心を引く素材はたくさんありますから、そういうものを活用していく。それが古事記1300年であり、そして出雲大社といった古い歴史を持つ文化、遺産と言っては失礼なんですけども、大きな文化があるわけですね。そういうものをやはり日本の中にPRしていく。それが少し緒につき始めたという段階ですから、これからまださらに行っていくと。
今回、首都圏などでPRしているのが、やっぱりそういう中で女性の方々、子育てをされる若い女性の方々が縁結びでありますとか、あるいは子供を健康に育てる、そういうことから自然でありますとか自然の食材でありますとか、あるいはみんなが助け合うような地域社会でありますとか、そういうものですね、何となく穏やかな、ゆったりした、そういうものに対して関心が強くなっておるようですから、それで、それが島根の一つの全体的なイメージでもあるわけです。そういうものに着目したPRなどをさらに強化をしていきたいというふうに考えて、今、それも取り組み始めたところであります。
○毎日新聞
ただ一方で、古事記1300年、昨年にあわせて、それなりの期間をかけて神々の国しまねということで数年かけてやってこられて、それで、知事の御認識としては、その成果が今ちょっとずつ出ているということなんですか。
○溝口知事
出始めていると思いますね。やはり都市の例えば女性の方々が特急列車で出雲まで来られると、そういうものが人気の一つの旅行パッケージになっていたり、今でもやはり出雲大社というものの大きな力があるわけでありますけれども、そういう古い世界ですね、古い世界と言ったのは、割とゆったりした穏やかな、そういうイメージを持った世界ですね。そういうものに対する関心が高くなって、来られる人がふえ始めている。そのリードしているのが、一つは都市の若い女性の方々だと言われておりますね。
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