知事定例記者会見(7月5日)
質問事項
1.原発の7月8日新規制基準施行と島根原発安全審査の事前了解について
○山陰中央新報
済みません、8日に原発の新規制基準の施行ということで、そのことについてちょっと伺いたいんですけども、これまで電力会社が安全対策を行ってきたわけですけれども、これ自体が自主的なものとしてずっとやられてきたわけですが、これまでそういった事前の県への申し出とかというのがない中でずっと自主的に進められてきて、判断をまたそれについてしないといけないというところで、そういう状況を県としてはどういうふうに考えられておられるのかというのをお聞きしたいんですが。
○溝口知事
そこは、一つは、規制委員会の規制基準ができまして、それに適合するように電力会社が工事等をしなきゃいかんわけですけれども、実は福島原発事故、各地の原発の安全性を、わかるものからどんどんやるようにという指示がいろんな形で規制委員会、あるいは政府の方から出されておりまして、それに応じて各電力会社はやっておるということですね。他方で、途中の段階で規制委員会ができて、規制委員会の考え方としては、今回の新規制基準への適合性の確認については、新規制施行前に工事に着手したもの、あるいは完成したものについて、新規制基準施行後、7月8日以降、設計変更の許可、あるいは工事計画認可などの申請を一体的に受け付けて審査をするということになっていますから、それと今おっしゃったような関係がどうなるかということについては、規制委員会の考えなどもよく確認をして対応する必要があるというふうに考えています。我々の方も照会などはしていますけども、まだ最終的な整理までしていませんから。
○山陰中央新報
済みません、これまでそういった事前了解というのはなくて、県としての関与というところがないままに、この安全対策というのが進められてきているわけですけど......。
○溝口知事
それは事実上、安全協定の話はまた別の話としてありますけれども、国としては、安全協定はみんな同じものじゃありませんからね、それぞれが、それぞれの県あるいは市町村がつくっているわけでありますが、国としては、原発の安全性を確保するというのは国の仕事ですから、いろんな形で安全対策の実施を事業者に指示をしているわけでありますから、それはそれとして国がおやりになっておる。そういうものについて今度の規制基準との関係というものが一体どういうことになるのか、そういうことを確認した上で、私どもの安全協定との関連についてもよく精査をしていく必要があるというふうに思いますが、松江市の方とも話をしながら、これは三者一体の協定でありますからね、その中にはいろんな、実際に協定をどういうふうに適用していくか、そうしたことについても合意がありますから、そういうものにも照らし、そして国の規制委員会の考えがどうであるかということを確認した上で整理をしていくつもりですが、まだそういう整理が終わった段階ではありません。
○日本海テレビ
知事、8日に、既に規制委員会の新規制基準の内容出ておりますけれども、8日に施行ということで、いよいよ週明けになりますけども、これまで出ている内容について感じられることと、あと、国に対して改めて求めたいということ、何か今の所感をお教えください。
○溝口知事
新規制基準についてですか。
○日本海テレビ
はい。
○溝口知事
やはり規制委員会がこれまで積み重ねてきた作業の結果、できました新規制基準によって、きちっとした審査をやっていただきたい。で、いろんなことを公開しながらやってもらいたいということがありますし、審査が終了する段階では、それぞれの原発の立地地方自治体、あるいは関連する自治体なども含めて、よくそういうことを国において説明をしてもらいたいというふうに考えますね。
それから、私どもの方は、そういう審査結果が出ますと、県内の県民の皆さんの御意見を聞いたり、あるいは議会のお考えを聞いたり、あるいは専門性がありますから専門家の意見を聞いたりして、どうするのか、我々としても考えていくと、こういうことですね。
それで、いずれにしても規制委員会の方では、設置変更許可とか工事計画認可などの申請は一括して受けると。今まで、だから受け付けてないわけですね。で、工事はやれと、こう言っておるわけでありまして、そういうことでありますから、規制委員会の考えなども、工事が進んでいても、あるいは終わっていても規制に合わなきゃ、それはもう一回調整するということになるでしょうしね。それと安全協定の話はまた別の話だと思いますね。
○日本海テレビ
あと、済みません、いろいろな、アメリカの方の海外の例を見ても、客観的な外部審査というか、その辺がちょっと甘いんじゃないかということが、施工前にもう既に声が出ておりますけども、先ほどおっしゃった、やはりしっかりとした説明って、やっぱり国に求めたいという、その辺のところ、何かやっぱり思いとして、その辺いかがですか。
○溝口知事
それは説明を求めたいと思います。
○日本海テレビ
現状ではやっぱり情報が足りないと。
○溝口知事
いや、そこら辺は、やはり審査の結果とかね、どういう審査をされたということがないと言えませんですわね。
それから、いずれにしても専門性の高いものでありますしね、規制委員会自身も、報道等によりますと一つの原発を審査し終わるのに3カ月だとかかかるという報道もありますね。そういう専門家がおやりになる作業ですから、これはまた膨大なものになりますから、我々の方も専門家の意見を聞いたり、そういうことをしていかなければならないというふうに思います。
○日本海テレビ
あと、最後済みません、全国的な今、新しい政権になって、エネルギー問題のこともありますので、単純な問題ではないと思うんですけども、一つ、やはり次の稼働ということがいろいろ言葉も出ていますけども、一番、地元の方としても、なし崩し的になるのが一番ですね、やっぱりそこのところ、はっきり説明とか大事だと思うんですけども、その辺所感を教えてください。
○溝口知事
それはおっしゃるとおりですね。だから、規制委員会の手続としては、既に工事が終わったりして許可をしなきゃいかんものについては一括して受けると言っていますから、受ける段階で、我々は中国電力でありますとか、あるいは規制委員会でありますとか、そういうものがどういうふうに進むのか、どういうことをチェックされようとしているのか、あるいは中国電力が既にやったものもあるわけですね。それから途中の段階のものもあるでしょう。そういうものがどういうふうに進んでいるのかというような説明もよく聞いて、それから今度は審査が規制委員会によって終わりますと、次の段階ではまたどういうチェックをして、問題がどういうところにあったのかないのか、そういうことをよく聞くと。その上で県内の関係者でありますとか県民の方でありますとか、あるいは周辺自治体もありますね。議会もそれぞれあります。そういうことを聞き、専門家の意見も聞いて、これはいろいろ意見も違い得るわけでありますから、そこら辺を総合的に判断していくというプロセスが必要になると思いますけども、具体的にどうなるかは、まだはっきりはしませんが、いずれにしても、それぞれの許可申請の段階、審査が終わった段階でよく説明を規制委員会、中国電力から受けるということが出発点でしょうね。
○日本海テレビ
あと、済みません、知事のお言葉の中に公開が大事だということをおっしゃった......。
○溝口知事
ん。
○日本海テレビ
公開ですね。
○溝口知事
そういうことももちろんやりますので......。
○日本海テレビ
その重要性というのは......。
そういうのを公開していくということが、安全を一番担保できると、そういうお考えから。
○溝口知事
一つは、いわゆる安対協という場がありますね。それから意見を聞く場もつくっておりますね。そういうところでも国及び中電の方から詳細な説明をしてもらうということであります。
○日本海テレビ
ありがとうございました。
○山陰中央新報
済みません、例えば審査に合格をして、再稼働してもいいと、これ3号機が稼働になるかもしれないですけども、そうなった場合に、自治体の、周辺自治体の判断も含めて、どういう議論というか、どういうふうな手続ということが、まだ具体的にはなってないかもしれないですけれども、知事としてはどういうふうに、どうあるべきかということを伺いたいんですが。
○溝口知事
それもいろんな形で周辺自治体の意見もお聞きをするということですね。
例えば安対協などでは、過去においても周辺の自治体、あるいは鳥取県の代表の方などもオブザーバーとして入っていますね。もちろんそういう場で意見を言われても結構ですし、あるいはそうでなくて個別に御意見をちょうだいしても結構ですしね。いずれにしても、お考えのある人、意見のある人の意見は可能な限りよく聞いていくと、こういうことです。
○山陰中央新報
そういう場を設けてたくさん意見を聞いた上で判断されるということなんですか。
○溝口知事
場を設けると同時に、それは出発点ですからね、聞くというのは、その説明会みたいなものは。それぞれそういう場にいろんな方が出席されますし、そういう場で意見を聞くこともあるでしょうし、あるいは別な形で意見を申される方もあるでしょうし、あるいは県議会の意見もありますし、各周辺自治体もそれぞれ議会の意見などを聞かれて、一つにおまとめになって出されるのか、そこら辺はわかりませんしね。それは行政体としての意見もあるでしょうし、個々人の方がいろんな形で意見を伝えられるということもあるでしょうし、そこら辺は、もう今の仕組みの中で可能な限り意見を聞いていくということです。
○毎日新聞
済みません、事前了解のことで、改めて一つ確認したいんですけども、先日、新潟県、東京電力の柏崎刈羽原発で、東電さんがいわゆる再稼働申請をするというようなことをやられて、それを発表されて、それに対して新潟県の泉田知事が事前了解がないと、事前の説明、事前了解がない中で再稼働の申請をするのは立地自治体に対して軽視であるというふうな発言をされた。こういう報道も、もう知事も御存じだと思うんですけども、知事は、そういうふうな再稼働申請をする前に、いわゆる再稼働申請ですね、する前に地元として事前了解ということが必要だとお考えでしょうか。
○溝口知事
そこら辺は、さっき申し上げた、国の指示はそういうことをおやりなさいという指示がいろんな形でありますし、それと立地県との関係では、あるいは市町村との関係では、安全協定があるところは安全協定に基づいて必要な手続をとるということになりますね。だから、新潟県の方でどういう安全協定をされているかというのは、私どもは承知していませんけども。
○毎日新聞
確認すると、島根県が結んでいる安全協定と新潟県が結んでいる安全協定、事前了解の部分についてはほぼ文言も同じようなもので、状況は余り変わらないように見受けるんですけれども、再稼働申請するときに、知事としては事前了解が要る、事前に中国電力から何らかの説明が欲しいということ、そこはどうなのかを教えてください。
○溝口知事
そこは、規制委員会の許可申請がどうなっているかとも関連しますから、そこら辺はよく詰めた上でお話ししますけど。
○毎日新聞
いや、だから、安全協定に基づく事前了解というのは、何ら法的根拠を持つものでもなく、ただ電力会社と立地自治体の間の中で取り決めてあることだと思うんですね。そう考えると、規制委員会がどう考えているか、規制庁がどう考えているか、そういう問題とは全く別のところで知事が判断するものだと思うんですけれども、知事はその点についてはどう思われますか。
○溝口知事
いや、それは細かく言えば安全協定がありましてね、そこまでの御質問で申し上げますと、安全協定の6条の2項には、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和32年法律第166号)に基づく実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則(昭和53年通商産業省令第77号)第2条第1項第2号に規定する施設をいうと。そういう施設に重要な変更を行おうとするときは、事前に島根県、松江市に了解を得るものとするという規定があります。そして、それを受けて、協定の運営をどうするかという運営要綱があります。その要綱の4条には、先ほどの協定第6条第2項に規定する「重要な変更を行おうとするとき」とは、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第26条第1項の許可を受けようとする場合をいうということで、許可を受けようとするときに事前了解が必要だと、こう言っているわけで、今までは許可は、規制委員会の方はまとめて受けますし、まだ新規制基準ができていないですから、そういうことについては言及してないわけですね。だから、許可は既に実施したものも含め、途中のものも含めて、規制委員会は許可申請を受けると、こう言っているわけですから。ただ、そこら辺のところは規制委員会の考えもよく確認しませんとわかりませんから、規制委員会の考えも今聞いたりしているところだと、こういうふうに申し上げているわけです。
だから、事前了解の話は、許可を受けるときに行うと、こういうことなんですね。それで許可の方は、規制委員会の方は工事とか安全対策はどんどんおやりなさいと、それはまだ基準ができていませんからね。そういうものができなくても、安全対策上重要なものについてはやりなさいということなわけでしょう。それで、許可は7月8日以降、一括して受けますと、こういうことです。
○毎日新聞
つまり設置許可申請をやるまでは......。
○溝口知事
いや、工事はやりなさいと、こう言っているわけですね、必要な対策は。
○毎日新聞
そこまでは、もう事前了解は必要ないということですか。
○溝口知事
いや、だから、それは今までのやり方と違うやり方がとられているから、そういうことになっている、なるんだろうと思いますけれどもね。通常の場合ですと、規制基準がありますから、その規制基準が先に改定をされて、それで、それに基づいてこういうふうにやりますよと、工事をしますよ、そういう許可申請をもらうというのが通常のルールでしょうが、多分福島原発という事故が起こって、原発の安全性を高めなきゃいかん。それで規制委員会の方は規制基準をつくる作業をやっていると。しかし、それができるまで何もしないというわけにいかないから、安全対策上必要なものについてはやりなさいと、個別に指示をしているものもあると思いますよ。だけど、そこら辺は、具体的なところはそういうものをよく確認しないといけないんで、そこら辺は今、規制委員会にも聞いておると、こういう状況だということです。
だから、したがって、この規制委員会が発表しているものから考えますと、工事が終わったものについても、これから許可を与えるかどうか審査をすると、こう言っているわけです。あるいは途中のものでもいいと。それはだから、そういうこれまでの国による規制基準がきちっとあって、それに適合するようにいろんな工事をするのとは違う局面でそういうやり方がとられているんだろうというふうに想像していますけれどもね。
私がわかっているのは、報告を受けているのは、そういうことです。だけど、そこはまだよく確認をしませんといけないというふうに思っています。
○中国新聞
いや、いずれにしても許可申請は、もうこれ法律が変わって、それに基づいた安全対策を今、先取りしているとはいえ、法的なものに沿ったことをやってて、それが8日に施行されれば、きちっと枠組みができるわけですよね。ですので、その許可申請は間違いなくする、松江市なんかは間違いなくするという前提でどんどん市長が今発言されているわけですけども、知事はこの前の会見のとき、非常に慎重なお話で、きょう言われる話を聞くと、その許可申請を一括して受けるというところまで国の考えを確認されているんであれば、当然今の安全協定の枠で考えると事前了解があってしかるべきな形なんじゃないかなと......。
○溝口知事
じゃなく、許可を受けるときに事前了解を、許可というのは国の許可ですよ、受けるときに事前了解をするということで、まだ許可の行為に至ってないわけですよ。国の方は、要するに工事そのものは許可申請とは別に先に進めなさいよということだと思いますね。ただ、そこのところは我々もそういうことなのかというふうに、一定の意見交換もしてますけれども、規制委員会にもよく聞いた上でやっていこうと、こういうことであります。
○中国新聞
簡単に言うと、松江市の市長さんなんかは事前了解は当然あるだろうというふうなスタンスで言っておられますけども、そこさえも、だからまだ国の考えをもうちょっと確認しないと、知事としては今回の安全、その再稼働のまず手前の安全対策についても、事前了解は要るかどうか......。
○溝口知事
結局事前了解は、最終的に許可をもらって、中国電力も許可がないと工事をしても、それは規制に合っているのかどうかわからんわけですから、いずれにしても許可申請する前に事前了解をするというのが協定の考えですからね。
○中国新聞
プルサーマルのときと......。
○溝口知事
だから、実際の工事というよりも、要するに協定上の解釈というか、解釈は運営要綱に書いてあるわけですけれども、要するに法律の規定、「重要な変更を行おうとするとき」とは、法律何条に基づく許可を受けようとする場合をいうということですから、許可を受けようという、要するに手続行為はまだしてないわけですよ。
○中国新聞
その法が施行されてないと......。
○溝口知事
だから、そこがちょっとね、それは工事は事前にやってて、それから後で許可というのは何かおかしいような感じがしますが、それは状況が変わったからこういう事態ができているんだろうと思いますね。だけど、そこは実態的な話じゃないかと思いますね。そういう方が規制委員会としても適切なので、許可がある以前に工事をしなさいと。それで工事をして、それが規制基準に合っているかどうかというのは一括して完成したもの、しないものを含めてやりますよと、こういうことなんじゃないですか。
だから、過去においてはどういう工事をするかという設計図のようなものとか、そういうものも添えて多分許可申請をしていますからね、それと、それじゃあ実際に許可がなきゃ、そういう工事をしても動かんわけですから。だけど、安全性という観点から、基準の決定は時間がかかるし、施行も時間がかかるから、その間の対応としてやっておられると。で、私どもが理解している限りでは、中国電力はそういうことをやりますというのはその都度、例えば津波のための塀をつくるなんていうのは、もうすごく早い段階から行われていますよね。あるいは何で原発の事故というのが起こる、稼働、再稼働は関係ありませんから、免震重要棟を早くつくるとか、あるいはフィルターもそうですね。そういうことはそれぞれ発表しながらやっておりますね。
○中国新聞
そうすると、今の段階では安全基準、施行もまだなされてないんですけど、厳密に言うと。そういうものに対して、改正された法律に基づいた安全対策なんかを、恐らく中電は国に許可申請するでしょうけども、そのときに事前了解が必要かどうかというのは、まだ今の段階では、知事はわからないと。
○溝口知事
事前了解、許可を申請するときには、事前かどうかは別として、何を事前と言うか、許可を得る前の事前だろうと思いますけれどもね。
○中国新聞
その許可の前の事前は......。
○溝口知事
要るということでしょう。
○中国新聞
それは必要だと思われる。
○溝口知事
必要でしょうね。
○中国新聞
それは必要だと思われてるということですか。
○溝口知事
思いますね。多分ですよ。
○中国新聞
それは、だから今は......。
○溝口知事
いや、だから、そこはまだ規制委員会の許可というものがどういうものかということを確認してませんから、そこははっきり言えませんからね、若干わかりにくいように聞こえるんですが、要するにこれまでの世界ですと、基準があると、直さなきゃいかんときは基準が変わって強化をすると。そしたらそれに対して工事をこういう形でやりますからということで許可申請、工事の認可申請を出される。それで、許可が出てから工事が進むということなんです。それで、許可申請する前に事前に説明してくださいよということを言っているということです。
それで、今回の、今回というか、福島原発事故が起こってからは、いろんな対策をどんどんやらなきゃいかんという事態になったわけですよ。で、すべての原因がわかりませんけれども、一定のものについてはこういう対策が必要だというようなことが、ほかの原発なんかでも適用されて進んでたりするわけでしょう。そういうことです。だから、この協定の条文、手続からいえば、重要な変更を行おうとするときというのは、許可申請を受けようとする場合だということが協定の運営要綱の中に書いてあるということです、協定の一部に。
○中国新聞
だから、今回なんかも許可申請をされるんであれば、もし中国電力がですね。
○溝口知事
そのときに事前了解を得る必要があるでしょうと。
○中国新聞
ということですね。
○溝口知事
だから、工事との関係では事前ではないものがあるかもしれませんが......。
○中国新聞
それはそうなんですけど。
○溝口知事
許可を受ける前には必要に多分なるだろうというふうに思いますけどね。
○中国新聞
それは、じゃあ今までの......。
○溝口知事
ただ、繰り返しますが、そこらはまだ、よく規制委員会とか、規制委員会の許可というのも一体どういうものかとか、あるいは中国電力の考えがどうだというのは確認していませんからね。まだそこら辺まで時間がまだありますから。
○毎日新聞
再確認ですけど、許可の申請を提出する前に事前了解、提出する前に県に対して中国電力から説明をしてもらって、それに対して了解をするという流れで考えていらっしゃるんですか。
○溝口知事
というふうになるだろうということで、もうそうなっているとはね、まだ確認しなきゃいかんことがありますから、断定で言うわけじゃありませんけれども、そこら辺は規制委員会の意見とか考えとか、あるいは中電がどういうふうにそういうものを理解しているとか、そういうものをよく聞いた上で決定しますが、考え方としてはそうだということを言っているわけです。
○中国新聞
今のお考えは、多分今の安全協定に基づくと、すごく自然なものだと思うんですけど、福島の事故でそういうふうに、今までに想定されてないことがいっぱい起きて、その協定もそこまでのシビアアクシデント対策なんかを想定、多分してなかったと思われるんですね。
○溝口知事
ないですね。
○中国新聞
となると、協定は県、松江市、中電の三者のものですから、これがそもそもどこまでの範疇を含むのかとか、どういう意味なのかとかいうのをもう一回三者で協議したりとか、そういうお考えは......。
○溝口知事
それは将来の話としてありますが、まだまだそういう許可申請をするという段階までないように、まだ聞いてませんからね、よく確認をしながらそういう取り扱いをどうするか、あるいはこうしたように過去の安全協定、現行の安全協定では想定しないような事態が生じておるわけでしょう。だから工事は先に進むけれども許可申請は後でいいというような事態になったときにどういうふうにするかというのは技術的な問題ですけれどもね、それは調整を要する可能性はあると思いますね。
○中国新聞
三者で。
○溝口知事
三者でね。だけど、そこら辺はまだ、こういうことですからやりましょうねというようなところまで話はしていませんよ。ただ、皆さんが非常に厳密に答えを出されることを期待をされているから、私の推測として、そういうことになるだろうなということを申し上げているということでありまして、現段階ではそういうものだというふうに理解をしていただいた方がいいと思いますね。
○山陰中央新報
というのは、例えば申請するときに、地元の説明はなくして勝手に申請するということはまずないという......。
○溝口知事
それはないでしょうね。
○山陰中央新報
それはやっぱり説明をしっかりして......。
○溝口知事
それは当然、当然しなきゃいけないでしょう。まだ終わってないものもあるし。それから今までやったものがどういうことをやっているのか、それをよく聞かなきゃいけないでしょう。
○山陰中央新報
その説明するのは、例えば県と松江市であるのか、例えば30キロ圏内で雲南地域も含めて......。
○溝口知事
それもあるでしょう。さっき申し上げたように、安対協では過去においても鳥取県、それから両市、周辺3市の方々もオブザーバーで入ったことがありますし、それは希望に応じてやりますね。それぞれがやられても結構です。一緒にやる方が便利だということであれば一緒にやるということでもいいと思いますよ。
○時事通信
済みません、事前了解について、知事としては中電から事前了解が来た段階で、じゃあ、これで申請していいですよって、ある程度の結論、これで申請してくださいと、ある程度の結論を返される御予定というのはあるんですか。
○溝口知事
それは、事前了解というのは、了解と言うかどうかということを伝えるということです。
○時事通信
じゃあ、知事としての答えを出す、了解しましたなり了解......。
○溝口知事
いやいや、申請をすることについて了解するかどうかという答えを出すということ。
○時事通信
松江市長は、その部分は出せないというふうにお話しされていたんですが。
○溝口知事
いや、そこはちょっと松江市のあれ、だから、まだ松江市長もこういうことについて詳細を話しているわけじゃありませんから、松江市さんがどう言っているとか、まだ調整しているものではありませんということを申し上げております。
○時事通信
事前了解を得るという部分では、その認識は一緒だけれども......。
○溝口知事
いやいや、今、これにありますように、安全協定の条文がありますから、その条文どおりに読めばこうなるということです。
○時事通信
で、それで了解というのを出されると。
○溝口知事
だけど、許可を受けて、じゃあ、その許可が妥当かどうかという、それでどうするかという問題は残るわけです。
○時事通信
はい。その部分を判断される期間というのは、県にも一応その日というのは。
○溝口知事
それは審査が終わってからでしょうね。
○時事通信
国の審査が終わってからですか。
○溝口知事
でしょうね。
○時事通信
そうすると、事前了解を得る名目というか、事前了解というのは。
○溝口知事
いや、事前了解は、いろんな事前了解があるじゃないですか。審査が終わった後、もう一回聞きますよという了解でもいいわけでしょう。
○時事通信
審査が終わった後。
○溝口知事
うん。
○時事通信
とりあえず......。
○溝口知事
それは要するに合理的なやり方を、この条文が別に絶対的なもんじゃありませんからね、合理的なやり方を追求していくということです。
だから、まだそういう段階まで至っていませんから、そういう詰めた議論はまだやっていませんが、安全協定及び運営要綱を読みますと、そういうことが可能ではないかという私の意見、考えを申し上げているというだけでありまして、ここら辺はさらに詰める必要があると。
○山陰中央新報
申請をする場合には、中国電力から県なり関係自治体なりにそういった説明があって、それを踏まえて関係自治体、県も含めて申請はオーケーだという合意を得た上で、得るということですか。
○溝口知事
いや、だから、安全協定の話は松江市と島根県しか今のところないわけですね、事前了解の話は。ただ、松江市がどうされるかというのも我々も聞きますし、それから周辺の自治体等については、事前了解の規定は安全協定にありませんけれども、意見は我々はよく聞くと。そういう意見も踏まえて我々が了解するかどうかという判断を総合的にしますと、こういうことでしょう。
○時事通信
県が了解を出すまでは、だから中国電力としては国にも申請しないでほしいということですか。
○溝口知事
申請はできないですね。
○時事通信
申請はするべきじゃないし。
○溝口知事
いや、できないでしょう、協定からしますと。
○毎日新聞
済みません、先ほどの話で1点確認したいんですけど、先ほども少しお話ししてらっしゃったと思うんですけど、これ聞き間違ったらいけない話なんですけど、再稼働申請があって、その事前了解......。
○溝口知事
ううん、再稼働の申請とは、この話は違う話。
○毎日新聞
再稼働じゃなくて、事前了解を求められて、それで県や市ですね、安全協定に基づいてその事前了解を出すのは、それ申請して、その結果を見て、その後に判断しましょうという事前了解もあると。その申請そのものは認めた上で、申請後、申請して、国の審査があって、何らかの結論が出たものに対して県が何らかの判断をすると、そういう事前了解もあるということでしょうか。
○溝口知事
そこら辺の細かいところを今具体的にやりとりも、まだそこら辺も終わっておりませんから、まだそういうこともあり得るだろうという、要するに例示のようなことを言っているわけで、まだそこまで詰める段階になっていませんということです。それはもう少し、松江市ともまだ十分話をしていませんから、あるいは規制委員会がどういう許可を与えるかということについても話をしていませんから、だから、そういうところを確認をした上で、さらに整理をする必要があるということでありまして、今この場で申し上げているのは、協定だとか運営要綱だとかから推察されるのはそういうことではないかということを申し上げているだけです。
○毎日新聞
ただ、その事前了解というのは、通常だと事前了解があって、それから話が進んでいくと思いますが、今回の場合は少し工事が先に来ているというのはありますが、そうすると、その事前了解があって、申請があって、結果が出てという例示された部分って、それかなり具体的に今おっしゃってたんですけど、そういう流れもあり得るというふうに考えていいんですか。
○溝口知事
いや、だから、許可申請をするときには、そういう許可の申請をしますという事前了解が要るだろうというふうに思いますけども、その事前了解の内容をどういうふうにするかというようなことについては、まだあれしてませんね。
それから、再稼働をどうするかという話は、この規制委員会の話とはまた別の話ですね。
○山陰中央新報
例えば申請をして再稼働がオーケーだという規制委の判断が出た場合に、知事としては再稼働をしてもいいというふうに考えますか。
○溝口知事
そこはね、規制委員会も再稼働の話とこの新基準の審査の話は別だと言っていますからね、だからそこがどういう関係になっているかというのは、我々もまだよく聞いていませんね。それは政府の中でどういうふうにされるかということでしょう。規制委員会のこれまでのいろんな発言なんかを、委員長の発言なんかを見ていますと、安全審査、新基準の審査はきちっとやりますと。だけど、それが再稼働の判断をするものじゃないと、たしか言っておられますからね。だから、そこら辺がどういうふうに関連するのかというのは、まだ十分な説明がないと思いますね。
○山陰中央新報
例えば再稼働判断する場合には、どういうふうな手続が必要だというふうに知事はお考えですか。
○溝口知事
それはまだ、我々じゃなくて政府がまだ何も言っていないですね。
○山陰中央新報
そういう政府に対しては......。
○溝口知事
最低限必要なことは、ちゃんと規制委員会の規制基準をクリアしていなきゃいかんと。
ここら辺も私、規制委員会から直接聞いて、やっぱり規制委員会はこうだと明確に言っているわけじゃないですが、委員長などの記者会見だとか報道で見る限りということですが、そこら辺はまだ十分確認がされているもんじゃありませんから、取り扱いは御留意ください。
○中国新聞
きのう、規制基準の説明会で県の方も言われましたけれども、また改めて国の方から施行後に説明を受けたいというようなお考えはあるんでしょうか。
○溝口知事
ありますよ。
○中国新聞
それはやっぱり県の方に来られる......。
○溝口知事
いや、それは県も市町村も、関係のあるところ、先方も忙しいでしょうからね、そういうことも見ながらやっていきます。
○中国新聞
求めていくということですね、県としても。
○溝口知事
だから島根県だけじゃないですよ、そういうときは多分一緒に聞く方が合理的だろうと思いますけども、それぞれ御意見もあるでしょうから。
○山陰中央新報
済みません、申請するときの事前了解についてなんですけども......。
○溝口知事
ん。
○山陰中央新報
申請をする場合の事前了解については、これは県と関係市の方で一定の方向性を出して、県として申請してもいいですよということを中国電力の方に伝えるという流れ。
○溝口知事
そこら辺、具体的なことはまだ。
いずれにしても、私が言っているのは、周辺の鳥取県、鳥取の2市、それで島根県の3市も万が一のとき、いろんなところで関係があるわけですから、意見をよく聞いておくと、そういうものもいろんな検討の中に入れて、総合的に判断をしていきますということでありまして、どういう形でするかというのは、まだ決めてないし、相談もしていません。
○山陰中央新報
総合的に判断という、県が総合的に判断して......。
○溝口知事
そう、県の立場をね。それは松江市は松江市の立場をそれぞれお決めになるでしょう。
○山陰中央新報
例えば松江と県で違う結論が出る可能性も......。
○溝口知事
いや、それは仮定の話としては何でもあるでしょう、それは。
だから、我々としては、松江市がほとんどこの周辺30キロのエリアをカバーしているわけですからね、松江市の判断というのは非常に重要だと思いますよ。
○山陰中央新報
県の判断は、それを踏まえた上の判断。
○溝口知事
いや、そういうものも総合的に考えてやるほかないでしょう。
○毎日新聞
その辺の事前了解の部分について、例えば原発が立地する道県で、知事も入ってらっしゃいますけれども、原子力発電関係団体協議会とかありますけれども、そういうところで、静岡県さんは抜けられましたけれども、そういうようなところで一定のこういうふうな方向でというようなものを話し合ったりとか、そういうことっていうのはありますか。考えられますか。
○溝口知事
いや、何の。
○毎日新聞
その事前了解、その安全協定、どこの自治体も安全協定結んでいると思うんですけれど、その安全協定、現状でいうと、新潟県さんなんかの報道を見ると、新潟の泉田知事なんかは、明らかに溝口知事が考えてらっしゃるような方法とは違う、異なるような感じの事前了解を思い描いてらっしゃるふうに見えるんですけれども、そうすると、それぞれの原発で事前了解のやり方が全く違うというような感じになるのかなあというふうに推察するんですけれども、そういう意味で、例えば立地自治体側で何らかの一定のルールみたいなのを決めたりとか、そういうようなことがあり得るのかどうか。
○溝口知事
今までのいろんな立地自治体の対応なんかもありますけども、結局それぞれ住民の方の意見もいろいろ違うでしょう。それで原発の状況もいろいろ違うでしょう。それからいろんな権限も違いますからね、それが、何というか、すぐにできるかどうかということについてはわかりませんね。やはりそれぞれ関係の深いところで、やっぱり一番、例えば福井県で稼働を早くするということになると、やっぱり福井県がどうするということだし、福井県の近隣の県がどう考えるかということも考えてやられますけど、なかなか意見が違いますのでね。だから、影響はそれぞれ、万が一の場合は受けるわけですけれども、その状況というのは各地で違いますよね。そういうものを何かまとめるメカニズムがあるわけじゃありませんから、だからやはり総合的に考えていくということじゃないでしょうか。
お問い合わせ先
広聴広報課
島根県政策企画局広聴広報課 〒690-8501 島根県松江市殿町1番地 【電話】0852-22-5771 【FAX】0852-22-6025 【Eメール】kouhou@pref.shimane.lg.jp