知事定例記者会見(6月25日)
質問事項
2.復興予算の返還要請
○山陰中央新報
全く変わりますけれども、先日、最近、批判がよく出てますけれども、復興予算、東日本大震災に絡みまして全国の自治体に基金として配分された事業が、被災地とは関係ない事業に使われているという指摘がありますけれども、先日、復興庁、それから財務省は全国の自治体に対して返還を求める、未執行の部分については返還を求める考えだということが報道されていましたけれども、島根県においてその返還要請の対象になるような事業ですとかは、今のところどういうふうに受けとめておられますでしょうか。
○溝口知事
まだ政府において調査をされたりしている状況でありまして、県として具体的にどうなるかというところについては、まだ報告を受けていません。
いずれにしても、国の予算として政府が一定の方針のもとにやられているわけですけれども、その執行等についてどうするかというのはやはり政府の方針に基づくものでありますから、そういう点で問題があるとすれば、政府が問題点を整理されて、そして交付先であります地方団体にも協力を必要とするわけでしょうから、そういう方針に基づいて我々も協力をしていきたいというふうに思います。
○山陰中央新報
協力をしていくということで......。
○溝口知事
協力というか、政府が一定の考えを、政府の考えはこうだと、今まではそういうものはないわけでありましてね。そういう我々は政府の交付要綱に基づいて補助金、交付金等の申請をして、活用しているわけでありますからね。政府の考えはこうであるということが明確になれば、それに応じた対応をしていくということで、それを協力という意味で言いましたが、協力という言葉はちょっと変かもしれませんね。政府の方針に基づいて対応していきたいと。
○山陰中央新報
今は、ルールに基づいてこれまでも執行してきたわけですけれども、それが批判なり、いろんな指摘を受ける中で、180度変わるようなところで、今度は地方がまた影響を受けると。地方にとって必要な事業もその中にあったのかもしれませんが、その辺の影響ですとか、その辺、地方の立場でどのようにお考えですか。
○溝口知事
それはやはり政府の政策の整合性の問題でしょうからね。必要性のあるものには政府として予算措置を講ずるべきでありましてね、だからそういうものに影響があるという話とはまた別の問題だと思いますね、今回の問題は。それは毎年度の必要の中で、復興予算でなくて、通常の予算として計上していただく必要があるわけですね。
○山陰中央新報
いま一度、国のルールの中でやってきたことを、国の都合でといいますか、その辺で変わってくるというのはどうなんでしょう。
○溝口知事
だから、執行済みでありますとか着手済みのものについては、返還のあれはないと思いますよ。だから、まだ未着手なり、進んでいないものについて返還を求めるということではないかと理解をしてますから、そこは一定のルールに沿ったものでしょう。ルールが明確になり、あるいは変わったといいますかね、執行の仕方が。そういうものだと受けとめるべき問題じゃないかと思いますね。
○山陰中央新報
この前の職員給与の削減のときもそうなんですけれども、地方の立場で、給与削減の場合は国が一方的な不適切な対応だということで、知事も六団体を通じて訴えておられるわけですけども、どうしても地方は国の考え方一つといいますか、正規のルールに地方は乗っているのに、国の考え方でまた大きく振り回される、影響を受けるという状況が続いていると思うんですけど、その辺、地方としてもう少し地方に対してアピールなり訴えというところを明確に、県民にもわかるように示すべきではないかと思うんですが。
○溝口知事
それは、いつも言っていますけれども、国全体の行政は、公共団体としては中央政府がありまして、それぞれが役割分担をして必要な行政サービスを国民に提供するということをやっているわけです。そういう枠組みは、多くの場合は国の法律で決まるわけですね、国会の場で決まっていく。国会の場で決められたり、あるいは政府がそういう枠組みの中でどこまで提供するかとか、そういう問題については、あるいはどういう分野にどうするかといったような問題は、やはり地方とのよく話し合いの上にやらなきゃいかんわけです。いずれにしても国全体として利用可能な財政資金というのは限られているわけですからね、それを決める際に、地方団体の意見、あるいは地方の各所の意見、これは地方に限りませんけれども、いろんなところで要請をしながらね。
国の場合、国と地方公共団体の場合は、日本の場合は特に大都市部と地方部で経済的な活動の格差があったり、それに基づいて財政的な格差があるけども、基礎的な行政サービスというのは国全体で余り変わることがないようにしようということで、補助金でありますとか交付金でありますとか、あるいは交付税でありますとか、そういう仕組みで、どこにいても基礎的なサービスは変わらないように努力をしていると。そういう問題について、地方と国との間で見解が違うということはありますね。地方の方はおくれているから早くやってほしいと。しかし、国の方は財源の制約があるから、そこは辛抱してくれとか、あるいはこういうところに地方では必要なのでという要請をしますね。そういうことはしょっちゅうあるわけです。給与の問題の場合は、そういうやりとりがなくて、国の方で事実上、交付税を削減することとあわせて給与の削減を要請するというやり方でしたから、それは適当でないと。やはり地方の話もよく聞いてやるべきだということを知事会としても申し入れたということです。
だから、それはいずれにしても、特に財政の状況が国、地方を合わせてGDPの2倍ぐらいの債務を背負っているわけですね。これは国、地方を合わせての話ですから、全体として健全に進むようにみんなが努力をしないと、これは大変な事態が生じる可能性もあるわけですから、そういう面で、かつてよりももっと国、地方を通じた調整を図り、やはり国民の皆さんに理解がされるような施策を国、地方合わせて展開をしていくということが大事ですから、こういう厳しい状況にありますし、制約が厳しいだけに、以前よりももっと話し合いをして、話し合いをしても全体の制約がありますから、それで地方の間でも意見の違うところもありますから、なかなか一つの回答があるわけじゃないですから、そういうことをよく話し合ってやっていくということが現実に必要だというふうに思いますね。
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