知事定例記者会見(5月2日)
質問事項
1.地方公務員給与カット
○山陰中央新報
まず、地方公務員の給与を国並みに引き下げなさいという話なんですけども、これまでの知事会の動きですとか、知事の1月の会見のときの御発言ですとかを見ましても、やっぱり国のやり方はおかしいんじゃないかというような考え方のもとに動いてきたかと思うんですけども、先般、組合に対して給与カットをしたいということを提示なさったということなんですが、それはこれまでの国に対する発言ですとか動きの中で、どういうふうにその辺を整理されて提示されたかというところを、まず教えてください。
○溝口知事
地方公務員の給与、あるいは地方におけるいろんな行革だとか、それぞれの地方団体がその地方団体の地域の状況等を総合的に勘案しながらいろんな施策をとっており、重要なものについては議会の承認も得て実行しているわけですね。今回の地方公務員の給与の引き下げについての国の要請は、国が2年間、特別な給与カットを行ったこと。それに準じて地方公務員についても削減を要請をするということで、年末から調整、話がされておりまして、話は必ずしも十分にすり合ったということには至っておりませんでしたが、経過を見ますと、一つは、そうした地方六団体との話し合いの中で一定の調整が行われたということが一つあります。
その中身としては、国は4月から削減を1年間やってくださいという要請でありましたけれども、それは技術的にも手続的にも無理だというような話が地方からも出され、そもそもそうした国のやり方については問題があるということを知事会も随分言ってきまして、そういう中で、国は7月実施ということで、その間に調整をしてくださいということをされ、それから給与を削減するから交付税の計算上、基準財政支出が減るということになりますね。減ると、減ったままでは交付税がそうでない場合と比べまして減りますからね、それはやはりおかしいということもあり、国の考えで交付税が増減されるというのは適当でないという主張を随分して、その結果、国においては給与の削減は行って、歳出は基準財政需要が減るけども、地方が必要とする地域活性化のための支出ですね、あるいは防災のための支出等は基準財政需要に入れていこうと。その際に、これは地方間でいろんな意見もありましたけども、行革を大きくやってきたところには、そういう需要の増加、交付税がふえることになるわけですけども、若干手厚く見ていこうというような調整を提案されたということがあります。
それから、その後におきましても、六団体と一緒になりまして知事会も政府に対していろんな申し入れをしてきまして、4月22日ですね、新藤総務大臣に対しまして六団体が地方公務員給与について申し入れを文書で行っておりますし、全国知事会の山田会長も総務大臣に対していろいろ申し入れたということで、その結果、政府の方は、今回の要請は国の2年間の給与削減措置に準じて、国が臨時特例的に今年度末までの措置として要請をするということを確認をされ、それから、今後については地方公務員の給与について、国と地方との間で協議の場を設けて、よく地方の意見を聞いていきますという回答が新藤大臣を通じて国からあったということがあります。その2点。
そういうことがあるということが一つと、それから、そういうことを受けまして、島根県以外にも、他県におきましても組合に対して削減について理解をしてもらう交渉が始まっております。私どもが調べたところでは、5月1日現在で7県が組合に対して給与の減額を提示をしております。岡山県が3月28日、和歌山県が4月10日、長崎県が4月19日、奈良県が4月25日、島根県が4月26日、福岡県が4月26日、千葉県が5月1日。それから中四国、他県でも大体5月の中旬にかけて、そういう提示を組合にされるという情報を得ております。これが3つ目の点ですね。
そういうようなことでございまして、基本的に国の今回の対応は適切でありませんし、地方への説明等々についても十分でありませんが、国は国としての考えがありましてね、東日本大震災があり、公的部門が一定の努力をする必要があるということで、細かい理由はいろいろありますけれども、そういうことでやられて、それに対して地方にも理解をしてほしいということで要請をしてきたわけですね。そういうことで、適切ではなく、交渉で双方が100%折り合うということは難しいことでありますが、さっき申し上げたようなその後の動きもありますから、そうした動きを総合的に勘案して、4月26日に私どもの方として職員組合に提示をしたということであります。
○山陰中央新報
いろんなやりとりの中で調整しながら条件整備されて取り組んでこられたというのはわかるんですけども、そもそも根っこのところで筋が違うじゃないかという話の中で、例えばやり方、国に対する抗議の仕方といいますかね、県知事として、もうちょっと強く、島根の、地方の立場でどういうふうに言っていくかというところがちょっと見えにくいといいますかね。
○溝口知事
公的な行政を国、地方がそれぞれの立場で、車の両輪のように役割を担っておるわけですから、完全に一致をしないということは、それはあると思います。あるけども、いろんな諸事情を、今申し上げたような事情を総合的に勘案して、組合の理解も得て実行したいということで提示をしたということです。
○山陰中央新報
今後さらに進めていく中で、組合は組合として交渉していくとは思いますけども、労使でですね。国に対しては、もう今後そういう物申す方策ですとか具体的な考えというのは、今後はどういうふうにやっていくんですか。
○溝口知事
国につきましては、さっき申し上げましたように、4月22日に六団体が総務大臣に対して確認を求めたりしましたね。1点は、国の措置は、国の今回の措置を踏まえた臨時特例的な要請であるということを確認をされ、今後については地方公務員給与について国、地方で協議の場を設けるということはやっていくということでしょう、地方の意見もよく聞いていくということを言っておりますから、今回の件についてはこれ以上国、地方の間で話が別途あるということではないと思います。
○山陰中央新報
こういうやり方もあるんだということを国に前例としてつくってしまうという懸念はないんでしょうか。
○溝口知事
それはいろいろあると思いますけども、さっき申し上げたように、それは国、地方でいろんな問題をやる際に、常に双方が100%一致するというのはなかなかないですよ。それはいろんな中で行政というのは日々進むわけですから、それがペンディングのまま進むというわけにはいきませんから、一定のところで総合的に判断をするということは現実の問題として必要なことだというふうに私は考えております。
○中国新聞
関連ですけども、知事、以前、交付税を削減するというやり方について、事実上強制するようなやり方はあんまり好ましくないというようなことを言われてましたよね。で、最初のときよりも国の方も譲って、結局元気づくり交付金とかいうのも入って、地方に来るお金としては結局最初の案よりはふえたわけですけども、そこで一定納得されたというところはあるんでしょうか。
○溝口知事
納得はしてませんけども、一定の調整があったということは申し上げました。幾つかの話し合う中で調整も行われた。そういうことをもろもろ勘案してですね。だから、今回の措置についての一定の調整があったということと、それから、今後については国、地方の間で協議の場を設け、地方の意見もよく聞いていくという国の回答があったということ。それから3点目は他の地方団体においても、さっき紹介しましたように、総合的に勘案して組合に給与の削減を提示してきておりますし、そういう中で県としても26日に組合に対して提示をすることにしたと。これから組合の意見もよく聞きながら調整を図っていきたいというふうに考えています。
○中国新聞
その総合的に判断されて提案されたということなんですけど、そこの総合的の中の、外から見ると実際交付税を絞られてますので、その該当分はですね、給与に払う分の地方交付税というのは少なくなってますから、事実上、その手法を縛ったというふうな見方はやはりできると思うんですけど......。
○溝口知事
そういうことよりも、やっぱり総合的にですね。
○中国新聞
その総合的の一番の要素は、やはり財源のとこなのか......。
○溝口知事
いや、それはさっき申し上げたような3つの点を上げたわけですけどもね、そういうものを総合的に勘案したと、こういうことであります。
○中国新聞
一応単年度のことだというふうな方針ですけども......。
○溝口知事
うん、それは今回の国の措置に対応する措置として、地方に臨時特例的に国が要請したというふうに新藤大臣は回答されていますからね、そういうふうに申し上げたということです。
○中国新聞
だから、この1年で終わるのが好ましいという、知事はお考えだということでよろしいですか、今の時点で。
○溝口知事
いや、今回の措置は今年度の措置として受けとめたと、こういうことです。
○中国新聞
来年度、今非常に厳しい状況が続いているので、来年度も続くんじゃないかというふうな見方もあるんですけども、その辺についてはどうですか。やはり今年度で終わるのが好ましいことなのか。
○溝口知事
いや、先のことはわかりませんが、我々は地方のそれぞれのことについては基本的に地方で考えていきたいということであります。
他方で、やっぱり国、地方が協力しながら、それぞれの役割を担いながら日本の行政というのを行っていますから、そこはやはりそういう関係の中でいろんな問題を考えていくというのは、何にしても同じことですね。いろんな措置にしても。総合的に考えていくということになるでしょう。一方的に国だけの考えで決まるわけでもないし、地方等の考えで決まるわけじゃないし、そこはやりとりがあって、議論を尽くして、やれるところをやっていくということだと思いますね。
○中国新聞
一般職の給与をカットされるという提案をされたということなんですけども、特別職ですね、いわゆる御自身の給与を含めてのとこなんですけども、そこについて、現時点で職員さんにカットを強いるんであれば、御自身もやはり下げざるを得ないというお考えなのかどうか。現時点でのお考えを。
○溝口知事
管理職につきましては管理職手当のカットが残っていますけれども、一般職は昨年カットをやめまして、それから管理職もカット率を下げましたけれども、しかし、管理職については引き続き削減が行われていますが、それにさらに削減を行うということも今検討中ですね。
○中国新聞
その管理職についてということですか。
○溝口知事
いや、管理職じゃなくて特別職。
○中国新聞
特別職についてということですか。
一般職を下げるということは、そこにとどまらず特別職の削減をするという方向で検討していると。
○溝口知事
方向で検討しているということです。
○中国新聞
具体的なカット率なんかについては、まだ決まってない。
○溝口知事
決めてません。
○中国新聞
大体6月議会に一般職の分は上程される、提案される予定だと聞いているんですけども、そうすると、そのころまでには、やはり特別職の分についても......。
○溝口知事
大体同じようなタイミングで考えていくということですね。
○中国新聞
それは、だから知事御自身の給与も含めてということですね。
○溝口知事
はい。
○中国新聞
議員の方はどういうふうなお考えでしょうか。
○溝口知事
そこは議会ですね。我々は、議会がそれぞれ考えられると。
○中国新聞
済みません、一般職の方に削減を提案されて、御自身を含む特別職についても次回の議会ぐらいまでをめどに引き下げを検討されるということなんですけど、その理由のとこですね、理由というか、なぜそういうふうにするのかというとこですけども、そこをちょっと、念のためですけども、お願いします。
○溝口知事
それは、一般職の職員につきましては、管理職の管理職手当の一部を除き、減額措置は1年前に終えていますけれども、特別職の方はまだやはり財政の状況を監視しておりますし、先行きも厳しい状況が続く可能性が高いわけでありまして、そういう意味で、国の措置に準ずる措置を導入するわけでありますけれども、特別職についても現在の減額措置に追加をすることをそういう観点から検討しておるということです。
○中国新聞
メーンの理由というか、主な理由というのは、県の財政状況が厳しいというところにあるのか、それとも国がこういうふうな要望をしてきてて、一般職はそれに対応すると......。
○溝口知事
いやいや、国の要望ということであれば、それは特別職ですと20%から13%の減額が続いていますから、そういう中でも一般職について、また新たな減額措置を導入するわけですから、特別職もそれを考えながら対応するというのが適当だというふうに考えておるということです。
○中国新聞
やはり平易に言うと、一般職だけに負担を強いる、今も削減続いているんですけど、さっき言われたように。カット率だけ見ると上回っていますけども、今回やっぱり新たに一般職に強いると、お願いするということは、特別職についても身を切る覚悟というのが要るんじゃないかということですか。
○溝口知事
あなたの表現がいいかどうかは別として、全体に総合的に考えておるということです。
○中国新聞
その「総合的に」のとこがちょっと、もうひとつわかりやすく教えてほしいんですが......。
○溝口知事
いや、総合的にという方がわかりやすいと思います。
○中国新聞
例えば総合的の中にはどういうものがあるんでしょうか。
○溝口知事
今申し上げたようなことですね。
○中国新聞
今言われたというのは、国の要請があったと、あり......。
○溝口知事
国の要請もあり、一般職にも削減をお願いをするということですね。それからやっぱり国全体として見て、島根県全体として見て、厳しい状況もあるわけですから、そういうことをもろもろ総合的に勘案してと。
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