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知事定例記者会見(4月17日) 

質問事項

4.1票の格差問題  

 

○朝日新聞

 済みません、冒頭の質問に関連してなんですが、衆院の区割り法案なんですけども、今、国会でも野党が審議を拒否して、非常に空転している状態なんですが、先ほど知事のお話で、人口少数県に影響が及ぶおそれがあって注視したいというお話がありましたけれども、例えば民主党の5増35減案では、島根は定数が1になるとされています。一方で、このままでは違憲状態がまた、司法の判断が出るのは間違いないと思われるんですが、ちょっとしたジレンマだと思うんですけれども、そのあたりはこの人口減少にある、この過疎県の首長としてはどのように見てらっしゃいますか。また、先ほどその影響が及ぶおそれがあるというのは、例えばどのような影響を懸念されていらっしゃいますか。

 

○溝口知事

 やはり島根の定数が減るということは好ましくないですね。先の話は別として、現状を見ますと、最近における高裁の判決等から見て、これに早急に対応するということが必要ですから、政府・与党としてゼロ増5減法案を出して違憲状態を解消しようということですから、これはやはり進めていく必要があるというふうに思います。

 そのほか、定数削減をどうするかという問題は、これは別の問題ですけども、3党でも合意があるわけですから、よく議論をして適切な答えを出していただきたいというふうに思います。

 

○朝日新聞

 定数が減るのは島根県として好ましくないというのは、つまり要望活動なんかも当然、県選出の国会議員の......。

 

○溝口知事

 私は、選挙が基本はやはり衆議院も参議院も県をベースにして行われておるわけですね。そして県という中で県議会があり、また市町村も島根県の中で県の行政、あるいは県のいろんな関係の中で行政が行われていますから、人口だけでなく、やはり少なくとも基礎票のようなものはあっていいんじゃないかというふうに思いますけれども、ただ、判決の方はそういうことには触れないで、過去の歴史を見ると何倍かという議論だけですね、人口だけですね。そこら辺をよく研究してみないといけませんし、外国などではそういう基礎的なものを入れる例もあるでしょうし、それから国の成り立ちが違う、歴史が違うということも影響しているでしょうが、単に人口が、そこに住んでいる人が、その県に住んでいるがゆえに県の施策でありますとか、あるいは国の県に対するいろんな施策でありますとかに影響を受けるわけですから、共通した利害というのが県内であるケースがかなりあるわけですね。典型的なことは、人口なんかが多くなると、いろんな主張し得る数の議員数が確保されたり、それからそれが多くなると、東京都としての意見というのが余りなくなってきますわね。しかし、島根になると、島根県、似たような状況にあり、そうすると、島根県として国の施策なんかに対してこういう要請をしていきたいと、過疎対策とかね、あるいは産業振興なんていうのは、あるいは道路整備とかいったような点ですと、県内でそう大きな違いはないですね、若干はあるにしても。そうすると、やはりそういう行政単位の役割というものを全く無視して、単なる人口の倍率だけでするのがいいのかどうかと。素人考えですけれども、そういう気持ちは持っていますね。

 

○山陰中央新報

 関連してですね、倍率だけじゃなくて、基礎票は必要ということですけども、これは1人別枠方式は維持をすべきだということ......。

 

○溝口知事

 いやいや、だから、その別枠方式みたいになるのかどうかですね。ただ、最高裁の判決は人口の倍率だけをしてますけどもね、それでいいのかなという疑問は持っていると。

 

○山陰中央新報

 やっぱり1人別枠方式は必要だというお考えですか。

 

○溝口知事

 多分さっきの話にも関連するんですけどもね、戦後の経済発展というのは、異常な経済発展なわけですわ。欧米の高い技術だとかいろんなものが入ってきて、非常に短期間に、例えば太平洋側がどんどん発展していく。そこに地方から人口が入る。それで選挙の倍率が急速に変わってきましてね、都市部の方でそういうのが不公平ではないかということが出てきて、人口を中心とした公平性というのが主体になってきたと思うんですけどもね、そうした、まだ都市部を中心に、都市部の人口吸収力というのは引き続き高いだろうと思いますけれども、そういう時代は大体過ぎましたよね。これからそんなに大きな変化があるわけじゃないので、逆に地方の方にふえる可能性もないではないと。

 先進国はそれぞれ議会制民主主義であるとか大統領制民主主義であるとか、民主主義の中でいろんな政治が行われていますけれども、その選挙制度というのはそれぞれ若干違いますよね。だから、一定の幅があるといいますか、一定の考え方の違いがあったっていいんではないかという感じがしますけれどもね。そこら辺は学問的なことにもなるでしょうし、もうちょっと研究しないとわかりませんけれどもね。

 例えばアメリカの上院などは、各州2票ですよね。アメリカは州が合併して合衆国ができて、上院の役割は若干違うところがありますけれどもね。そういうところになると、人口が200万程度の小さい州も、人口が2,000万といった州も2人ですよね。だから、何かもうちょっと別な考えがあってもいいんじゃないかなと。これは個人的な意見でありますけどもね。

 


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