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知事定例記者会見(4月17日)

質問事項

2.人口減少の推移について

 

○山陰中央新報

 若干ちょっと関連でお伺いしたいんですが、昨日、総務省が24年の10月現在の人口推計の全国状況の調査を発表しまして、島根県は、その前に既に島根県単独ではまとまってたんですが、その中で、知事が目指される社会減の減少をできるだけ減らしていこうという中で、島根県の社会減が24年の10月の推計で1,487人だったと思いますが、4年ぶりにちょっと減少幅が大きくなったと。そうした中で、これまで減少幅が減っていたのはリーマンショックとか東日本大震災等とか、外的な要因も考えられてたと思うんですが、ここから質問に入りますが、4年ぶりにまずその減少率がふえているということの現状について、改めて知事の御認識と、それと、これ一つでどうにか解決するというわけじゃないんですが、改めてこの残りの2年の中で、どのようにその社会減の幅を縮めていくという大きな目標にどういうふうに向かっていかれるかというのを改めてお聞かせください。

 

○溝口知事

 大きな構図で見ますと、日本の国外、国内の出入りというのはそんなに大きくないんですね。移民の方が多いわけでもありませんし、あるいは日本から離れてどこかに移住をするという人も大きくありませんからね、日本全体で見ると、社会減はプラス・マイナス・ゼロに近いんだろうと思います。

 しかし、それを地域に割ってみると、地域間で出入りがありますから、島根などでは戦後の発展期に都市部で雇用がふえますから、そちらにいい雇用の場ができますから、そちらに自然に人口が行きますから、それが社会減になるということでありまして、そこは島根の県外で、特に大都市部、東京等で経済活動が活発になり、投資が行われ、新規の雇用の場がふえるということになると、吸収する力が大きくなるんですね。

 今度は逆に、逆説的なんですけども、そういう吸収源の方で経済の停滞が起こる、あるいは景気循環によって経済の成長が鈍化するというふうになると、新しい雇用がそういう吸収地で出てきませんから、島根から出ていく人が少なくて、入ってくる人はある程度経常的なものとしますと、改善をするということが起こるんですね。

 だから、それは一つの傾向ですね。やはり日本の経済成長というのが大都市部の大企業、そしてその傘下にある中小企業等々でふえてきましたからね。そういう中で、大都市部には先端的な産業がどんどん出ていくと。地方では、そういう先端的な産業というのが難しかったわけですけども、最近はソフト産業とかね、そういうことで、あるいはネットワークが世界じゅうとつながるようになりましたから地方でも仕事ができるようになる。少し状況が変わりましたから、県としては、先ほど申し上げましたように、島根の持つ一つの長所といいますか、例えばまじめに働く若い人たちがいるというのも島根の長所でして、近年は、そういう人材を求めて企業立地が出てくるということがありますね。そのために我々も企業誘致をさらに進めていくと。

 それから、農林水産業といったような部門等などでは、都市の若い人が豊かな自然と近いところでの生活を求めて島根に来られるということも、近年は少しずつ膨らんできていますね。やはりこれをさらに進めるということも大事ですしね。それから、それと関連すれば、日本人の生活の仕方などにおいて、安全・安心な食材を求める、自然からとれた食材がたくさんあるところに住みたいといった人たちもふえておりますから、あるいはそういうものが売れれば、今度は島根でそういうものをつくる産業において雇用がふえるということがありますからね、それを進めていく。さらに観光資源といったようなものは、古代の世界の遺産ということでありますと、島根などは、それはほかの県よりもすぐれているといいますか、いいものがたくさんあるわけですね。そういうものを活用して雇用をふやすと。

 私がずっと言ってきて、やっていることは、そういうことを進めようということですね。そのためにはいろんな工夫もしなきゃいかん。それから県も後押しをしなきゃいかんということがありますね。

 

○山陰中央新報

 そうした大きな戦略については一貫してやってこられたと思って、効果もあると思いますが、そうすると今回、たまたま1年、少し減少幅が広がったというのは、そんなに大きな、中期的な流れで見ると、そう懸念されることもないというふうな理解でよろしいんでしょうか。

 

○溝口知事

 いや、それは大都市の方も、日本の国内での設備投資が落ちるということがあるわけですね。それは企業そのものの規模が小さくなるということもあるでしょうし、海外に国内でつくった拠点を移転をするということにもなるわけですね。そうすると、日本全体でふえる雇用というのが少なくなりますからね、それはいろんな形を通じて、日本全体に波及をしていくということにはなりますね。だから、日本全体の経済の成熟化というものも我々の方に影響が及ぶということは免れませんね。そういう中で、相対的に島根のすぐれているようなものをさらに伸ばすようにするということによって雇用の場をふやすと、そういうことの兼ね合いだろうと思いますね。

 自然減は人口構成によって大体、そんなに大きな変化はないわけですよね。徐々にふえる傾向にありますけれども、それは一挙に1,000人ふえるというようなことはないんです。社会減の方は、いわば過去における人口移動の結果、あるいはそれに伴う人口構成によって、ほぼ安定した動きになりますから、そこはなかなか短期間に変えるというのは容易なことじゃないですね。しかし、それでも、例えば結婚の相手が見つかるような努力をすることによってふえるというようなことも、それはありますからね、そうした面での努力もしなきゃいかんというふうに思いますし、あるいは子育てが難しいので子供の数がふえないということもありますから、そういうものもしなきゃいかん。しかし、大事なことは、そういう政策と同時に、現実に島根の地で雇用をふやすような対策をとる。それもいろいろありますね。例えば企業立地などからいうと、交通網が整備されてないから島根での立地というのが難しいというようなことがありましたけれども、そこら辺がだんだん障害が低くなっていますからね、むしろ魅力の方が相対的に高まるといったことがありますから、さらに努力をしていきたいということです。

 

○山陰中央新報

 そうすると、国内投資の全体が、そんなに大きな伸びが期待できないという中で、もちろん企業誘致とかの支援とか、大きな企業が来れば、それはかなり社会増というのは必然的に達成されても、そういうことはなかなか難しくなってきて......。

 

○溝口知事

 そうですね、自動車産業も外の生産の方が多くなっていますからね。それから電子産業なんかもそうですね。電子機器の方も、日本国内での需要がそんなに伸びないと同時に、海外で需要がふえるということがありますからね。電機産業なんかの場合は、いわば新興国の企業がいろんな理由から早い成長をしているということにも影響を受けておりますね。これは国際競争の面の問題もあるし、あるいは企業経営の問題もありますしね。あるいは経済の発展段階によって、日本もそういう時代があったわけですね。1代目の創業した人たちがいろんな工夫をされて、どんどん新しい投資をする、急拡大をする、国内で消費がふえる、もっといいものができるという好循環がありましたけれども、そういう分野では日本はある程度成熟した国になってきておりますね。

 


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