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3月20日質問事項7

7.道州制法案について

 

○日本経済新聞

 済みません、安倍総理が数日前に道州制法案について、また慎重に進めるように自民党の道州制推進本部に指示を出していますけれども、道州制ですね。安倍総理が自民党の道州制推進本部に、改めて慎重に検討をまた始めるように指示をしたんですけれども、済みません、そもそも知事の道州制に対するスタンスを教えてください。
 

○溝口知事

 道州制の問題は、いろんなアイデアがありますよ。それからいろんな狙いがあると思いますね。それで、議論されている人が一つのこういう目的でとか、あるいはこういうやり方でとか、あるいはどういうスピードでとか、実際はいろいろ人によって違うと思いますね。
それで、私はそういうことですが、そういうサブスタンスに入る前に、道州制というのはいずれにしても今の都道府県、市町村という枠組みの上にもう少し大きい広域的な組織をつくって、そこに国の仕事なりを振り分けて、あるいは財源も振り分けて、そこでやっていくというのが基本的な骨格の中にあると思うんですね。やり方はいろいろであって、何を移すのかとか、どうするのかというのは決まってないですが、私が知事会なんかで言っていますのは、国の仕事を移すとなると、財源も一緒になって移さないと、道州が受けても仕事ができないわけですね。
ところが、国全体として今、GDPの2倍近い借金があって、そういう中で、国はほとんど赤字公債とか、そういうもので事業をやっているわけですね。他方でそういう悪化した財政を直すために消費税を上げる、今回だけで済むのかどうか、とてもわかりませんね。だから、そういう2つの大きい問題をあわせてやるというのは難しいんじゃないですかと。だから、やっぱり一番喫緊の大きな課題は、国、地方を通じて財政の状況が非常に不安定な状況になってて、世界経済がちょっと変動するとか、あるいは金利が上昇するとか、いろんなことになると、日本全体が大きな、いわば危機に見舞われる可能性が全くないとは言えないわけですね。だから、やはりその2つの大きな目標を一緒にやるというのはなかなか難しいんじゃないですかと。だから、一番大事なことは、それぞれがある程度財政の健全性を維持できるような状況になってからね、そして例えば国の仕事を地方に振り分けるときに、その財源も一緒に付与できるというような段階になって考えるべきじゃないかということを言っているんですよ。
 

○日本経済新聞

 今はまだ財政再建のほうが優先であって、道州制はまだということですね。
 

○溝口知事

 まだそっちのほうが。
 

○日本経済新聞それで、おっしゃるように道州制基本法はプログラム法案ですし、中身については後から考えるということだと思うんですけれども、もう一つ、いろんな考え方があるのは承知していまして、ただ、コンセンサスとしては、国の支分部局を地方に移管するとか、それから国・都道府県・市町村という3層構造を、国・道州・市町村というふうに変えるということですね……。
 

○溝口知事

 だから、道州制の一つには、そういうふうに道州に仕事を分けていけば、少し効率化するんじゃないかという発想がその背後にあるんですけれども、そういう効率化する前に、じゃあその財源をどうするかというような大きな問題があって、それからそもそも道州制そのものに反対の町村会などがありますよね。そういう中で、非常に悪化した国家の財政、あるいは地方財政を含めて、それを直しながら道州制といった大きな課題を対応するということは現実的でないというのが私の立場です。それは知事会なんかで言っております。
 

○日本経済新聞

 すると、直接道州制とは関係ないかもしれませんけれども、1票の格差の問題で、民主党政権時代でしたか、例えば鳥取と島根を参院選で区割りをくっつけるというような話も一時期出ていましたけれども、それについては賛成、反対の声をどうお考えでしょうか。
 

○溝口知事

 いや、私は今の都道府県制があって、そういう中でその県なりの、地域全体の行政をやっているわけですね。その下に市町村がある。それで県の行政などについて言えば、例えば教育だとか、いろんな制度なんかも国の法律で枠組みが決まりますね。あるいは財源の付与の仕方だとか、いろんなことが決まるんですけれども、そこがそういう状況の中でいろいろ言われているような2県一緒になって選挙区になるとか、そうすると、県をどういうふうに代表するかというような問題があるんではないかと個人的には思っていますけれどもね。
 

○日本経済新聞

 ということは、慎重に考えろということですか。
 

○溝口知事

 そうですね。
 

○日本経済新聞

 賛成でも反対でもないけれども慎重に考える、わかりました、はい。
 

○溝口知事

 それから、そこは憲法の問題になるのかもしれませんけれども、各国でも上院は各州、大きい州であれ小さい州であれ、アメリカなんかはそうですね。1人ずつとか決まっているでしょう。だから、それは憲法の問題になるかもしれませんけれども、何かそういう議論が十分なされてないような印象を受けますね。だけど、私自身が、これは個人的な印象でありまして、県としてどうこうということは、また別なことで。

 

 

 


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