知事定例記者会見(9月19日)
質問事項
2.島根原発関連について
○中国新聞
済みません、本日、原子力規制委員会というのが発足をしまして、夕方に会見があるようですけども、まず島根原発が立地する島根県の知事として、原子力規制委員会に望むことというのを、まず教えていただけますでしょうか。
○溝口知事
規制委員会は、福島の原発の事故があり、それに対しまして4つの事故調査委員会から報告なども出ていますね。そういうものは当然、研究もしておられると思いますけども、そうしたものを踏まえて規制委員会としての安全基準を確立をされて、これを安全対策の中に織り込んでいって、原発の安全性をきちっと確保できるような体制を築くということが一つあります。
それから、まだ福島原発の収束のプロセスが終わってないわけでありまして、そういうものをどういうふうにして収束していくのかといったような問題があります。
それから、放射性物質がいろいろ飛散をしたわけです。そうしたものの対応をどうするかというのは引き続き大きな課題です。
それから、福島原発の周辺においても、まだ放射性物質からの汚染の排除と申しますか、除染は終了してないわけでありまして、そういうものを安全に行っていく対応でありますとか、いろんな課題が山積をしておるというふうに思います。各界の意見、あるいは電力会社の調査といいますか、検査等を通じ、原発の安全性についてしっかりした体制を築いていただきたいというふうに考えています。
○中国新聞
ちょっと具体的なとこに入りますけども、先日、9月15日の日ですね、国が設置許可を出した原発に対して、それは変更しないということを連絡して、知事に伝えてしてきたと思うんですけども、そのときに知事のコメントとして、規制委員会がしっかりその安全性をチェックしていく必要があるというふうな趣旨のコメントがあったんですけども......。
○溝口知事
そうですね。
○中国新聞
この3号機についてちょっと伺いますが、3号機について、ちょっともう一回、念のため、規制委員会が3号機についてやるべきことというのを、まずどういうふうに思われるかというところを。
○溝口知事
それは、完成をして、通常の稼働中の原発のようにいろんな検査をちゃんとやらなきゃいかんわけですね。そういうことがまずあります。
それから、規制委員会が安全基準をいろいろ出すわけでありますけども、それに対応した安全対策がとられているかということもチェックをしなきゃいけません。
それから、再稼働のような問題になりますと、保安院の前の体制から引き継いでいくんでしょうが、いろんなストレステストだとか、いろんなこともありますね。そういうこともやっていかなきゃいかんというふうに思いますけど、まだ具体的、詳細にどういう形で規制委員会としてそういうことを行うのかというのは、まだ発表されておりません。ただ、常識的に考えるとそういうことじゃないかというふうに思います。
○中国新聞
そこでなんですけど、知事として、この3号機が、要は簡単に言うと、稼働するというのを国が容認したという形になってるわけですけども......。
○溝口知事
いや、稼働じゃなくて、安全性を規制委員会がちゃんとチェックをしてということでしょう。
○中国新聞
いや、国の方針としては、要は着工したものは変更しないということなので、それをやめるというのはないですよということなんで、その次のステップにこのままだと進んでいくというのが普通の考えだと思うんですけども、その国の方針自体に対して、知事はどういうふうに思われるかというところを、ちょっと一番聞きたいんですけど。
○溝口知事
それは、経産省の方ですね、この問題については、現段階では。経産省の方から聞いておりますのは、建設途上の原発については、既に経済産業省としての許可手続は建設着工前の段階で終わっておって、稼働に当たっては原子力規制委員会の独立性を持った判断が必要であるということで、原子力規制委員会がそこは判断すべきだと、こういうことになっているんだと思いますよ。
経産省としては、要するに15日の段階で現在の手続の中で何かを取り消すとか、新たな許可手続を加えるというとこは考えていないと、こういうことですね。だから、いわば稼働だとかの問題については、原子力規制委員会にそのまま引き継がれたということだろうというふうに思います。まだ規制委員会に見解は聞いていませんけれども。
○中国新聞
その規制委員会が内閣から独立した形で今後、個別の原発の稼働の是非というのを判断していくことになるわけですけども、その対象にこの3号機が入ったということに対しては、どういうふうなお考えですか。
○溝口知事
それは政府が、政府のお考えとしてそうされているわけですけども、いずれにしても、安全をどう確保するのかという問題は規制委員会で処理をしなきゃいけませんし、それから実際に稼働するかどうかというのは、今年の夏にもありましたけども、政府の方で国全体としての電力需給でありますとか、あるいは今後は政府として徐々に原発の依存度を下げていくということになりますから、そういう中で検討されるということになるんだと思いますよ。
○山陰中央新報
関連なんですけど、2030年代までに原発をゼロにすると言ってる一方で、仮に3号機が稼働になったら2050年代まで稼働が可能なわけで、その辺で、そこら辺矛盾してるんじゃないかという声もあるんですけども、その辺は知事、どういうふうに......。
○溝口知事
ええ、その辺も我々は15日の後、とりあえずは経産省に聞くほかないですからね、聞いたところでは、こういう考えでしたね。2030年代の原発稼働ゼロというのは、これを可能とすべくあらゆる政策手段を投入することに全力を尽くすということだと。これは15日に枝野大臣が青森に行ったときに、青森に対して言っているんですね。それで、そのときの発言を聞いてみますと、枝野大臣は、2030年代に原発稼働ゼロが可能となるようあらゆる政策手段を投入するという目標を今回立てたんだと。まずは可能にできるよう最大限のことをやってみると。それで、すべてはそこから先の話というふうに発言をされて、そういう意味で、現段階ではこの発言以上に具体的な方針は定まっていないということでした。つまり経産省の説明ですと、可能になったとき、あるいは可能になりそうだというふうな段階、いうふうなことがかなり確実性を持って見通せるようになったときに、そこから先のことが初めて具体的に議論ができるということであって、そのときは、だから政府として30年代に全部やめるんだという決定をすれば全部やめるということになるでしょうし、そこはまだ政府の目標自体が30年代にゼロにするように最大限の努力をするという目標ですから、そこはまだ明確になっていないというのが政府の、経産省の見解でありました。
だから、そういう意味で、矛盾しているとかなんとかじゃなくて、まだそこは具体的な検討の段階に入ってないと。繰り返して言えば、この30年代にゼロにできそうだと、代替エネルギーなんかの開発が進むとか、いろんなことがあってですね。そうなれば、その段階で決めれば、30年代にどうするということは、その段階で考えれば対応できるだろうと、こういうスタンスで政府はいるということのようですね。
○山陰中央新報
じゃあ、知事としては矛盾とかっていう......。
○溝口知事
いや、矛盾とか、それは要するに決まってないということでありますから、それはその段階で矛盾がないように決めるということでしょうね。それしか我々としては確認、それ以上はあれですね。
○中国新聞
文面どおり受け取ると、2030年代のゼロというふうに受け取るのが普通だと思うんですけども、今の知事のお話だと、経産省に聞いたところ、30年代にゼロにできないかもしれないというような、一種言いわけみたいな言葉を使ってるという......。
○溝口知事
それは枝野さん自身がそう言ってるわけですよ。枝野さん自身が、要するに30年代に稼働ゼロが可能になるようあらゆる政策支援を投入するという目標なんだと。それで、まず可能にできるよう最大限のことをやってみると。その先の話は、その段階になってからの話だと、こういうふうに言っておられるわけですね。だから、可能になるというのがいつの段階かというのは、これはまた、今の段階ではっきりしませんね。そういう意味では、私が受けた印象は、30年代にゼロにするように最大限の努力をしようという大方針を立てられたと、政府が。他方で、年ごとの進捗状況をどうするかとか、じゃあ30年代に、もう完全にゼロにするのかとかいうことまでは、あるいはそれをするためにはどうしたらいいのかという、いわばスケジュールのようなところまで、まだ踏み込んでいないと、検討がですね、はめ込まれていないということでありました。
○毎日新聞
改めて済みません、知事の今の革新的エネルギー・環境戦略の解釈と、先日の囲みのときの話もお伺いしながら、改めて、いわゆる一般大衆がこの文章を読んで考える原発ゼロ、2030年代まで原発ゼロという考え方と、恐縮ですが、財務省、大蔵省で長いこと働いてこられた溝口知事も含めて、霞が関におられる官僚という方は日本語というものをこういう読み方をするんだなと、いわゆるあんまり大っぴらじゃないかもしれませんけど、霞が関文学という言葉もありますけれども、「だが」とか「しかし」とか、そういう文章を入れながらいろんなものを骨抜きにしていく、官僚が骨抜きにしていくというものは、こういうふうなことをするんだなというふうに改めて思ったんですけれども、知事がそういうふうな読み方をされるわけですけれども、一方で、多くの国民であるとか、恐らく島根県民も、この革新的エネルギー・環境戦略に対して、2030年代までに原発はゼロにするという方向で国が動き出したと思ってると思うんですが、知事はそこの政府の考え、知事が考えている解釈と、一般市民、一般大衆が考えてる、ここの意味、受けてる理解のそごというのはどういうふうにお考えですか。
○溝口知事
いや、僕が言っているんじゃなくて、政府の方がそう言っておられるんですよ。
○毎日新聞
いや、だから、その政府が言っているというのを、正直、一般市民というのは、政府がそういうふうに言っているとは恐らくとってないと思うんですよ。でも、知事は恐らくこれまでのお仕事をやられてた関係から、この文章を読んでそういうふうに読み解く能力を持ってらっしゃる。だから、その中でどういうふうにこの一般大衆が考えている、このエネルギー・環境戦略に対する思いと、その辺をどういうふうにお考えか、ぜひお伺いしたいんですけど。
○溝口知事
私は、だから、政府の意図がどうであるかということをよく確認しなきゃいかん立場にありますから、15日以降、話をいろいろ聞いてきたことを紹介しているということでありまして、私の考えじゃないですよ。政府がそう言っておられるわけです。
○毎日新聞
いや、その政府が言っている話と、現状ですね、我々新聞にしろテレビにしろ、報道しているものがあって、さらに多くの国民が2030年代に原発ゼロという方針が出たんではないかというふうに感じている、一般市民はこれを読んで、どういうふうに感じていると知事は思ってらっしゃいますか。
○溝口知事
あなたがおっしゃるようなこともあるでしょうし、それから政府も、私は詳しくは見ていませんけど、きょうの閣議で、この戦略自体は閣議決定しなかったわけですわね。それで、そこで書いてる閣議の文章を私も見させてもらったら、これは皆さん御存じでしょうが、政府の決めたことはこういうことなんですね。今後のエネルギー・環境政策については、革新的エネルギー・環境戦略、これは括弧書きで24年9月14日、エネルギー・環境会議決定、を踏まえてですよ、踏まえて関係自治体や国際社会等と責任ある議論を行い、国民の理解を得つつ柔軟性を持って不断に検証と見直しを行いながら遂行するということなんですよ。これは政府の文章ですから、要するにここで言っていることは、14日に発表されたこのものは、そういう性格のものだということを政府が明らかにしておるということですよ。
それから、それについて担当大臣である枝野大臣は青森の記者会見で、2030年代に原発稼働ゼロが可能となるよう、あらゆる政策手段を投入するという目標ですと言っているんですね。まずは可能になるよう最大限の政策資源を投入することに全力を尽くしていきますという解説をされているわけですよ。ということだけですね、私が言えることは。
○毎日新聞
知事が、知事の認識としては、そうすると、この革新的エネルギー・環境戦略は、2030年代に原発稼働ゼロとするのを可能とするように努力しますと、その後ろには、努力した結果、うまくいかなければ、それは無理ですよ、もう2030年を目指さないようにしますよというふうに知事はとっていらっしゃるんですか。
○溝口知事
いやいや、そこを私が言うことは、それは失礼に当たりますから言いませんけども、戦略の本文にも、常に関連する情報開示をしながら検証を行い、不断に見直していくという文言があるでしょう。あれ何ページだったかな。7ページですね、報告書の7ページの一番末尾にありますよ。ここに書いてあることをそのまま今度の閣議決定にしているわけですよ。
例えばそこを読みますと、政府は原発に依存しない社会の道筋に関しても、これを現実的なものとしていくため、グリーンエネルギーの拡大、あるいは国民生活、経済活動に与える影響等々に関する自治体の理解と協力の状況、国際社会の環境などの点について常に関連する情報を開示しながら検証を行い、不断に見直していくということだと、こういう説明がありますね。だから、私が別にこういう文章を書いているわけではなくて、政府の説明を確認をするために見ると、そういうことになっておるということを申し上げておるんですね。
○中国新聞
済みません、解釈の問題はまあまあいいんですけども、ちょっと島根のことでいうと、3号機というのは、さっきも言ったんですけど、稼働に向けてのステップとして、国が今まで態度を明らかにしてなかったわけですけど、設置許可を出した原発は変更しないという具体的な国の方針が出たわけですから、稼働に向けて大きく進んだということは間違いないわけですけども、そのことについて安全性を規制委員会でチェックしてほしいというのはわかるんですけども、その前に進んだということに対して知事はどういうふうにお考えかという、一方では3号機の建設というのが福島の事故を受けて動かすべきではないというようなやっぱり市民の声もある中で進んだということに対して、知事はどういうふうに思われますかというのをちょっと伺います。
○溝口知事
そこはやはり、政府がそういう判断をされたということですね。我々は稼働をどうするかというようなことになりますと、これは立地県、あるいは立地市町として意見を申していくということになりますけれどもね。
○中国新聞
そのことについて大筋で異論というのは、今の段階ではないということですか。
○溝口知事
そこはよく研究、まだ様子がわかりませんから、この前も申し上げましたように、それは各界の意見を聞いたり、議会の意見を聞いたり、周辺自治体の意見を聞いたり、専門家の意見なども聞きながら考えていくということですね。
○中国新聞
それは本当に動くという判断になれば、いろんなとこの意見を聞くことが必要だと思うんですけど、今の時点での、要は前進したということに対しての、特に特段、今の時点で、だから一方でコメントとしては、規制委員会でチェックしてほしいというふうに言われているわけですから、逆にそこまではいいというふうな受けとめ方もできるわけですよね。だから、それが前に進んだことに対する異論というのはないというふうな、今の時点ではですね。
○溝口知事
それはわかりません。
○中国新聞
だけども、それをおかしいんじゃないかというふうなことを言うつもりもないということですか。
○溝口知事
それは、3号炉のやっぱり完成のチェックなんかをしなきゃ、何ともわかりませんね。そこら辺はやっぱり稼働するかしないかの前に完成チェックというのがあるでしょう。それはやっぱり専門家の意見をよく聞いたりしないといけないと思いますね。
○山陰中央新報
関連で、繰り返しになるかもしれませんが、この革新的エネルギー・環境戦略について、知事はそもそも島根県内の原発のあり方を考えるのに、国が中・長期的なエネルギー政策を示すことが一つの条件だというふうにおっしゃってましたが、これはその一つの条件として結論が出たというものに値するというふうにお考えでしょうか。
○溝口知事
見通しといっても、まだまだ目標のような、第2目標のようなもので、それに向かう道筋なんてわかりませんわね。
○山陰中央新報
まだまだ粗いと。
○溝口知事
粗いというか、それはいつまでたっても粗くなることは避けられないと思いますよ。例えば代替エネルギーがどの程度のスピードで確保できるのかとか、あるいはそうするとエネルギーのコストが一体どうなるのかとか、あるいはそれによって国民生活、あるいは経済活動にどういう影響が出るのかとか、そういうもろもろの条件を総合的にやっぱり考えないと、国民も、あるいは経済界も判断は難しいですね。そういう意味では、いろんなやり方があると思いますね。そういうことは関係なくやろうということができれば、それは一つの方法だし、できないとすれば、そういうやり方をだれがやってもとっていかざるを得ないし。
○山陰中央新報
わかりました。
○溝口知事
だから、そこは、そう一刀両断でこうだというわけにはいきませんね。
○山陰中央新報
ただ、少なくとも値するにするかしないかというところを聞きたいんですけど。
○溝口知事
一つの情報として、政府の考えとして出されておると。
○山陰中央新報
満足してないと。
○溝口知事
いや、それは、こういう問題は先を予測することですから、常に不確実性が伴うわけですね。
○山陰中央新報
ただ、一つは、3号機に関しては、いわゆる許可を出したものなので容認するという一つの判断を国の方が出してきてるわけですけど、それは3号機だけでも判断するような、これが材料になってるというふうなお考えなんですか。
○溝口知事
それは、国の方は許可を出して進めてきたわけですよね、これまでの。それでほとんど完成している状況になっているということでしょう。
○山陰中央新報
そうしますと、やはり知事としても、背景となるいわゆるグリーンエネルギーの比率等、その辺のところがもう少し示されないと、3号機だけを切り離して判断するというのもあり得んということですか。
○溝口知事
そこはエネルギー供給全体の話と、あるいはいろんな発電の仕方によってコストが変わってきますね。そういうものをどう評価するのかとか、やっぱりそういう総合的な判断が必要なんだろうと思いますね。
○山陰中央新報
いずれにしろ、この環境戦略の中身というのは、もう少しいろいろ議論されて示されるべきで、これでやはり条件、繰り返しになりますが、これで知事が今まで言われてるものの中・長期戦略とは、まだ達してないと。
○溝口知事
いやいや、一つの戦略でしょうね。一つの考え、何にもないよりは、やはり一定の考え方を示されていると思いますよ。
○山陰中央新報
ただ、必要十分ではないと。
○溝口知事
それは必要十分というのはいつまでたっても、それは完成というのは難しい問題だと思いますね。
○山陰中央新報
ただ、知事が思うところの、ある程度達したという判断があると思いますが、そこには達してないということで。
○溝口知事
そこまではまだ、筋道がまだはっきりしないでしょう。
○山陰中央新報
その筋道というのは予算配分とかいう......。
○溝口知事
いやいや、予算ではなくて、どういうふうに代替エネルギーが拡大していくことが可能だとか、あるいはそうすることによっての電力供給が十分保てるとかね、そういったようなことですね。
○山陰中央新報
それは再生可能エネルギーが3倍というふうなざくっとしたものは示されたんですが、それじゃあまだ、この段階的な見通しも含めて。
○溝口知事
示されてもね、まだ政府の方もできるかどうかはわからないと、しかしやってみようというスタンスですよね。それで最大限の努力をしましょうと。枝野大臣の発言は、そういうものだというふうに、あれを読む限りそうなりますわね。
○山陰中央新報
ただ、これからまだ島根県としてもいろいろ、これについて質問したり聞きたいことはたくさんあると。
○溝口知事
あっても、これは大分やりとりやりましたけどもね、今申し上げたのが今時点の政府の見解でしたね。
それで、そうしているうちに、けさのあれを見ると、閣議決定はやめて、これを踏まえていろんな意見を聞き、あるいは国際社会との議論をし、まだ再処理の問題なんかがあるわけですね。それからいろんな影響なんかも考えて、不断の検証と見直しをやっていくというようなことですから、もうちょっと政府の考え方が、きょうの段階で少しはっきりしてきたというふうに私は見てますけどもね。
○山陰中央新報
知事、閣議決定を事実上見送ったことについては、どうお考えになるんですか。
○溝口知事
それは、政府がいろんな意見も勘案し、あるいは計画の性格なんかも考えられてお決めになったというふうに思いますね。
○山陰中央新報
あと、決定までのプロセスのとこでお聞きしたいんですけど、立地自治体の中には、決定が先にあって、頭ごなしで決められて、その前の議論がなかったというような声もあるんですけども、県の方にも高原長官から、決まった後に、3号
機について説明はあるんでしょうか。
○溝口知事
いや、それはこっちが照会したから来ただけですよ。
○山陰中央新報
その前段の決定までの議論、立地自治体のところで議論は十分だったというふうにお考えになりますか。
○溝口知事
自治体というか、それはいろんな意見を政府は聞いたと思いますけれども、個別の自治体ということはないと思いますよ。
○山陰中央新報
島根県には、その決定前までに話はあったんですか。
○溝口知事
いやいや、ないです、ありませんね。
○山陰中央新報
なかった。
○溝口知事
今回はないですよ。
○山陰中央新報
そのことについては、いかがですか。
○溝口知事
いや、それは政府の決定の仕方ですから。だけど、実際のものは政府としては最善の努力をされたけども、閣議決定というものにするには至らなかったということでしょう。
○朝日新聞
原子力規制委員会に求めることについて改めて伺いたいんですけど......。
今回、やっぱり原子力規制行政の信頼が地に落ちたということで、規制と推進を分けてということですけれど、さっき知事もおっしゃったように、3号機の今後の新設の原発についての稼働についてもしかりで、今後の、既に今とまっている原発の再稼働についても、規制委員会が安全基準を出して安全確認をしたものということになってますけれど、先ほど知事がおっしゃったように、詳細に委員会がどのようにやるか、まだ発表されていないという状況ですよね。もう前々から国の方針には自治体の意見を十分取り入れてほしいとおっしゃってましたけど、その立場から、安全基準について知事として、県としてどのようなことを求めるかというのを伺いたいんですが。
○溝口知事
安全基準ですか。それは、一つはやはり福島の原発事故の原因の分析などをして、そういうものに対する対応などを織り込むということが重要な要素としてありますね。それから科学技術は進歩しますから、そういう新たな知見なんかも取り込んでいくということが必要ですね。それからこういう問題の国際的な連携というのが進んでおりますから、ほかの国の経験などもよく検討したりされるということも大事でしょうね。そういうことをやりながら、規制委員会として、それから規制委員会のメンバーも技術的な専門家で全部構成されているわけじゃないですから、技術的な部門については規制委員会の外にいる専門家などにも意見をお聞きになることが大事だろうと思います。
○朝日新聞
松浦市長は、活断層についても保安院はオーケーを出しているけれど、規制委員会としても改めて再確認する必要があるのではないかときょうおっしゃっていたんですけど、知事はどう思われますか。
○溝口知事
それは規制委員会が判断されることですね。
○朝日新聞
改めて。
○溝口知事
規制委員会がそういうものをどう判断されるかでしょう、規制委員会として。
○朝日新聞
改めて判断を示してほしいということですか。
○溝口知事
いや、そこは私は申し上げませんけども、規制委員会がおやりになると思いますけども。
○朝日新聞
知事として、そういうのをしてほしいというのはないんでしょうか。
○溝口知事
そこはまだ規制委員会がどういう考えであるかというのをよく見た方がいいですね。規制委員会は、まだ何物も発表していませんから。
○中国新聞
済みません、1号機なんですけども、1号機、この前の新エネ戦略の中では40年運転の厳格適用という表現があって、普通に読むと40年で廃炉にするという方針で、それを踏まえるとあと1年半ぐらいしか要はないわけですけども、1号機というのは。一方で、原子炉の規制法、法律上は20年の延長規定みたいなのもあって、最終的に規制委員会が判断するんですけども、非常にちょっとあいまいな、政府の方針としては、要は40年廃炉というふうに言ってるんだけども、20年という話も一方であるしという、ちょっとあいまいな部分もあるのかなと思っているんですけども、知事として、原子力規制委員会に1号機に対してどういう判断をしてほしいのかということをちょっと伺いたいんですけども。
○溝口知事
1号機というよりも、40年基準をどういうふうに運用するかという問題ですね。そこはやはり、これまで政府はいろんな検討をしているわけですけれども、そういうこともよくレビューをされて、その上で規制委員会として判断を下す必要があるということですね。それ以外は、まだ規制委員会がどういう立場でどうだというのはわかりませんから。
○中国新聞
だから、政府の掲げた40年というのを、じゃあ規制委員会はどういうふうに運用していくのかというのをしっかり示してほしいということですね。
○溝口知事
それはいずれするでしょう。
いずれにしても、すぐ40年の問題になるところもあるでしょうし、時間もありますから、そういう過程の中でおくれないで規制委員会がきちっとした説明をされることを望みます。
○山陰中央テレビ
1号機に関していえば、時間があるところもあるだろうとおっしゃいましたが、島根原発1号機の場合、1年半で40年に達するわけで、決して、この廃炉というものを技術的な面からとらえても、1年半という時間はかなり短いと思うんですが。
○溝口知事
いやいや、それは当然その前にはやるでしょう。規制委員会が発足されて、それは、そんなに何年もかかるような話じゃなくて、数カ月単位の話だろうと、常識的には思いますけどもね。
○山陰中央テレビ
一方で、1年半後に廃炉という政府が方針を示して、これ技術的な課題がすごく残ると思うんですけれども......。
○溝口知事
廃炉は、それは別の話ですね。実際には廃炉を決めてからいろんな作業をしていかなきゃいかんでしょうから。決めることと廃炉の処理のプロセスというのは、処理のプロセスは長くかかると思いますよ。
○山陰中央テレビ
そういうことの判断はできるけれども、その後の......。
○溝口知事
それはそうです。それは基準を示してやれば、規制委員会が決めればできることでしょう。
○山陰中央テレビ
この処理のプロセスが長くかかってしまうことは、県民の方が今までやったことがない作業をやることになるので、不安もあるのかなと思うんですが。
○溝口知事
それはもう原発でも、きょうの報道なんかでは出てますわね。関電でしたか。もう既に40年過ぎてるものの廃炉というような論議がありますから。
○NHK
知事、済みません、もう一回確認なんですが、きょうの閣議での新エネ戦略の取り扱いについて、先のことがまだわかんない、不確実性があるから、きょうのような取り扱いはしようがないという知事の認識でよろしいですか。
○溝口知事
いやいや、政府はそういう性格だから、そういうふうにされたと。
○NHK
知事の認識はそういう、じゃあ対応をとったことについて、知事はどう思われますか。
○溝口知事
それは政府がそういうふうに判断されたということしかありませんね。
○NHK
知事はどう思う、それについてはどうも思ってない、コメントされないわけですか、こういう対応をとったことについて。そういう対応をとった政府についてどう思われているのかというのは。
○溝口知事
コメントとしては、そういうふうに閣議決定するレベルまで議論が収束してないというふうに思ってますけど、政府・与党内で。
○毎日新聞
済みません、2点お伺いします。
1点は、革新的エネルギー・環境戦略の中にもあるんですけれども、立地地域対策の強化の部分です。政府がこの原発ゼロ、知事のお言葉ではあくまで目標だというようなことですけれども、その目標に向けて立地自治体に十分配慮して措置を講じるという文言も確かに入っています。
○溝口知事
何ページですか。
○毎日新聞
6ページの(4)です。
立地自治体に十分配慮して措置を講じるというふうに書いてあるんですけれども、知事は政府、国に対してこういうふうに何らかの措置をとるという、講じるというふうに書いてある限りは、じゃあどういったものをやってほしいと、どういうものを国や政府に要求したいと思われているかというのがまず1点。
もう1点は、知事もこれまで出席していると思うんですが、島根原子力発電所の安全対策等に関する意見交換会というものを県が設置していると思います。2010年12月にできて、年三、四回開くというような話になっていたようなんですけれども、2011年3月5日、東日本大震災の直前に開いて以降、一度も開いていません、県は。多くの県民の方が、多くというか、それなりの数の県民の方が参加されて、知事御自身も恐らく市民がどういうふうに思っているのかというのを聞く機会だと思うんですが、知事はこれまでもいろんな場で県民の声や県議会の声や専門家の声というような形で言ってらっしゃるんですが、これ1年半以上開いていないという状況を知事としてはどう思われるか、その2点、お伺いします。
○溝口知事
それは、政府のいろんな検討が進行中の段階ですから、政府を呼んでも、あるいは電力会社も政府のいわば指示を受けてといいますか、政府の枠内でやっていますから、いろんなことがよく議論できる状況にありませんでしたから延びてきておりますけれども、また今回のような政府の一つの考え方が示されましたから、適切な時期に開催は考えていきます。
○毎日新聞
具体的なめどみたいなことを考えてらっしゃいますか。
○溝口知事
まだこれから考えます。
○毎日新聞
開く方向ではあるんですか。
○溝口知事
ええ、開く方向で考えます。
○毎日新聞
もう一つ、もう1点の方は。
○溝口知事
これは、何のことかはよくわかりませんが、ここの意味はちょっとまだよくわかりませんね。原発等が、要するに新たな要請によって影響を受けることになる立地自治体ということですから、例えば原発の稼働がなるとか、いろんな自治体に対してのことを言っているんじゃないですか。
○毎日新聞
ここには島根は含まれないということですか。
○溝口知事
いや、わかりません、そこは。まだそこまで政府に聞いていませんから。
○山陰中央新報
規制委員の話でちょっともう1点お聞きしたいんですけど、先ほど再稼働の基準、安全基準だとかという課題が山積しているというようなこともおっしゃいましたけども、一方で、国会事故調も指摘しておりましたけど、規制側が事業者のとりこになっていたといったところもあって、中立性とか独立性というのが求められると思うんですけども、過去の反省も踏まえて。知事、その辺はいかがですか。
○溝口知事
規制委員会ですか。
○山陰中央新報
はい。
○溝口知事
そういう観点から政府の方も委員の経歴等についてもいろんな活動についても照会をされたりして委員を選んでおられますね。それから、規制をする側とエネルギーの確保を担当する部局は、ある意味で考え方が相反することがありますから、それを切り離したというのが今回の措置ですね。そういう意味で、規制委員会はそういう面でも独立した役割を果たしていくことが期待をされているというふうに思います。
○山陰中央新報
一方で、事故が起きて1年半以上過ぎての、ずっと延期になって、ようやく発足したわけですけど、このことについてはどうですか。
○溝口知事
それはやっぱり、そういう組織の変更だとかには、やっぱり慎重な議論もあり、一定の時間もかかったということじゃないですか。当初の段階から大分変わりましたでしょう。
○山陰中央新報
変わりました。
○溝口知事
そういうこともあるわけですね。
○毎日新聞
済みません、1点お伺いしたいんですが、先日、14日だったと思いますけれども、加藤登紀子さんにしまね有機農業大使、任命されたと思います。その後なんですけれども、加藤登紀子さんが御自身のツイッターで、島根県が有機農業大使に私を任命してくださり、一昨日は溝口知事とこれからの島根県が命と食の最先端で日本を引っ張っていくべきですねと熱く語り合ったのですが、きょうのニュースでは、国が3つの原発建設を容認。その中に島根原発が入っていました。活断層の上にあり、とても危険だそうですと書いていらっしゃいます。この加藤さんの、もう大っぴらになっている発言ですけれども、これについて知事はどういうふうな感想を持たれますか。
○溝口知事
いや、今聞いたばっかりですから、それは加藤さんのお立場からの発言だというふうに思います。
○毎日新聞
いや、それは何々さんのお考えというような言葉は、知事はよく会見のときに繰り返し使われる言葉なんですが、それは全く責任感が伴った言葉ではないと思うんですけれども、どういうふうに思われるかというのを教えてください。
○溝口知事
それは加藤さんの御発言だというふうに思っていると。
○毎日新聞
県がしまね有機農業大使に任命された方の発言なので、県としては何らかの受けとめが当然あると思うんですが、原発について加藤登紀子さんに今後、県から何か説明されたりとか、そういうようなお考えはありませんか。
○溝口知事
今はありません。
○毎日新聞
今はないということですね。
○溝口知事
今聞かれたから、今と、こう言っているわけですけど。
○毎日新聞
いや、それは、今ないというのは、言葉遊びをしているわけではないので、記者会見として聞いているわけで......。
○溝口知事
ありません、今はありませんと。今初めて聞きましたけども、その反応としては、今は考えていませんということであります。
よろしいですか。
○時事通信
済みません、この確認なんですが、知事、30年代にゼロにするという国の方針は大目標で、道筋についてはわからない。だけど、いつまでたっても粗くなることは避けられないとおっしゃっていて、常に不確実性が伴ってくると。その道筋を具体的に......。
○溝口知事
いや、政府がそう言ってるということを言っているわけです。
○時事通信
それを、その知事の意見を僕が総合的に考えると、30年代ゼロというのは、とても困難なんじゃないかということを......。
○溝口知事
いやいや、そういうことを僕が言うのは失礼なのでそういうことは言いませんけども、政府の枝野担当大臣は最大限の努力をするということを言っておられるわけですよ、できるようにね。だけど......。
○時事通信
だけど実現性はかなり低いとごらんになっているということ......。
○溝口知事
いや、そういうコメントは、私がしなくてもいいでしょう。
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