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知事定例記者会見(7月10日)

質問事項

1.島根原発関連について

 

○山陰中央新報

 知事、済みません。先週の5日に、福島第一原発事故で国会が設置した事故調査委員会が自然災害ではなく人災ということを明記した報告書をまとめ、議長に提出したという案件がありましたが、まず、人災だったというふうな評価がなされたことに対して知事の所感を、全般においての御感想でもいいですが、まずお伺いしたい。

 

○溝口知事

 それは、監督する、規制する立場からして、津波のリスクとかいろんなことが言われておったけれども、そういうものに対する対応が十分でなかったという意味で言っておられる面がありますね。そういう面で、いろんなリスクをちゃんと規制の中に取り入れて安全基準をつくっていくということは大事だということだと思います。

 

 それから、事故が発生してからの対応についても、監督する、あるいは危機管理をする政府の体制、あるいは事業所、電力会社の中における対応等が不十分であったと、あるいは事業者と政府の責任の境界があいまいであったと、そういうものが被害の拡大の原因にもなったというような、いろんな指摘がなされておるというふうに思います。

 

 これまで事故調査報告は、民間の事故調、政府の事故調、そして国会の事故調と申しますか、3つの報告書が出ておるわけですね。そういうものを今度新たに設立されます規制委員会におきましてよく研究をされ、それから有識者の意見をよく聞かれて、新しい監督、規制の体制、それを築くと。そして事前の安全対策、あるいは万が一の事態が生じた場合の対策、あらゆるものについてしっかりした対応を規制委員会を中心として政府で打ち立てられると、それが大変大事なことだというふうに思います。

 

○山陰中央新報

 それは原発の構造的なテクニカルな部分とヒューマンエラーというか、人災というか、そこにいた作業員のミスではなくて、積み重なったものが事故を招いたという、人災は過去からの経緯で多分言っておられるんだと思いますが、そこへの対応も含めたその研究。研究というのは、原発の事故が起こった機材とかそういうものの見直しと同時に、人災の部分の人間。

 

○溝口知事

 人災というか、それは体制ですね。

 

○山陰中央新報

 体制の......。

 

○溝口知事

 人が監督したり、あるいはそのための安全の対策を打ち立てて、それを事業会社に実行させる、そういう基準のつくり方とか、あるいは日ごろの運転のためのいろんなルールと申しますか、体制と申しますか、要するに人がやるわけですね。そういう部分についてしっかりしなきゃいかんと。もちろんそこには過去の経験とか、そういうものを踏まえた反省がなきゃいかんわけですけども、それは3つの事故調査委員会がいろいろ指摘をしていますから、そういうものをよく研究するということでしょうね。

 

○山陰中央新報

 あと、済みません、知事が前から注目しておられた地震そのものの損傷ということで、特に1号機についてなんですが、重要な損傷の可能性は否定できないというような表現だったと思うんですが、知事としては、その辺の地震で何が起こったかというところの解明というのは、国会事故調の調査でも十分であるというふうに考えられるでしょうか。その辺の所感をお聞かせください。

 

○溝口知事

 そこはどこまで今の時点でできるかという問題はありますよね。だけど、要するに否定はできないということであって、こうだというところまで言ってませんね。それは引き続きやっていくわけでしょうが、現場での対応の困難性もありますから、一挙にはできないかもしれませんね。しかし、そういう中で、安全対策というのをどういうふうにすればいいかというのを規制委員会としては考えていかなきゃいかんということじゃないでしょうか。

 

○毎日新聞

 済みません、引き続き国会事故調の報告の件でお伺いしたいんですけれども、報告の中で、原子力安全委員会の深層防護という考え方について書いている部分があるんですけども......。

 

○溝口知事

 何ページのあれですか。

 

○毎日新聞

 ダイジェスト版の4ページです。

 

○溝口知事

 4ページ、どこら辺ですか。

 

○毎日新聞

 ダイジェスト版の右側の方です。事故の根源的要因のところですけれども、原子力安全委員会の深層防護ですね、日本ではIAEAが考慮している5層のうち3層までしか対応していないというところについて、これまでの原子力安全規制について極めて批判的に書いていると思うんですけれども、ここにある深層防護ですが、基本的に事故が発生しても大規模な事故はなくてその場でとどめるというような形でこれまで日本はやってきたというように書いてあるんですけれども、知事はその辺についてどういうふうにお感じに、そういうふうな規制がこれまで続けられていたということについて、原発立地県の知事としてどういうふうにお考えでしょうか。

 

○溝口知事

 そういう点は、やはり規制当局がしっかり電力会社を指揮、規制をしなきゃいかんということだと思いますね。

 

○毎日新聞

 でも、規制当局は、そういうことをやっていなかったわけですよね。

 

○溝口知事

 いや、だからそれをしっかりやるということがこれからの課題でしょう。

 

○毎日新聞

 知事は、原発事故が起こるまでは、こういうような5層、3層という部分については御存じでしたでしょうか。

 

○溝口知事

 いや、それは、そういう専門的なところまでは私はわかりませんね。今回そういう指摘が初めてなされているというのを見ているわけですから。いずれにしても、長い期間調査をされて、そういうことも気づかれてこういう記述になっているということじゃないですか。

 

○毎日新聞

 今後の原発の再稼働に関連して言いますと、現在、この深層防護の考え方は、日本ではまだ3層の部分までしかできていないということだと思いますが、それでも島根原発は動かすという場合、最終的には実質的に知事の御判断ということになると思いますが、これが3層が5層になる前であっても、知事は原発は動かすという判断というのはされますか。

 

○溝口知事

 それはまだ詳細はわかりませんから、今、いずれにしても3つの事故調の報告書が出たわけですから、そういうものをよく新たにできる規制委員会で研究をし、さらに専門家の意見を聞き、あるいは国際機関なんかの意見を聞いて、安全な基準と安全な対策を規制委員会が打ち立てるということじゃないですか。

 

○毎日新聞

 それぞれの事故調がどうする、国がどうするというのもあるんですけれども、そこの知事の一般論的なお話や知事の評論家的なお話は必要ありませんので、知事が原発立地地の知事として、政治家として、3層しかない現状でも原発は動かしてもいいとお考えでしょうか。

 

○溝口知事

 いや、だからそれは、3層、5層のその詳細まで知りませんからね、まだそういうところもよく今度の規制委員会がどういうふうに評価するというのを見ないといけないでしょう。これはそういう技術的なところをきちっと押さえた上で議論がなされ、その上で対策なされるわけですから、そういうものをよく我々は見なきゃいけませんし、よく聞かなきゃいかんと思いますね。

 

○毎日新聞

 技術的なところはよくわからないというのは、7月5日の時点でこうやって出ているものについて、原発立地地の知事として、技術的なところだからわからない、まだ出たばかりだからわからないというのは、ちょっと質問している側としてはいかがなものかなと思うんですが。

 

○溝口知事

 規制委員会自身がこれをよく読んで、どうしたらいいかという国の方針を立てないといけないと思いますよ。それを立地県にも、もちろん国民にもよく説明するというプロセスがこれからあるわけですから、それをやっていただかないと一般の人にわからないでしょう。

 

 いずれにしても、私が申し上げているのは、規制委員会が新たにできることになって、これまでの保安院ではなくて、安全委員会ではなくて、新たな立場から検討して、新たな基準、対策をつくるわけですから、その際に当然3つの事故調の報告をよく見られてされるわけですから、それでどういうものが出て、そういうものに対して十分なのかどうかという議論がやはりなされると思いますね。我々もそういうものをよく見ながら、あるいは専門家の意見も聞きながら判断をしていくということでありまして、今そういう状況のもとで、今おっしゃったような質問についてはそうお答えするということです。

 

○毎日新聞

 国とのやりとり云々もありますけれども、政治家として、原発が事故があった場合、原発を動かすというようなことに当たって、最終的に県民の安全を守る。福島の事故を考えれば、県民どころではなくて中国地方、関西地方も含めて大きな責任を持つ立場にある島根県知事として、溝口知事として、その辺について国の動きに対して現状でどういうふうに考えているのかというのを知りたいんです。

 

○溝口知事

 しっかり研究して、みんなの納得のいくようなわかりやすい説明を政府がして、それに基づいて安全基準なり安全対策をちゃんとやってもらいたいということです。

 

○毎日新聞

 そこには、しっかりとかちゃんとというような非常にあいまいもこな説明をしていらっしゃいますけれども、そこについて政治家として......。

 

○溝口知事

 政治家として言っているわけです。

 

○毎日新聞

 どういうふうに考えて......。

 

○溝口知事

 知事として言っているわけです、今のことを。

 

○毎日新聞

 もっと具体的なものはないんでしょうか。

 

○溝口知事

 具体的なことは、それは専門家がまずやりませんと。これだって報告もいろんな意見があるわけですから、今の国の中でもいろんな意見があるわけでしょう。だからそこをやはり整理をするというのが、国のエネルギー政策をどうするかという国の責任であり、事故の3つの報告書に基づいて、どういう対策、基準が必要かというのを考えるのが政府の役割ですから、そこをまずしっかりやってもらいたいということだと思いますよ。

 

○毎日新聞

 政府がしっかりやればもうそれでいいということですか。

 

○溝口知事

 いや、それは第1段階ですね。今度は、我々もそれをよくお聞きして、県民の方の意見もよくお聞きし、議会の方の意見もお聞きし、専門家の意見も聞いて、県としての考えを整理し、決めていくと、こういうことですね。そういう丁寧なきちっとしたプロセスを経ていろんなことが決まっていくわけでありますから、それなしに具体的なことをと言われても、それは無理でしょう。

 

○毎日新聞

 質問を変えますが、お持ちであるんだったら5ページを見てください。国会事故調の報告書の中では、東京電力と原子力の規制側の保安院との関係なんかについても触れてあります。

 

○溝口知事

 どの辺ですか。

 

○毎日新聞

 左側の最後の方のゴチックになっているところですけれども、本事故の根源的原因は、歴代の規制当局と東電の関係について、規制する立場とされる立場が逆転となることによる原子力安全についての監視監督機能の崩壊が起きた点に求められると認識するというふうにあります。

 

 このダイジェスト版の中にも、東京電力とありますけれども、東京電力が電気事業連合会、電事連を介して規制当局に強く働きかけをして、逆転の状況というのが生まれているというふうになっています。電気事業連合会には、島根原発を動かしている中国電力も入っています。つまり東電だけではなく、中国電力も含めた原発を動かす事業者と規制当局側の誤った関係というのが指摘されていると思うんですが、知事はどういうふうにお考えでしょうか。

 

○溝口知事

 いや、それは、こういう見方もあるということでしょう。それは、原子力について、現場に立ち入ってやっているのは事業者ですからね。規制当局もそういう検査だとかはしますけども、実際的な知識の量だとか、そういう点で十分であったかという指摘をしているということじゃないですか。だから、規制当局の体制をしっかりするということが大事だということを、国会事故調のこのセクションでは言っているということではないかと思いますけども。だから、そういう監視監督機能の崩壊が起きた点に求められると、こう書いてありますね。だから、そういうことをしないようにするほかないということじゃないですか。

 

○毎日新聞

 するほかないというのは。

 

○溝口知事

 そういうふうにしなきゃいけないということでしょう。それがまだ原子力規制委員会の具体的な委員も決まってませんし、対応も決まってませんし、そういうことをこういう報告書に基づいて政府がやっていくということでしょう。やりなさいと提言しているわけですよ、政府に対して。

 

○毎日新聞

 最初にお答えで、こういう見方もあるということというふうにお答えになりましたけれども、それ以外の見方というのも知事の中にあるということでしょうか。

 

○溝口知事

 いやいや、それは、この点についてはこういう見方もそれはあるでしょう。ほかにどういう意見があるかわかりませんけども。

 

○毎日新聞

 知事は、これまでの原子力規制庁、原子力を規制する側と電力会社の関係というのはどういうふうにお考えになり、どういうふうな印象を持っていらっしゃいますか。適切な関係だったというふうに印象は持っていらっしゃいますか。

 

○溝口知事

 そこは、そういう一般論で聞かれても、具体的なところをよくやっぱり調査しないといけませんね。

 

○毎日新聞

 どういうふうに見られてますか。そこは答えられないですか。

 

○溝口知事

 それは、事故調のような、今回出されておる事故調の見方もあるんだなという認識は、こういう認識で、そういうことも我々としてよく知ることができたと、こう思いますね。

 

○毎日新聞

 つまり国会事故調のこの報告書が出るまで、そういう見方は知事の中では全くなかった、初めて気づかされた事実であるということでしょうか。

 

○溝口知事

 いや、それは、原子力というのは非常に複雑な体系ですから、そういうものに、現場のことと、それから理論的なことは違いますし、両方の知識なり経験が必要だと思いますよ。

 

○毎日新聞

 いや、現場の理論云々ではなくて、原子力を規制する側と原発を動かす電力会社の側の関係が、国会事故調が示しているようなものであるというのをこれまで知っていたのか知らなかったのかを教えてください。

 

○溝口知事

 いや、事故調が言っているようなところまではわかりませんね。ただ、電力会社に勤めていた人が保安院に入ってたり、そういうことは前から言われてましたね。だから、規制される側の人たちが規制機関に行くというようなことは果たしてどうなのかというような点は意識はしておりましたけども。

 

○山陰中央新報

 島根県がそういう専門家に聞くっておっしゃってらっしゃるんですが、そういう電力会社の元OBだとか、そういった方に話を聞くということはじゃあないということですか。

 いろいろ再稼働に当たって専門家の意見を聞いてっておっしゃいますが、いわゆる電力会社に何らかの形でかかわっとった方を専門家として話を聞くという可能性はないということですか。

 

○溝口知事

 いや、それは聞かないと、要するに原子力の話は原子力やってる人、研究した人、あるいはそれに携わっている人に聞くのは必須でしょうね。何も知らない人から聞くわけにいかない。ただ、そこは、そういう電力会社との関係とか、そういうものが影響を受けないようにするということは大事だと思いますよ。

 

○山陰中央新報

 それ具体的にどれぐらいで線引きされるんですか。やめて何年とか、そういうのはあるんですか。

 

○溝口知事

 そこら辺は、今度の規制委員会の立ち上げに関連して、3日でしたか、内閣官房の原子力安全規制組織等改革準備室の方で出しておりますね。そこには、委員長及び委員の要件の考え方と、そういうものを出しておりますから、我々の方もそういうことを参考にしながら、例えば安全顧問の方々についても考えていきますけども、この点は既に申し上げていることですね。

 

○山陰中央新報

 済みません、関連で、先日議会の方でお三方ですか、過去5年間で884万円の寄附を受けていたということが指摘されましたが、その改善策を検討するというふうに議会で答弁なさっていると思うんですが、その基準についてもこの規制委員会の委員の考え方というのをほぼ踏襲するというふうな。

 

○溝口知事

 参考にしながら考えていきます。

 

○山陰中央新報

 参考というのは、ほぼ同じにするかどうかというのは。

 

○溝口知事

 いや、まだそこまで具体的なところまではあれしてませんが、準備室なんかの意見だとか、いろんなところのをよく聞いてやっていきたいと思いますけどもね。

 

○山陰中央新報

 めどというのは、いつごろまでそういう判断をして、自己申告を求めるなり、そういうアクションをいつごろまで起こされる。いつごろまでその基準を決めて起こされると。かなり今、再稼働論議というのはこれから始まり始めて、そんなに待てない話だと思うんですけど。

 

○溝口知事

 そういう問題に入る前にやるつもりですけれども。

 

○山陰中央新報

 入る前というと、そういう問題に入る前というのは、いつそういう問題に入るかというのは、ちょっとかなり、わからない......。

 

○溝口知事

 わかりません。わかりませんが、先週出たばかりですからね。こういうものについて早急に様子を聞いたりした上で、方針を決めてやります。

 

○中国新聞

 確認ですけども、専門家というように知事が言われるのは、県の原子力安全顧問とイコールなんでしょうか、専門家の意見を聞いてというときの。

 

○溝口知事

 いや、それは県だけじゃないですね。例えば福井県に行ったりしますけれども、そういうとこで福井県の安全委員会のようなものがありますから、そういうところで話を聞いたり、あるいはほかにもいろんな意見をお持ちの方、専門家がおられますから、いろんな方に聞いていくということです。それで、安全顧問は、県の顧問として常時聞いていく方々でありますけどもね。

 

○中国新聞

 福井県に聞かれる意味というのは、やはり今回最初に稼働したということで、そこを参考にしたいということですか。

 

○溝口知事

 前から申し上げておりましたけども、どういう経緯であったかとか、どういう判断であったかというようなことは、職員を派遣しまして聞いたりしようと思っています。

 

○中国新聞

 それは福井県の安全委員会がありますよね、そこの方に聞くということですか。

 

○溝口知事

 ええ、ありますし、詳細はまだ決めてませんけども、そこの委員の人たちに聞いたりするということも検討しています。

 

○毎日新聞

 その専門家についてですけれども、福井県やほかのところにも聞くというお話ですけれども、例えば原発に対していろんな意見を持っている人がいるというふうに、今、知事おっしゃいましたけれども、その観点からいきますと、例えば京都大学原子炉実験所の小出裕章助教であるとか、元京大原子炉実験所の小林圭二さんとか、原発に対して非常に懐疑的な考え方を持っていらっしゃる原子力の専門家ですね。ただ原発にやみくもに反対しているんではない、原発を専門家として研究しているお立場から、原発に対して反対の立場で提言していらっしゃる方がいらっしゃいますけども、例えばそういうような方々、今具体的に出したお二人という限定するわけではありませんが、そういうような方々にお話を聞くというようなお考えはないでしょうか。

 

○溝口知事

 今決めているわけじゃありませんけども、そういう方々は本も出しておられますから、我々も読んだりしております。必要があれば聞きますが。

 

○毎日新聞

 本を読んでいるというか、本を読めばそれで大体わかるということなんですか、直接聞かなずとも。

 

○溝口知事

 そういうことを言っているわけではありません。必要に応じてやってまいります。

 

○毎日新聞

 聞く可能性はあるということですか。

 

○溝口知事

 ありますよ。

 

○中国新聞

 済みません、確認ですが、先ほど原子力規制委員会の委員の選任要件みたいなもの、これを参考にされるというのは、今の県の10名ぐらいいらっしゃいますよね、原子力安全顧問、これいるんですけど、この方を一回ばらすというか、そ

ういうことですか。

 

○溝口知事

 いや、それをどうするかは具体的にどうと決まってませんが、委員になられる方については、今申し上げたような手続を早い時点でクリアしたいと、やっていきたいというふうに思ってます。

 

○中国新聞

 委員というのは、要は再稼働を判断する委員会みたいのを別に立ち上げると。

 

○溝口知事

 いや、そうではなくて、今の安全顧問会議でしたかね、設けていますが、その方々について、こういう点でお聞きをしますということで御理解を得てやっていきたいと思いますけど。

 

○中国新聞

 そうすると、今その要件なんかにそぐわない方がもし今の委員の中にいらっしゃると、その方にはちょっと退いていただくとか、そういう可能性もあるということ。

 

○溝口知事

 それはありますね。こういう話がありますからということは、一部の先生には、原子炉の安全性だとか構造だとかにかかわりの深い先生の幾人かの方については、また後刻こういうこともお願いすることがありますからというお話は既にし

ておりますけど。

 

○中国新聞

 それどういう意味ですか。

 

○溝口知事

 いや、新聞に、たしか議会でしたかね、聞かれたりしましたから、そういうことは国の規制委員会なんかのやり方に準じてやっていくことも検討しておりますからということはお伝えしました。

 

○中国新聞

 今の顧問の方にお伝えしていると。

 

○溝口知事

 ええ、顧問の方で、例えば研究のために寄附をおもらいになっている方に対して、先生方も県の方はどうするんだろうなというようなことをお感じになり得ると思いましたから、電話で担当者が、またそういう手続を県の方で考えますから、

考えたらお願いしますというようなことはお伝えしてあります。

 

○中国新聞

 ということは、外れる可能性が高いのは、やっぱり研究のための寄附をもらっておった2人ですよね。その2人ということになるんですか。

 

○溝口知事

 いや、それは厳密には言いませんが、そういう方を含めてお話はしています。

 

○中国新聞

 そもそも研究のための寄附、お二人の方では研究のためで、要は見返りなんかではないという......。

 

○溝口知事

 だと思いますよ。

 

○中国新聞

 ふうなことで、その点についての問題性というか、その辺は知事、どういうふうにお考えか。

 問題性というか、受け取っていたことですね、現金、どういう形であれ現金受け取っていたことについての問題点というか、そういうのはどういうふうに考えていらっしゃいますか。

 

○溝口知事

 研究に対する寄附ですよね。それは一般的にあるわけでして、そのこと自体は問題であるわけでなくて、県の安全顧問として中立的な立場からいろんなサジェスチョンをいただいたりできることに支障がないかといったような点についてお聞きするということでありまして、規制委員会設置のための準備室は、個人として報酬を受領していた人の話と研究費の話は別に書き分けておりますね。わかりますか。

 

○中国新聞

 はい。

 

○山陰中央新報

 報酬じゃないから一応問題はないだろうと。

 

○溝口知事

 いや、研究ですからね。ただ、研究費をもらうということによって、事業者に対する配慮のような気持ちが出てきて、中立的な立場が損なわれるようなことはあってはいけませんからね。

 

○山陰中央新報

 そこがポイントになると。

 

○溝口知事

 はい。

 

○毎日新聞

 済みません、少し話は戻りますが、先ほど知事が、電力会社と規制側の関係について、電力会社の人が保安院にいるというようなことについて、果たしてどうなのかというふうに思っていらっしゃったというふうに話していらっしゃったと思うんですが、そこについては、これまで知事も御就任されてから何度もプルサーマルであるとかいろんな形で島根原発をどういうふうにするかというところで、いろんな局面で御判断をしていらっしゃったと思うんですけれども、これまでその判断には、果たしてどうなのかと思っていたところというのは影響はしてないんですか。

 

○溝口知事

 それは、そのことがどういう、何か問題を起こしたかどうかということははっきりしませんからね。

 

○毎日新聞

 これまでは、思っていたけれども、これまで時々の原発に対する判断については影響はしていない。

 

○溝口知事

 いや、それは、そういうことについての指摘がありませんから。

 

○毎日新聞

 今回、国会事故調では、こういうふうにほぼ不適切な関係であるというような形で書かれていますけれども、この国会事故調の報告を見られた上で、これまで知事みずからが判断してきたことについて、振り返ってどういうふうにお感じですか。

 

○溝口知事

 そこはやはり、そういう安全規制の体制を可能な限り中立的なものにしていく必要があるということは感じますけども、政策決定に関与する人と、それから技術的な問題についてアドバイスを受ける人もいるでしょうから、いろんな方がいるわけでありまして、それはあなたがおっしゃるように一概に言えないでしょう。

 

○毎日新聞

 ただ、不適切な関係の中でいろんな規制が行われていったものを土台にして、その上に知事は判断していたわけですよね。今その土台の部分が非常に揺らいでいるんではないかと思うんですが。

 

○溝口知事

 安全委員会と保安院を変えて、要するに原発の推進をする立場と管理監督をする立場を切り離そうということで、政府がいろいろ検討して規制委員会をつくると、さらに与野党の協議によって独立委員会として構成をするというふうに変えてきたわけでしょ。それに基づいて政府は規制委員会を発足させ、委員の選定についても基準を出され、そういう新しい体制のもとで国としての原子力政策に対する考えを整理をされ、事故調の報告などもよく研究をして、安全基準をどうしたらいいのか、あるいはそれに基づいて安全対策をどう打ち立てるのか、これからやっていくわけですから、そこをしっかりやっていくように、我々としては見守っていきたいというふうに思います。

 

○毎日新聞

 これからの話はわかりました。これからの話は、今、知事がおっしゃったのでわかりました。今、私が先ほど質問で聞いたのは、これまで知事は、知事に就任されて、過去にされた原発についてのいろんな判断というのは、国会事故調の言葉をかりれば、非常に監督機能が崩壊したような状況で出されたいろんな規制を大前提にして、知事はこれまでいろんな判断をしてきたということですよね。

 

○溝口知事

 それは、全体の問題でありますね。国の体制がだからきちっとシナリオがないということだと思いますが。

 

○毎日新聞

 だから、私が聞いているのは、過去、監督機能の崩壊が起きているような原子力規制の現状の中で、それを正しいものとして知事はこれまでされてきたいろんな原発についての判断について、自分の判断は正しかったのか間違ったのかとか、そういうような部分についてお考え、どういうふうに、過去の自分の判断は、この指摘を受けて何らかの影響が出ているんではないかというふうに思われることはないんでしょうか。

 

○溝口知事

 そこはちょっと一概に、どういうことかわかりませんね。

 

○毎日新聞

 どういうことかわからないというのはどういう意味ですか。

 

○溝口知事

 事故調が言っているものがどういうものを言っているのかということによるでしょう。そこら辺は、政府においてそこをよく説明してもらわないとわかりませんね。

 

○毎日新聞

 国会事故調がどういうふうにおっしゃっているかわからないというのは、これは知事、お手元のダイジェスト版で持っていらっしゃるようですし、7月5日に出たものですし、当然原子力発電所がある立地地の知事として、当然すべて目を通されていらっしゃった上での御発言だと思いますけれども、見ていないのでわからないというのはお話にならないと思います。

 

○溝口知事

 いや、そういうことを言ってるんじゃなくて、事故調が言っていますのは、例えば津波に対する対策だとか、そういうものに対してしっかりやりなさいと、そういうところが十分でなかったんではないのかといったようなレベルで言っておられるんだと思いますけども。だから、そこはどういうレベルでどういうふうなことっていうのをよくしませんと、あなたの言っていることに対して答えようがないと思いますけど。

 

○毎日新聞

 これまで過去の判断は、知事としては誤りはなかったというふうな認識ですか。

 

○溝口知事

 私個人としてはそうですね。

 

○毎日新聞

 この国会事故調の報告書を当然ごらんになっていると思います。

 

○溝口知事

 いや、私個人としてはそう思いますよ。

 

○毎日新聞

 間違ってはいない。

 

○溝口知事

 はい。だから、間違っているとしたらどの点かということですね。だから、それは我々の判断は常に利用可能な情報の制約がありますからね、その範囲内で最善を尽くしたということですね。

 


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