知事定例記者会見(6月19日)
質問事項
4.島根原発関連について
○毎日新聞
原子力規制庁の話ですね、新しい。衆院を通過して、9月までには設置されるんじゃないかという話になってますけれども、そのことについて知事はどういうふうに受けとめてらっしゃいますか。
○溝口知事
それは大切なことですね。やはりこれまでの体制ですと、経産省にエネルギー政策として原発の推進をする、エネルギー政策の観点からの部局ですね、エネルギー庁があり、そして、そうした原発の安全性をチェックする機関として保安院があると。同じ組織の中にありますから、やはりチェック・アンド・バランスということからすると、それはやっぱり分かれている方がいいだろうというようなことから、政府におかれては環境省の外局として原子力、最初は安全庁といったようなことでしたが、規制庁に変わり、さらに安全のチェックは行政というよりも専門家の方々を中心に客観的といいますか、専門的な知識を持った観点の方々がやるという委員会方式ですね、そういう提案が主として野党から出てこられて、政府・与党の調整のもとに規制委員会を設けると。
他方で、一たん万が一事故が起こったような場合には、これは対策をどうするかというようなことになりますから、政府を挙げて対応しなきゃいかんので、政府の指揮ができるようにしなきゃいかんというような、2つの点を総合して与野党間で新しい法案をつくられて、それが先週ですか、衆議院を通過をしたということですね。
もともと4月1日に安全庁と申しますか、規制庁と申しますか、できることが想定されて準備をしてきたわけですが、それがおくれているわけですね。だから、早くそういう原子力の安全対策、そういう機関ができて、そこで安全基準の再度のチェックをおやりになり、その上で政府として原発をどう進めるのかというようなことをやっぱり考えていくというのは必須のことですね。できるだけ早く、そういう政府の体制ができることが必要だというふうに思います。
○毎日新聞
原子力規制委員会が6月、原子力規制庁が9月という話になりますと、島根原発の現状でいうと、1号機については年内の再稼働というのは、中国電力さんの事情で、これはもう無理だろうという話が、ほぼ確実視されてると思います。さらに、2号機も現在定期検査中ですけれどもストレステストの提出がまだであるというところの状況から見ると、9月の規制庁が発足以降にならないと再稼働の判断をする時期というのは出てこないということになると思うんですが、そうすると、今回の大飯原発のときの再稼働のいろいろな議論ありましたけれども、それとはまた別の流れになると思うんですけれども、知事は福井の話ですね、いろいろと参考にしたいという話をしてらっしゃいますけれども、規制庁ができた後、新しいスキームの中でやるという中で、福井の流れをどういうふうに参考にするんでしょうか。
○溝口知事
いや、それは参考になるものは取り入れていこうということだけでありまして、いろんな参考の仕方があるわけでしょう。だからもちろん規制庁ができて、規制庁が新たに出されれば、それを当然また、我々もよく調査をし、研究しなきゃいけませんね。そういうことだと思いますよ。
○毎日新聞
あと、原子力規制委員会の設置法の中で、いわゆる以前出てました40年廃炉のルールというのが極めてあいまいになっていると思うんですけれども、そこの点については、知事は、一般論はお答えにならなくて構いませんので、どういうふうにお考えなのか、そこを教えてください。
○溝口知事
それは、新しい規制庁のもとでその問題を、ちゃんと政府の考えが示せるように検討しなきゃいけませんね、それを望むということじゃないですか。
○毎日新聞
いや、政府の考えを示すというか、その40年廃炉ルールというのがあいまいになってきてるということについては、知事御自身はどういうふうに考えてらっしゃるのか、別に政府がどう考えるではなく、知事がどう考えているのか。
○溝口知事
それはやはり技術的な面がありますから、専門家の意見などをよく聞いて、我々も総合的に判断していかなきゃいかんだろうと思います。
○山陰中央新報
知事、以前の会見で、島根原発の再稼働等を考える上では、やはり原子力規制庁という新しい組織の、あと、そこがちょっと必要というか、前提になってくるというふうな条件をお話しになってて、それは今も、規制庁じゃなくて委員会になるかもしれませんが、お考えとしては当然お変わりはございませんでしょうか。
○溝口知事
それは当然そうですね。もともとそういう計画で政府も進んできたわけですけれども、いろんな事情があっておくれているということじゃないですか。政府もそういう考えでやろうとしたけども、夏の電力需給なんかを見ると、そういう面にも配慮しなきゃいかんということで、今回の話が出てきたということじゃないですか。政府としても、それは不本意でしょう、早く規制庁ができて、そのもとで安全基準を規制庁として出して、それで国民に理解を求めるというのがやっぱり筋でしょう。だけど、それを待つにいかない事情が出てきて、そういう中でこういう今回のような検討、やりとりが行われたということじゃないですか。
○山陰中央新報
そのいみじくも知事おっしゃったように、予定では4月に規制庁なるものができて、そこで今後の原子力政策を話し合うはずが、それがおくれてしまって、一番この大事な夏場ですよね、ここのピーク時に原発どうするかという議論に規制庁が間に合わなかった......。
○溝口知事
間に合わなかったということでしょう。
○山陰中央新報
その点は、知事はどう思う......。
○溝口知事
それは、それはいろんな方が関与しているわけですけども、それは政治の状況も影響してるでしょう。例えば法案の審議自体がおくれたわけですから。
○山陰中央新報
それはちょっとイレギュラーというか、適切な、大飯原発も結局、規制組織が、新しい組織ができないまま大飯の話もああいうふうに決まってしまった、その辺もちょっと形としてはイレギュラーかなと。
○溝口知事
その中で、専門家の意見も聞かれ、そうした対応をされているわけですね。
○毎日新聞
済みません、その今出てる大飯の話で改めて確認をしたいんですけれども、もともと今、話題になっています、野田総理が私の責任で判断するというお話をされて、その後、大飯発電所3、4号機、再稼働すべきというのが私の判断だという話をされた。つまりその3、4号機を動かすのは私の責任でということをおっしゃってたんですけども、そこについてちょっと聞きたいんですけども、原発を動かすに当たっての政治のリーダーの責任というのは、どんなもんだと思いますか。
○溝口知事
それは一言で言うのは難しいですが、いろんな要素を考えて、国として何が必要かと考える、いろいろ難しい問題をやはり総理自身が御自分の意見はもちろんあるでしょうが、専門家の意見を聞いたり、各省の意見を聞いたり、過去の事例を見たりいろんなことを、いろんな要素があるわけでしょう。国民の声もいろいろ違うわけですね。そういうものを見て総合的に判断して政策を決定するというのが政府の役割であり、政府の長の役割だと思いますよ。
○毎日新聞
役割ではなく、責任。
○溝口知事
責任というのは、言葉があれですが、そういう役割を果たすのが責任でしょう。
○毎日新聞
それはつまり事故が起こった場合の責任という意味ではないということですか。事故が起こった場合にない......。
○溝口知事
そこら辺の厳密なことは、あなたがどういう意味合いで言っているかは、もうちょっとゆっくりしないとわかりませんね。言葉がいろんな意味でとられますから、その言葉の表面的なあれだけじゃだめでしょう。それはだから、総理は自分の責任というのは、自分が判断するということでしょう、政府の中で。
○毎日新聞
ただ、責任にはいろいろなことが起こった場合の責任をとるという部分というのも当然ありますよね。
○溝口知事
それはあるでしょう。
○毎日新聞
それが原発の場合、私の責任という、一個人の言葉でとれるのかということなんですが、その辺はどう思いますか。
○溝口知事
いや、だから、そういうことじゃなく、責任のとり方というか、対応をちゃんとやらなきゃいかんとか、それはあらゆることがそうですよ。それで、それがやはり政府の中で総理が決めたら、それがサポートされなきゃいけません。政権与党でもサポートされなきゃいかんでしょう。
○毎日新聞
知事は、島根原発の再稼働に当たって、議会であるとか県民であるとか専門家の意見なんかを聞いて総合的に判断するとよくおっしゃいます。総合的に判断する、つまり総合的に知事の責任で判断するという意味だと私はとっているんですけれども、その場合、判断するというのは、知事がとれる責任というのはどんなものなんでしょうか。
○溝口知事
それは、そういう最善な決定をするということですね。それから、いろいろ意見が違いますから、簡単にこうだということは、なかなか難しいですね。そういうときに一定の判断のもとに決めるということですね。
○毎日新聞
そこに結果責任というものはついてこないんでしょうか。
○溝口知事
それはいろんな形でついてくるでしょう。
○毎日新聞
例えば何か事故が起こった場合というのは、そこでは溝口知事には何らかの結果責任というのはついてくると思われますか。
○溝口知事
それはいろんな面でついてくるでしょうね。だけど、それは今の時点でどうということを、いろんなことがあるでしょう。
○毎日新聞
何か起こった場合、その責任というのは、知事としてはどういうような形でとるんでしょうか。
○溝口知事
そこはちょっと今お答えする段階にありませんね。
○毎日新聞
でも、判断するに当たっては、何かあった場合にどういうふうな形で責任をとるというとこも踏まえた上で......。
○溝口知事
それはいろいろあるとしか言えないと思いますよ。
○毎日新聞
いろいろある。いろいろというのは、具体的にどんなことですか。
○溝口知事
それは今ここでお答えするには、ちょっと時間がありませんね。
○毎日新聞
いや、時間は気になさらずとも結構ですので教えてください。
○溝口知事
それはよく考えないといけないです。
○毎日新聞
今、知事の頭の中にあるお考えを教えてください。
○溝口知事
だから最善を尽くすということですよ。
○毎日新聞
いや、最善を......。
○溝口知事
あらゆることに最善を尽くすということですよ。
○毎日新聞
最善を尽くすということが結果に対する責任だということですか。
○溝口知事
いや、そこはだから、そういう言葉の議論をここで始めても、わかりませんね。最善を尽くすということです、それぞれの立場で。
○毎日新聞
非常に抽象的だと思うんですが。
○溝口知事
いや、そうしか、あれでしょうね、それはいろんな事態がありますから。そう簡単にこうだというのは一言で言えるような話じゃないでしょう。
一番大事なことは、責任者として最善を尽くすということですよ。
○中国新聞
済みません、大飯の再稼働に関してですけども、この前の土曜日の話の中で、議会であったりとか周辺自治体であったりとか、おおい町、地元であったりとか、いろんな声を聞かれて判断されたというふうに、一定の評価をされてるような、西川知事に対して、受け取ったんですけども、住民の声というのは、全国的には今、反対の方が多いと。地元には、それは動かしてほしいという声もあるんですが、知事が今回の再稼働というのをプロセスで見たときに、住民の声をしっかりと知事が聞けてたのかどうかというところをちょっと聞きたいんですけども、個人的にそれ、どういうふうに思われますか。
○溝口知事
そういうことについては、十分な情報を持っているわけじゃありませんから、報道等を通じて、わかる範囲で知っているということでありますからね。精査をすると言ったのは、福井県に行ってそういう事情がどうであったかとか、県はどういうふうに対応されたのかとか、あるいは専門委員会がありますね、あの報告書がどういう考えでできているのか、そういうことをよく調べましてね、その上で我々の参考になるものがあれば参考にしなきゃいかんと、こういうことを言っているだけであって、福井の対応がいいとか悪いとかというところまで言っているわけじゃないですよ。それを参考にして、我々も原発があるわけですから、福井ではこういう対応をされたと、政府はこういう考えであったと、あるいは県民の方々にはこういう意見があったと、いろんなことをやっぱり、よく調べましてね、そういうものを我々が判断するときの参考にしたいと言っているだけであって、福井のやり方そのものを今参考にするということを申し上げているわけじゃないです。
○中国新聞
参考にするというよりも、率直に今回の再稼働の議論の中で、福井県が住民の声を、おおい町なんかで意見聴取会みたいなのもあったんですけども、そういう住民の声を聞くという努力が、知事の目から見てどれだけ十分だったかということを聞いているんですが。
○溝口知事
そこは、報道だけじゃわかりませんね。いろんな方の話を聞いたりしないといけないと思いますね。
○中国新聞
少し質問変えますけども、そうすると、島根原発の再稼働といったことになると、専門家、周辺、議会、住民等、いろいろ総合的に判断すると言われますが、例えば議員が、議員は住民の代表ですから、議員の声を聞くというのも住民の声を聞くことなんですけども、直接住民の声を聞く必要性というのは、知事はあると思っていますか。
○溝口知事
ありますね。それはこれまでも、例えば安対協という仕組みがありますけども、それ以外に住民の方々が出てこられてね、それに対して説明をしたり意見を聞くということもやってきましたね。そういうことを当然やっていく必要があるというふうに思います。
それから、そういう面でいえば、周辺の立地市の、あるいは立地県だけでなく周辺の県、市町村などからも意見を聞く努力をできるだけしなきゃいかんと思います。
○中国新聞
それはそこら、周辺の住民も含めてということですかね。
○溝口知事
それはやり方がいろいろありますわね。周辺の方もそういう会合にたしか出られることになってたと思いますけども。例えば松江でやる場合の、人数の制約はありますけれども。
○中国新聞
安対協は以前からずっとあるものなんですけども、福島の事故を受けて、被害が30キロ以上ですか、広域に及んだということを踏まえて、これまでよりもさらに聞く必要があるというお考えですか。
○溝口知事
そうですね。
○中国新聞
広い範囲で、住民の......。
○山陰中央新報
大飯原発の方で一つ課題として残ったのは、やっぱり周辺自治体の意見をどの程度位置づけするかというのがあいまいなままで、例えば関西広域連合が求めておった夏の期間限定稼働ですか、あれ結局採用はされなかったというところもございまして、知事として、やっぱりさっき周辺の声も聞くとおっしゃいましたけれども、大飯の議論を踏まえてというか、大飯の再稼働議論の中で周辺自治体の声は十分反映されたというふうに見られますでしょうか。不十分だというふうな。
○溝口知事
そこは、ちょっと実態がわかりませんけども、いろんな連絡はされてた報道はありますわね。関西連合の会合の場から、たしか、例えば橋下さんに電話で連絡して聞かれたりしてますから、首長の方々も、県内、府内のいろんな意見を聞きながら自分で判断して、いろんなことを言っておられるんだと思いますけども、要するに報道になるようなことはされていると。ただ、それで十分かどうかというのは、ちょっと我々ではわかりませんね。
○山陰中央新報
結局、だから夏場だけという話は、結果的かもしれませんが、首相が否定、政府の方は否定された、そういう限定的というものではないというふうにおっしゃった。どのあたりにその周辺の声が反映されたかというのがちょっと......。
○溝口知事
それは、政府の方もお考えで、やはりエネルギー政策の観点から、たしか野田総理は説明されていましたね。政府の考えはそういうことじゃないですか。
○中国新聞
雲南市だとか出雲市なんかは、再稼働の議論のときに意見を聞くとか、そういうことじゃなく、明確なルールというか、仕組みをつくってほしいということを強調されてますけど、そこに対する知事の考えはどうですか。やはりそれはまだ、ルールづくりというところまで行くと難しいと思われているのか、その聞くというのは非常にあいまい......。
○溝口知事
一つは、やはり国のエネルギー政策をどう進めるかということと関連しますから、国の方での一定の判断が必要でしょうね。
○中国新聞
国のエネルギー政策と周辺自治体のつながりがよくわからないんですが、どういうことなんですか。周辺自治体の意見を聞くということ......。
○溝口知事
いや、意見は聞きますよ。
○中国新聞
はい。その仕組みづくりみたいなのを求めているわけですが、それが国のエネルギー政策と、そのつながりというのがあんまりよくわからないんですが。
○溝口知事
そこはちょっと、いわく言いがたいですけどもね。
○中国新聞
現時点で明確なルールなんかをつくってというまでは行ってないということですかね、知事のお考えの中で。
○溝口知事
大勢の人が関係してくるわけですよね。じゃあ首長がすべてのその県の、あるいは市町村がすべてのその地域の意見を代表してるかどうかというのはあるわけですよ。だから、何をするかというのは非常に難しいことじゃないかと思いますね。やっぱりどこかで、そうすると、薄くいえば、それは全国関係してくるわけですしね。そこら辺の判断をどうするかというようなのは、やはりエネルギー政策全体をどういうふうに進めるかということとやっぱり関連してると思いますね。
○毎日新聞
済みません、再度ちょっと確認、今のとこ確認ですけども、以前、知事じゃなくて副知事のところに、出雲、雲南、安来の3市長さんが来られて、県が原発を再稼働するときには、この3市の了解をとってくださいというような流れを、仕組みをつくってくださいと。県に対する事前了解ですよね、簡単に言えば。そういうようなものをつくってくださいというのを、副知事のところに3人、市長さんが来られて要望書を渡してらっしゃったと思いますけれども、その後、そのことについての検討は、県として、知事としてはどういうふうにしてらっしゃるんですか。
○溝口知事
いや、よく話を聞くということは3市の市長さんなんかにお伝えしてますね。
○毎日新聞
よく話を聞くというのは、いや、その仕組みについてはどういうふうに......。
○溝口知事
その仕組みについては、それ以上話はしていません。そういう御要望があるということは承知していますけれども。
○毎日新聞
検討もしてないということですか。
○溝口知事
検討というか、何というか、そういうことを伝えているわけですね。
○毎日新聞
聞きおくのみというふうな形にしてるということですか。
○溝口知事
いや、よく聞いて、話をしていきましょうということです。
○毎日新聞
いや、当然よく聞いて話はされるんでしょうけれども、現状でいうと、そのものについては特に検討は進んでいないということ。
○溝口知事
それはまず、やはり中電と安全協定という形でやっていますからね、中電とも話をよくしてくださいということは言ってます。
○朝日新聞
昨日、愛媛県の知事が、最終的にどうするかというのは白紙ではあるけれども、原発は最終的に再稼働する必要があるというふうに認識を、自分の意向を示されたんですけれども、溝口知事は、総合的にいろんな意見を聞いて判断するとはおっしゃっていますが、認識としては、今、現時点でどのように考えてらっしゃるんですか、島根原発について。
○溝口知事
現時点としてはね、原子力規制庁だとか新しい枠組みができてないわけですね。ないけども、政府の方は夏場における電力を多く消費するときには、関西電力等でいろんな問題が生じるということで再稼働の問題を福井県に対してお出しになったと、こういうことですね。ほかの管内、例えば東京電力、東北等については影響がないということですね。それから島根原発は4.5%ぐらいの余裕はあるが、やはり何が起こるかわかりませんから節電はしてもらいたいということですが、その節電も、強制的な節電ということじゃなくて、合理的に節電をするとか、そういうことをするなれば、大体今夏の電力供給は確保されるであろうという見通しですから、今夏の問題としては再稼働の問題は政府からも提案されてないと、こういうことですね。
だから、将来どうするかということは、やはり国全体のエネルギーをどういうふうに確保するのか、あるいはその確保の仕方によって電力料金に大きな影響が出るのか、あるいは将来のエネルギーの確保源としてどういうものがあるのか、いろんな議論をして、政府がやはり将来こういうふうにしていくという見通しをやはり出されるということが必要ですね。それが5月ぐらいから幾つかのシナリオが出たりして検討は進みつつありますね。夏にはかなり、その方向づけをされようとしてますから、やはり国が日本全体のエネルギー政策、それは経済活動だけじゃなくて、我々国民の生活にも影響が及ぶと思いますけども、そういうものをやはり総合的に考えて、一定の方向を出す必要がありますね。そういう中で、じゃあそういうフレームの中で、じゃあ原発はどうするんだということになるんじゃないですか。だから、まだ現段階でどうするということを私が考えるに必要な、いろんな情報なり政府の考えなりがまだ十分出てないというふうに思います。
で、ほかの例えば四国ですか、愛媛の場合はかなり電力需給が相当逼迫している状況にあるという、ちょっと事情が違うんじゃないでしょうか。
○中国新聞
済みません、再稼働の判断のときに、知事の中で、いろんな材料の中で、電力の逼迫度合いというのは、かなり大きな重要な要素にはなるんでしょうか。
○溝口知事
いや、私というよりも、現実になってるとこもあるわけですね。
○中国新聞
関西なんかはそういう説明で進んできましたけども、知事は、その点に関しては理解ができますか。
○溝口知事
いや、そこはさっき申し上げたように、いろんな手段によってプラスの面、マイナスの面あるわけでしょう。原発の比率が下がっていくとした場合に、例えば石油に依存するというようなことになりますと、石油資源が確保するに足るだけのものがあるのかとか、あるいはコストが上がりますね。それは電力料金にはね返るおそれもありますが、そういうものはどういうふうに考えたらいいのかとかね、そういう問題をよく考えた上で、やはり国民的な選択をするということが必要なんだろうと思いますね。それがまだ整ってないんじゃないですか。
だから、それで今の夏の問題は、当座、そういうことに入る前に国民生活、あるいは関西圏における経済活動等に大きな影響が出るということで、そちらサイドからいろんな再稼働についての要請も出てきたということも影響しているんじゃないですか。
○中国新聞
それでいうと、中国地方というのは原発依存度低いわけで、関西のようになるというのはあんまり想定されないわけですけども、知事の中で電力、もう一回同じ質問になりますが、電力の需給状況というのがどんだけの重みを持つのかということを、ちょっともう一回確認しときたいんですが。
○溝口知事
そこはちょっと、具体的にはわかりませんね、私も。
○山陰中央新報
ちょっと改めての質問になりますが、それこそ重要性を再三説いておられる規制庁がないまま大飯の再稼働が決まってしまった、このプロセス自体は、どうごらんになられますでしょうか。
○溝口知事
それは当初の考えと違うものですからね、それは政府も早く対応すべきであったでしょうが、現実の国会の審議の状況等を見ますと、なかなかそこまで行かなかったというのは、それはやはり政治の問題でもあるでしょうね。
○山陰中央新報
それから、さっき関西圏の経済影響の話もされましたが、あれはやはり大飯の話というのはある程度特殊事情というか、あんまり他地域に適用するのは......。
○溝口知事
やはり関西電力の事情というのが大きく影響しているだろうと思いますね。
○山陰中央新報
原発他地域にそのまま当てはめるようなものじゃないという。
○溝口知事
それは今年の夏場の話ですからね、将来的には日本全体のエネルギーをどういうふうに確保していったらいいのか、いけるのか、あるいはいろいろ選択した場合のいろんな影響も出ますね。やっぱりそういうものを総合的に判断して、そういうものを選択しませんと、それはやっぱり一定の国民的なコンセンサスにならないと、こうした事態は続くでしょうね。
○毎日新聞
済みません、お話の中で知事がですね、関西の話ではなくて、知事が島根、島根の知事として、島根原発についてのお話を聞きたいんですけれども、ほかの話はもう、いや、一般論というのは、もう大前提の認識としてありますので、そこはいいんですけれども、島根原発については、島根原発を動かすに当たっては、エネルギーの需給の状況であるとか、そういうようなものというのは、どのくらい判断に影響するものなんでしょうか。知事の中でどのくらい。
○溝口知事
それは、数量的に言うのは難しいですよね。
○毎日新聞
大きいんでしょうか、小さいんでしょうか。
○溝口知事
いや、それは大きい、小さいといってもいろいろありますから。長期的に考えるのか短期的に考えるのかって、いろんな要素がありますから。
○毎日新聞
そういうようなエネルギーの部分であるとか、国が安全性を認めたりだとか、そういうふうな諸々の条件が整った場合というのは、知事は原発を動かすべきだと思いますか。
○溝口知事
いや、そこはやっぱり国民全体がどういう選択をするかということにかかっているんですね。例えば原発をやめた先進国もあるわけですよね。だから、それはやはり、そういう条件が例えばあるとか、例えば風力があるとか、あるいは天然ガスによる発電による電力供給があるとか、いろんな条件があるわけですよ。だから、そういうものも総合的に考えて、要するに何がいいかという議論の中で決まるんで、何にもなくてこうだというわけにはいかないですよ。だから、一般論というか、どういう状況のもとで、何が大切で考えていくかということによって決まってくるんで、それは人々によって違うわけですよ。私は、だからそういう違う意見をどういうふうに、いわゆるよく聞いて考えるという立場ですね。
○毎日新聞
一番重要なのは住民の声ということですか。
○溝口知事
住民の声と同時に、住民の声にはいろんなことが影響するわけですね。例えばもちろん原発の安全性ということもあるでしょう。じゃあエネルギーを石油で確保するとCO2がふえるけれども、そこはどうするのかとか、あるいはその対策はどうするのかと、いろんな要素がありますから、一つのあれでこうだという、そういうことを何も議論せずにこうだということはなかなか言えないですよね。
○毎日新聞
知事がお考えの住民という中には、経済界というものも入るんでしょうか。
○溝口知事
すべてでしょうね、それは。
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