知事定例記者会見(6月5日)
質問事項
1.島根原発関連について
○山陰中央新報
知事、原発事故の国の対策拠点になるオフサイトセンターについて、鳥取平井知事は昨日、米子に代替拠点等を設けるのも一つ可能性としてありではないかというふうな発言をなさっているんですが、その点の見解という格好になるんですが、これ、知事としては。
○溝口知事
まだ聞いていませんので。
○山陰中央新報
やっぱりオフサイトセンターは国の本部で、あと島根は島根で対策本部ですね、いわゆる移転先、県庁をどうするかというのも検討中かと思うんですが、そのあたり、県庁の対策本部とオフサイトセンターというのは、どうなんでしょう、やっぱり近くにあった方がいいのかなという感じはするんですが、そのあたりを含めて。
○溝口知事
その話は聞いたばかりなので、いずれにしても鳥取県といろいろお話をしながら進めてまいります。
○山陰中央新報
島根県庁としての災対本部の移転等についても、それも鳥取県と。
○溝口知事
全体に、万が一の場合の対応なんかも協調しながらやっていかなきゃいけませんからね、いろんな問題をよく話をしながらやってまいります。
○山陰中央新報
確認ですが、その移転先というのは、まだ検討中、どういう段階なんでしょうか、県庁の方の、災対本部の移転先というのは。
○溝口知事
いろいろあります。まだ結論は出ていません。
○山陰中央新報
知事、福井県の関電大飯原発の運転再開に向けた動きなんですけれども、昨日、福井県の方に政府が運転再開の同意を求めに行ったりとかして、加速しているように見えるんですが、同じ立地県の知事としては、この動きをどういうふうにごらんになっていますか。
○溝口知事
動きをどう見ているか。
○山陰中央新報
政府の対応ですね。
○溝口知事
やはり政府は立地県、そしてさらに周辺の県、市町村などにもやはりよく政府の考え方を説明をして理解を得るための努力を積み重ねるということが大事なことですね。
○山陰中央新報
きのう、福井県の知事なんかは、野田総理大臣が直接運転再開の必要性を訴えるべきだというふうなことをおっしゃってましたけれども、その辺はいかがですか。
○溝口知事
それは政府として、そういう考え方で福井県に申し入れをしているわけでしょうが、西川知事のお考え自身を直接聞いたわけじゃありませんけども、やはり政府の閣僚とか、いろいろ話はされるけども、政府のトップとして、きちっとこういう考えでこういう状況であるから、こういう理由に基づいてこういうふうにするんだという明快なメッセージを出してもらいたいということだろうというふうに見てます。
○山陰中央新報
島根県の場合、少し事情が違って、まだそういった段階にはありませんが、同じようなタイミングで再開を判断するかどうかというふうに迫られたときには、やはりそういったことを、直接訴えてほしいということを知事御自身もお感じになってますか。
○溝口知事
どういう状況。
○山陰中央新報
島根県がもし、島根県はまだそういう状況にはないですが、同じように運転再開をどうするかという判断を迫られたときには、政府のトップ、総理になると思いますが、の直接の......。
○溝口知事
島根に限らず、この問題全体についてということでしょうね。
○山陰中央新報
大飯原発をめぐっては、いわゆるその周辺の関西広域連合なんかは、それこそ電力逼迫時の限定的、期間限定でも動かしたらどうかという、一方で立地の福井県、西川知事は、そんな単純なものではないというふうな反論をなされてまして、その周辺と立地の議論の対立というか、意見の違いというのはどういうふうに知事は見てらっしゃいますか。
○溝口知事
それはやっぱり政府が明快な見解を出さないかんということでしょう。
○山陰中央新報
知事御自身はそういう、いわゆる期間......。
○溝口知事
いや、それは、まずやっぱり政府の問題でしょう、そういうものについて。
○山陰中央新報
これの短期の期間限定の原発稼働というのは、知事としては、それはどういうふうに原発政策としては。
○溝口知事
いや、私が今コメントする立場にないですね。
○山陰中央新報
しかし、島根原発でも似たような状況が起きたら。
○溝口知事
それはそのときにまた考えなきゃいかんでしょう。
エネルギー政策全体をどう考えるかとか、あるいはその中で原発をどう考えるかとか、そういうことと関連しているわけですね。だから、そういう問題について政府がきちっと説明しなきゃいかんと、こういうことだと思いますね。
○山陰中央新報
島根の、中国地方も同じように、消費地の例えば広島なり岡山ですね、期間限定でも動かしてほしいと言われたときに、じゃあ立地自治体としてどう受けとめるか、その限定的稼働という発想として、そもそも選択肢としてあり得るのかという......。
○溝口知事
いや、そういう仮定の話は、今、答える立場にないですね。
それはエネルギー政策をどう考えるかということがまずなきゃいかんわけですよ。その中で原発をどう考えるということがなきゃいかん。それから、今のそういう節電してますね、そういうものに対する影響というのを政府がどういうふうに判断しているかと、そういう中から決まってくるわけであって、何にもないところからどうだということじゃないわけです。
○日本海テレビ
政府が見解を出すべきというふうにお考えだということはよくわかりますんですが、逆に県としては、スケジュール的なものを含めて、どのあたりで考えを出していくべきだと。
○溝口知事
それはやはり政府の考えがなきゃいかんですよ、まず。その上で、我々も専門家じゃないですから、いろんな方の意見を聞いたり、専門家の意見を聞いたり、あるいは県内の意見を聞いたり、そういうものを総合的にやっぱり判断するというのが我々の立場ですね。
○日本海テレビ
大飯であれだけの発言が政府側からいろいろ出ているということは、そう遠くないということも想像されるわけですよね。
○溝口知事
何が遠くないんですか。
○日本海テレビ
島根県でもその決断を迫られるような時期というのは。
○溝口知事
そこはまだあれですね、各電力の事情にもよりますからね。需給の逼迫しているところは早く、いろんなストレステストなんかもやっていますけども、それはどういうことになるかはわかりませんね。
○中国新聞
知事、改めまして知事が再稼働の判断の判断材料の一つとして、福島の事故原因の解明と、それに基づく安全対策というふうなことをずっとおっしゃってますけども、その辺は、どのあたりまで知事の印象として今進んだというふうにお考えですか。
○溝口知事
それは、政府としては相当程度進んでいると判断しているということだとは見てますけれどもね。そういうものがなければ、大飯原発の再稼働などの話は出てこないわけでありますから。それは、政府の方は30項目の対策を示しましたね。それはやはり、その時点までのいろんな知見をもとにつくられたわけですね。だから、そういう問題について、多くの人は必ずしも十分説明を受けているわけじゃないですね。我々は一度受けましたけれども。やっぱりそういうものをわかりやすく国民に説明をして、政府がそういう努力をやはりもっとしなければいけないということでしょう。
それで、政府の方は相当程度解明してきて、わかる範囲で行った対策としては30あるということを示されたわけでしょう。その30も、すぐに実現できるものとできないものがありますけども、しかし、現状で再開が可能だという判断をされて福井県に申し入れているわけですから、その間の事情をやはりわかりやすく説明していくということが大事じゃないでしょうか。
○中国新聞
あの30項目の対策については、既にできているものと、ちょっと今後、まだ一、二年とかいうスパンが必要なんじゃないかなというものもありまして、一部では、そういう長期的なもの、まだできないものがある中での再稼働というのはどうなんだというふうな意見もあるんですけど、そこに関して......。
○溝口知事
いや、それはやっぱり切迫度がいろんな対策によって違うというところがきっとあるんでしょうね。だけど、そういう点はやはり、もうちょっと政府として多くの人にわかるように説明するということが大事だろうというふうに思います。
○中国新聞
逆に、例えば免震重要棟とか、そういう時間がかかるものまで待ってると、あと一、二年全く動かせないという状況にもなり得るんですけども、それはやっぱり知事としてはやり過ぎなんじゃないかという......。
○溝口知事
だから、そこは私というよりも、それはそういうことと同時に、今回の事態も非常に暑い夏が来たときにどうなるかというような判断もやはり背後にあるわけでしょう。周辺の県等が一定の判断をされたのも、いろんな要素を総合的に勘案した上ということじゃないですか。
○中国新聞
じゃあ、そこには一定の理解は示せるということですか、知事としても。
○溝口知事
何について。
○中国新聞
暑い夏なんかというのを勘案して、政府の稼働に踏み出そうとしている状況ですね、今の。
○溝口知事
それは総合的に判断するほかないということじゃないですか、いろんな要素がありますから。政府も総合的に判断して、今の問題に取り組んでおられるわけですけれどもね。その総合判断の仕方について、わかりやすく説明をしていくと、それで理解を得る努力をすると、そういうことが大事だということでしょう。
それで、そのためにも政府の首脳がそういう問題についてはっきり説明していく、そういうことが大事だというのが福井県の知事の考えじゃないですか。
○中国新聞
あと、お隣の鳥取県とのことなんですけども、福井の場合は関西広域連合の話が出てますけど、知事の今のお考えとして、鳥取県の判断、再稼働のときに鳥取県の考えというのをどこまで取り入れていくのか、今のお考えを。
○溝口知事
よく聞いていくということですね。
○中国新聞
よく聞いていく。
○溝口知事
よく聞いて、その上でいろんな意見がありますから、その上で総合的に判断をすると。
○中国新聞
何かこう、首長同士の協議会というふうな話も前出てましたけども、あれについては今どういう状況ですか。
○溝口知事
いろんな、個別にも現実にできますから、それで対応できるところはしていこうと。また、必要になればさらに広い場というのもあり得ると思いますけれども、それがなくて支障があるという状況ではないと。
○中国新聞
そんなに焦るものではないということですか。
○溝口知事
焦るというか......。
○中国新聞
早急にと......。
○溝口知事
やっぱりみんなでやろうということが大事ですね。私は、そういうものについて柔軟です。
○山陰中央新報
関連ですが、今ちょっと知事は大飯原発においては当事者ではないですが、一歩横で今、福井と政府のやりとりを、報道と直接の一次情報を通じて見ておられるという状況だと思いますが、今おっしゃった政府の総合的判断における説明ということなんですが、その過程についてわかりやすく説明することが必要と知事がおっしゃった、その条件って、わかりやすく説明しているかどうか、総合的にわかりやすく説明しているかどうかということにおいて、知事の評価は今、福井と政府のやりとりを見ててどうですか。
○溝口知事
まだあれじゃないですかね。
○山陰中央新報
まだ足りない。
○溝口知事
例えばエネルギー政策全体をどうしていくんだとかというのは、まだいろんな選択肢が出ている状況ですよね。それで当面どうするかという問題も、その中で考えていかなきゃいかんわけですよね。
あるいは今回の場合なんかでも、関西地区においては非常な電力不足があると。そういう中で、経済活動の観点から、経済団体などの意見などもあったんでしょう、そういう報道もありますね。だから、いずれにしても総合的にいろんな意見がありますから、考えるほかないわけです。
これをしたらすべてというような話じゃないわけですよね。だから、そういう難しい話でありますけれども、やはり総理自身がそういうことをかみ砕いて話をされるとか、あるいは記者会見でお答えになったらいいわけですよ。
○山陰中央新報
要するにできることもあり、長期にかかることもあるんで、それを一つ一つ、これは必要とされるものを説明した上で、だからどうなんだという、こうだからこうという一つの要素で決めるんじゃなくて、ただ、そのプロセスについての一つ一つのエネルギー政策とか、関西が電力不足で困っているとか、はたではいろいろ言われてますけど、そういうことに対して総理がどう判断するかって、まだ一つ一つの説明が要するに、まだ不足していると。
○溝口知事
総理は記者会見などで説明して、そういう疑問点に答えるというようなプロセスが今まであんまりないんじゃないですか。
○山陰中央新報
ちょっと島根原発の今後を考える上で、中国地方の広域連合ですね、先日の知事会で設立には合意したと。中国の広域連合というのは、原発問題を議論する場にはなり得ないんでしょうか。防災とかもテーマには入っていたかと思うんですが。
○溝口知事
知事会としてね、そういう問題が、ほかの県の知事も入っていますから、そういう意味では知事会の方は、知事会全体の中でやっています。それから立地県については立地県でさらにやっていますから、そういうところで尽きているということでしょう。
○山陰中央新報
だから、それにプラスアルファ中国広域連合、恐らく政令市も入ってこようか思うんですが、そこで新たにというのは、またさらに......。
○溝口知事
避難の方はね、これは広域的にやらなきゃいけませんから、一緒に、むしろお願いしてやってるし、協力しましょうと、こういうことでやっているわけです。その他の原発全体にかかわるような問題は知事会とやって、我々もその中で考えを整理しているわけですね。
○山陰中央テレビ
大飯原発の先ほど出ていた話ですが、知事のコメントを伺っていると、やはり国の方針だとか判断というのがない段階で、県として今、なかなか判断というか、今の段階でコメントできないというような印象を受けたんですけども、再稼働というのをいつか迫られたときに、県としての今の時点での県とか知事としての明確なお考えというのはありますか。
○溝口知事
再稼働に当たっていろんな問題がありますから、そこら辺をよく、専門家の意見もよく聞いたり、あるいは福島県での検討の結果などもよくお聞きをしたり、いろんな必要な情報もお聞きし、それから各界の意見などもお聞きして、対応を考えていきたいと、こういうことです。
○山陰中央テレビ
大飯原発については、関西広域連合の方が容認したようなニュアンスというか、いう部分もあったり、国の判断というのもあって、徐々に再稼働に向けてかなり、もう完全に傾いていると思うんですけども、その点について、福井県の知事は苦言というか、余りいいイメージを持っておられないですが、実際に立地県の知事として同じような状況というのはどうお感じでございますか。
○溝口知事
格別に今、コメントするほどのものを持っていません。福井県はやはりそういうふうにお感じになったということじゃないですか。我々はちょっとそういうやりとりが詳細にわかりませんから。
○日日新聞
原発再稼働の件なんですが、県内自治体の首長の意見ですけども、間もなく選挙が始まりますが、それを待ってから意見を、判断をされるという考えでしょうか。間もなく雲南市長の選挙があると思うんですけども、それを待たれてから判断されるという方が一番県民の意見が反映されると思うんですが、どうでしょうか。
○溝口知事
ちょっと意味がわかりませんね。
○日日新聞
間もなく雲南市長選挙がありますよね。反対派の市長がもしも当選された場合、それはまた意見が変わってくると思うんですが。
○溝口知事
それはやっぱりその時点で、いろんな人の意見を、市長に限らず、住民の方も議会の方も、いろいろ聞くということですね。
○日日新聞
雲南市選挙以外にも、ほとんどの県内市で選挙がありますけど、それも全く同じ考えですか。
選挙後に再稼働を判断するというわけではなく、まさに別個として考えていくわけですか。
○溝口知事
いや、それはその時点で、県民のいろんな方々がおられるわけですから、いろんな方の意見をよく聞くということですね。
○日日新聞
選挙という方法が一番県民の考えが反映されると思うんですが、それはどうでしょうか。
○溝口知事
それは、選挙はいろんな争点がありますから、それは議員の方の意見も聞くし、住民の方にも聞きますし、いろんな方の意見も、いずれにしても聞かなきゃいかんわけです。
○日日新聞
では、選挙の前に再稼働を判断する可能性もあるというわけですか。
○溝口知事
何かそういう問題じゃないような気が、あんまりそういうことは考えていませんけど。
○山陰中央新報
原子力にかかわりますが、原子力規制庁ですね、ようやく審議に入ったわけなんですが、やはり与党側の環境省の下に置く案と、野党側の委員会として置いて、その事務局として、より独立性をという案もあって、それは一長一短あろうか思うんですが、知事はこの両案を比較されてみて、それぞれどういうふうな印象をお持ちでしょうか。
○溝口知事
両方の考えはあると思いますね。政府の方は、万が一の場合が起こったときの指揮を直接しなきゃいかんので、やっぱり政府の通常の機関であることが必要だという面もあると、こういうことを言っておられますね。他方で、安全対策だとか、いろんな評価は専門家を中心とした委員会でということがあって、そこをどういうふうに調和をするかという問題でしょうね。
○山陰中央新報
それぞれ利点と、いいとこもありと......。
○溝口知事
だから、そこは関係者でよく話をして、適切な解決を図るほかないですね。
○山陰中央新報
与野党協議というふうに、まさになってくるということですね。
○溝口知事
それはそうですね。
○朝日新聞
済みません、再稼働に当たってはいろんな問題があって、専門家の意見を聞いたり福島の専門家の意見を聞いて、再稼働に向けていろいろ問題があって対応を考えていくっておっしゃってたんですけども、実際にもう、例えばこういう方に聞いたとか......。
○溝口知事
私が申し上げているのは、いろんな参考になる意見は、もういろんなとこから聞こうと、こういうことです。
○朝日新聞
専門。
○溝口知事
福井の話ですよ。福井の方が早くいろんな決断をされるわけでしょうから、やっぱりどういう決断をされたかというような点は、やっぱり参考になりますからね。よく聞かなきゃいかんと思います。
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