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知事定例記者会見(3月27日)

質問事項

11.1票の格差について

 

○時事通信

 知事、済みません。1票の格差についてお伺いしたいんですが、全国の17高裁で、きょう全部たしか出そろうんですが、今のところ違憲と違憲状態という判決が出て、一部には選挙無効という判断まで出ていること、このことに関してはどう思ってらっしゃいますか。

 今のところ違憲状態という判決が相次いでいることですね。一部に選挙無効という判決まで出ていることについて、まずお伺いしたいんですが。

 

○溝口知事

 それは高裁の判決というのは予想されたところじゃないかと思いますね。以前からそういう立場をとっておられるわけですから。

 

○時事通信

 以前、知事......。

 1人別枠方式、選挙区、全国の都道府県別に1人、別枠方式を確保するというのは、それは維持してほしいということを前回の1票の格差訴訟のときにおっしゃっていたと思うんですけど、今回、そういう判決がずらっと出てきた中で、お考えが少し変わったとか、そういうとこは。

 

○溝口知事

 それは、裁判、司法の側からはそういう考えはないということがだんだん明確になってきているということでしょう。

 それから、政党の方においても、そういう司法の考え方に合わせてというんですか、そういう改革案が俎上に上がるようになっているという意味で、選択の余地は絞られてきていると、状況はですね、そういうふうに思いますね。

 だから、国会でどうするかという議論がなされていますから、我々としてはそれをよく注視をしていくということ以外に現段階ではありませんね。コメントはありません。

 

○時事通信

 1人別枠方式というのを、これはどうしても死守というか、堅持してほしいというような考えというのはありますか。

 

○溝口知事

 それは、できればそういうことが望ましいと思いますけれどもね。しかし、これはやはり国民の多数がどう考えるかということであり、あるいは司法がどう考えるかという、三権分立という仕組みがありますからね、そういう中で考えざるを得ない問題になってきていると。その選択肢は狭まってきているということじゃないですか。私の意見というよりも客観情勢が。

 

○時事通信

 いや、それをまず国会議員さんなりに求めていかれるとか、そういったお考えというのは。

 そうやって選択肢が狭められていく中でも、やはりここの1人別枠ということだけは守ってほしいという。

 

○溝口知事

 そこは状況にもよりますからね、客観状況にもよると。それで、政党自身が今、どうされるかを考えて国政の場でやっているわけですから、それをよく注視をしていくというのが今言えることですね。それ以外のコメントはありません。

 

○時事通信

 前回判決のときから、やはりその部分はもう......。

 

○溝口知事

 変わったとおっしゃっていいですね。

 

○毎日新聞

 済みません、1票の格差の件なんですが、1票の格差、やはり都市と地方の人口の比率がやっぱり大きく違っているというところが一つのポイントだと思うんですけども、全国の知事さんの中でも、山梨県の知事さんなんかは、これは報道ベースですけども、地方は人材も水も大都市に送っている。大都市が存続するために地方は不可欠。限りなく格差が1に近ければよいものではないということで、今、一連の1票の格差訴訟の判決の流れに対して随分と批判的というか、

疑問を持ってらっしゃるというふうな発言をしてらっしゃいます。

 さらに、栃木の福田知事も、人口比による定数割でない選挙の仕組みを考えるべきではないかというような発言をしてらっしゃるんですけども、このような発言を踏まえて、知事として、地方の県の、地方から見て、あるべき国会議員の選び方というか、そういうようなものというのはどうお考えでしょうか。

 

○溝口知事

 今の選挙制度をどうするかということを離れますと、私はあるわけですよ。やはり戦後の発展を見ると、大都市部を中心に工業的な発展が進んだから、結局人口の大都市集中が起こったわけですね。それで地方で過疎が起こると。だから、都市における過密、地方における過疎というものは非常に不完全な発展であって、むしろ私はそういうことを是正する方がいいということはずっと言い続けているわけです。そういう面から見ると、そういう問題があっても、国政の場では、人口がふえるところに国策が、そういうところを代表する人がふえれば、その政策を変えることは非常に困難ですから、だから、国の発展自身がある意味で選挙制度にも影響を受けるところがあるわけですよ。だから、そういう意味では、もう少し柔軟な考えをとるのが適当だろうと思いますね。

 ただ、それは最高裁がそういう、最高裁といいますか、司法がそういう考え方にならないと実現できませんね。司法の方は、要するに人口比例でやるべきだということで、もう長年固まっていますからね、そこを変えるとなると、これは容易でないですね。だから、そういうことを離れれば、要するに国の発展というのは、日本のような国ではそういうことが起こるんですね。やはり健全な発展をするようなことが国民にとって望ましいことであれば、それに与えている影響についても、私は国政の場なり、いろいろ議論をすべきではないかという気はしますが、次の選挙をどうするかとか、無効であるというようなことになると、そんなに長い話を対応するというのは無理でしょう。だから、当面の話としてはコメントすることはありませんと。しかし、白紙で考えると、そういうことをやっぱり考えていかなきゃいかんと。

 また、そういうふうに、国民がそういう考え方に振れないと、それは司法の考え方も変わりませんね。それは短時日でできることじゃないですね。長い長い話でしょう。

 

○毎日新聞

 もう少し柔軟な考えをとる、選挙、国会議員の選び方について、もっと柔軟な考えをとる。

 

○溝口知事

 さっき言った別枠でありますとかね、いろんな考え方があり得ると思いますよ。

 

○毎日新聞

 例えば報道なんかを見ると、知事レベルでも今の選挙制度であるとか1票の格差の問題について疑問を持ってらっしゃる、特に地方、人口の少ない地方の知事さんなんかが多いと思うんですけれども、そういう方が複数いらっしゃるようですけれども、例えばそういうような、同じようなお考えの知事さんで何らかの話をするとか、そういうようなことというのはあり得ますか。

 

○溝口知事

 それは、ふるさと知事のネットワークというのをつくったわけですよ。そこではやはり今、僕が言ったような、日本の戦後の発展というのがやはり一般的な発展ということじゃなくて、非常に特殊な発展であって、それは行き過ぎると弊害が多いと。だから、それを変えるべきだという主張をして、間接的にそういうことを言っているわけですよ。だから、人口比でいうと、ふえるところに向いた施策の方が優先されていきますからね。だから、これは非常に難しい大きな問題ですね。

 

○山陰中央新報

 関連ですけど、それについてはさっき間接的におっしゃっているというふうにおっしゃって、今、知事がおっしゃった過疎地の持論というのは、選挙制度が実現されないと、なかなか法律として成り立たない面もあるから、間接的にその持論がなかなか全国的なメジャーな意見にならないところには選挙制度も恐らく絡んでいる、潜在的には地下水脈のところではあるというふうに思ってらっしゃると思うんですが、だとすれば、今、そうしたことに対してふるさとネットワークのやっぱり、選挙制度についてもやっぱり改めて今、この機会に発言されたり、声明を出したりされるということは、当面のことをやっているように見える今だからこそ重要だと思いますが、そのようなところをふるさとネットワークで議論されて、選挙制度についてひとつテーマを設けてやったり発言されたり議論されたりというお考えはないですか。

 

○溝口知事

 いや、僕の頭の中では、ずっとそういうことを思っているわけですけどね。

 

○山陰中央新報

 はい、ぜひ。

 

○溝口知事

 思っていますが、なかなかそこはね、よく言いますけれども、多勢に無勢なところがあるわけですよ。

 

○山陰中央新報

 まあ、そう言わんと。

 

○溝口知事

 ふるさとのネットワークみたいなので少しふやしてね、そういう考え方を広げようとしているわけですよ。

 

○山陰中央新報

 今だと、今、はい、チャンスだと。

 

○溝口知事

 そういうところからやらないとね、結局そういう問題があるんだというようなところに多くの人が気づくようにならないとね、それは選挙制度を今言ったような形で変えていくというのは難しい。いきなり言うと、それはね、むしろ逆にとられる可能性がある。

 

○山陰中央新報

 ですかね。

 

○溝口知事

 それは長くね、力をためながらやるほかないというのが私の考えですね。

 

○山陰中央新報

 そうですね。いや、そうおっしゃいますけど......。

 

○溝口知事

 そういう考えはね、なかなかいろいろしてもね、やはり日本全体のことを知るというのは難しいことなんですよ。それで、あるいはそういうものを見詰めて国の政策をやるということも難しいんですね。それはいろんな面で、農業の問題なんかもね、農業を特別扱いにするというようなのが大勢なわけだから、だから、そういう意味では、それは知事としてだけじゃできませんな。多くの人がそういうものになるようにね、やっぱり一つは言論の人とか、そういう人たちが考えを変えないと、変えるように働きかけていかないとできないですね。

 

○毎日新聞

 力をためている間にも、人口は地方から都市に向かってどんどんと流れていっているんですから、そんなに時間はないと。

 

○溝口知事

 それは、だけどね、若干変化も起こってきているわけですよ。

 

○山陰中央新報

 だから、そうした大きなところでやっぱり議論しないといけないと知事は思っておられると、常日ごろ思っておられて、今思っておられると。

 

○溝口知事

 僕はずっとそれを言ってるわけですね。だけど、そういうことがわかる人というのはそう多くないね。

 

○山陰中央新報

 言わんとわからんと思いますしね。

 

○溝口知事

 いやいや、言っているわけですよ。そういう考え方がわからないとね、選挙制度の問題にはつながっていかない。

まあ、そういうことでありましてね、当座の話はコメントできないと、こういうことですよ。しかし、考え方はあるということです。

 じゃあ、終わります。

 


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