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知事定例記者会見(3月15日)

質問事項

1.TPP交渉参加について

 

○山陰中央新報

 済みません、最初にTPPのことについてお伺いします。

 きょう、安倍総理がTPPの交渉に参加表明をされるということで、影響の試算、まだ出てないんですが、ちょっと今、報道で農業生産額が3兆円減少するという、今、報道が出てまして、正式に見られてからと思いますが、改めてこれについて、改めての所感を、きょう交渉参加を表明することは確実であると思いますが、ちょっと所感をお聞かせください。

 

○溝口知事

 安倍総理は、先般の日米首脳会談におきまして交渉参加に際し、すべての関税撤廃をあらかじめ約束することは求められないということで、例外措置も交渉次第と申しますか、交渉の中でそういう話もできるということで交渉に参加されようとしておられるんだろうというふうに思います。農業の問題につきましては、関税撤廃等が行われますと、日本の農業に大きな影響が出るということは、以前から多くの方々が指摘をしているところでありまして、この問題をどうするかということは、TPPへの参加をどうするかに関して非常に大きな要素になっておるということであります。政府が交渉参加についていろいろ苦心をされてこられたのも、この問題だけじゃありませんけれども、この問題が非常に大きな問題であるから、そういう努力をされておられるんだというふうに思います。したがいまして、今夕ですか、交渉参加を表明されるということに仮になれば、交渉においてすべての関税を撤廃ということではなくて、日本が必要とするもの、日本の国益にとって大事なもの、例えばそれは農産品でありますけれども、そういうものについて例外措置を確保するよう最善の努力をしていただきたいというふうに思います。

 

○山陰中央新報

 今、島根県の、主に農業団体が関心を持っている件については、交渉の中で農業団体側の方は必ずしも自民党が言うところの5品目が例外になっただけでは不十分というふうなことも言っておられます。条件闘争のような感じになっていると思うんですけど、知事としては農業対策については、その5品目が例外になるかならないか以外にも、やっぱり全体の農業対策というのが示されることが必要であるかなと、私はそう思うんですが、知事として農業に対する全体像というのは、特に中山間地域を抱えている県の知事にとって、数字は別にして、どういうグランドデザインというか、が示されることを望ましいとお考えでしょうか。

 

○溝口知事

 まだそこはあれですね、政府自身がどういう考えで臨まれるのかということをやはり概略でもお示しになるとか、それは交渉上の駆け引きもいろいろあるでしょうから、そこをどうするかという問題はあろうと思いますけれども、農業の関係の方々に例外がないというようなことになりますと非常に大きな影響が出るわけですから、そういう問題についてどう考えるか、対策はどうするのか、いろんなことをやはりよく丁寧に説明をしながら、そして交渉の状況の中でどういう情勢になっているか、よく十分な情報提供をするとか、いろんなことをやりながら政府自身がお考えになる必要があるし、私どももそういうことを注視しながら必要な意見等を伝えていくということだと思いますね。

 だから、最初の段階で、これからならどうだとか、そういうことはまだできる状況にないですね。

 要するに、日米首脳会談でいろいろやられたのも、やはり必要な場合には必要な品目についてはやっぱり例外を設けたいというお気持ちが強いからそういうことになっておるわけでして、そういう意味で、そのための最善の努力をするということが大事なことだと思いますね。

 

○山陰中央新報

 もう1点、今、庁内で情報を共有して、島根県においての影響がどういうふうになるのかということも含めて情報を収集する、人的な目的で組織も設置されたわけですけど、これはきょう影響試算が出ることも含めて、やっぱり参議院選挙という一つの節目の前にやっぱり県民にどういう影響があるかというのが示されるのが筋かなと思いますけど、その辺のところのスケジュール感については、政府がまず示してのことなので、いついつまでとは言えないかもしれませんが、できれば県民も、選挙までには県内への影響が知りたいという欲求は強いかと思うんですが、その辺のところは、できるだけそういうことを目指したいとか、そういうことは考えておられますでしょうか。

 

○溝口知事

 今の試算がどういうものか、まだわかりませんからね、それをやっぱり見て、考えていかなきゃいかんだろうと思います。

 それから、そういうことで庁内の連絡会議を設けておりますから、そういうところで情報を得次第、調査検討を始めたいというふうに考えています。

 

○山陰中央新報

 知事、今、農産品のお話をされましたけれども、そういう例外が認められなかった、交渉の中で認められなかった場合というのは、それはもう交渉から撤退することも考えて、やっていくべきというふうに。

 

○溝口知事

 それはいろんなケースによるでしょうね。例外の程度にもよるでしょうし、それは現実を見て判断すべきことで、一般論としてどうかというのは、これまた非常にざっくりした話ですから、なかなかそれにこたえるというのは容易でないですよ。

 

○山陰中央新報

 知事のキャリアの中で、大使館におられて、途中でああいう交渉を抜けるというのは本当にできるものなのかというのは、今と昔と違うかもしれませんけど、どうなんでしょう、私らはちょっとわからん部分もあって、一回ああいう交渉の枠組みに入った者が抜けられる、抜けるということができるのかという、難しいのかというのはいかがでしょうか。

 

○溝口知事

 それは、国民の意思でしょうね。それを受けた政府の対応いかんでしょう。

 

○山陰中央新報

 それは国民が、ということになると、やっぱり交渉の中の過程の情報公開とかっていうのを丁寧にしていくべきだという。

 

○溝口知事

 それは必要ですね。適時に状況の......。ただ、それはいろんな条件が重なり合っているから、どういうことになるのかわかりませんけれども、そういう面で最善のやっぱり努力を政府はしなきゃいかんでしょうね。

 

○中国新聞

 知事、済みません、TPPの関係で、ちょっと再度済みません。

 きょう、夕方にも安倍首相が交渉参加を表明という運びになりそうなんですけども、さっき言われた、要は農産品の部分が重要だと。そこへの例外措置をちゃんと設けてくれるように努力してほしいということですね。で、その交渉参加をするということ自体に対しての知事のスタンスというのは、まさにそこなんでしょうか。それとも、ただ、そこが守られれば交渉参加してもいいよということなのかどうか。

 

○溝口知事

 いいよというよりも、そこは政府が、外交交渉ですからね、どうされるかということにかかっておりますが、政府としてそういう状況にありますから、そうすると、それに対してはさっき申し上げたようなことが必要だということであります。

 

○中国新聞

 交渉に参加すると表明することに対して断固反対するとか、そういう姿勢ではないわけですね、だから。

 

○溝口知事

 それは、何といいますか、それは政府の考えに対して、あなたのおっしゃることは難しいことですけれどもね、それは外交交渉の責任は政府にあるわけですから、それは適当じゃないということは、それは言えても、それは政府がそれに伴ういろんな問題が起これば、政府がやはり責任を持って対応しなければならないということですね。

 

○中国新聞

 難しいということは、やっぱりこれだけ......。

 

○溝口知事

 農産物なんかは大きな影響が出ますからね、政府が多分例外にするように、どこまでかということはまだ決まってないですけども、例外にされる努力をされるわけでしょうから、そのやっぱり最善の努力をすべきだというのが、あなたの質問に対するとりあえずの答えですね、私の。

 

○中国新聞

 やはり、でもそこをあえて言われるというのは、それだけ、当たり前のことなのかもしれないですけど、そこが例外じゃなくなってしまうと、県内に対する悪影響が大きいということで......。

 

○溝口知事

 それはそういうことですね。それからやはり一部の人にいろんな政策の負担がかかるということは、やはり公平からいって、いかんことなわけですよ。利益を得るところもあるし損害をこうむるところもあると。やはり一部の人に大きな負担がかかるというのは、それは政策として普通の場合は許容できないわけですね。だから、そのためのいろんなことが直接は関係ありませんけれども、補償をしたり、いろんな対策をとったりするわけですよ。ただ、そういう段階まで、まだ至っていないわけですね。

 

○中国新聞

 と同時に、この前も言ったんですが、先ほどもちょっと重複ですけども、その交渉を抜けれるのかという問題があって、もともと関税撤廃というのが軸になってる話なので、一たん交渉に入ってしまうと、どうしても現実的に、今は例外があるかどうかって非常にグレーな状況になっていまして、明言されてないもので、これがどこまで実現されるのかというのは非常に今あやふやだと思うんですけど。

 

○溝口知事

 あやふやだけども、そこを政府は交渉しなければならないというふうに考えておられるんだと思いますけれどもね。

 

○中国新聞

 それはやっぱり中山間地域の農業なんか、中山間地なんかを多く抱える島根県にとってもということでよろしいんですかね、県内の特性というか。

 

○溝口知事

 それはそういうことですね。

 

○山陰中央新報

 少しちょっと整理しますと......。

 

○溝口知事

 いずれにしても、農業につきましては、そういう必要性があるから今まで特別な関税率といったような形でプロテクト(保護)してきているわけですね。だから、そこを変えるとなると、やはり政府の考えが変わるわけですから、そこをきちっと説明しなきゃいかんし、それから、そういう大きい負担が一部の人にかかるということは適当でありませんから、その対応もしなきゃいかんと。しかし、そこは交渉してみないと、まだわからないことですね。政府の方は、やはり交渉に参加する段階で撤廃を約束しなきゃいかんというハードルはクリアしたわけですからね、これから交渉の中で例外を設けるように、日本の中での主張に配慮して最善の努力をするということが政府に、もう交渉に参加するとお決めになるのであれば、最善の努力をしてもらいたいということです。

 

○山陰中央新報

 交渉参加を決めたということに対してどうかというお答えがまだないように思うんですけど、それは政府の専権事項だから、御自身はどうかと思われるけど、仕方がないということですか。

 

○溝口知事

 いやいや、だからそれは適当かどうかは難しいことですよ。

 それは、あらゆる政策がそういう面があるわけですよ。

 

○山陰中央新報

 それは結果がすべてということでしょうか。

 

○溝口知事

 それは国内政策でもそうでしょう。例えば消費税を上げるといった場合に、いろんな大きな問題もあるわけでしょう。だけど、そこはやはり議会制民主主義ですから、国政にかかわる部分は国政の場できちっと議論しなきゃいかんし、そのためにも国民に丁寧にわかりやすい説明をしていくということでしょう。

 

○山陰中央新報

 先ほど少しおっしゃったのは、やっぱり例外が認められるかどうかが最大のポイントだということですか、交渉の中で。今の段階で。

 

○溝口知事

 今の段階ではそうでしょうね。

 いや、それは政府がもう参加すると決められたとした場合ですよ。

 それは今までの農業だとか、例外がいっぱいあったわけですよ。だから例外が悪いということじゃないです。それはやっぱり一定の、それぞれが理解してそういうことをやってきているわけですね。

 


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