知事定例記者会見(1月11日)
○溝口知事
それでは、定例会見を始めます。
今年第1回目の会見であります。若干の所感を申し上げますと、内外の情勢を見ますと、経済面では昨年来、円高・デフレの継続、あるいは欧米経済の停滞、また中国と新興国の減速、そういったことから日本経済も厳しい状況にありますし、県経済も同様の状況にあります。そういう意味で、経済の振興は大事な課題であるわけであります。政権が昨年末に交代をし、新政権におかれましては円高・デフレからの早期脱却、その上、中・長期的に経済が発展をしていく、そういうことを目指して、当面は財政・金融政策をいわば総動員して景気回復に当たろうとされておるところであります。
今朝、閣議で緊急経済対策が決定をされました。対策の規模としては10兆円を超えるような規模でありますが、こういうものを活用し、日本経済の安定軌道への回復は、県としても大事な課題だというふうに考えているところであります。
他方で、来年度の予算は、各省からの要求の再提出の上、今月末ごろをめどに政府案を決定するというような動きのようであります。県としましては、こうした国の動向を踏まえまして、今般の経済対策を織り込んだ今年度の補正予算と来年度の予算案を2月議会に提出することを目指して、今、作業に入っておるということであります。そういう意味で、県にとりましても産業の振興、雇用の創出ということは県民の方々にとって大事な課題でありまして、引き続き粘り強く行っていきたいというふうに思います。
その中で、観光につきましては、昨年は古事記編纂1300年の中で神話博しまねを開催をし、今年の5月には出雲大社の60年に一度の大遷宮がおありになるということで、そういう勢いの中で観光振興にもさらに継続して取り組んでいきたいというふうに考えているところであります。
このほか、医療・福祉の確保・充実、あるいは文化・教育、あるいは環境保全等々、多くの課題があります。こうした問題にも一生懸命取り組んでいきたいというふうに考えておるところであります。そういう意味で、今年も年初から職員一体となりまして、気を引き締めて県の行政に当たっていきたいというふうに考えているところであります。
次に、こちらにパネルが出ておりますが、古代出雲歴史博物館の企画展として、1月18日から3月17日まで、「匠の技」というテーマで木製品ですね、木を使った匠の技の展覧会を開きます。今年は出雲大社の大遷宮で、5年ぐらい前から出雲大社の本殿等の修復を行っておるわけです。本殿の大屋根の千木でありますとか、そういうものを取りかえたり、あるいは大屋根の檜皮の取りかえを行ったり、あるいはやや腐食をした素材をかえるとか、木にまつわる工事、改修が多いわけです。そういうものを展示をしたり、そしてまた、そういう技術が、実は多分相当昔からこの地では活用されているわけですね。そうしたものがいろんなところに残っておりまして、弥生時代の、例えばこれで見ますと、2ページ目で見ますと、非常に精緻な、近代の作かと思われるような木の器と申しますか、やかんのような形ですけども、非常に高度なものが、一、二世紀のようでありますけれども、つくられていると。そういうものがほかにもたくさんありまして、そういう展示をしておりますので、古代出雲から続く匠の技を見るというのは大変興味深いことではないかというふうに思います。ぜひ皆さん方もご覧いただければというふうに思います。
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