質問事項
2.島根原発関連について
○毎日新聞
先日、広島と岡山と山口の方に県の担当者の方が広域避難の協力要請ということで出向かれたと思うんですけども、いろいろ課題も上がったと思うんですけども、その手ごたえを知事としてはどう思いますか。
○溝口知事
報告を受けておりますが、よく協力をしていきたいというお考えであって、私どももこれからいろいろ詰めなきゃいかんことがありますから、それを一緒になって詰めていきたいと思います。
まず、必要なことは、どういう場所があるかということで、何人ぐらい受け入れ可能かというのを詰めていく作業をやっていくと。それから実際の運営をどうするかというような話になりますと、それは対応によっていろいろ違いますし、それから原発の関連ということになりますと、いろんな諸経費等は国が負担をしていかなきゃいかんわけですけども、そこら辺はまだ国の検討が進んでおりませんからね。ただ、進んでおりませんが、原発に関するいろんなコストというのは国が負担するという原則がありますから、そういう大きな枠組みを前提にして、当面はそういう問題について国の考え方というのがまとまるには、まだ時間がかかりますから、それとは別に、大事なことは避難場所としてどういうところが可能かという作業を行っているということですね。
○山陰中央新報
関連ですが、山陽側の受け入れ自治体といたしましては、さっきからコストの面も考えながら、どれぐらいの場所を提供するかというところ、そのコストの面と、どれぐらいの収容可能かというのが、別に切り離した問題じゃなく、相互にリンクしながら検討していく問題かと思いまして、さっきの、だから国は確かにそういう費用面、負担面、運営面ですね、方針出してないというのは確かなんですが、でも当該自治体間でどういった協議を詰めていくかというのは、これはちょっと、その場所を決めるのと選考するのと、並行して進めていかないといけない問題かと思うんですが。
○溝口知事
それは並行してやっていくということですね。
○山陰中央新報
ということは、できるところからというか、国の......。
○溝口知事
国はなかなかそこまではすぐにできませんから、我々ができるとこからやっていこうと、こういうことです。
○山陰中央新報
やっぱりだから、国の方もある意味そこが、運営のあり方というのが、今現在の制度でいくと、もう自治体間同士の話になると、自治体間同士で協議してもらいたいといったところが......。
○溝口知事
いや、最終コストは、それは国が負担することになりますからね。
○山陰中央新報
だから、人員をどう張りつけるとか、受け入れ側、あるいは送る側、そのケアの、人がどこからどっちの自治体からといった、そういった制度ですね。
○溝口知事
それはやっぱり個別に相談していくということじゃないですかね。
○山陰中央テレビ
それに関連して、コスト面は最終的には国に負担を求めていくということですけど、コスト面以外に、実運用上、自治体間の協議だけで、なかなか県だとか、県をまたがっての市町村同士を相手にした協議の中で、現行の枠組みの中で制度をつくっていく課題はかなりあると思うんですけど、その制度の運用的な法整備の面を含めて、国に対して要望を出していくというお考えはないですね。
○溝口知事
それは国に対してはいつも言っておりますけれども、国はまだそこまで本格的に進んでいません。まだ、今やっていますのは原子力安全委員会の方でどういう圏域を避難圏域とするとか、あるいはそのためにどういうことが必要かとか、そういう検討の段階ですから、まだその先まで行っていませんので、我々の方は早くそうした運営をどうするかとか、そういうところまで国がよく検討を早くしてもらいたいというのは、知事会とか立地14県で言っています。まだそういう状況ですね。
ただ、国の方がおくれているのは間違いないんですけれども、そのおくれている国には要請を続けますが、一方で避難先確保ということも進めておると。それは比較的、我々の感じでは受け入れていただく県外の市町村も、全体での考えから協力しようという姿勢だというふうに思っています。
○山陰中央テレビ
自治体間の協議だけで制度ができるというふうには考えておられますか。
○溝口知事
それは、できないことは、またその過程で必要なところに要請をしていくということです。すべての計画のきちっとした枠組みがあるわけじゃなくて、やりながら調整していくということでしょう。やりながら、また必要なものを国にもお願いすると、そういう全く新しい分野ですから、柔軟な対応を考えております。
○NHK
今後、来年度予算の編成が本格化するわけですけれども、そういった中で2号機が来年1月で点検に入って、1号機も再開のめどが現時点で立っていないという中で、税収面での影響というのが当然出てこようかと思いますが、来年度予算に与える影響、それに対する対策ですね、検討している、そういったものを現時点でお考えがありましたら教えてください。
○溝口知事
税収の変動とか、国の補助金の変動とか、これは毎年起こるわけですから、その中で一定のものはいろんな形で吸収していくわけでありまして、そういう面からいうと、そう大きな問題ではないのではないかというふうに思っていますけども。
○NHK
じゃあ、特に特別な対応は必要なく、編成作業等も......。
○溝口知事
全体の中で考えていくということですね。
○NHK
あともう1点、避難区域に関して30という数字が一応国側から示されていますけれども、それで例えば30.5キロ、同じ市内にある30.5キロの地域をどうするかというところが自治体にとっては課題であり、住民にとって不安な面もあろうかと思いますが、そのあたりについての県としての対応というのは、例えば現時点のお考え、何かありますでしょうか。
○溝口知事
そこは、30キロというのは一つの目安ですから、現実にはその30キロ圏域全体が避難の対象となるのかどうかは、やっぱり事故の対応等によりますし、事故の対応によりますと、福島の場合でもそうですけれども、30キロ圏内外でも避難地域と同じような避難を(したり、)しなかったようなことが起こりますから、現実といいますか、実際の運用の話は当然、そういう入り繰りがあるんだと思います。そういうものはUPZというものをどういうふうに構成するかという考え方によると思いますね。
だから、30キロだからどうするかというのは、それは運用の問題でして、30キロというのは、今の段階の一つの目安ということでしょう。いわゆるそれを実際に、万が一事故が起こったときにどういう対応をするかというのは、また別の問題でしょうね。
○NHK
じゃあ、事前に例えばどう、同じ市内での対応が分かれるというケースだって当然あり得ようかと思いますが、そういったところに対する、事前に超えた部分でも考えておきなさいというようなことというのはあり得るんでしょうか、県として。
○溝口知事
それは運用の問題ですね。
○NHK
避難先の確保とかいったら、そうすぐにできる問題でもないですね、例えば。
○溝口知事
ある程度量が確保できていればいいわけです。確保先としては。それでどこから避難されるかというのは、それは風向きとか、いろんなあれによりますからね、全部が一様に避難をするというようなことにはならん可能性もあるし、30キロを超えても避難しなきゃいかんということもあるでしょうし。しかし、一定の大事なことは、例えば30万なら30万人の避難場所がある程度めどがついているということは大事なことなんじゃないですか。
○山陰中央新報
原発に関連しますが、先週、佐賀県の方で大規模な防災訓練ありまして、20キロ圏内の住民が、一千数百人だったかと思いますが、30キロ圏外に逃すという、そういうことをやったんですが、島根県からも職員の方が何名か視察に行っておられました。島根原発をめぐる訓練というのは、その詳細案というのがまだ確定してないだろうかと思うんですが、あの視察を踏まえて、知事としては、島根としてどういった防災訓練を行うべきか、あるいはその中身を含め、お聞かせ願えますでしょうか。
○溝口知事
それは広がる可能性もありますからね、今までは松江市を中心にやっていますけれども、松江市の中でも原発に近いところが中心でしたけれども、そういう範囲を広げた場合、広がった場合の訓練ということも当然考えていきます。
○山陰中央新報
いや、広げるべき対象自治体を松江市外にも広げるとか......。
○溝口知事
それは、当然そういうことになるでしょうね。
○山陰中央新報
となると、当然規模もそれだけ拡大になるわけですから、いわゆる一番簡単では当然なくなる......。
○溝口知事
やり方はいろいろ考えるということですね。それは一挙にはできませんから。
○山陰中央新報
来年の開始、実施のめどというのはいかがなんでしょうか。
○溝口知事
それは今検討中です。
○山陰中央新報
その原発立地県の中には、もう実際問題、年度内は不可能だと断念をする、今年度の防災訓練はできないというふうな県も中にはあるんですが、島根としては、実施は実施
としてやるべきだという方向ではあるんでしょうか。
○溝口知事
検討中です。
○朝日新聞
もう再来月、来年1月の下旬にでも2号機とまって、1号機の方もずっと今とまった状態であるということで、運転の再開なんですが、当初、知事は福島で何が起こったかというと
ころをやっぱりはっきり原因究明してほしいというのが前提条件だというふうにおっしゃったと思うんですが、なかなか今もってあそこで何があったのか立ち入れない部分もあって、専門家の人は地震の揺れで、揺れそのもので、もう既に大きな損傷を受けたという指摘なんかもありまして、このあたりを踏まえて2号機、1号機の再開に当たっての知事のお考えの条件みたいなのはどのように考えていらっしゃいますか。
○溝口知事
やはり安全対策がきちっと進むということが大事です。それから2番目は安全対策があっても、いろんな理由によって万が一の事態なんかも起こり得るわけですから、そういう避難の対応がやっぱりある程度できてないといけませんね、万が一の場合にこういう対応をするんだというような枠組みのようなものがですね。それから3番目に、やはり国のエネルギーを一体どうやって確保するのかと。その中で原発というのを一体どういうふうに位置づけるのかという政府の考え方がやはり基本になきゃいけませんね。
そういうものができて、国がやはり国民に対して理解を求めていくということが必要だと思います。我々は、そういうものを総合的に国の対応等につきまして、県民の方、あるいは議会、あるいは専門家の方々がどう評価をしておられるのか、判断しておられるのかというものをよくお聞きして、総合的にそういう考え方を我々の方でも見まして、その上で県としての考え方を出していきたいというのが大きな枠組みです。
そういう中で、安全対策について言いますと、やはり福島で一体どういうことが起こったのか、やはり政府がよく説明しなきゃいけませんね。そういうものを踏まえて安全対策がこうなっていると、こういうことが起きたので、こういう対応をしておるとか、そういうものについて、民間でもいろんな意見とか推計といいますか、出ていますね。そういうものに対してやはり政府がきちっと答えなきゃいけませんね。
それから、2番目の万が一の場合に起こったときに、それは我々が今進めておるんですけども、国もそういうものに対して、今、原子力安全委員会で検討していますけれども、そういう検討をもう少し早くやっていただく必要があると。あるいはそれに対して今、この場でも出ていましたけれども、仮に万が一の場合が起こったときに、避難の体制について、国はどういう対応をするのか、そういうこともちゃんとやってもらいたいということを我々は言っていると、こういうことです。
それから、国のエネルギー政策そのものは、来年夏を目途にやっておられると言っておられますけれども、できるだけ早く示さないといけませんね。政府も原発については将来的に、その役割を小さくしていくという、正確な言葉は覚えていませんが、そういうことを言っておられますけれども、それは一体どういうタイムフレームで実現しようとしているのかとか、そういうことがやはり具体的に国民にわかるようにならなきゃいけませんね。
それで、しかし、いずれにしても、そういう中で政府の方は来年の夏は、ことしの冬は大丈夫だけども夏はというようなことも言っておられますけれども、そういうものに対して、やっぱり政府としてもいろんな努力をしなきゃいかんでしょう、さっき申し上げたような点で。そういうことです。
○朝日新聞
自治体によりましては、例えば廃炉にするにしてもかなりの時間と労力とコストがかかるということで、原発立地のロケーションを今度は逆に廃炉のための研究拠点にしようじゃないかというような動きも見られるんですが、そういう動きに対してはどうお考えですか。
○溝口知事
どういうことですか。
○朝日新聞
つまり原発を抱えるんではなくて、そこから転換して、原発を廃炉にしていくための技術であったり研究機能というのをその地域で誘致して、そういう拠点にしていこうというような。
○溝口知事
それはもうちょっと、先の具体的な話であって、その前にやっぱり今申し上げたような原子力の安全対策を、現にあるわけですから、どうするのかとか、あるいは中・長期的にエネルギー政策をどうするのかと、そういう大きな枠組みの中で考える話でしょうね。
それは、それぞれの方がそういうことをお考えになるのは当然、それぞれに考えるのは必要なことですけれども、政府としては、政府のこの大きな枠組みについての考え方をしっかり、早く出してほしいと、こういうことです。
○NHK
関連で、今のお話ですと、今の対応の枠組みという話でいくと、県として今年度内というのを一つのめどにされてると思いますけれども、逆に言えば、その今年度内に再開を認めるという状況は考えにくいということでよろしいんでしょうか。
○溝口知事
いやいや、そういうことを言っているわけじゃなくて、そのめどは一定のめどということだけであって、それは、どこまで準備ができるかというのは時間に依存しますからね。すぐ、そんなに完全にはできませんので、ある程度のところをやり、さらにその後もやっていくということですよ。
だから、今年度内にというのは、大きな枠組みとして、この地域の方々が避難するとすると、大体こういう地域のこういう施設が用意してあるといったようなところぐらいが一つのめどかなあと思っていますけれどもね。
○NHK
ができるまではということですか。できるまでは。
○溝口知事
そういうことを目指して、今年度内と言っているのは、そういうことをまず作業としてやっていこうということです。
○NHK
じゃあ、その条件としては、そこまでということではないと。
○溝口知事
じゃないですね。
だから、今のどこでまとまるかは、先ほどの相手の方もおられますから、だから、そこもやりながら、どこまで約束なり、あるいは計画がどこまで詳細にできるかというのは、やりながら考えるほかないですね。
○山陰中央新報
先ほど知事がおっしゃった再稼働の判断する上での前提条件3つ上げられましたけれども、これに対して国が答えを出すのか、あと2カ月、それこそ2号機が定期点検に入るまでのわずか2カ月の間に国から答えが出てくるというのは、ちょっと現実的には考えにくいわけでして......。
○溝口知事
いや、再稼働の条件ということじゃなくて、原発そのものについてどうするかということについて、国が示していかなきゃいかんと、こういうことを申し上げているわけですよ。
○山陰中央新報
ただ、それでも、1号機の再稼働を判断する上でも、先ほどおっしゃったような3つの条件というのは、当然、判断材料に......。
○溝口知事
いや、それから個別の、電力会社になりますと、やっぱりそれとは別に地域全体の電力需要がどうなっているかということも依存するでしょうね。それから、その地域も、地域だけじゃなくて日本全体の電力需要というのも、それは影響するだろうと思いますね。
○中国新聞
先ほどの、似たような質問なんですけど、避難計画の暫定案を年度内につくると言っておられますよね、今目指しておられて、その再稼働の条件の中に何かが起きたときの避難の枠組みが整ってから認めたいというふうなことを言われたんで......。
○溝口知事
そういうことじゃなくて......。
○中国新聞
そういうことじゃないんですか。
○溝口知事
そういう条件とかということまでは、はっきりはしませんけども、そういうことがある程度一定のめどが必要だろうということは言っていますけれどもね。だけど、どこまで準備できるかというのも我々、作業をやりながら考えますから、そこがはっきりしているわけじゃないわけです。
○中国新聞
ただ、住民にとってみれば、どこの地区がどこに避難するのかというのが示されるのがやっぱり最低限のラインだと思うんですよね。それがないときというのは、どこに行ったらいいかわかんないわけですから。だから、それが示された後じゃないと、その避難の枠組みというのは整ったということにならないんじゃないかなと思うんですけども、そう考えると、年度内に認めるということは難しいのでは......。
○溝口知事
そこは国の方がまだ再稼働の問題について何ともおっしゃっていませんから、我々の方からこうだということは、まだ考えていませんけど。
○時事通信
改めてといいますか、再稼働の条件というのは、知事の中ではどういうものがあるんでしょうか。
○溝口知事
やっぱり多くの政府の考えがやはり国民によく理解をされるということが大事でしょうね。それはいろいろあると思いますけど。でも、それはいろんな意見がありますから、我々がそういういろんな意見を総合的に判断して決めるということで、そこを今、具体的にどういうことかということを話す状況には、まだなっていませんね。
○時事通信
先ほどの質問にもあったんですが、知事が、原因究明がすべて解明されるまでは再稼働はしないという趣旨のことを、当初発言されていたと思うんですけれども、それももう、その条件に一応、条件ではなくなっている......。
○溝口知事
いやいや、そこは言ってないわけですね。だから、全部わかるかどうかというのも、それはわからないわけですよ。だけど、一定のことがわかっている必要は当然あるだろうということがありますけれども、だから、条件だとかなんとかということになりますと、もうちょっと具体性がないとあいまいなことになりますから、そういうことじゃなくて、そういう面について政府ができる限りの努力をする必要があるということですね。
○時事通信
原因究明がされてなくても、再稼働というのはあり得るんですか。
○溝口知事
それは原因究明も、何をもって原因究明と言うのか明確じゃないでしょう、いろんな問題がありますから。それは科学のあれですから、全部がこれで究明されたとか、それはまた人によって違うでしょう。それから大事なもの、大事でないものもあるでしょう。
○時事通信
それは、どう判断されるんですか。
○溝口知事
それは専門家の意見とかをいろいろ聞いて、総合的に判断するほかないんじゃないかということを言っているわけですよね。
一つのあれが何かあるわけじゃないですから。これをやったらあらかた大事なことはわかったと言えるのか、いや、そうじゃないという意見もあるでしょう。意見はだからいろんなものについていろんな意見がありますから。
○時事通信
ただ一つ、国がこういう分析をしたというのが出ないとということだと理解すればいいんですか。
○溝口知事
国も説明するでしょう。だけど、国の説明に対してでも、もちろん違う意見も当然、またあるでしょう。だから、判然とはしない事態がずっとあり得るわけですよ。だから、そこはいろんな方の意見をよく聞いて、総合的に考えるほかはないだろうというふうに思っているということですね。
○時事通信
国の原因究明が出なくても、再稼働はあり得ると。
○溝口知事
原因究明というのがどこまでのあれかというのは、いろいろレベルが人によって違うでしょうということを言っているわけです。
○時事通信
人によって違うのって、出なくても出ても......。
○溝口知事
出なくてというのは、あなたの判断なのか、人の判断なのか、それもいろいろな人によって違いますでしょうと、こういうことを言っているわけです。
例えば安全対策も、国はこれでいいと言っているけれども、そうでないと言う人も当然いるでしょう。だけど、やっぱりそれを大勢、いろんな意見がありますから、それを総合的に見なきゃいかんでしょうと、こういうことを言っているということですよ。
○中国新聞
避難の対応ができてないといけないというのは、これまであまり知事、多分言われてこられなかったんじゃないかなと思うんですよね、その運転再開に関することとしてはですね。それをあえて言われたというのは、県としてここの住民がここに逃げるというような避難計画を今つくっているわけですよね。それがまとまらないうちに運転再開を認めてしまうということに対するリスクというか、それはちょっとどうなのかということではないんですかね。だから、逆に言うと、国がそれまでに示すと、県の今の避難計画の暫定案がまとまる前に運転再開を認めるということもあり得るということで。
○溝口知事
暫定案という言葉はあんまり使っていませんけどもね。
○中国新聞
何か暫定的な計画をつくるという......。
○溝口知事
暫定的というか、要するにいろんな準備によって、計画が、制度が変わってくるわけでしょう。だから、とりあえず言っていますのは、例えば松江市の方々は大体この地域のこういう施設に避難をするというような場所としては確保されてるとかね、そういうようなことが必要だろうと言っておるわけでありまして、それも3月末の段階、別に3月末にしなきゃいかんということじゃなくて、3月末という年度で仕切ると、ある程度のとこまでできるようにしたいという気持ちを申し上げてると。
○中国新聞
ただ、どこに行くというのをあらかじめ......。
○溝口知事
ある程度はやっぱり......。
○中国新聞
決まっておかないと、それは認められないだろうという。
○溝口知事
認めるかどうかというところは、そういうことを申し上げているんじゃなくて、いずれにしても、3月末の段階では、今の作業の状況を見ますと、そういうレベルだろうと、こういうことを言っているわけですよ。それで、その後もさらに......。
○中国新聞
まあ継続はされますよね。
○溝口知事
さらに精度を高めていくということですよね。
○中国新聞
その必ずしも運転再開の条件というものではないということですね、リンクしないというか。
○溝口知事
条件だとかいっても、そういうレベルの話を私はしているわけじゃないと、こういうことですね。いずれにしても、県民の方々とか、万が一の場合にどうするというような御関心があるわけで、当然我々もそういう対応も考えなきゃいかんので、そういうこととしてやってきておって、3月末というのは一つの年度の区切りですから、その段階での整理はしましょうということであって、それは暫定案というようなもんじゃなくて、レベルとしては、さっき申し上げたような避難する人、それから場所がある程度あらあら決まると申しますか、マッチングがある程度できると、こういうことですね。
○山陰中央新報
要するにどの程度まで詰めるかという程度は置いといて、そもそも再稼働を認める上での前提条件、判断材料という上で、先ほどおっしゃったのは政府の考え方であったり、電力需給の問題、安全対策といったものプラス、ある程度の避難、万一のときにどうするかというのの、その枠組みが、どこまでとかいう問題は置いといても、やっぱりある程度はそういう中で一式必要だというところですよね。
○溝口知事
それは必要だろうと。
○NHK
先ほど30キロの話で、実際の、超える部分については実際の運用だという話だと思うんですが、要は30キロ圏の40万人の避難先を確保しておけば、事故が起こった際は、その中で超える部分についても対応できるというお考えだとお聞きしてよろしいんでしょうか。
○溝口知事
厳密にそこまでは言いませんが、一定のめどとして、30キロ圏内の万が一の場合に、場所はマッチングできるようにしようということですね。それは、それを実際にどう運用するかというのは、その中で考えていくということですね。
○山陰中央新報
山陽側への住民避難受け入れの件がちょっと核になってしまうんですが、いわゆる広域避難において、やはり原発ですからコスト的には国がその負担を負うというのが原則だろうというところ、それは受け入れ自治体側ですね、山陽側の市町村に島根県として負担を求めることは、それは方針としてしないということでよろしいでしょうか。
○溝口知事
最終的な負担はね。それはできないでしょう。
○山陰中央新報
そうすると、災害救助法とか見ても、事が起これば当然国が負担はなるんですが、起こらないで、事前といいましょうか、備えというところにおいては国の......。
○溝口知事
備えなども、それは国がある程度やらなきゃいけませんね。ただ、それは各場所場所じゃなくて、全国的にどうするかということでしょう。ただ、そういうものについて、まだ国の方は検討が進んでいませんのでね。
○山陰中央新報
そうですね、現状ではまだそうなってないと。そうなったら国に求める。
○溝口知事
それは求めてますね。
○山陰中央新報
やっぱり受け入れ自治体が、その事前のとこですよね、その場合であっても、やはり負担は負わせるべきではないという。
○溝口知事
福島原発の事故の際にどういう問題があって、どういう準備をしておかなけりゃいかんと、万が一の場合。そういうことも含めて、やはり国がきちっと対応しなきゃいかんわけですね。そこがベースですが、そこはまだ十分進んでいませんね。今、除染をどうするかとか、原発事故の収束をどうするかというところに大きなエネルギーを割いていますから。だけど、そういうものが収束していけば、将来に向かっての対策を政府が考えなきゃいかんでしょう。
○山陰中央新報
じゃあ、その事前の部分、備えの部分、備蓄等の部分であっても、やはり受け入れ市町村に新たな負担というのは、やはり負わせるべきではないというのは当然。
○溝口知事
ないでしょうね。
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