知事定例記者会見(10月24日)
質問事項
1.人事委員会の勧告について
○山陰中央新報
今日、人事委員会の方で月例給の1.95%と、期末・勤勉手当の0.15カ月分というのを骨子とする勧告がなされましたが、まずそれに対する知事の今後の対応について、まず見解をお願いします。
○溝口知事
基本的に人事委員会の勧告は尊重していかなければならないものであります。他方で、平成10年代半ばぐらいから県の財政が悪くなりまして、特例減額を財政の健全化のために行ってきております。その過程で給与の特例減額ということもやむを得ざる措置として実施をしているわけでありますが、基本的にやはり職員給与につきましては特別な、今申し上げたような事情がない限り尊重すべきものだというふうに考えております。
人事委員会の勧告は、現行の条例上は平成20年度、21、22、23年度、この4年間を集中改革期間として、我々は健全化に取り組もうということにしまして、その中で給与についても4年間について特例減額を行わせていただきますという条例を出しまして、職員組合、職員団体などとも議論をしながら、議会の承認を得て特例減額を実施してきておるということであります。
しかし、人事委員会の方では、現行の条例が今年度末で一応なくなりますから、新たな特例減額に踏み出さないで、特例減額をないものとして、この人事委員会の勧告をおつくりになったということであります。人事委員会としては、特例減額が平成24年3月に期限を迎えることを機に、職員給与について県内民間給与水準を反映させることという勧告をなされたというわけであります。
私どもとしましては、尊重する立場の上に立って、他方でこれまでの健全化がどのように進んで、今後どうなるかということも大事な要素でありまして、そこら辺はまだ、人事委員会の勧告が出たばかりですから、チェックはまだこれからでありまして、そういう検討した上でどのように特例減額、あるいは人事委員会の勧告をどう取り扱うか決めていきたいと。まだ若干時間がかかりますね。
それから、国の方も24年度の予算編成の作業などもおくれておりますし、そしてまた、国の税制改正などがどうなるかというようなこともあります。そういう動きも見ながら、この人事委員会の勧告を検討していきたいと。ただし、基本的に尊重するという立場に立って検討するということについては変わりないと、従来とですね。
○山陰中央新報
特例減額と人勧の勧告、ちょっと整理してお伺いしたいんですけど、まず人事委員会が今年、ここに来て民間の水準との格差の是正ということで大きく動いてきたという、この考え方は島根県と北海道以外のほぼすべての都道府県では、もう既に平成18年度からやってることなんですけど、この考え方については、やっぱりそこは尊重するというふうな理解でよろしいんでしょうか。
○溝口知事
地域給という考え方はずっと以前からありまして、各県は国の給与水準というよりも、地域の給与の状況とよく比較して、その上で決めるというのが地域給の基本的な考えであります。そういうことで、地域給の導入に動いてきております。
人事委員会の方は、正確な期間はちょっと覚えていませんが、このところ、多分毎年だと思いますけども、勧告以外に報告というパーツがあるわけですね、人事委員会の報告の中に。その部分では、地域給の導入を検討する必要があるということは指摘をしてこられて、今回は特例減額が24年度以降なくなるという、あるいはなくすべきだという考え方に基づいて、その状況で給与全体をどう見るかという、県職員の給与をどう考えたらいいかということを検討されたようです。その結果、特例減額がなくなるということを前提にして、民間の給与と比較をすると、特例減額がなくなってしまいますと上がることになります。それと民間の給与を比較すると1.95%、あるいはそれから特別給で0.15高いので、その分を下げるようにという勧告をされたということであります。
したがって、地域給につきましては、特例減額を今までやっていますから、いわば地域給を超える人も、それよりも低い水準になっていますから、地域給の導入自体は、勧告までの中に入らなかったというふうに理解をしておりますが、特例減額をやめるということになりますと、やはり地域給の考え方を入れて勧告すべきだというふうに判断をされたと。
それから、地域給について見ますと、各県でそれぞれやっていまして、中国5県では島根県以外は実施をしております。こういうのを表で見ますと、平成20年度に岡山、山口、鳥取で地域給を導入して、それから広島県が23年度、本年度ですね。
ただ、この中で、地域給を導入しても、地域給を、従来はやっぱり国の給与との比較はそれだけじゃありませんけれども、大きなウエートを占めていたわけですけれども、地域給を導入すると、鳥取県の場合ですと3%強、国の給与水準から下げるということをやっておりますが、広島県も若干下がると。岡山、山口県ではむしろ上がるという、国の水準よりも高いという、多分勧告だと思いますけれども、出ております。島根県の場合は、現時点で見ると1.95%ぐらい引き下げるのが地域給として適当だという勧告をなされておられるということであります。
○山陰中央新報
私自身は本来、民間の給与水準どうあるかというのは、特例減額とは別個に考えられるべきだとは思うんですが、知事の中で今回の勧告を尊重したいというのは、人事委員会の方は特例減額がなくなることを前提に、今、地域給の導入を、今のこのタイミングで行いたいというような勧告なんですけど、尊重というと、地域給を入れるときは特例減額は、じゃあなくなるというふうな結論がどうも見えてしまうんですが。
○溝口知事
一般論として申し上げているわけですね。特別な事情がない限り特例減額なしと申しますか、いう方が、人事委員会勧告を尊重するのが基本だという一般論を申し上げているということであります。
○山陰中央新報
わかりました。
あわせて、去年は55歳以上の給与の抑制策は勧告に対して見送っておられますが、それは今年は尊重する方向で考えるということで、どうなんでしょうか。
○溝口知事
それも、55歳の場合ですと、多くの方が管理職になっていますけれども、管理職手当の削減というのも一方で行っていますから、管理職の削減によって、その分もいわばのみ込まれているという、ちょっと表現は変ですけども、管理職の減給の方が大きいわけですね。今後、そこのところをどうするかという問題もありますから、まだ具体的に人事委員会の勧告をどうするかということについては、現段階でこうするああするということは、ちょっと難しいと、こういうことであります。
○山陰中央新報
最後に、この件に関しては最後ですが、一方で特例減額の方なんですけど、特別な事情が来年度以降生じるかというのは、国のいわゆる交付税の見通しとかと、県のこれまで4年間の財政改革の成果をどう判断するかということによると思うんですが、知事の中では、この4年間は一応目標は達成して、来年はもう減額するとこまで必要ないというふうに、今、現段階ではどこまで成果については判断を......。
○溝口知事
いや、先の見通しはまだはっきりわからない要素がありますからね。勧告を受け取ったばかりですから、今コメントを具体的にすることはできないと、こういうことであります。しかし、基本精神は従来同様、尊重していくという姿勢であるということを申し上げているだけです。
地域給は、財政健全化の目標、筋道を平成19年の秋につくった段階では、そういうものが想定をされていませんから、将来を見通す場合には新しい要素が入ってきていますから、そういうものも勘案して、将来の財政の収支がどうなっていくかというようなことも見なきゃいけませんね。それから、これまでの4年間に行ってきた、あるいはその前から続いてきているいろんな措置があります。
そういうものによる効果が今後どういうふうになっていくかということも見なきゃいけません。それから国のやはり財政ですね、あるいはそれの中でとられる地方財政対策などがどんな方向に行くのかというようなことも見なきゃいかんということであります。そこら辺はまだ不確かな状況でありまして、できる限り状況をよく見て、また職員組合とも話し合いをよくしなきゃいけませんし、議会でありますとか県内各層各界の御意見といいますか、お考え方なども我々の方でもよくチェックをしたり、そうした上で総合的にどうするかという判断を下したいというふうに思っていますが、まだ若干時間がかかるだろうと思います。
人事委員会の勧告は、いずれにしましても来年の4月1日実施ということでありますから、特例減額が終わった後ということになっています。いずれにしても、それに間に合うようにいろんな手続を踏んでいかなければいけないというふうに思っています。
○中国新聞
関連してなんですけれども、一般の方で6%ですかね、カットされてます。今回2%なので、減額がもしないという前提に立てば、今よりも実際の額は上回るような形になってきますよね。財政健全化というのをずっと進められている中で、かなりここで捻出されている額というのは、多分かなり大きいと思うんですよね。それをどうするかというのを決めていくタイミングなんですけども、県の財政見通しって、大体10月ぐらいに毎年、今年ちょっとおくれるのかもしれないですが、出ますけども、その辺のタイミングについては、一つのタイミングと、あともう一つ、判断の指標となるものというか、ベースとなるようなもの、やっぱり県の来年度の財政見通しが立たない中では判断できないと思うので、その辺を...。
○溝口知事
来年以降も含めて、それは一つの推計ですけれども、その時点で考えられる推計をして、その上で判断していく必要があるだろうというふうに思います。
○中国新聞
来年度単年度ということではなくて......。
○溝口知事
それはやっぱり来年だけじゃないですね。それは将来にわたりますから、不確定な要因はたくさんありますけれども、その中で考えられ得る中心的な見通しと、そういうものを作成をしなきゃいかんということであります。
○中国新聞
具体的なタイミングは。
○溝口知事
財政の健全化というのは給与だけじゃありませんからね、いろんな施策がある、あるいは定員の削減もありますし、経費の節減もありますし、あるいは歳入の増加ということもありますし、いろんな要素がありますから、そういうものを総合的に勘案して、我々の方針を決めていく必要があるというふうに考えています。
○中国新聞
一つの時期としてのタイミング、時期としては、年内ぐらいがめどになるんでしょうか、やっぱり最初の案というか。
○溝口知事
そこはまだ、時期まではあれですが、きょう勧告をいただいたばかりですから、ここで申し上げられる状況にありませんが、いずれにしても勧告は来年4月1日実施ということでありますから、そのための議会の手続でありますとか、いろんな諸準備なんかも考えてやっていくということですね。
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