知事定例記者会見(10月11日)
質問事項
6.原発関連について
○山陰中央新報
政府が検討してる津波防災地域づくり法案というんですか、都道府県知事にこの警戒区域等の指定の権限を与えて、場合によっては建物の移転等も認め得るといったような中身になるようなんですが、かなり都道府県知事への権限や責任というものが多くなって、大きくなって、じゃあ仮に本当に移転等が緩和された場合、その現地に住まれておられる方が賛同いただけるかどうかというのも、ちょっと政府の試みどおりいくかどうかというのも疑問が残るんですが、こういった仕組みづくりというのが政府内で進んでおられるというところは、いわゆる知事として、現場を預かる側としては、どう見られますでしょうか。
○溝口知事
まだ詳細はちょっと私も承知していませんので。
○日本海テレビ
原発の関連なんですけども、年度内に原発の避難計画を、避難させる方針というので県の県議会の総務委員会の方でそういうような方針が出てるかと思うんですが、具体的に、実際に避難するとなった場合に、その作業部会の中でも意見としても出てたんですけども、ある自治体から。実際にその避難される方がどの地域の方がどこに避難されるかというところまで具体的に決めて、30キロ以遠といいますか、離れたところまでということが非常に私自身、印象に残ったんですけれども、その具体性という面で避難のあり方、今のお考えを教えてください。
○溝口知事
そこはまだ作業中でしてね、今の、どこの程度まで進み得るかというのは、その作業の進行にもよりますし、今、大体大まかですけれども、20キロ圏域で住んでおられる方が、鳥取県と合わせて25万人ぐらいおられると。そのうち福祉施設に入所されている方、あるいは病院に入院されている方、あるいは在宅でおられる方、そういう病院でありますとか福祉施設でありますとか、特別な対応をしなければいけない方々の数なんかがわかってきまして、今度はその避難先としては30キロ圏外でどういうところがあるかというのを市町村に照会をし、調べてきておりますが、25万人のうち、島根県で大体24万人ぐらいになるんだろうと思います。これ全部合わせてですけれども。
その避難先として可能な学校の体育館でありますとか公民館でありますとか、上がってきているものを足し上げましても10万人弱ぐらいですから、そうすると14万人相当の方は県外にも協力をお願いしなきゃいかんということになります。県外につきましては、中国5県の知事会でもそういうことをお願いしますので、担当部局から照会等々が行ったときはよろしくお互いに協力しましょうということになっております。その作業も始めておりますが、まだまだそこら辺でどういうところが可能かというところは、これからさらに詰めていかなきゃいけませんね。
それから、それが決まると、今度は20キロ圏内のそういう避難される必要のある方々の数が、30キロ圏内にかかる市町ですね、その市町に対して、おたくの市はこういう施設を一応避難をしていくようにとりあえず割り当てましょうと。それに割り当てて、今度は市の方でどういう避難方法があるのか、バスでやるのか、あるいは自家用車をどう活用するのか。あるいはどこかに避難場所に行く前に集まってやるのか、そういう方法とかルートだとかを決めていかなきゃいけませんね。それで、それは市と同時に県も一緒になってやっていくと。
あと、病院でありますとか、いろんな施設についても同様なことをやっていくわけですね。そうすると、ある程度の先が、避難先、方法等ができてきますと、住民の方にどこまでお知らせするような段階になるかは、まだはっきりしませんけども、そういう手続をすると。
それと同時に、今度は車などをどうやって確保するかというようなことをやり、あるいは当座の防災の用具でありますとか食料でありますとか医薬品でありますとか、そういうものをどういうふうに準備をしていくかというようなことをやっていくわけであります。
それから、そのほかにも、例えば県庁もどこかで指揮をとらなきゃいかんという、その代替地を見つけるとか、あるいはオフサイトセンターがありますね。それからモニタリングのポストをふやすとか、これなんかもやっているというようなことであります。いろんな制約がありますから、年度内に、大まかな市町村ごとの避難先とかが固まり、ある程度そういうことがお知らせできるような状況になるかどうかというのは、まだはっきりはしません。しかし、そういうことを目指して暫定的な案になろうかと思いますけども、やっていこうという考えでいるということであります。
それから、そういう意味では、県の中も、例えば要保護者の方々に対しては健康福祉部でありますとか、あるいは交通でありますと警察の対応、あるいは運送会社の対応、それから食料等々の備蓄とかいろいろありまして、年度内と言っているのは、かちっとした、こういうものになりますというところまでは、やっぱり作業がいろんな要素に依存していますからはっきりはできませんが、できるだけそういうマッチングのようなことができるように持っていきたいなということでありまして、月内にもそうした、もう少し詳細な作業の仕方を、防災対策本部というのを設けましたけども、そこで開催をして、さらに各部署で検討するようにやっていきたいというのが現段階です。
それから、国に対しましては、そういうモニタリングポストでありますとか、あるいはSPEEDIでありますとか、あるいはオフサイトセンターの機能強化、あるいは代替地、あるいは通信網の、通信施設の整備などは国費でやってもらわないといかんところがありまして、我々は全国知事会、あるいは14立地道県と一緒になりまして、国に早く予算措置をして対応できるようにしてくれとお願いしております。まだ政府の方は第3次補正予算、それから来年度予算、まだ詳細を詰めておりませんから、どういう対応がなされるかというのも判然としていません。
しかし、我々は政府に、現実にまだ稼働しているわけですし、それからこの稼働をやめても貯水池に保管をされているわけですから、いろんな対応を政府が早くやるということが大事ですよと、必要ですよということを申し上げていると。
○日本海テレビ
確認なんですけれども、先ほど足し上げて10万人程度弱ぐらいの体育館とか公民館とおっしゃったんですけども、その10万人分ぐらいしかないというのは、これ県内でですね。
○溝口知事
これは県内ですよ。
○日本海テレビ
島根県内で10万人弱ぐらいしか......。
○溝口知事
25万人のうち10万人。施設としてはね。
○日本海テレビ
ぐらいしか県内の公民館、体育館と、そういうことですよね。
それはほかの、鳥取県もそうですけども、基本的には中国、ほかの県に協力という形が基本だということでよろしいですね。
○溝口知事
ええ、お願いすると。
この問題は、原発だけじゃなくて、全国レベルでも津波が起こったときに、各県、各地域で協力しようという枠組みをできるだけやっていこうということでありますから、そういう一環として、相互に助け合うというメカニズムのもとに協力をお願いしていこうということであります。
○日本海テレビ
知事としては、もう10万人弱だったんですけど、もう少し避難先として県内に施設はあるかなと思われましたか。予想よりもやっぱり少なかったですか。
○溝口知事
いや、そこは予想も、やってみないとわからんだろうなと。
○日本海テレビ
で、出てきたということ。
○溝口知事
ええ。
○日本海テレビ
そうですか。
要介護者の方も合わせての10万人ということですね。全部、グロスですよね。
○溝口知事
ええ。要介護者の方とか病院の入院者とか、それから在宅介護の方を合わせると2万人弱ですね。
○日本海テレビ
そういう方は2万人弱だと。それは10万人の中に入っているということですね。
○山陰中央新報
その20キロ圏域の24万人、やっぱり半分以上は逆に言うと県外の自治体にお願いしないと避難先が確保できないというのは、やはり改めて人口集積地からの避難の難しさというか、大変さというのを裏づける数字かなと思うんですけれども、ですから、他県自治体との調整というか、交渉ですね、山陽側等が中心になろうか思うんですが、そのあたりはもう、今センターが具体的に入ってて......。
○溝口知事
そういう接触はやっております。
○山陰中央新報
それで、施設、ここのこういった施設名まで具体的にリストアップって、それは......。
○溝口知事
まだまだ。
○山陰中央新報
知事みずから今後、要請とかということは、現時点ではほとんど......。
○溝口知事
みずから。
○山陰中央新報
知事御自身が。
○溝口知事
それは既に知事会で一般的な、本質的な、5県の知事会の了解はできておりますから、またほかの機会で知事会なんかがありますから、作業の進捗状況をお話ししたりして、さらに協力を願うということもありますけどもね。
○NHK
あと、今月に開かれるとおっしゃった防災対策本部なんですけど、これどういう趣旨でやられるんですか。
○溝口知事
大まかな、県内で対応できるもの、県外にしなきゃいかんもの、どういうことをしなきゃいかんものというのが少しずつ明らかになってますからね、もう少し、その詰めを防災対策本部のレベルでもやって、作業を進めようと。
○NHK
じゃあ、今、総務部でやっているものを全庁的に広げるという趣旨......。
○溝口知事
いや、もちろん事務的には全部、全庁的にやってるんですけども、一回、中間報告も出ましたから、中間報告も踏まえて、さらに進めるようにするための部局長を集めた会議で推進していこうと、こういう趣旨です。
○日本海テレビ
既に両県を入れた原子力防災連絡会議は残しつつ、一方で全庁対策をより現実的に、よりきめ細かくやっていくために防災対策本部というのを今月中に設けるということでよろしいですか。
○溝口知事
いや、原子力防災連絡会議というのも市町村とのあれですから。
○日本海テレビ
それはパラレルで、もう一本そのままあるし。
○溝口知事
それはもう当然ですね。それで各市も自分のとこでいろんなことをおやりになるし、県の部分の作業について防災対策本部で確認をして、さらに進めるようにしようと。
○日本海テレビ
これ、原発って名前はつかないんですね、いわゆる防災対策本部という。
○溝口知事
そうですよ。
○日本海テレビ
原発にも......。
○溝口知事
名称は防災対策本部ということで、前にお話ししたと思いますけれども、災害が起こったら災害への対応をするというので災害対策本部というのを設けますけども、それとは別に......。
○日本海テレビ
常時。
○溝口知事
防災の準備をするための会議を開こうと、会議を設けたということです。
○山陰中央新報
それから年度内に暫定計画、どこまで詰めれるかというのはあれですけど、とにかくできるとこまでというのを出していきたいという、やっぱりその暫定計画をつくる難しさというのは、やはり人口的規模もですし、大部分を他県、他の自治体にお願いせざるを得ないといけない部分があるというのが、やはり1県だけで単独する問題よりか、より困難さが増しているということ。複雑というか。
○溝口知事
そうですね。
それから、さらに具体的にやろうとすれば、それはもっと具体的にやっていかなきゃいけませんけども、それは順次やるほかないですね。しかし、大きな枠組みを設定して、だんだん具体化にいくようにしないと、いきなり具体化のとこからでは作業が進みませんから、第1段階ではこういうふうにしよう、第2段階ではここまで詰めようと、それで第3段階ではというのは、そこはやりながら考えるほかないですね。
○中国新聞
今、接触を、交渉しているというのは、どういうレベルでされているんでしょうか。知事の方から......。
○溝口知事
指示をして、担当部局から他県の担当、危機管理監の系統で申し入れをしていると。
○中国新聞
担当者レベルのということですか。
○溝口知事
担当者というか、担当課長とか。
○山陰中央新報
関連ですが、現状での他県との連携の確認事項というのは、そういう施設が実際にあって、大丈夫ですかということ。その避難先の施設、存在の有無はだれでも確認できるでしょうから、そうやって、避難できる規模かどうかとか、そういった避難が可能な施設かどうかというのを確認したり、一つ一つの施設を。
○溝口知事
それは市町村の方で、まずやっていただいておるわけですけれどもね。もちろんそれから県も、これからそういうところもよく見ないといけませんでしょうが、小さいところとか、そういうところは対象にしませんけども、大体公民館とか学校とかですから、大体の予想といいますか、推測はできると思いますけどね。
○山陰中央新報
今現在、コンタクトをとって担当者レベルでやっていることというのは、具体的にいうと、もう少しやりとり的に言うとどういうことですか。
○溝口知事
市町村に対してどこが利用可能ですかというのを出してもらって、それをチェックしているということですね。その中で小さ過ぎるようなものは外すとか。
○山陰中央新報
すると、避難先の対象を絞り込んでいるというか、可能なものを一つ一つチェックしていると。
○溝口知事
上げていると。
○山陰中央新報
上げている、チェックしてると。
それは、県外についてもですか。
○溝口知事
県外も今、お願いをしていると。だから結局、提供されるところが出してこられるわけですね。
○山陰中央新報
関連して、県外でお願いしているところは、自治体の関連ってどうなんですか、現時点で。
○溝口知事
それは、何といいますか、お互いに協力しようということですね。さっき申し上げましたように、原発だけじゃありませんし、いろんな災害がありますと、広域的な災害に対してはみんなが協力していこうという考えが今回の大震災で浸透していると思います。
○日本海テレビ
じゃあ、中国知事会議の中でそういう話もなさいましたですよね。
○溝口知事
ええ、していますよ。中国5県の。
○日本海テレビ
そこで。そういう種をまかれておられて。
○溝口知事
ええ。
○日本海テレビ
呼びかけておられたし、それを実際、原発で洗ってみたら本当に物理的に足りないとわかってきて、より具体的に、具体的に候補地も決めていくということでよろしいですよね。
○溝口知事
そうですね。
○日本海テレビ
どの市町村の市がこちらみたいな形で決めていくということですね。
○溝口知事
はい、そういうことです。
○日本海テレビ
より詳細にと。
○溝口知事
そういうことです。
○日本海テレビ
いつごろまでにそれを決めていきたいという、めどというか、目標というか。
○溝口知事
だから、そういうものを......。
○日本海テレビ
急ぐ必要もあるかと思うんですが。
○溝口知事
できるだけ早くしてね。
○日本海テレビ
できるだけ早くという。
○溝口知事
はい。それで今度は、それを今度は避難をする市町村にどういうふうに割り当てるかという問題があるわけですね。
○日本海テレビ
割り当てるわけですね、もう。どこが広島とか福山とか。
○溝口知事
もう割り当てる。で、割り当てると、例えばA市は県外のM市に行くと、あるいはL市、L町に行くとかね、そこの施設と。そうすると、そこに避難をする交通手段はどうかとか、どういうルートを通るかということを詰めなきゃいけませんね。そういうことです。
○日本海テレビ
だから、広く防災って途中からおっしゃったんですが、基本的には原発対応のを、まず急ぎながら、まずやるということでよろしいですよね。
○溝口知事
今やってるのは、だから万が一の場合にどういうふうに......。
○日本海テレビ
原発の方に特化した格好で。
○溝口知事
ええ、災害を受けるのを防ぐかという意味で防災と言ったと。
○日本海テレビ
ですよね。あくまでも原発を一番優先してというとらえ方でいいですね。
○溝口知事
ええ。
○中国新聞
具体的な県名なんですけども、広島、岡山、鳥取とか、この辺ですか、この3県。
○溝口知事
とりあえず3県ですね。
○中国新聞
3県ですね。
○溝口知事
山口県の方はなくはないと思いますけども......。
○中国新聞
大分遠いですよね、原発から。
○溝口知事
いや、遠くても、足らない可能性もありますから、優先順位としては近いところがいいでしょうね。
○日本海テレビ
山口は、少しはあるわけですね。
○溝口知事
いや、そこはちょっとまだわかりません。
○日本海テレビ
基本的にはさっきおっしゃった鳥取、広島、岡山あたりを中心と。エリア的な。
○溝口知事
いや、中国、ほかの4県でいいと思いますね。
○日本海テレビ
中国4県だけども、事実上そうなる。
○溝口知事
何というか、近いところで確保できれば要りませんしね。
○日本海テレビ
そうですね。
○共同通信
だから、具体的になるべく早くと言ってしまうと、3月という一応目標を区切ってあると思うんですけれども、その3月というのが何なのかと思ってしまうんですが。
○溝口知事
そこは、どこまで進むか、作業が予測できませんのでね。どこまで行くかは、なるべく早く行くように努力をすると。いろんな具体化まで、道は遠いわけですよ。それをなるべく具体化に近づくように努力をしようと。どこまでというのは、まだわかりませんね。
○日本海テレビ
3月の計画、暫定案の中に県外避難先なんかが盛り込まれる可能性もあると。
○溝口知事
それは入れないといかんでしょうね。
○共同通信
3月というのは、あくまでも一つの目安というか。
○溝口知事
目安ですね。
○共同通信
目安。
○溝口知事
だから、何というか、そもそもどこまで行けるかというのは、どこまでそういう施設が確保できるかとか、あるいは調整がどういうふうに進むかとか、いろいろな不確定な要因がありますから、それはまだはっきりわかりませんから、できるだけ具体的な避難の方法等について詰めるように努力をしたいと。
○山陰中央テレビ
今、住民の避難が中心なんですけども、例えば県庁そのものであるとかオフサイトセンターというところに関しては、どのような計画をお持ちなんでしょうか。
○溝口知事
それも代替地を見つける作業をやっていますけど。
○山陰中央テレビ
それはやはり県内という......。
○溝口知事
県内でしょうね。
○山陰中央テレビ
ですよね。
○NHK
そういったものも3月末という目安になるんですか。
○溝口知事
そういうものも含めてでしょうね。
○山陰中央新報
県外で知事がおっしゃる、いわゆる避難先の選定、確保というのは、いわゆる例えば何とか県の何とか市、何とか町という自治体レベルなのか、さらにもう一歩具体化して......。
○溝口知事
施設です。
○山陰中央新報
施設名まで、何とか体育館とか......。
○溝口知事
それでないと、割り当てられたところが作業ができませんから。
○日本海テレビ
主には体育館と公民館中心ということ。
○溝口知事
そうだろうと思いますけども。
○日本海テレビ
主立ったところ。
○溝口知事
ええ。まだ、いや、ほかにも......。
○日本海テレビ
ほかにあれば、また。決めちゃう、主立ったところですね。
○中国新聞
要援護者の方なんかは、施設間の移動みたいなのもあると思うんですけど、それもやっぱり同時に依頼してるわけですか。
○溝口知事
ちゃんとそれらも、今の一般的な話とは別に作業を進めていると。
○中国新聞
わかりました。
○溝口知事
あるいは病院もですね。
○山陰中央新報
それは、繰り返しになりますけど、要援護者とか入院してる方が県外の施設に行くケースというのも当然考えられると。
○溝口知事
それは、場所がなければですね。
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