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知事定例記者会見(10月11日) 

質問事項

1.1人別枠方式廃止案について

 

○山陰中央新報

 先週から衆議院の1票の格差の問題で、民主党の方で1人別枠方式を廃止する方向で通常国会に法案提出するという方向性で今、3党で調整が行われているとこですが、自民党も同調するという報道も一部でなされてますが、知事の方は、改めてそういう方向でもしまとまるとすればどういうふうにお考えかというのを、今の段階のお考えを改めてちょっと聞かせてください。

 

○溝口知事

 衆議院と参議院は若干違うんでしょうかね。参議院の場合については、一つの案が合区といいますか、2つの県なんかで1議席というようなことでありましたから、それはやはり行政の単位でいろんな違いがありますから、そういう面で人口の少ないところでも1県1人は代表が出るということが望ましいだろうというような意見を申し上げましたけれども、衆議院の方は多分そういうことにはならずに、最高裁の判例、判決ですか、に基づいて格差が広がらないようにする一つの手法として提案をされておるようですね。そこはだから、どういうふうに各選挙区の格差をなくすかという問題でありますから、いろんな案があると思います。

 

もう完全に人口比例に近いようなものにした方がいいというものと、やはり各県で大きな差が出ないようにした方がいいと。結局その中でどういう選択をするかということでありますから、国会の中で議論をされて決めざるを得ないと思いますが、参議院のように議席がなくなるわけではないと思いますけども、それにしても、人口割だけではいかがかなという感想は持っておりますね。

 

○山陰中央新報

 そうすると、1人別枠方式というもののやっぱり理念と実態というのは、やはり何らかの形で生かされるべきだというふうにお考えなんでしょうか。

 

○溝口知事

 そうですね、都道府県間で人口比例割の要素が強くなるということについては、国の政策といいますか、物の考え方としていかがかなという感じがしますね。人口だとかも、国の政策によって動いてきているところもありますから、大都市の方が整備を、いろんなのを進めると。そうすると、そちらに人が集まってくるといったような、そういう方向だけでいいのかという問題などにも、今は配慮しなきゃいかんような時代にもなっているんではないかという気がいたします。

 

○山陰中央新報

 そうすると、もともと国の政策が、それがすべてではないでしょうけど、それがもとで大都市に人口が集中するような政策をとって、結果そうなったから議員の数を、これだと余りにも筋が通らないと。

 

○溝口知事

 さらにというと、さらにというか、一定の限界があるんじゃないかなという気がしますね。

 

○山陰中央新報

 そうすると、地方にいわゆるいろいろな政策面で配慮しないといけないというときに、別枠方式の廃止というのは若干逆行するというふうに。

 

○溝口知事

 単純にと申しますか、これは私の素人の考えですけども、人口割だけが非常に大きな要素となりますと、ますますそういう方向に進んでいくことを、何か進めるような方向になりますね、考え方として。ある意味で、やはりそれは人口が多いところ、人口に応じてある程度発言力が確保されていくということは、基本的には必要だと思いますけれどもね。

 

 他方で、人口の少ないところが非常に少なくなると、あるいは参議院の場合の一つの案ですと、1県を代表するところがなくなるというようなところまで行くのは明らかに行き過ぎじゃないかなというような気がしますしね。

 具体的な考えがあるわけじゃありませんけども、やはり日本全体の発展の仕方とか、単純に人口だけということじゃなくて、もうちょっとほかの要素も考えるようなことはできないのかなと。

 

○山陰中央新報

 他の要素というのは、具体的に例えば定数全体を削減するとか、いろんな方法があるかと思うんですけど、他の方法......。

 

○溝口知事

 削減する場合でも、やはり複数の人がその地域を代表するといったようなことが望ましいだろうなというような気がしますね。

 

○山陰中央新報

 衆議院の場合はと。

 

○溝口知事

 衆議院の場合においても参議院の場合においてもですけどもね。

 

○山陰中央新報

 先ほど特に今、地方への配慮をしないといけない時代だというふうにおっしゃった。これは常々おっしゃっていらっしゃる分散というか......。

 

○溝口知事

 地方というか、日本の発展の仕方ですね、発展の仕方。どんどん人口が大都市に集中するような効果を持つわけでしょう。例えば地方を代表する人の数が少なくて、大都市で生活する人の数が多くなると、大都市にとっての政策というのがやはり国会とかの場で議論されるときに、そっちにウエートがかかっていく傾向が出てくるんじゃないでしょうかね。

 

○山陰中央新報

 特に大震災でやっぱり都市の脆弱さというのもあらわになって、改めて地方分散というのも......。

 

○溝口知事

 そういうとこまで具体的なことを申し上げてるわけじゃありませんけども、一般的な国の発展の仕方としてですね。

 日本も、長い歴史をとってみますと、そういう変遷があるわけですよ。必ずしも一つの大都市のところがどんどん大きくなるということじゃなくて、そうでない時代もあったわけですね。

 


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