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知事定例記者会見(4月28日)

質問事項

3.原子力発電所の問題について

 

○山陰放送

 全国知事会の前に原発立地県の9県知事で集まられてお話しされたと思うんですけれども、この中でどういう共通認識が持てて、今後、この会でどのように島根から発信していこうとお考えですか。

 

○溝口知事

 9県知事の会合は、原発所在地の知事の協議会というのがありますけども、その中で予定のつく、都合のつく県が集まって意見交換をしましょうということで、先日行われたということです。だから、公式に何かを決めるというようなことじゃなくて意見交換ということでありますが、やっぱり一つの共通した考え方は、今回の原発の事故の、その原因究明、どういうものがあの事故を起こすことになったのかと。それからそういう原因をある程度踏まえた上で、こういう対策をとらなければならないということになります。そういう対策をとるためには、一定の基準といったものが必要になってまいります。そういうものをどういうふうに考えるか。そういう検討が進んで、基準に応じたいろんな追加の手当てを国から電力の事業会社に指示をして、そういうものをして、今後どうするかということにならないといけないと。

 

 しかし、そうした原因究明も短期間に全部はなかなか終わらないでしょう。多分専門家が相当な時間をかけて現場を見たり、いろんなことをした上でやらないといけません。それからそれに対する対応もいろんなものがありますね。多分非常に大きな原因に対応するもの、小さい原因に対応するもの、いろいろあるでしょう。だから、そういうものが100%と申しますか、完全にといいますか、できるのには相当時間を要するだろうと。しかし、それを待って対応するというのじゃいかんわけですね。現実に日本の電力の3割、地域によっては4割、5割、原子力発電に依存していますから、そういう状況を考えると、すぐに全部、今動いているのをとめるということにはなかなか、難しいという状況がありますから、そうすると、現時点でも津波による影響、それによる電力系統の故障、そういうものが大きな原因であるということはある程度わかっていますから、そういうものに対する暫定的な対応をまずしっかりやると。その上で中・長期的な問題にも対処していくというような、ある意味で当たり前の考えですけれども、そういうものは共通してみんな持っているように思いました。

 

 それから、今度は事故による避難とか、そちらの方もこれまでの防災計画では考慮してないわけですね、20キロ、30キロに及んでいますから。そういう防災計画の見直しのようなものも、やはり国が防災指針をきちっと直しまして、今回の新しい経験、新しい知見をもとに直していく必要があると。しかし、それもやっぱり完全なものができてくるには時間をきっと要するでしょうから、しかし、それまでにできることはどんどんやっていこうというようなことでありました。大体私が、この問題が起きてから皆さんにもお話ししておりますけれども、各県とも似たような考えをお持ちだったという感じがします。

 

 それから、その関連で、今動いている原発をどうするかというのは、各地によって状況が違います。4割、5割依存しているところ、あるいは東京のようにかなり依存して、もう予備能力がないところは、今度は節電という形でいろんな影響が出てますわね。そういうものとの兼ね合いをどうするかという、各地で状況は違います。

 

 私の方は、中国電力の場合は原発の依存度はそう、ほかの地域と比べて高くないわけでありますが、私はそういう問題については中国電力自身の問題もありますけれども、日本全体の電力供給というような観点から、やはり国が動いているものに対してどうするかといったような対応もきちっと示してもらいたいと。そういうものと当面の経済活動とかの関連についても、国がどう判断しているのか示してもらいたいというようなことを言っておきましたが、そこはだから県の事情によって、地域の事情によって若干違いがあるなという感じはしました。

 

○山陰放送

 ただ、知事会の中でもエネルギー政策の転換について協議するような本部を立ち上げる方針が出たと思うんですけども、そこについてはどういう考えで臨んでいこうと......。

 

○溝口知事

 それも、結局原子力発電、ああいう想定しないような大事故になったわけでして、それによる大きな影響が及んでいるわけですね。そうすると、原発自身の実質的なコストというのが他の代替エネルギーと比べてどうなのかというようなこともよく考えなきゃいけませんね。そして、代替エネルギーといっても、どの程度のタイムスパンでそういう代替エネルギーを増やしていけるのか、あるいはそのコストがどうなのか、そういうようなところがまだ皆目わからないわけですね。そういうようなことをやはり日本全体としてよく検討していかなきゃいかんと。その際に、代替エネルギーの方をどんどん拡大するというのは、可能であればみんなした方がいいということでしょうが、それができるかどうかというところがやはり大事なポイントで、そこら辺はなかなか、国なり、あるいは専門家の方々のそういう検討を踏まえてしませんと、やはり総合的に見るほかないと。しかし、そういうものがまだ見えません。そういうことをしっかりやってもらいたいということです。

 

○中国新聞

 ちょっと今の原発に関連してですけども、島根の固有の状況ということでいきますと、1号機が点検を終わって運転再開を中電は予定をしているわけですけども、それについての地元の県としての同意というのは、国のエネルギー政策の判断が出るまでは、県としては判断できないという考えですか、今の段階で。

 

○溝口知事

 原子力の問題は、新しい知見が時間の経過とともに出てくるわけですよね。やっぱりそういうものを取り入れて安全対策というのを改善してきている歴史があるわけでして、今回は、今までの安全基準を超える地震が起き、想定しない大地震やなんかが起こったわけですね。しかし、起こっておるわけですから、そういう新しい事態に対してどう対応するか、そういう対応が当面の問題としてどの程度しなきゃいかんのか、あるいは、それもどういうタイムスパンで見るかということにもよりますけども、そういう新しい知見のもとにおいて、新しい対応というのをいずれにしてもやらなきゃいけません。それで、それは経産省の方で3月30日に通達を出して、各電力に求めているわけですね。それから各電力もそれに応じていろんな対応をしていますね。その評価がまだ出ていません。もうちょっと時間がかかるようですね。

 

 私の方は、そういう問題があるので、前々から申し上げていますけれども、3月11日の翌日から、中国電力に対しては津波対策なんかが必要だということはもう明らかなので、そういう対応を早く検討してもらいたいということでずっとやってきております。それで、そういうものについても国の検査がさきおとといですか、入って様子を見たりしていますから、そういうものを踏まえて、国がやはりどういう判断をされるかというようなものを我々もよく聞かないといけません。まだそこまで今至っていませんから。

 

○中国新聞

 国の判断を......。

 

○溝口知事

 判断というか、国がどういうふうに評価されるのか、それで我々はそれに対していろいろ聞かなきゃいけませんね、どういう根拠なのかとか。あるいは電力にも聞かないといけない。あるいはほかの地域での対応もわからないといけません。だからやっぱり当座の問題についても専門家のいろんな当面わかる事実から出てくる必要な対策等についての考え方をやはり国が示して、それを電力会社がやって、そういうものに対して我々も例えば県の原子力顧問とかおられますから、専門家の意見なども聞いて考えていくということじゃないでしょうか。

 

○中国新聞

 それが示されるまでは、県としては判断しないと。

 

○溝口知事

 とてもあれですね。

 

○新日本海新聞

 最終的には知事が同意されて動き出すということになると思うんですけども、現段階では、要は白紙というとらえ方でよろしいんでしょうか。

 

○溝口知事

 わかりませんね、どういうスケジュール......。

 

○新日本海新聞

 何も出てない状態だからということで。

 

○溝口知事

 ええ。もちろん松江市もあるでしょうしね。


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