知事定例記者会見(3月29日)
質問事項
1.原発再稼働等について
○山陰中央新報
昨日、経産省の原子力安全・保安院が島根原発、各地の原発について、活断層の再評価をもう一度、連動等の可能性ですね、電力会社に考慮を求めたというところです。
当然島根原発のいわゆる安全性というとこにもかかわってこようかと思うんですが、知事、島根原発の再稼働の課題では、当然安全性が前提ということだとおっしゃいましたが、再稼働判断に、やっぱりこの断層の、活断層の連動の再評価、こういった備えるということが再稼働判断の条件の一つに入ってくるんでしょうか。
○溝口知事
それはなりますね。
○山陰中央新報
なりますか。
○溝口知事
それで、保安院では、いろんな問題について専門家の人とかを集めた会合を、やってましてね、その中でこの問題も取り上げられたということです。
きのうの話ですと、鳥取県側の海ですね、日本海に断層があって、それをもう少し西の方に伸ばして評価をすべきだという意見があり、それから原発の前面の海に、もともと断層があるわけですけども、それと近接している断層との連動性も考慮して評価をし直すということのようでありまして、それが行われると。当然そういうことで、そういうものを踏まえた安全評価が行われるということになります。
○山陰中央新報
県としては、その再稼働否かという判断は、その再評価の結果を見ないとということに......。
○溝口知事
それは当然そうです。国でやりますから、それを見て、国が判断をまずされるでしょう。
○毎日新聞
原発の関連の話なんですけれども、関西電力の福井にあります大飯原発の3、4号機について、新聞報道などあってますけれども、再稼働が今注目されていますけれども、間もなく野田首相や枝野経産大臣なんかが集まって再稼働に関する閣僚会合を開くんではないかという話が出ているようですけれども、大飯をめぐってはいろいろと再稼働について、福井県さんなんかもいろいろと安全性の確認ができてるのかとか、安全基準がどうだとか、そういうような話はありますけれども、知事、福井の話とはいえ、今後、原発の再稼働についての先例になる可能性もあるということで、島根にとっても見逃せない話だと思うんですけれども、知事、今回の大飯の話をどういうふうに感じてらっしゃるか、どういうふうに評価してらっしゃるか、国に対してどんな注文があるか、そういうようなところをお伺いしたいんですけれども。
○溝口知事
そちらの方は、まだ具体的にどういう話がなされているかというのは公表されていませんからよくわかりませんが、原発立地道県の対応は年末にまとめまして国に出しておりますし、そういう過程で原発立地道県の考え方というのは、基本的な考え方は整理されて、そういうものに基づいて国に安全対策も求めておりますから、そういう中で国とのやりとりが行われているというふうに思います。我々の方も福井県とは、知事とも、いろんな機会で話をしたり様子を聞いたりすることもあります。そういう中で聞いていますのは、やはり原発の安全対策につきまして知事会としてまとめているものがありますから、そういうものに基づいていろんな話をされているというふうに私は感じております。
○毎日新聞
新しい安全基準ができていない段階で、県内のものではないとはいえ、原発が動く可能性が今あると。それは恐らく今後、島根の島根原発が再稼働が今後行われるとしても、それっていうのは大きく影響してくると思うんですけれども、その新たな安全基準ができていない段階で原発が動くかもしれないと、仮定の話になってしまいますが、そのことについてはいかがでしょうか。
○溝口知事
そこら辺のところの詳細はわかりませんが、福島原発で一定のところはわかるわけでしょうから、そういう範囲でいろんな対応もされておりますし、それから原子力規制庁の発足がおくれますから、保安院、安全委員会の方で引き続き検討されておりますけども、そういう中で新しい知見なども当然、安全評価の中に、先ほどの活断層の話なんかもそうですけども、入っていくんだろうと思います。ただ、現段階では状況はわかりませんが、わかる範囲内での評価の仕方でありますとか、それはある意味での基準になるわけですけども、そういうものは当然強化されるなり変更されていくんだろうというふうに見ております。
○毎日新聞
今回の一つの流れ、先例としての福井の流れを見て、国に対して改めて何か注文であるとか、そういうふうなものっていうのは、知事は特にありませんか。
○溝口知事
それは、要するに新しい項目としては年末に、これは詳細に整理をしてありますから、その考え方に基づいてやっていくんだと思います。
○NHK
ちょっと繰り返しになるんですが、先ほどの断層の評価のことについて、こういった評価が出たということに対する、こういった西側に伸ばしていく断層で改めてもう一回評価しなさいという知見が出たことに関する御所見と、あと、それについて中国電力側にどのようなお答えを求めるかということでいうと、どうお考えでしょうか。
○溝口知事
きのうのやりとりの中では、専門家の方々の意見の中でそういうものがありましてね、ずっと保安院は去年以来、そういう専門家の会合を何度もやっておりまして、そういうことを踏まえて、6電力でしたかね、活断層の長さを長くして評価をし直すとか、そういう指示を昨日したようですね。中国電力もその指示に基づいて評価をするといったことを表明していると、その会合の場でですね、そういうことを中国電力から聞いて、報告を受けております。したがって、その方向でなされるということだと思います。
○山陰中央新報
昨日、年度内では恐らく最後の原子力の防災連絡会議がありまして、改めて席上、鳥取県の城平局長からも、首長同士による意見交換の場を設けてはどうかという提案がありまして、知事も首長会後、やっぱりそういった御意向を示されてましたけれども、その首長同士の、同じ席になるか、あるいは別途設けるという格好になるかわかりませんが、今の見通しというか、ビジョンというのは。
○溝口知事
それはいずれやっていきますけど。ふだんは、その都度、それぞれ3市長とか、あるいは個別にとか、あるいは鳥取県の平井さんとも電話だとかいろんなことでやっておりますけどもね。いずれにしても、関係する周辺の市、県、よく話を我々もお聞きし、そして共同してやっていかなければならないと。したがいまして、事務レベルの会合だけでなく、市長といいますか、が集まってやる会合もいずれ開きますけども、そこはそれぞれ議会があったりしますから、これから新年度になって考えていこうというふうに思ってます。
○山陰中央新報
まだ初会合の具体的な日程というのは未定なんでしょうか。
○溝口知事
まだ未定です。
○山陰中央新報
その想定されるテーマといいましょうか、首長同士で、これをやはり話し合いたいというような議題というのは、今、知事の頭の中にはどういった事柄が......。
○溝口知事
今やってますね、避難対策をどういうふうにして行うかとかね、そういう問題でありますとか、原発の安全性等についての問題でありますとかね。意見交換をいずれにしてもすることが、集まってやるということも大事だと思います。
○山陰中央テレビ
周辺自治体との連携という意味で、今、大飯で、大飯原発の再稼働をめぐって、どこまでを地元と位置づけて了解を得ていくんだという議論がありますが、島根原発で同じような議論が起きたときに、当然島根県と松江市が地元ということになろうかと思うんですが、それ以外の周辺市において了解を得るか得ないかというところ、問題になってくると思うんですけど、国がどういう姿勢を示そうとも、知事としてどの程度意見を聞いていかれるのか、またそれを一部ルール化をという声も上がっていましたが、そのあたり、どの程度反映させていかれるようなお考えですかね。
○溝口知事
程度というか、そこは具体的には難しいけど、よくやっぱり聞いていかなければいけないというふうに基本的に思っています。
○山陰中央テレビ
それは必ず島根県として意見を述べるタイミングが来ると思うんですけど、そこにおいて例えば雲南市、安来市、出雲市などの意見も十二分に勘案されると。
○溝口知事
十分によく聞くということですね。それで、その上でやはり総合的に考えていくということですね。
○山陰中央新報
知事の考える地元の範囲というのはどの辺でしょうか。いわゆる地元というのは、どこまで、島根原発ではどこまで......。
○溝口知事
地元というのは周辺全部ということ。
○山陰中央新報
いわゆる30キロ圏の6市はやっぱり地元と......。
○溝口知事
はい、そうですし、ほかでも意見があるかもしれませんね。要するにやはり関係が出てくる可能性のあるところ、それはなくても、いずれにしても意見はよく聞かなきゃいかんと思いますね。
○毎日新聞
すると、当然地元の中には鳥取県も入るということですか。
○溝口知事
地元というか、周辺ということでは、もう。地元というのは周辺という意味ですけども、当然入りますね。
○毎日新聞
原発立地地イコール地元というお考えではないということですか。
○溝口知事
それは定義の問題でありましてね、立地地、立地県もあるし立地市もあるし、それから立地市を超えて影響が及びますからね、そういうのを広く、地元というのは関係がある場所という意味で使うこともありますし、立地の場合で使うこともありますし、そこは文脈によって判断してください。
○山陰中央新報
少なくとも知事が責任範囲の島根県内の自治体は関係市である、関係市町村であるというふうな......。
○溝口知事
いや、それは鳥取県もやはり、万が一の場合は影響を受けたりしますから、そういうところの意見も聞かなきゃいけませんね。いずれにしても、国自身が聞かなきゃいかんでしょう。我々自身も聞きますけども、国がそこは全体を聞いて、最終的には国が判断をせざるを得ないですね。
○毎日新聞
同じ流れの話になりますけれども、先日、市民団体や自治労さんなんかが、県本部なんかが30キロ圏内の住民に対するアンケートをやってらっしゃいました。その中で、いわゆる原発安全協定ですね、再稼働や新規稼働についてのいわゆる地元了解を島根県、松江市以外の周辺市にも与えるべきではないかという声が回答の中で8割近くを占めていたという結果を公表、団体さんが公表されてらっしゃいました。市民の中にはそういう声も多いという結果が出ている、アンケートでは出ているわけですけれども、知事は、そのお考えについて、どういうふうに思われますか。
○溝口知事
そこはちょっと詳細を知りませんけども、いずれにしても、地元に意見というか、周辺の実際の意見というのは、現在のところ、立地県と立地市とか、そういうことになっていますが、国はやはり国全体として最終的に原発のその地域の再稼働を考えるときには、当然立地県だけ以外のところの意見を当然お聞きにならなきゃいけませんわね。だから、立地県をスルーして意見が通ずるでしょうし、立地県をスルーしないでダイレクトに国に当然伝わると思いますよ。それで、いずれにしても、最終的な判断をするときに、国がそういうものを総合的にどう判断するかという問題だと思いますね。
○毎日新聞
安来や雲南や出雲に事前了解の権利を与えるべきではないかという住民の声に対しては、どう思われますか。
○溝口知事
そこはまだあれですね、それは意見といっても、どういう意見なのかということがちょっとわかりませんね。例えば議会なりとか、そういう関係は一体どうされるのかとかですね。例えば島根県ですと、やはり県の意見を言うときには、議会でも議論して、議会もそういうことだなというようなことで出すわけですね。松江市もそうです。だから、それぞれが出すということは、要するに国に対しては可能なわけですよね。周辺市、立地市、立地県以外におきましてもね、影響が及ぶというところにつきましては。だから、そこを、その周辺でどうするかというのは、また別な問題としてあると思いますけども、そこにつきましては、国がどういうふうにおやりになるかということも関係すると思いますね。そこら辺がちょっとはっきりまだしませんから。
○毎日新聞
安全協定は、自治体と中国電力が結ぶものですよね。
○溝口知事
そうですね。
○毎日新聞
で、ある意味、地元了解というものが、国の判断、さらに国の判断よりも、やはり地元ということで重みがあるものということで、これまでの原子力発電所の稼働であるとか、そういうところでは大きな力を持っていたものだと思うんですけれども。
○溝口知事
そこは、だから国の意思決定をどういう形でするかということとも関連をしていますからね、我々だけではなかなか、決めて、それが実効性あるものかどうかということは難しいですね。
いずれにしても、国はいろんな意見をよくお聞きになって決定をされるわけですよ。そのチャネルはいろいろあるということだと私は思いますけどもね。
○山陰中央新報
関連ですが、その話だと、国が判断する場合は、県を飛び越えて周辺自治体の声にも耳を傾けながら国として判断してほしいという意味ですか。
○溝口知事
いや、それはされるでしょう。
というのは、今、そこら辺の問題は整理がついてないわけですよ、福井にしても。しかし、そこは国の方でも一定の考え方のようなものはお示しになっておりますけれどもね、確定はしておりませんね。だから、国は個別に、福井の場合でも周辺の県などに説明に行くというような話をしていますから、当然説明をされるというのは、そこで意見を聞かれるということじゃないですか。
○山陰中央新報
それは、目に見える形で直接、例えば国の人が雲南とか出雲に赴いて説明会として意見を聞く会を開くというか、そういう場が望ましいというところ......。
○溝口知事
いやいや、そういうことを申し上げているわけではありません。そこは、例えばこの前、安対協で3市の代表の方もオブザーバーとして入っていますけれども、これからそういう場でも意見を言っていくということは可能だと思いますよ。
あるいは、去年は余りありませんでしたけども、安対協以外の住民の方々なんかの意見を聞く会なんか催しましたね、そういうところにはいろんなところからも来られるわけでしてね、そういうところでも意見を言うということは可能なわけです。
だから、私どももできるだけ広く意見をやっぱり聞いていこうというふうに思ってます。
○共同通信
再稼働をめぐっては原発の30キロ圏内ということで、島根及び鳥取の話がよく出るかと思うんですけど、大口の電力受給者の割合とかを見ると、原発の要するに利益を享受しているのは主にやはり広島なり山口なり岡山なりという、そっちの県だと思うんですけど、そっちの方のお話というのがあんまり入ってこないという気が私個人はしていまして。広島とかですね、岡山とか山口県とかの、そういう工場とかがたくさんあって電力需要に関して要するに利益を享受している県ですね、中国電力の管内で。そちらの県の動向というか、話というのが、山口県の上関の話は別にして、余り聞こえてこないのかなというのがあるんですが、知事のそういうネットワークの中で、例えば広島とか岡山県の方で原発に関して知事がどういう考えているのかとかという話というのは、そういうのは聞かれたりすることはあるんですか。
○溝口知事
そういう県の、だれの話ですか。
○共同通信
知事でいうと、知事同士のそういう集まりとかというので。
○溝口知事
知事ですと、知事会の場とか中国5県の知事会の場だとかいろいろありますが、原発の問題なんかですと、知事会自身が議論していますからね、そういう場でやりますが、そういう場でまとめたものは、先ほど申し上げましたように、12月に相当詳細な申し入れを国に対して行っております。ただ、地域といっても、県といっても、いろんな方がおられますからね。それはまた、例えば経済界は経済界として、それも国に対してダイレクトに話をされたり、あるいは広島県の知事さんに言ったり、あるいは中国電力に言ったり、それはいろいろあるわけですよ。今の原発所在地及び周辺の話は、安全対策に絡みまして、そういう枠組みをつくってやっておるということです。だから、その枠組みがないと意見が伝えられないということじゃなくて、それは一つのチャネルですね。
○山陰中央新報
話が変わってしまいますが、福井県の原子力安全専門委員会の委員さん方が、関西電力との関係が深い団体からかなり寄附金を受け取っておったという報道がありました。島根県にも原子力安全顧問と呼ばれる方がいらっしゃるんですが、こういった方々が、ちょっと中電さんがそういう関係団体、それ自体持ってらっしゃるかどうか、ちょっとわからないんですが、そういった不適正な関係があったかなかったかというところの把握をしてらっしゃるのかというところと、例えば選任に当たり何かそのあたりも調査したとか、あるいはこれから実施しなければならないとか、その独立性というところで、顧問さんの中立性というのは、どの程度まで県として把握してらっしゃるんでしょうか。
○溝口知事
まだそういうことはやってません。
○山陰中央新報
今後、何か調べないといけないといったような必要性は......。
○溝口知事
それは、いろんな状況を見まして考えます。
○朝日新聞
島根原発の3号機についてお伺いしたいんですけれども、先般、首相は当初、新規の建設は困難であるという見解を示されていて、先日の委員会の方で90数%建設が進んでいる原発もあって、個々にその進捗というのを踏まえる必要があるというような趣旨の発言をされてるんですけれども、そういう意味では、島根原発3号機というのは、まさにこれに該当していることなのかなと思うんですが、知事のこの今、3号機に対する御見解と、首相のこういう現在の見解に対して感じていらっしゃることをお伺いしたいんですが。
○溝口知事
そこは、それ以上、何ら国の方からは話がありませんから、今、急にどうするということでもありませんから、まだ完成しているわけじゃありませんからね、国の対応をよく注視をしていこうということであります。
○朝日新聞
まだ判断材料がまだないということですかね。
○溝口知事
判断材料というか、国がどうされるのかわかりませんね。
○朝日新聞
進捗率というところは、理由にはなりませんか。つまりほぼもう完成している状態だと思うんですけども、で、全然進んでないところと、また条件が違うと思うんですが、そのあたりは、ゴーサインを出す出さないというのは関係ないわけです、県の安全対策だったり......。
○溝口知事
いや、工事が進んでないとことの差はありますけども、動くまでには技術的なまだチェックがいろいろ、相当あると思います。再稼働の問題以前にですね、あるいは稼働の問題以前に。
○朝日新聞
そのあたりの国の判断、対応というのを......。
○溝口知事
いやいや、それは手続がまだ随分ありますから。
○毎日新聞
3号機の運転開始についての判断については、それは出雲や安来や雲南、もしくは、もしかしたらそれ以上遠い市や町からも何らか意見あるかもしれませんけど、そういうものも聞かれるんでしょうか。
○溝口知事
それは聞かないといけませんね。同じことですよ。
○山陰中央新報
中電の苅田社長が一昨日、電力供給計画の発表に合わせた会見で、夏は原発なしでも、夏場の安定供給、何とか火力の代替で乗り切れるんじゃなかろうかという見通しを示されましたが、火力発電のフル稼働であるとか、あるいは気象条件等に左右はされるという条件つきではあるんですが、夏場は理論上、原発がなくても供給はできそうだという見通しをされました。これも原発の再稼働を考える上で、知事がおっしゃる電力需給ということにかかわってこようか思うんですが、この社長の見通しが島根原発の再稼働判断に与える影響というか、知事のお考えに与える影響というのはどういうふうに見てらっしゃいますでしょうか。
○溝口知事
まだわかりませんね、それは。それは昨年並みの夏の温度であればということですよね。一昨年並みですとどうなのかというのは、まだそこははっきりしませんね。
この見方は、去年の11月に国が発表したのとあんまり変わらないわけですよ。そういう意味では、あんまり大きな予測が変わったということじゃないと思います。まだ不確定な要因がありますし、たしか連休明けぐらいにもう一度、見通しを出されるんじゃないですか。
○山陰中央新報
その連休前後の、出し直すといいましょうか、改めた供給計画を再度確認するということですね。
○溝口知事
それはやっぱりよく見る必要がありますね。
○中国新聞
島根原発の1号機なんですけども、運転から丸38年がたちまして、国が今、原則40年運転というふうに言ってるんですけども、それを踏まえて、改めて知事の高経年化した原発に対するお考え、国にどういうことを示してほしいということも含めて、ちょっと改めてお聞かせください。
○溝口知事
高経化の問題は、ずっと私が言っておりますけども、科学技術の進歩は非常に早いわけでして、炉自身が安全だという面と同時に、どんどん進歩した技術が古いものには備わってないわけですよね。そういう面からも、要するに高経年化の問題も考える必要があるんじゃないかということですね。そういう問題については、まだ政府の方は方針を具体的に示しておられませんね。一つは、原子力規制庁になったときに、どういう規制を行うかという検討も並行して行われておりますけども、そっちの作業が、法案の審議もおくれていますし、まだ進んでない印象を持ってます。いずれにしても、そういう問題は具体的な政府の考え方などが示される過程で、島根県としても、あるいは原発立地道県としても、よくチェックをして、必要に応じ、国に意見を言っていくということだと思います。
○中国新聞
40年という一つの区切りですよね、これに対しての今の知事の所見というのはどうですか。
○溝口知事
それは技術的なことは私からはできませんが、細野大臣は、非常に40年というのを厳格にする、言葉はちょっとはっきり覚えていませんが、考え方をお示しになっておられますけどもね、そういうことがどういうふうに具体化されているのかというのをよくチェックをしていきたいというふうに思います。
○毎日新聞
原発の避難計画なんかについての話で少しお伺いしたいんですけれども、昨日、連絡会議でいろいろと住民や要援護者の避難についての話が出たんですけども、一つ、ちょっと別の視点で、観光客の方が原発事故が起こったときにどうするのかという問題もあると思うんですけれども、例えば今年でいうと、古事記1300年ということで、知事も非常に力を入れてらっしゃる神話博しまねがありますよね。その中で、県としてもたくさんの観光客の方に県外から来ていただきたいという思いでいろいろと推進活動をやってらっしゃると思うんですが、もし神話博しまねをやっているとき、多くの観光客がいるときに原発事故があった、そして大きく避難をしないといけないという状況だって考えられなくはないと思うんですよね。そのときに、観光客の皆さん、来てくださいよというのは県としては非常にアピールしながら、避難するのは勝手に避難してくださいというわけにはいかないと思うんですが、その辺について何か、観光客をどうやって避難させるかというようなところを検討される御予定はありますか。
○溝口知事
それは一般論としてしなきゃいけませんね。それはいろんなところに外部の方もおられますから、そういう方々にも情報が通ずるようなことをしなきゃいけませんね。それから必要な支援をしないといけないでしょう。
○毎日新聞
具体的に何かそういうことについて、観光客について指示されたところはありますか。
○溝口知事
それも今はありませんが、いずれそういう問題も検討してまいります。
○毎日新聞
今後検討されるということですか。
○溝口知事
そうです。
○毎日新聞
7月から始まるイベントで、非常に期間は短いと思いますけれども。
○溝口知事
いや、それは観光客はいつも来ておられるわけでありましてね、そういう問題を含め、もちろんその場にいれば情報は伝わると思いますけども、いろんな情報提供ですね、住民の方に伝わると同時に、そういう方々にも伝わるような方法を考えないといけませんね。携帯だとかもありますけれども、いろんな通信手段がありますから、観光地自身にも働いている人がおられるわけですからね、そういう職場にも、それは観光に限らず、いろんな方がビジネスでもおられるわけですから、そういうことはよくやっていく必要がありますね。
○中国新聞
原発関係でもう一つ。この前、安全対策協議会がありましたけども、あそこの場で保安院の説明の中で、地震の影響について、さほど重大な損傷はなかったというふうな、ざっくりといいますとそういう報告があったわけですけど、知事は以前から地震が与えた影響というのも説明するようにというふうに言ってらっしゃいましたけれども、あの報告を受けて、今、知事の中で地震の、あの報告を受けた知事の今の受けとめというのをちょっと教えてほしいんですが。
○溝口知事
そこは、保安院の見解として発表されたわけでありますし、現段階でわかることを発表されたものだと思います。そういう点を含めて、専門家の意見をよく保安院の方も聞いてもらいたいと思いますね。我々からそういう専門的なところについてコメントするのは難しいですから、保安院自身も専門家の意見を聞いてもらいたいと思いますし、我々の方も、県の顧問でありますとか、必要に応じてほかの方々の意見もよく聞いていきたいというふうに思います。
○中国新聞
率直に、今、まだ中に入っていろいろ調査ができるような段階ではないという条件の中での報告なわけですけども、今の段階で地震の影響が軽微だったというふうな説明、それは知事の求めている説明に対して十分だというふうな認識はありますか。それともまだやっぱり足りないんじゃないかと。
○溝口知事
そこは専門家の意見を聞かないとわかりませんが、説明ですと、計器類なんかのことである程度わかったりするというような話でしたね。だから、それも一つの方法ですしね。それから現地の調査もロボットのようなもので可能なことはやらなきゃいけないと思いますし、やっておられるんだろうと思いますけども、そういう状況もよく聞いていきたいというふうに思います。
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