知事定例記者会見(1月11日)
質問事項
5.社会保障・税一体改革の消費税引き上げについて
○時事通信
消費税の素案について政府が年末にまとめたと思うんですけれども、それに関しては、まず所見からお伺いできますか。消費税の値上げに関しての所見から。
○溝口知事
それは国の財政の状況を見ますと、何らかの形で増税をしなきゃいかんという状況にあって、以前の段階から社会保障に関係する歳出がどんどんふえていくわけですから、そのふえる財源手当てということも考えて、消費税の引き上げということを考えてこられたわけですね。自民党時代でもそうですし、それから民主党政権になってもそうですけれども、その方向で進められてきたわけでありますが、実際にどういうふうにして実行するかということになりますと、やはり経済の状況とかも見ながらやらなきゃいかん。
今回まとまった政府の案も、そういうことに配慮した案になっていると思います。他方で、国民のそれに対する意見をどういう形で聞くのかということについては、与野党間で意見が違っているわけですね。そこは政治の場で調整をする必要があろうと思います。しかし、こうした大きな税制改正を行っていくということになりますと、やはり与野党間での、いつの時点かは別としまして、あるいはどのような方法かということは別としまして、協力する体制がないと進めるということは非常に困難ではないかというふうに思いますね。
最近の報道等を見ましても、国民世論では、やはりよく説明をしなきゃいかんとか出てますし、それからいずれにしても与野党でよく話し合う必要があるといったようなことが国民の中で大きな意見としてあるように思います。
○時事通信
素案の中で地方の配分が1.54%って、この数字についての御感想というのはいかがでしょうか。
○溝口知事
この問題につきましては、政府の方は社会保障4経費ですか、ということでやってきましたけれども、地方においても地方で社会保障の経費の負担をしていますから、そういうものに配慮して地方消費税を引き上げるべきだという議論をしてきたわけですね。なかなか決着がつきませんでしたが、年末の段階で、ぎりぎりの段階で地方消費税が1.2%、それから交付税が0.34%でしたか、決まったということで、地方の主張にも配慮した案になったというふうに思います。
○時事通信
島根として、それは歓迎できるということですか。
○溝口知事
島根としてですか。
○時事通信
はい。地方交付税が0.34%......。
○溝口知事
地方消費税は一定の配分の仕方が今の消費税にありますけれども、財政力の弱い、地方税収の弱いところでは、交付税による配分も重要な財源手当てでありますから、そういう点にもよく配慮をしてもらいたいというふうに思いますが、どこで決めるかというのはいろんな判断がありますから一概にどうこう言えませんけれども、全体として地方の状況に配意した案になっておるというふうに思います。
○山陰中央新報
知事御自身としては、背景も含めて出てきた政府・与党案には一定の理解はできるということでよろしいでしょうか。
○溝口知事
詳細は、実際はまだよくわからないところもありますけれども、地方の財政力の弱いところなどに対しては、やはり交付税という形で配分するということも必要な要素だと思います。あれで十分かどうかというのは、よくわかりませんね。
○山陰中央新報
地方への配分もそうなんですけど、それ以前に、段階的な引き上げ、全体像も社会保障費がこれから必要だという背景を含むと理解できるという、知事としては。
○溝口知事
全体ですか、10%ですか。
○山陰中央新報
10%、全体の話から。
○溝口知事
10%ですか。10%は、それは当座の話としては多くの人の一致する考え方じゃないですか。
○山陰中央新報
と理解できる。
○溝口知事
だと思いますね。それは、それで足りるかどうかというのは、また別の問題だと思いますよ。だけど、それは当座の問題としてやるべきことをやっていくためには、やっぱり一定の理解が必要でしょう。何が理想かという問題よりも、どういうやり方で理解が願えるかという観点から、この問題は考えていくということが大事なんじゃないですか。
○山陰中央新報
それが成案としてなっていくためには、そこが一番大事なところであると思うんですけど、知事御自身としては、それ以前に、知事御自身として出てきた案には一定の理解はできると。
○溝口知事
いやいや、地方にも配慮してる点ですよ。
○山陰中央新報
私が聞いているのは地方の配分の話じゃなくて、全体の、消費税を10%に引き上げるということに対して、今の国の置かれた状況とか社会保障費が足りないという状況から見ると、これはやむを得ないという言い方はあれですけれども、私が言葉をつくるわけにいかないんで。
○溝口知事
ただ、そういうものに対して実際にどういうふうにして実行していくかについては、経済の状況などもよく見ていく必要があると。それで、そういうことも案の中に盛り込まれているというふうに思います。
○山陰中央新報
その案を出したことに対しては、理解できる、今、そういう引き上げなんて一切出すなとは言わないと。
○溝口知事
それは、まず必要なことだと思いますね。
○山陰中央新報
わかりました。
○時事通信
10%は多くの人と一致する考え方の、その多くの人といいますと、だれを指してらっしゃるのか。県民とか国民ですか。
○溝口知事
いや、それは要するに5%のままでなきゃいかんという人もいるかもしれませんし、10%でも足らないという人もいるかもしれませんけども、いろんな議論の積み重ねがあるわけでしょう、これまでに、白紙で考えているわけじゃなくて。それで10%でも、これでもう日本の財政がよくなるかというと、まだまだ難しい状況は続くんじゃないですか。
しかし、経済の状況とかも考えずに大きな引き上げをやるというわけにもいかないでしょう。それから税の話というのは非常に人々に対して影響の仕方も違いますからね、だからそこは、どういう形で理解していただけるかということを、やっぱり一つの大きな判断材料として進めていく必要があるというふうに思います。
○時事通信
多くの人というのは......。
○溝口知事
国民です。
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