12月(第2回)定例記者会見(12月21日)
質問事項
1.国勢調査の結果(速報値)を受けて
○山陰中央新報
国勢調査の島根県の速報値が本日出まして、71万6,000人余りという大正9年に次ぐ少なさという結果になりましたが、この人口の数について、まずちょっと受けとめをお聞かせください。
○溝口知事
そうですね、それはそういう質問もあるだろうということで、この実態を少し、数字などもちょっとチェックしてもらいましたけれども、2005年から2010年、この5年間で大体人口が2万5,000人強減っております。いわゆる人口の増減は、出生数と死亡数の差による自然増減と、それから島根県から転出する人、転入する人の差、社会増減、2つの要因があります。これで見ますと、自然増減がこの5年間に、これは住民票による調査をベースにした推計人口ですから、国勢調査とは違うんですけども、傾向は似ておりますが、自然増減が1万4,900人、それから社会増減が1万1,000人ということですね。
それで、5で割りますと、自然増減が毎年平均で3,000人弱、それから社会減、これが2,200人と、こういうことになる。
それで、前回の国勢調査、平成17年、2000年から2005年の5年間を同じように分析してみますと、自然減が9,000人、それから100人単位でやっていますが、社会減が1万300人と、こういうことで、合わせますと全体で1万9,300人ということなんですね。したがいまして、人口の減少は、前の5年間では1万9,300人、今回が2万5,000人強ですね、これは国勢調査のあれで、今のは住民票の調査ですけども、減が増えたということですが、その要因を分析してみると、社会増減はあんまり変わらないんですね、1万300人と1万1,000人ですね。それで、自然増減が9,000から1万4,900になっている。5,000人ぐらい増えているということであります。
これはなぜかと、前から申し上げていますが、後で資料を広報からもらったらいいと思いますけども、この社会増減というのは高度成長期にだあっと大都市に人が行って減って、その後、大都市圏との景気の相対的な強さで転出が増える、増えないというのがベースになっておりますが、そこは、社会増減の方はそんなに大きな変化がない。それでも若干の変化がある。自然減の方は高齢化が進むわけですね、若い人が少なくなりますから。そうすると、自然減の拡大が非常に大きくなっているということなんです。そういう意味で、この自然減の方は大体年間3,000人ぐらい、社会減の方が2,000人ぐらいですね。それで社会減は若干振れると。それで自然減の方が拡大すると思いますね。これは、これを戻すというのは出生率を高めるとか、そういうことがないとできませんから、それはなかなか短期間では達成できない。したがいまして、大事なことは、社会減を減らす、転入を増やす、あるいは転出を減らすと、こういうことが必要なんですね。
そのためには、この島根で雇用が増えるということが大事なんですね。働くところがありませんといけないんで。大都市の方でいい雇用機会があるから若い人が出るわけでありまして、そのためにはやはり産業振興をする、産業の振興は県産品を、大都市の方々に買ってもらえるようないい産品をつくる、都市の消費者が好むような食料品ですね、そういうものを開発する、マーケットの開拓をする、そんなことが大事になります。それから企業の技術水準を上げる、技術開発の力をつける、あるいはマーケットの拡大をする、あるいはその中では観光というのが一つの大きな要素になっております。したがいまして、一言で言えば産業振興をさらにやって、観光といいますか、雇用の場をふやしていく、それが引き続き重要な課題であります。というのが総括的な感想です。
○山陰中央新報
自然減が3,000人程度減っていって、人口減社会の中で、ある意味それは許容しないといけないのかなと思いますが、問題はおっしゃったように社会減のところで、知事、次の選挙にも出馬を表明されているんですが、ちょうど人口的にいうと70万人を維持できるかできないか、70万人という意味もあるんですが、そこに差しかかると思うんですが、その辺のところ、やはり数値目標を掲げて、社会減のところでも臨まれる考えはありませんか。
○溝口知事
ええ、企業誘致などにつきましては、雇用の増とか、そういうことを県の計画でも言っていますが、具体的にどうするかは別ですけれども、そういう努力をしなければいかんというふうに思っています。
○山陰中央新報
人口の総体については、社会減をこれだけにとどめたいとか、そういったところの目標を掲げて共有されるおつもり......。
○溝口知事
そこは操作可能な目標と、そうでないのがありますから、そこら辺はよく見ましてやりますが、いずれにしても産業の振興をやる、それから定住対策といったような産業の振興の中でも、特別に都市の人に農業の分野に来てもらうというようなことも課題の一つですね。
○山陰中央新報
もう1点、来年2月にこれを受けて国の全体の速報値が公表されることに伴い、10年に1回の大規模な国勢調査によりますことから、衆院の区割りの見直しの審議がされることに、これはなると思うんですが、そうした中で、島根県内で今、雲南市と出雲市が1つの行政区画に衆議院の選挙区が2つまたがっている状態がありまして、出雲市等ではこれを解消してほしいというふうな要望もあります一方、澄田知事が10年前に意見照会を求められたときも、こういった事態を予想して、解消に努めてほしいという趣旨の、たしか国に意見を求められたときに要望したと思いますが、まず知事、今の合併によってできた行政区間を衆議院選挙区が2つまたいでいる今の現状については、あるべき姿なのかどうかという、今現在のちょっと御見解をお伺いしたいんですが。
○溝口知事
あんまり、これまでも議会の答弁の中で言っていますが、そのラインとは余りまだ変わりませんが、詰めた議論はしておりません。これからそういう状況なんかが判明して、その上で考えていくべき問題でしょうね。
○NHK
国勢調査で人口が減り続けてるって、定住対策と雇用の振興というのはやっていかないといけないということなんですけど、恐らくこれまでもずうっとそういうことを言われてて減ってきてるというとこがあると思うんですが、70万を切るかもしれないということで、何かもっと抜本的な対策とかというのはないんですか。
○溝口知事
そのためにやっぱり産業振興を抜本的というか、それは地道にやるということですね。そのためには、例えばよく申し上げますけども、大都市との交通の隔たりが大きかったということが発展と申しますか、例えば企業の立地が進まないとか、そういう要因もありましたからね。産業振興するための背後にあるマイナス要因を、減る努力もやってきていますね。これもさらにやっていかなきゃいけませんね。
例えば、何回もこういう場でも話したと思いますけども、企業が立地する場合に、やっぱり納品だとか、あるいは原料の運搬だとかを考えると、全国の高速交通のネットワークとつながっているというのも大きな要素ですね。そういうところを是正、早く全国並みにするような努力も、これまでもやっていますけども、さらにやらなきゃいけませんね。
それから、県産品でも大都市の消費者の方に喜ばれるような農産品をつくるということですね。これもいろんな努力をしていますが、さらにやる。企業誘致、それから県内企業の競争力の引き上げ、そんなに特別なものがあるわけじゃありませんね。そういうものを、努力を積み重ねていく、それが大事ですね。あるいはインターネットの発展に伴いまして、ソフトウエアのビジネスだとか、あるいはそういう関連した部門を誘致するとか、あらゆる努力をしていくということであります。
○山陰中央テレビ
国勢調査の結果に絡んでなんですけれども、特に石見部での人口の減が目立っているように思うんですが、このあたりはやっぱり東部との格差はますます広がる中で、県西部の事情をどんなふうに見ておられて、懸案の全日空の便の問題もあるかと思うんですが、さっきも高速交通インフラの確保という話ありましたが、このあたり、今後どういうふうなお考えで臨まれるのか。
○溝口知事
それは、そういう、例えば離島とか、隠岐もそうですね、もっと交通が不便なわけですね。それから西部の方も平地がもともと少ないですから、企業立地なんかでは難しいということもあったでしょうし、それから交通手段ですね、鉄道、道路、あるいは空路、そういうものもおくれていますね。それはある意味で日本全体もそうなわけです。発展の早く進むところの方にそういう社会インフラ整備の必要性が早く高まりますから、そういうところから整備をしていく。それがだんだん全国に広がっていくというプロセスなわけですね。島根県でいえば、高速道路は出雲まで行って、今、西に向かってさらに進むというようなこともありますね。今まで申し上げているような産業振興、いろんな工夫、努力をしていくということです。
それから、定住といったような1次産業にも都市の人たちの関心なんかも高まっていますから、そういう形でふやしていくということもさらに努力をしていくということです。
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