10月(第2回)定例記者会見(10月29日)
質問事項
3.広島県知事の育児休暇及び島根県における育児支援について
○山陰中央新報
広島県知事さんがみずから育児休業をとられているということでありまして、首長の方がとられるということも賛否両論あると思うんで、その辺の感想を伺いたいということと、男性の育休というのは、施策としては進めるべき方向にあると思うんですけれども、そのことについて島根県の中の施策の進め方に対する知事の御所見があればということと、民間でも含めて、どういうふうに進めるべきだというふうにお考えがあれば、ちょっとお伺いしたいんですけど。
○溝口知事
育児支援ということは、いろんな面と関連しているわけですね。例えば女性の方の社会参画を進めなきゃいかんという要請がある。これも一つの時代の流れですね。そういう中で、育児というものが女性の社会参画をする過程で大きな負担になっておるわけですね。そういう中で、育児世帯にはいろんな負担がかかるわけですけども、育児世帯全体を県として支援をしていくという問題もありますね。
それから女性の社会参画というような観点からは、女性だけじゃなくて、御主人というか、夫というか、配偶者がいろんな支援をしていく。そのためには、夫の場合ですと、やはり勤務先の勤務条件なんかが関連をしてくるわけですね。会社でいえば育児休業をとりやすくするかとか、あるいは奥さんがお勤めになっているようなときに、子供が病気の場合は柔軟な対応が、勤務について対応できるとか、そういうことは県として、政策としていろいろ進めておるわけです。
そういう政策の中には、男性が育児休暇をとるということも含まれておりまして、県のいろんな施策の中に入っているわけですね。こうした流れは島根県だけじゃなくて全国そうですし、世界的に見ると、もっとそういうところが進んでいるから、日本ではいろんな政策課題として各県が取り組んでいると。
現実には、男性が育児休暇をとるという比率は非常に低いんですね。それはやはり日本の雇用形態などとも多分関連をしているでしょう。一定の大きな組織になりますと、チームで仕事をしていくというようなことであって、男性が一定期間、そういうチームから外れるということは非常に仕事の上でも、あるいは男性自身にとっても難しいという問題がありますから、そういう面で、やはり政策的に国なり、あるいは地方自治体なりが支援をしていく、さらに支援していく過程で民間の方々などにも啓発、情報提供などもしていく、あるいはそういうことがやりやすいような、民間の会社がやれるような、いろんな対策も行っていくということですね。
そういうことから見ると、広島県の知事さんがおやりになったのは、御自身が育児休暇をとることによって、そういう民間の方々、あるいは県の職員等に対して一定の啓発というのか、一つの仕方を示すというような面があるんでしょうね。だから、そういう面は、私は一定評価されるべきものだろうと思います。そういうことについては、普通は難しいわけですよ。しかし、それをあえて踏み切られたということは、一つの彼の決断なんでしょうね。
他方で、県知事は、県の行政を担うという面で、いろいろな面で忙しい面もありますから、そういうものをどうやって両立していくか、心配がないようにしなきゃいけませんね。あるいは理解を得なきゃいけませんね。そういう側面もあるということでしょう。それ以上のことはあんまり私もないですが。
○山陰中央新報
知事も、もうお子様はあれですけれども、大きくなられておられますけど、今、こういう環境だったら、やっぱりとられる決断というのができると思われますか。
○溝口知事
いや、我々の時代は、まだ女性の社会進出というのはしてませんしね、私の場合ですと、配偶者はうちにいましたから、そういうことを男性が、私が育児休暇をとるようなことは余り課題にならなかったと、こういうことじゃないでしょうか。しかし、今では、特に大都市部では社会進出はもっと進んでいますね。やっぱり育児の負担というのは非常にあるわけですよ。
私はよく言うんですけども、大都市で出生率が下がっているのは、やっぱり育児というのが大きな負担になるということがあると思いますよ。そういう面で、日本全体としても育児の問題は大きな政策課題として取り組まなきゃいかん、そういう問題になっていると思いますね。
しかし、それは私の考えをさらに進めて言えば、大都市はもっと難しいですからね、通勤時間がかかりますし。やはり今後、日本全体の政策のバランスを考えるということの方が、育児に対する子育て支援とかにも役立つ面が多いんじゃないかというのが私の考えですね。なかなか個別に育児休暇をとるという問題だけじゃ解決しないでしょう。その背後にある大きい問題がありますから。
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