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8月(第1回)定例記者会見(8月10日)

質問事項

6.改革推進会議施策点検部会について

 

○山陰中央新報

 先週、改革推進会議の点検部会が一つ、県の事業を説明するという形で前半戦が終わって、その後半戦に議論があるということでありますけど、今、前半戦を聞いた中では、それぞれの部署が聞きたいことを聞いて後半議論すると。最終的には、知事はもともとこの会に事業仕分け的なものを入れるお考えはないという、やっぱりそういうことですか。減らすというか、改革推進とか点検というか、財政健全化というのが目的にあると、減らすべきところもやっぱり議論しないといけないということも考えるんですけど、そういう視点をやっぱりあの会には持たせてないということですか。

 

○溝口知事

 いや、両方でしょう。何か我々がしたいというよりも、こういうことをやってると、そういう中で改善をしたらいいとか、あるいはそういうものは問題じゃないかとか、あるいはこういうやり方でやったらいいじゃないかとか、いろんな意見を出してもらうということが目的といえば目的でして、そういう意味では、改善するためにそういう旧来のものは減って、新しいものに変わるとか、いろんなことがあるんじゃないですか。だから、私が担当部局に言ってますのは、虚心坦懐に意見を聞きなさいということであります。そこから必要なものを実際の予算だとかに反映するようにしてもらいたいということです。

 

○山陰中央新報

 じゃあ結果的に、議論として国の事業仕分けについては、例えば予算半減とか、そういうふうな結論を求める中での議論だったわけですけど、必ずしもそういう方法というのは、やっぱり好ましくないというか、意見の中で、自由に意見が出た中で、予算編成の中で知事が考えるという......。

 

○溝口知事

 いやいや、まず議論をして、そういうとこで一つのヒントを得たり方向性をつかんだりして、それをやっぱり各部局で検討し、そういうものが案として上がってきて、それから私のところでも議論をしたりするというようなことになると思いますね。

 

○山陰中央新報

 ただ、前半を聞いてますと、これはだれが見ても大事だというのをみんなで大事だというのを確認するというだけに終わってるような気はするんですけど。結果的に同じ大事なことを並べたときの、限られた財源の中の優先順位というのが大事になってくるかと思うんですけど。

 

○溝口知事

 国の予算と地方の予算というのは大分性格が違うんですよね。国の予算は各省単位でまとまってますから、やっぱり大きいですから一律のシーリングだとかで整理をしていかないとなかなかできないというようなことがあってしてますが、県の予算は、最終的には私のところに全部上がって、私自身が見ますから、そこでいろんなことができるわけでありまして、それから、国の予算は自分のところ自身で執行するやつと、地方を通じて執行するやつとか、あるいは団体を通じて執行するとか、形態がいろいろ違いますし、それから枠予算的なものが多いですよね。

 

 それで執行はほかのところで、県でやる、あるいは市町村でやるというようなことで、それから膨大ですわね、国の予算というものは。県のやつは、かなりの部分は、例えば島根県でいえば、教育とかですと、義務教育の国庫負担の制度がありますから、その制度の中で大筋のものは決まりますよね。そういう中で、例えば読書の活動を促進するんだというようなことがありますと、全体の予算の中からいえば、そんなに大きなものじゃないですよね。

 

 それから福祉の関係なんかも、国の制度でこういうことをしましょうというのがあって、その一定の負担をするというようなことですから、そういう意味で、国の制度なり、そういうものを執行する予算というものが非常に大きいですから、国の方はそういう制度が、そのものがいいかという議論をやらなきゃいけませんね。島根の場合ですと、いつも言うんですけども、義務的経費を除く政策経費というのはそう多くないですよね。それから公共インフラなんかでいいますと、これはもう各地で整備はおくれて困ってるという現実があって、それは量としてたくさんあるわけですよね。その中から毎年、一部を取り出して執行していくというようなことですから、大分予算の性格が違うと思いますよ、国の予算とは。

 

○山陰中央新報

 切る、明らかに切るというものは、もうないというか、数少ない......。

 

○溝口知事

 いやいや、いろんなそういうところも検証もしなきゃいかんですけどもね。

 

○山陰中央新報

 ただ、テーマとして、例えば先ほどおっしゃった学校図書の推進とか医療確保とか、それぞれのテーマで出されて聞かれると、それはもう切りようがないというか、それぞれ重要性の確認というのはよくわかるんですけど、それを、最初の質問になるんですけど、並べたときに、政策経費が少ない中で......。

 

○溝口知事

 それは、島根県も財政が悪化しまして、健全化の計画というのを澄田知事のときからずっとやっておられますね。そういう中で事務事業の見直しというのもやってきておりますからね、かなり。その上でさらに、申しわけないことですけども、職員の給与カットをするとかあるわけですね。だから、そういう意味でぎりぎりの財政運営を過去数年、相当期間にわたってやっているという違いがあると思いますね。

 

○山陰中央新報

 国は、まだそれが足りんから、やっぱりああいうことを明らかに、事業仕分けの形で......。

 

○溝口知事

 事業仕分けということもありますし、国の方はやはり日本全体の景気回復をどうするかといったようなことをやらなきゃいかん、あるいは社会保障の制度はほとんど国の制度ですから、その財源をどうやって確保するか、あるいは国際競争が非常に厳しくなっている、そういうものに先導的な分野をどう育てていくかとか、あるいは環境問題のような新しい問題にどう対応するとか、そういう意味では県の予算などと比べれば、まだ赤字が非常に大きいんだけども、しなきゃいかんという問題も多いですわね。

 

 そういう意味で、地方の側からいいますと、地方財政も厳しくて、いろんなことをやりながら、その上で給与のカットをせざるを得ないというような状況になってますから、そういう意味では非常に、おのずと締まった予算になっている一面があると思いますね。だから、それは地方と国のそれぞれの役割の違いから起こっているものであって、我々の方も国に対していろんなことを要望するわけですね。それはだから国政全体として経済全体をどうするかとか、あるいは日本の社会をどうするかとか、あるいはそういう中で財政どうするかという、もうちょっと骨太い議論がなされないといけませんね。

 

○山陰中央新報

 ただ、議論を聞いてますと、5,300億円の予算が、それぞれの意見を入れて取り入れたら6,000億、まあ7,000億とかにはならないと思いますけど、ふえるイメージしか持てないんですけど。

 

○溝口知事

 県の場合は一般財源の大宗は交付税という、他動的に決まる予算で決まっていきますから、それ以上に何かしようといった場合は結局借金がふえるということになりますから、借金は簡単にふやせませんね。それは地方財政に対する国の一定の基準がありますしね。国の方は、まだそういう赤字公債の制約がないわけですよ。それから一定の信頼もありますからね。しかし、それをいつまでも続けることはできないというのが今の問題ですね。だから、あんまり国と地方を相似形のように考えると、この問題は大分違うんじゃないかというのが私の考えですね。

 

○山陰中央新報

 点検部会、後半の議論次第だと思うんですけどね。

 

○溝口知事

 だから、そういう意味で、国の仕分けの方は、そういう国の財政の現状を把握した中で、どう財源を出すかといったような問題ですからね、我々が直面している問題とは相当違うんじゃないかという気がしますね。

 

○山陰中央新報

 質が違うということ。

 

○溝口知事

 よろしいですか。

 


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