6月(第1回)定例記者会見(6月3日)
質問事項
1.政局について
○山陰中央新報
鳩山首相の辞任に関してなんですけども、選挙を見越しての辞任ではないかというような見方もあったりしますけれども、このタイミングで辞任されたということについてどう思われるのかというのと、8カ月でしたけども、鳩山政権に対して、マニフェストの実効性も含めて、どのように評価されているかというのをちょっとお聞きしたいと思います。
○溝口知事
時期は、先ほど申し上げましたように、普天間問題における混乱、それから政治と金にかかわる問題、その他もいろんな問題がありますが、やはり支持率の非常な低下といったようなことで、この時期に行われたというふうに思います。
それから、鳩山政権の活動ですね、行動につきましては、いろんな側面がありますね。今の辞任に至った問題としては、やはり政治資金、政治と金の問題というものは非常に大きな問題として国民にもとらえられてきておるということがあります。どうしてあのようなことが起こったのかとか、まだ十分よくわからないといったような国民の声もいろいろ報道されているとおりであります。
それから、普天間問題は、やはり最低でも県外にとか、いろんな言明があったわけですけども、そういうことが実現できなかったと。その間のいろんな発言のぶれなどに対して沖縄の関係者のいら立ち等々、それから国内におきましても、あるいは外交的にもそういう問題が大きな問題になったわけでありますが、そういうことがあったと思います。
他方で、予算等におきまして、マニフェストに約束されたことも実行されていますけども、実行されないで残っている部分もあると。それから景気対策などにつきましても、自民党政権に続いて、引き続き一定の対応はされてきていると思います。
それから、そういう中で、我々の地方からしますと、地方主権ということを民主党政権で進めようとしていろんなこともされておりますが、これはまだ緒についたばかりという感じじゃないでしょうか。これから国と地方の役割分担の見直しの実行とか、あるいは財源の問題だとか、そういうことが行われる段階でありますね。
○山陰中央新報
そのマニフェストで実行された部分だとかされてない部分とかって今おっしゃいましたけども、具体的にどういうところのマニフェストを評価して、実行されなかった部分はここをもうちょっとやってほしいとかというのはありますか。
○溝口知事
どういうところ。
○山陰中央新報
はい。具体的にもうちょっと。
○溝口知事
それは、例えば高校の無償化とか、子ども手当が半分ぐらい実現をされたとかありますね。しかし、一挙にはできない財政的な制約がありますし、そういう問題をこれから来年度に向けてどうするか、検討が始まる途中で退陣をされておられますから、そういう問題は今後どういうふうに後継の首班で処理をされていくか、よく注視をしていく必要があるということです。
○山陰中央新報
その辺も含めて、鳩山政権に対しての知事御自身の評価というのは、いかがですか。
○溝口知事
だから、いろんなことをやられてきておりますけれども、道半ばで退陣をされたと、こういう評価ですね。
○山陰中央新報
鳩山政権の実績にちょっと関連をするかと思うんですけれども、参議院選がもう一月足らず後に迫ってきたわけですけれども、知事も国政にいろいろ、知事会とか知事の立場で注文もされていると思うわけですけど、特に今度の参議院選で、知事の立場から見て、争点として、あるいは争点設定として論議を深めてほしいというようなテーマというのが知事の中でお考えになられるところがありますでしょうか。ちょっと今回、その争点がなかなか絞れないというのが選挙の状況としてあるかと思うんですけれども。
○溝口知事
そうですね、私の立場からしますと、地方の立場とか、あるいは島根の立場とか、そういう観点からの、これは私どもの関心と申しますか、ただ、それが全国的な争点になるかどうかはまた別の問題ですね。それから国内のそうした問題と、それから普天間に見られますように外交的な問題と、いろんな分野がありますね。それで今回の問題で大きかったのは、やはり政治とお金の問題ですね。やはりこれは各政党、過去においてもいろんなことが起こっておるわけでして、そういう問題をきちっと対応していくというのは政治の、あるいは国政の基礎のようなものですね。これはいろんな制度もできておりますが、いかに政治家の方々が実行していくかという問題でもありますね。それが一つですね。
それから、外交問題、普天間の問題が閣議で方針が決まりましたけれども、そうした問題について沖縄の方々にどう理解を得て、今後の日本の安全保障といったようなものについて、やはり国民が、全体が理解をし、支援をするような体制を築くということが政権の大きな課題ですね。
それから、経済の問題は、世界の景気、少し持ち直す動きもありますけども、欧州における危機とか、まだまだ予断を許さない状況ですから、こういう経済対策をどう進めるかということ。それから、その中でも問題は、先ほどのマニフェストの実行ともかかわりますけども、やはり財政的な制約というのが大きな問題としてあるわけです。これは今の政権で起こった話ではなくて、長年の日本の経済の停滞とか、そういうものとも関連した、いわば与野党問わない、日本自体が直面している大きな問題ですね。こういう問題をどういうふうな道筋で解決していくのか、それについて国民にどのように説明をしていくか、そういったようなことがあります。だから、これは経済政策一般とかかわる大きな問題ですね。
それから、地方との関係でいえば、やはり地方主権をそれぞれの政党がどういうふうに進めていくか。その中でも、同じ地方といっても発展の進んだ大都市部と、あるいはそうでない地方部というのがあるわけです。そういう中で地方主権を進めるということは、地方の仕事が増える、それで増えても財源がきちっとそれぞれの地方公共団体に付与されて、自立をしてやれるという体制がなければならないわけですね。そうなると、経済的な発展度合いの違いというものが障害にならないような、例えば最低限のインフラをどこの地方部でも整備をされるとか、そういった問題をどう考えるかというのも、我々から見れば非常に重要な問題です。
あるいは雇用環境などが厳しくなっていますね。雇用の派遣法とかいろんな問題もあります。それから福祉の問題、それから医療の問題も大変厳しい問題ですね。
医療の問題なども、後期高齢者といった全国的な制度問題も、これは対処しなければならないし、年金問題も対処しなければいけません。しかし、地域医療ということになると、これはやはりまた大都市部と地方部で違う問題ですね。我々としては、そういう地域医療の確保といったような問題についても、政権がどういうふうに対応していくかというのは非常に大きな関心事です。大ざっぱに言えば、ほかにもあると思いますけども、そんなような感じを持っております。
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