4月(第1回)定例記者会見(4月9日)
質問事項
1.石見−大阪便について
○山陰中央新報
知事、済みません、全日空と、例の石見−大阪便の話ですけど、6日に会社に知事として行かれたということで、継続の協議を確認したということですけど、全日空側は協議によっては継続もあり得るということで、知事はそういう心証を得ておられるというふうな認識でよろしいんでしょうか。
○溝口知事
この問題は、全日空全体の経営の悪化と関連しているんですね。かつてのように、航空会社もJALとか、いろいろ難しい問題もありますけれども、全日空自身もエネルギー、燃料費の高騰、それから景気後退等に伴いまして観光旅行、あるいは出張旅行等が減っているといったようなこと、あるいは国際的な路線では国際的な競争の激化などがあって、全日空自体のやはり経営の体力がかつてと比べれば低下をしているという背景があって、我々の方も石見空港、東京路線も大阪路線も搭乗率が低くて赤字になっているということは承知をして、そのための観光客の誘客だとか、いろんな努力はしていますけども、それにしてもなかなか搭乗率が上昇しないという問題がありますから、そういうバックグラウンドのもとで打診をしてこられたわけですね、決めたというわけじゃありませんが。
そこで、そういうバックグラウンドを見ますと、やはり赤字の実態というものがどうなっておるのか、どの程度のものか、詳細はわからないわけですね、我々も。搭乗率はわかりますけども、コストなどが、どの程度上がっているのか、あるいは機材を少し小さいものに変えるといったようなこともありますけれども、そういうものがどういう影響になるのかわかりませんし、それから県としてできること、市としてできること、地元でできること、どんなことがあるのか。あるいは各県、幾つかの県においても同じような問題があって、いろんな対策もやっていますから、そういうところでどういうことをやっているのか、そういうことをよく検討した上で、全日空の方と話し合いをしなきゃいかんという判断でおりまして、その準備をやっておりますが、コストがどのぐらいかかって、そういうところのデータなどの開示がまだですから、そういうことはお願いをして、大体我々の意図も先方に伝わって、話し合いをしていこうという状況になったと思っております。
そこで、私が国土交通省の航空局などにも電話をしまして、どんなふうに監督当局は考えておられるのかとか、そういうことも模索をし、それで全日空とも話をし、昨日、私どもの担当部長も全日空に行って話し合いを少し始めたという状況です。先方は10月からの大阪便を、可能であれば廃止を検討しているということですから、そうすると6カ月前には国に対して申請(※)を、路線の変更などの申請(※)をしなけりゃいかんということになっていますから、今月中に決着を目指して精力的に話をしていこうと思います。
※国土交通省に対する路線変更の手続は、「申請」ではなく「届出」です。(広聴広報課)
一つは、やはり乗客をふやすということが大事でありまして、それにつきましては地元におきましても協議会をつくって対策を講じておられる。我々の方もそういう支援をしておると(いうことです)。それから萩・石見空港の周辺でも観光の振興というふうなことをやっていますが、そういうものをさらに進めていくということがありますね。しかし、それをしても、すぐに搭乗率が黒字になるほど上昇するとはなかなか考えにくいわけでありまして、その間、別途の支援をするかどうかというのが焦点の一つになりますね。
過去におきましては、一定期間支援をした時期もあります。平成の14年から平成16年ぐらいでありましたが、一定額の支援を行ったこともあります。その後、機種が小型化したりして、間接的に乗客を増やす観光振興とか、そういうものを除いて、直接的な支援は停止をしておりましたけれども、そういうものも視野に入れて検討しないと、なかなか解決には向かわないだろうという状況ではあろうと思います。しかし、まだ先方の経営の努力も要りますね、全日空自身もやはり唯一の石見空港に入っている航空会社ですから、観光客を増やす努力、それもいろんなことで空港マラソンをやられるとかやっていますが、あるいは機材の小型化ということもこれまで進んでおりますけれども、そういうものもさらに進めるということがあるでしょう。そういう話をやっていって、私どもとしては継続を目指してやっていきたいと(考えています)。
やはり空路は自動車や鉄道による運送と違って、短時間で大都市圏と結ばれるという意味で、やっぱり地域の振興、産業の振興、あるいは観光客の到来等を考えますと、無くていいということにはなかなかならないわけですから、いろんな工夫の努力をして、できるだけ効率的に乗客が増える、経営がある程度なっていくようなことを地道に考えなければならないと、こういうふうに思っています。
○山陰中央新報
今おっしゃった中で、ちょっと3つほど関連の質問があるんですけど、昨日、担当部長の中の具体的な交渉の中で、こちらから求めていたのは、とにかくどうやったら継続できるのかという条件を示してくれということだったと、そういうことについては相手も了解したということで、その継続に......。
○溝口知事
ある程度そういう話、我々がそういう意図を持って話し合いに入っているということは理解をされているというふうに報告を受けていますから、さらに具体的な詰めを行っていこうと(考えています)。まだそういう関係につきましては、これでということにはなかなかなりませんから、今、こういう案でとか、交渉事ですから、そこはある程度全日空との間で、我々の間でいろいろもんでみないと、具体的な案として提示をするところまではまだ行きませんね。
○山陰中央新報
じゃあ、一つの焦点は、全日空が路線の収支で言ってるところの赤字のうち、県がやっぱりどのぐらいを見るかということが焦点なんですか。
○溝口知事
赤字というよりも、なるべく乗客を増やすということがあるし、それから赤字といっても先方の経営の仕方にもよるところがありますね。機材がどの程度、小型、効率の(良い)もので活用できるかとか、それも機材の制約がありますね、こっち(萩・石見空港)に着いた、大阪(空港)に着いた飛行機を、ほかの地域から着いた飛行機を石見空港に飛ばすとか、そういう運航がうまくいかないとできないわけですね。だから、石見空港だけの話じゃなくて、ほかとの関連がどうなっているのか、そういうこともやっぱり実務的に調べてやらないと、ぱっと決めるというわけにはいかないですね。
それから、私どもが言っているのは、道路も、例えば高速道路は国がある程度全国どこでも利用できるようにすべきだということを言っていますね。それから船ですね、離島航路なんかでも不便なところはやはりコストがかかっても国も支援しているいうことがありますけども、支援をしてもある程度一定のものは確保しなきゃいかんという要請がありますね。航空路も若干それと似たようなところがあるんですね。しかし、違うのは、航空路は企業ですね、民間企業が運営していますから、やっぱり民間企業の収益がどんどん赤字になっていくのにやってくださいといっても、民間企業としても、それは株主のこともありますから、それは無理なこと(だと思います)。
しかし、そういうものに対して地方公共団体がいろんなところで支援をしているのも事実ですね。だから、そういう面で見ると、国自身もそういう全国的な総合交通体系、地域で余り格差が出ないように対応するというのも、私は考えるべき課題の一つじゃないかと思っています。そういう問題も知事会などから国に対して要請をしていく(必要があると考えています)。そういう意味で、地域の問題であるとともに、日本全体を見たときに地域格差をどういうふうにして解消していくかというような、あるいはそういう問題に国がどう対処すべきかということとも、長い目で見れば関連をしているというふうに思っています。
○山陰中央新報
整理しますと、益田市長は昨日、議会で4億円というふうな数字も出されたわけですけど、その性質をまず吟味した上で、それで県として、赤字を補てんするといってもいろんな、搭乗率を増やすような方向でと、あとは単に座席に対してお金を払うと、いろんなやり方があると思うんですけど、それはある程度相手の経営の質を見きわめれば、県からこういった条件を出すと、とにかく条件を出してくれということなんですけど、この時間的にいうと......。
○溝口知事
それをやらないといけませんね。ただ、それはやはり財政負担を伴うものですから、益田市の方もそうですし、我々の方もそういう負担を伴いますから、そういうものをよく関係の方々にも説明して、理解を求めながらしなければならないと(考えています)。そういう段階まではまだ来てないと(思っています)。
○山陰中央新報
わかりました。もう一つ関連で、今、お答えの中で廃止という言葉を使われましたけど、あくまでも全日空が言っているのは廃止ですか、(それとも)運休(ですか)。
○溝口知事
まあ運航でしょう。運航の廃止という意味で言ったわけで。
○山陰中央新報
廃止というのは、もう復活しないという意味での廃止(ですか)。
○溝口知事
いや、それは言葉の問題であって、とりあえず運航が......。
○山陰中央新報
とりあえず運航しないという(ことですか)。
○溝口知事
やめるということでしょう。
○山陰中央新報
それと、関連で最後もう一つ、国土交通省の、ああいった航空局長さんと話をしたということでよろしいんでしょうか。
○溝口知事
航空局も話しましたが、やはり航空行政も自由化が進んでおるわけですし、民間の会社が運営しているわけですから、国の方がこうしなさい、ああしなさいというわけにはいかないでしょうと(いうことでした)。
○山陰中央新報
権限を持って何か言うということはできない(ということですか)。
○溝口知事
できないけども、我々の方で、ほかの県でどういう対応をしているとか、そういう情報は航空局は持っていますから、そういうことを聞いたり、あるいは、私はさっき言った国の役割もあるんで、民間航空といってもやっぱり独占ですよね、その路線は。しかし参入も可能にはなっていますが、そういうやや、完全に民間企業と言えないところがありますよね。だからそういう、若干航空路が持つ社会性ということにも、さっきの話と関連するわけですけれども、国が関心を持って対応もしてほしいということはありますが、原則はやはり航空会社と我々の話ということになるでしょうね。
○山陰中央新報
今後、知事の財政負担への判断ということもあると思うんですけど、結局あとはこの路線を維持するために財政負担がどこまでできるか、あるいはいつまでできるかということを、それから県民合意も含めて、その財政負担、石見空港をこれから存続させていく、あの航路を存続させていくかという判断をしていかないといけないと思うんですけども、そこについて知事自身は、もう要するにこれは財政措置を講じても存続させなきゃいかんものだというふうに思っておられるのかどうかということなんですけど。
○溝口知事
そこはどの程度の負担になるのか、あるいは過去はどういうことをしてきたのかとか、あるいはそれが産業振興、観光振興等に与える影響とか、あるいは各県でやっているようなこととか、あるいは全日空自身の努力とか、そういうものをやっぱり総合的に判断した上で決めていくということになりますね。
いずれにしても、ある程度一定の案ができないとそういう相談もできませんから、まだその段階にあると、こういうことです。だから、具体的なある程度の構想をつくって、そういうものを公開をして意見も聞いて、その上で最終的に決めるということになりますね。
○山陰中央新報
ということは、財政負担が相当程度に膨らんで、それが県民合意を得られないと判断したら、(空港存続を)あきらめるという選択肢も今のお答えの中にはあるように(思われますが)。
○溝口知事
それはありますけども、今見て、話し合いを始めた感じでは、そんな赤字も機種が変わったり、いろんなことをすればかなり縮小する可能性もあるんじゃないかと見ておりますから、もうちょっとそこら辺の状況を見ないと、断定的なことは言えませんですよね。あんまり前の段階でこうだああだというのを決め打ちをするのは適当じゃないというふうに思っております。
いずれにしても、さっき言った航空路の持つ重要性というのはありますから、そういうことを念頭に置いて話を進めていくということです。
○NHK
済みません、考え方としては、赤字部分をそのまま補てんするというやり方は、知事としては(考えておられませんでしょうか)。
○溝口知事
ほかの県でやったりしているのは、ある程度搭乗率を確保するというような考えですね。だから、搭乗率を上げる努力をすれば、それで一定の搭乗率が確保できますから、そういう考えですね。というのは、赤字がどうかというのは、先方の経費がどうなっているかというところがよくわかりませんから、なかなかそういう仕上がった赤字を補てんするというダイレクトな考え方は普通やってないですね。
○NHK
その搭乗率分、ある搭乗率分を決めて、そこまでは補てんするというような(方法ということでしょうか)。
○溝口知事
今どういうことをするかということは、まだいろんな案がありますから言えませんが、そういうこともやっておられるところもありますから、そういうことも参考にしながら検討していきたいという段階ですね。
○朝日新聞
知事としては、搭乗率保証も視野に入れて検討されてるということだと思うんですけど、能登空港なんかでもやってるケースやと思うんですけどね、路線維持というのは非常によくわかるんです。そこに税金を、搭乗率保証という形で差額を埋めるという形での税金投入をすれば、これについてはやっぱり先ほど知事おっしゃったように、基本的にはやっぱり全日空の経営努力であったりとか、利用者数を増やすであったりとか、そういうことを前提にしていかないと、なかなか県民の理解が得られにくいと思うんですよ。そこの部分で、知事の直接的な支援をする際の条件、やっぱり僕なんかが聞いてますと、3月に来て、4月までが交渉期限で、その路線の赤字の具体的な詳細も今のようにわからないと、その中でやっていくというのはかなりリスクが大きい作業だと思うんですね。その辺の知事の基本的なお考えを聞かせてください。
○溝口知事
全日空全体も会社で500億を超えるような赤字だということでして、放置すれば更に赤字が増えるというようなことを聞いていますが、その中で、例えば石見空港に関わる赤字がどの程度のものかというのは、詳細はわからないわけです。そういうことで、そこら辺を少し我々に情報を開示してもらって、その上で話をしましょうと、そういう努力を今やっていると(いうことです)。大体そういう話ができるような状況になったということで、先般、私もそこを確認をし、それで今、こういう状況であるということは、取材もありましたけれども、我々の方でもお話をしたと(いうことです)。その段階にやっと至ったと、こういう感じじゃないでしょうか。そこがないと、遠くから話をしても話はできませんね。
○朝日新聞
前提としては、石見の路線の赤字、4億円という話がありましたけど、そういう数字は知事も聞いておられ(ますでしょうか)。
○溝口知事
あんまり4億という感じじゃないと思いますね。
○朝日新聞
違うんですか。どれぐらいなんですか、実際。
○溝口知事
そこら辺がもう少し、だから赤字ということになると、収支ということになるでしょう。そうすると、支出の中身がどうだというのは、先方もどの程度出されるかわかりませんし、そこら辺はやり方の問題ですから、考え方は一定の支援ということには間違いないです。ただ、今、収支の赤字ということが根底にあるんですけれども、産業振興という意味ではいろんな形で県は支援しているわけですよ。例えば道路をつくるということもそうでしょう、高速道路をつくるということになれば、県も直轄の負担金というのがありますし、それから企業誘致をするときにも誘致した企業には、企業誘致を進めるためにいろんな助成金を出すわけですよ。だから広い意味での空路の確保というのも産業振興、地域振興の一つと考えて、その手法にいろいろあるというふうに私は考えておりますけれどもね。
○朝日新聞
わかりました。
○溝口知事
だから、よく非常に経営の悪い、例えばもう再生できない企業を存続させるために赤字補てんをするというのとはちょっと性格が違うんじゃないかと思いますよ。その路線自身はそういう問題を抱えていますけども、全日空が何か会社がおかしくなって、それに支援をするというような話じゃなくて、地域の振興のために必要なインフラを整備するといったような側面があると思いますね。それから産業振興のやり方は、さっき申し上げましたように、販路の拡大とか、あるいは誘致企業に対する助成だとか、いろんなタイプがあるわけで、だから、そういうものの一つだというふうに、広い文脈でこの問題は考えないといけないんだろうというふうに私は思っていますけれどもね。
○中国新聞
済みません、知事さんは必要っておっしゃるんですが、益田市民の声では、バスもあるし、なくてもいいんじゃないかという声もあるわけですよ。そういう住民の、本当に必要なのかという声を再確認するというおつもりはないですか。
○溝口知事
それは益田市の方でもやられますから、益田市の中での検討なんかも、当然我々もお聞きしますし、それも判断の一つですね。
○中国新聞
再確認した上で交渉する、必要だと言うべきだと思うんですが、住民の声をちゃんと聞くべきじゃないですか。
○溝口知事
だから、そのためには、どのぐらいのコストがかかるのかとか、そういうことがわからないと判断もできないでしょう。
それから、いろんな意見があるわけですから、いろんな意見をやっぱりよくお聞きするというのが基本ですね。
○中国新聞
必要じゃないという声もあるかもしれないのに、そこに財政負担をするということは、知事さんもある程度責任を持ってやられるべきだと思うんですが、責任を......。
○溝口知事
だから、それは申し上げたように、地域振興とか......。
○中国新聞
責任論についてはどうお考えですか。
○溝口知事
地域振興とか産業振興というのはいろんなやり方があるわけですよ。それは各地でいろんなことをやっているわけですよ。だから、そういう一環としてこの問題をとらえる必要があるということを言っているわけです。
○中国新聞
例えば搭乗率が目標より伸びなかった場合に、知事さんは責任をとるおつもりはあるのかということは。
○溝口知事
だから、搭乗率が(達成)できない場合には、こういう負担をしましょうというね、例えばそういう案になれば、そういうことについて当然、予算に計上して議会の承認を得てやるわけですから、何もなしで行政だけじゃできません。
○山陰中央新報
先ほどからお聞きしてると、新たな交渉でいろんな情報がまだ開示されてないというふうにおっしゃいますけれども、3月18日に運休の打診があってから、島根県は何をしておられたんですか。
○溝口知事
だからそれをやっていたわけですよ。こういう数字になっているのはどうしてですかと。だけどそれがなかなか我々の方も言いませんと話ができませんから、まず我々の方で実態を分析して、3月の末の段階では、松尾副知事も上京の際に(全日空本社へ)行って、そういうことをやるんでよろしくということも話しましたが、やっぱり県側がある程度どういうスタンスで臨むかというのがないと話になりませんから、その話の場を設定するのに若干時間がかかりましたが、大体話は始めることになりましたから、それで支障が生じているわけじゃないと(思っています)。やむを得ない手続だったというふうに考えていますけれどもね。
○山陰中央新報
いや、何をやっとるかというのはあれなんですが、3月18日に打診があって新聞報道がなされるまで、要するに県民はこういう状況になっているということを知らされてないわけですよね。今、知事がおっしゃったように、財政負担を最終的に伴う、それから議会の議決も要るというようなことになるのに、こういう状況を県民に対して知らせるべきだ、こういう状況になっているということを知らせるべきだとどこかでお考えにならなかったんですか。
○溝口知事
いや、それはある程度先方の意図とか、そういうのがわからずにするといけませんね。それで、我々のある程度の考え方というのがなきゃ。それは大体それができる状況になったということですね。
それはやっぱり何もなしじゃいけませんから、ある程度の考え方が、整理がついてないといかんです。それはそういうもんですよ。それから交渉事ですから。
○山陰中央新報
だから、これから県が財政負担をするということについて、県民理解が得られるというふうにお考えですか。
○溝口知事
それが得られるかどうかは、それは最終的には案を出しますからね、それから正式な手続としては、必要な財政負担が出るということになれば予算案の中に盛り込みますから、それをきちっと議論をして賛否を問うということになりますね。
○山陰中央新報
結局対応策が、今日は鳥取県さんは同時に伝えられた米子−名古屋便について愛知県の知事と共同で要望もされていますけれども、結局全部その判断が遅くなっているというふうに県民にはどうしても映るんですけれども、その判断のスピードについては、どういうふうにお考えですか。
○溝口知事
私はむしろ具体的な案づくりをやらないと、陳情ではなかなか、やはり一番必要度が高いのは益田周辺の地域ですから、具体的な状況を分析して、現実的な案づくりを早く進めるということが大事だというふうに判断しておりますけれどもね。
○山陰中央新報
そうすると、今の段階では県もある程度案を持ってて、もう既にそれをぶつけられる状況にあるというふうなステージだというふうに理解していいんですか。
○溝口知事
国土交通省で他県のいろんな状況なんかも情報を得まして、そういうものをベースにして考えていますけれども、まだラフな考えですから、それからいずれにしても具体的に全日空全体の赤字、経営の中で、ここまでなら許容できるかというところがある程度ないと話にならんでしょう。
○朝日新聞
そこが一番難しいと思うんですね。
○溝口知事
そういうことです。
○朝日新聞
それを県民に理解してもらうというのは非常に時間もかかる作業でもあるし、議会も、その辺が4月末との、考えたときに、どうしてもさっきシミズさんおっしゃったように、ちょっとスピードが遅いんかなという気は持ってしまうんです。
○溝口知事
我々から言えば、それはもう少し全日空の方もね、もっと前から話をすべきだということだと思いますよ、これだけ地域に影響のある話ですから。
○山陰中央新報
話がここまで来ると、要するに石見空港自体の必要性ということまで問われかねない事態になってくるわけですよね。それを今まで、そもそもからいえば空港をつくったことの正当性が問われることになるでしょうし、今まで地域振興策ってやってきたことに対しての責任も問われるでしょうし、これからさらに財政投入することについての政治責任も発生してくるでしょうし、要するにここまで含めた議論がないと、これから県民があそこに対して、単年度で何ぼになるんかわかりませんけど、それをまた永遠に継続していくのか、そこのシナリオも含めて示されないと(いけないと思いますが)。
○溝口知事
そこは、そんなに先まで今回決めるというわけにはなかなかいかんだろうと思いますよ。それはやはり実績を見て判断していくということじゃないかと思いますね。当座考えていますのは、やはり10月からの運航停止ということですから、それはできるだけ避けたいということでありまして、それをとりあえず半年にするのか1年にするのかということであって、将来、もうこれで決まりというようなことは、状況が非常に厳しい状況ですから、簡単には決められませんね。だから、それは段階的にやっていくということですよ。そんなことがすぐにぱっと決まるということは難しいですね。だから、いろんな努力をしてみると、例えば何か必要だというふうになった場合に、それだってやはり段階段階でチェックをしていくということになるんだろうと思いますね。
○山陰中央新報
その段階段階というチェックというのが今されないといけないわけですよね。要するに今まで石見空港をつくって......。
○溝口知事
それはできる程度の話だろうと思っていますけどね、これまでの話を見ましてね。というのが状況です。
※()内は、広聴広報課が書き足した部分です。
お問い合わせ先
広聴広報課
島根県政策企画局広聴広報課 〒690-8501 島根県松江市殿町1番地 【電話】0852-22-5771 【FAX】0852-22-6025 【Eメール】kouhou@pref.shimane.lg.jp