12月(第2回)定例記者会見(12月25日)
質問事項
1.平成22年度の国の予算編成等について
○山陰中央新報
来年度の予算の関係ですけど、全体像はまだこれから示されると思うんですが、まず公共事業の、特にダムに関して、事前に考え方を説明するという、国の方から(説明が)ありましたが、これは結局のところ(説明が)なかったということでよろしいんでしょうか。それに対しての御所感というか、その辺をよろしく(お願いします。)
○溝口知事
(12月)24日ですか、国交省から全国で進行中の143ダム事業のうち6割の80前後の事業を事実上凍結するという方針を固めたというような報道があったとありますが、予算編成の始まりの概算要求を10月中旬に新政権になって見直している中で、そういう方針は明らかにはしているんですね。つまりダム等公共事業の執行は測量、用地の買収、設計、それから工事、それから完成というステップを踏んでいくわけですけれども、公共事業全体を抑制する関係上、新たなステップに行くということは注意深く見ていこうということがあり、それを踏まえて、ある程度概算要求の段階で金額などの説明もあって、考え方としてはこうだということがあり、さらに詳細についてはまた別途ということでありましたが、そういう意味で詳細まで説明を受けているわけじゃありません。そういう意味で、早くそういう状況の説明をお願いをしたいというふうに考えております。
○山陰中央新報
問題になっているのは、いわゆる補助ダムの、(国の)直轄(ダム)はともかく、そういった新たなステップに行かないというのは補助ダムについての財源の配分とか、そういうこともありますし、その辺の考え方を示すという話で県もずっと待ってたと思うんですけれども。
○溝口知事
ええ。それは、補助ダムについては、特に事業着手に至っていない浜田側の矢原川ダム、この概算要求がなされておりませんから、そういう意味ではそれをどうするかという問題は今後の問題として残っておりまして、政府の方の考えをよく問いただしていく考えであります。
○山陰中央新報
関連であわせて聞きますけど、昨日、地方財政計画の全体のイメージというか、対策の全体像がほぼ明らかになって、(地方)交付税は1.1兆(円)増えるということなんですけど、全体を見るとやっぱり税収の落ち込みが非常に(大きく)、3.7兆(円)ですか、見込んでいる。この辺が地方財政の厳しさというのを現していると思うんですけど、この全体の折衝の結果を見られての印象というか、その辺の所感をお願いします。
○溝口知事
まず、(12月)23日に閣僚間の折衝が行われたようでありますけれども、(平成)21年度の地方交付税は15兆8,000億円であったわけですが、これが1兆1,000億(円)増額をされて16兆9,000億(円)になるということであります。
それから、(地方)交付税だけではもう地方に配る(地方)交付税交付金が足りませんので、臨時財政対策債というのを出して、それで補てんをしているわけですが、それを臨時財政対策債を合わせた実質的な地方交付税は本年度、(平成)21年度が21兆円、これが来年度は24.6兆円と、3.6兆円増額をされます。そういう意味では非常に大きな増額が図られている。政府が地方財政のために努力をされているわけでありますが、他方で景気の落ち込みがありまして、税収の方はこれと同額ぐらい、3兆数千億円ぐらい減少すると予想されています。
そうすると、ほかにも(地方)譲与税とか、いわゆる一般財源に入るものはありますけれども、一般財源の大宗は(地方)交付税と地方税でありまして、(地方)交付税は3.6兆円増えたが、地方税はたしか3.7兆円ぐらい減少する見込みだというふうに見られていますから、地方全体として見れば一般財源は横ばいに近い状況だろうというふうに思います。
あと、問題は歳入と同時に歳出の方はどうなるかということでありますけども、歳出の方の詳細はまだわかりませんが、新たに地方負担が大きく増えるといったようなものは今のところないように思いますから、そういう意味では地方財政全体に対しまして配慮がなされておるというふうに思います。特に数年前の三位一体改革に際しまして地方交付税が大幅に削減をされて、全国の知事会におきましては削減をされた(地方)交付税の回復と申しますか、復元ということを言ってきておりまして、そういう我々の要請にも応えるものであって、その点は評価し得るというふうに思います。この考え方は地方六団体も同様な評価をしておりまして、私もそういう六団体の評価と似たようなベースにあるということであります。
○山陰中央新報
ただ、その税収の落ち込みを(地方)交付税でカバーするのは当たり前のことですよね。法定率までは踏み込まなかったんですけど、質的な改善というのは先送りしたような印象があるんですけど、その辺の将来的な財源の確保というところまでは、安心だと言えるのでしょうか。
○溝口知事
やはり経済全体の動きを今の時点ではなかなか予想しがたい。しかし、全体の状況を見ますと、そんなに社会経済が急に良くなるというようなことは余り考えにくいわけですね。アメリカにおけるバブルの崩壊、ヨーロッパにおいてもそうですし、それから中東などにおいても同様なことが起こっているわけでありまして、いわば過去の行き過ぎの調整がしばらくかかりますから、そういう意味で引き続き財政、金融で支えていく必要は来年以降も出てくるだろうと(思われます)。そういう意味で、政策のかじ取りによって全般的な経済、これも世界全体の話でもありますし、日本全体の話でございますし、島根県全体の話でもありますが、影響を受けるだろうなと(思います)。だから、そういうところは、その時々の状況に適切に対応していくようにする、それから地方からはそういう地方の動きを国によく伝えていく、そういうことじゃないかと思います。
○山陰中央新報
関連であと一つ、暫定税率の税率を維持しながら暫定税率を廃止する、あの決着についてはどうお考えかというのを最後に(お伺いしたい)。
○溝口知事
それはいろんな議論があると思いますね。マニフェストで公約をされたことが守れなかった。それは政権といいますか、そういう主張をされている政党の問題でもありますけれども、どうしてそういうことになったかといろいろ報道なんかを見ていますと、日本の全体の財政の状況が非常に悪いということがあって、歳入の大きなシェアを最近は占めるようになった公債の発行額をある程度抑制をしなきゃいかんということが一つあったわけですね。
他方で、景気の悪化が続き、税収の落ち込みも相当厳しいということもあった。そうすると、歳入面から制約を受けるような予算編成にならざるを得なかったということじゃないでしょうか。そうすると、歳出面で抑制を図るということで、事業仕分けでありますとか、いろんな見直しも行われたわけでありますが、そういう中で地方負担は増やさないようにしよう、地方財政は守るようにしようという歳出面でも大きな制約があります。
そうすると、全体として税収をさらに落とすような予算というのを構築することが無理だったということじゃないでしょうか。そういう中からそういうものが決まったわけでありまして、だから、それは見通しがどうであったかとか、あるいはマニフェストなり公約をどういうふうに処理をするかということについて早く見通しを立てて、早い段階でそういうものをよく国民の皆さんにも理解をしてもらうようなことをしなければならなかったんだろうというふうに思います。
○山陰中央新報
そこをちょっと確認したいんですが、(民主党の)マニフェストの立て方が甘かったという(ことでしょうか。)
○溝口知事
いやいや、マニフェストというのは前から申し上げているように一つのメニューですから、それをどうやって実現をしていくかというのは毎年の予算編成で決めるほかないんです。そうすると、予算編成をする過程で、今年度はここまでやりますというのをできるだけ早い段階で示して、それについて議論をし、そしてこれがいろんな客観条件からするとベストの選択ですねということで意思決定が政府内あるいは政権与党との間でなされなきゃいかんわけですけれども、政権がかわって時間も少なかったということも多分あるんでしょうが、最後の段階になって出てきていますから、そこら辺は、聞いた国民は、なぜそういうことになったのかと、もう少し早く説明すべきじゃないかと、そんなようなことになるわけですね。
○NHK
今年の予算編成の一連の過程についてはどのように思いますか。
○溝口知事
政府の(予算編成についての対応)ですね。
一つは、やはり非常に短期間に政権の引き継ぎをしなきゃいかんということがあり、それから引き継いだ上で新しい体制でやられるということですから、通常の予算編成以上に、準備のプロセスに大きな負担があったわけで、それをやりながら予算編成をやるということでありますね、そういう面で非常に日程的にもタイトで大変だったろうなという気がします。
それから、政治主導でいろんな問題を新政権では決めるということでありまして、予算についても各省の政務三役、そういうレベルで各省の予算の骨格は決めるということでありますが、予算はやはり細かい、いろんな事項の積み上げですから、そこを短期間で集約をして方向を出すというのは、なかなかやっぱり大変な作業だったと思いますが、そういうものをこなしながら、今日(12月25日)でありますか、決定をされるということでありますから、そういう意味ではスケジュールに沿って進んできているなという感じがあります。
それから、(予算の)政治決定であると同時にマニフェストをどう予算の中で、(実現していくかの)第一歩が始まるわけですね。しかし、冒頭の質問にもお答えしましたが、政府と申しますか、日本全体を取り巻くいろんな環境は、これ、変わらない、ものすごく厳しいわけですね。特に昨年来の景気の落ち込みというのがあって、それによって税収が非常に減るというのが明確になってきたのもちょうど政権交代のころからでありますから、そういう中で新たな景気対策を打ったり、それから予想以上に税収の減ということが大きな負担となり、マニフェストを初年度から100%実現するというのは非常に困難な状況にあったと思います。
そういう意味で、その関連ではそういう状況であるということを早く国民の方々にも説明をして、そこで意見なども求めながらやってこなきゃいけない、通常であればないんですが、年内編成をして早く予算を成立をさせて景気対策もしなきゃいかんということで、ある程度そういう圧縮した日程でこなされてきておるので、そういう意味では国民の声等々がどの程度反映されたか、これからの予算審議などを通じてそういうことが審議をされるだろうというふうに思っております。
○山陰中央新報
今回の予算で、子ども手当のことなどで地方負担を求める際に、地方との協議がなされていたのかというような問題を含めて、やっぱり今、国民の声をどこまで聞いていたのかとおっしゃったと思うんですけど、特に地方と政府との間できちんと話ができていたのかという問題と、それからもう一つは、先ほど知事もおっしゃってた政務三役で束ねようというような仕組み自体が、本当に地方の声や国民の声を吸い上げるだけのキャパシティーというか能力というか、そういうものがあったように見えたのかどうか、その制度上の問題も含めて、感想をちょっとお伺いしたいんですけれども。
○溝口知事
初年度の非常に圧縮された日程でのことですから、いろんな問題が出るのもある意味で避けられないことだったんだろうと思います。そういう意味におきまして、今回の経験を踏まえまして、さらに適切な方法を政府におかれても検討されるでしょうし、それから地方との協議、話し合いの時間も現実には少なかったのは、これはそういう日程的な面もあると思いますが、今度の国会でしたか、地方との協議の場についての法案を提出をするというようなことになっていますから、そういうことを通じて、地方との対話等がさらに円滑に進むように期待をし、我々も政府に求めていかなければならないというふうに思います。
○山陰中央新報
要するに短い期間だったんでということだったんですけど、いろんな問題が避けられないと言われた、そのいろんな問題というのは、知事が気づいたことというのは、具体的に改善してほしいという意味で気がついたことがあれば教えてほしいんですけれど。やっぱり政務三役になかなか日程的な制約で会えなかったという場面もあったと思うんですけれども。
○溝口知事
何が問題になっておるかということは、もうみんな承知をしているわけですね。ダムの問題もそうですし、あるいは高速道についてもそうでありまして、それは日々、情報はいろんなチャネルで人々に入るわけでありまして、メディアを通じても入りますし、いろんなことがあるわけであります。それはやはり、政治の大きな仕事は人々の考えをよく聞く、それをまとめるということであります。しかし、まとめるときにはみんないいということには、これなかなかならないわけですね。これは財源の制約なり意見の違いがありますから、それを政治のプロセスでこなしていくわけでありますが、できるだけ多くの人々、立場の人から意見を聞くということをぜひとも強化していただきたいと思いますね。やはり何はともあれ情報が届きませんと、届いた上で判定をするということになりますね。そういうことで、今後も我々は地方の声を政府によく伝えるようにやってまいります。
その中で、やり方はいろいろありますね、個別に(地方の声を伝えに)行く場合もありますし、それから高速道路のように同じような立場にある9県(山形県、福井県、和歌山県、鳥取県、島根県、徳島県、愛媛県、高知県、宮崎県)の知事が一緒になって(国に要望に)行くとか、あるいは議会も一緒になって行くとかあります。それから知事会全体として言うこともあります。それから(地方)六団体と一緒になって行くこともあります。
例えば過疎対策などは、本当に期限切れの後、新法がどうなるかというのは、秋の段階でははっきりしておりませんでしたけれども、そこら辺も大体与野党で法案を出しましょうと、それからソフト事業などについてもやりましょうと、それから期間も、当初3年というような話もありましたが、どうも原口大臣に先週でしたか、お会いしたときは、それよりも長い期間を想定をされているような言及もありましたから、そういう意味では進展のあるものもありますね。
例えば高速道路なども、9県で国土交通省などの政務官などにもお話をしましたが、与党3党の政府に対する申し入れ書ではそういう文言も入っておりますね、全国の高速道路網、東北、山陰、四国、九州における空白地帯を解消し、道路網の整備を進めるといったようなことで、山陰道なども念頭に置いた文言も入っていますし、それから民主党自身も政府に対して重点要望をその前に出しておりますね、与党3党以外に。その中でも高速道路などでは、交通量が多くて、いわゆる有料道路として可能といいますか、そういうものは高速道路会社によって整備を進めていくと。
しかし、そうでなくて地方で必要としている高速道路もあるじゃないかという観点から、そういう問題について国の支援等も含めてどうするか、たしか6月ぐらいまでに検討しようというようなことになっておりまして、高速道路がやっぱり整備されてない地域があって、それを地方が必要としていて、そういう問題について検討しなきゃいかんというふうに若干動いてきているところもありますから、我々の方もいろんなチャネルを通じまして政府に話をしていきたいというふうに考えています。
○朝日新聞
この前の陳情で、例年と違って15分、30分と時間も非常に短くて、陳情対象も少なかったと思うんですけれども、その辺の率直な感想とか、もの足りなさを感じられたことがあろうと思うんですが、それについて(感想を)いただけますか。
○溝口知事
大きな問題は、みんな共通の認識を持っておるわけですね。だから、時間の制約がそう大きな問題だとは思いません。できるだけ多くの人に、政策の形成に関与する人を含めて、多くの人がいろんな情報を共有するということが大事でして、それから大事なことは、例えば知事なりが直接生の声を伝えるということが印象深くなるわけですね。そういう意味で、今後も地方の直接の声などをいろんなチャネルで政府が聞くようにしてもらいたいということですね。それは特に地方との関係では、先ほど申し上げましたが、協議の場を設けると、法的にそういうものをつくるということになっていますから、そういうものを活用していくということじゃないかと思います。
○NHK
ちょっと簡単に2つだけ。公共事業費を減らした一方で、利用を特定しない地方交付税という形を、主要目的というか、特定せずに地方交付税という形で増やしていることについてどう思われるかということと、あと、子ども手当の地方負担というのが実質決まったような形なので、それについて改めてどのように思われるかということをお聞かせください。
○溝口知事
公共事業の削減は、今おっしゃったのとは別な観点から、特にダムなどの大規模事業等については、よく実態を見て考えていきましょうといったような観点からなされておりますし、それから(地方)交付税の増額は、やはり地方財政全般に対してどうするかということで決めて、それぞれの、もちろん全体の枠の中ですけども、決められているというふうに考えておりますけれどもね。
それから、子ども手当につきましては、児童手当は継続をするということで、その上に子ども手当を支給すると。児童手当の中には国、地方も含めてやっておりますから地方負担は残りますけども、それはすっきりした制度ではありませんから、いずれにしても来年以降の話になるかもしれませんが、すっきりした制度にしていく必要があるだろうというふうに思います。
○山陰中央新報
予算は確定してないわけですけど、全般を見ると、さっきのおっしゃり方とすると、地方財政についての配慮というのもある程度ある。公共事業についてはかなり、非常に厳しい状況が出てきている。そういうことを踏まえて予算全般を、知事とすれば92兆円という規模も含めて、現時点でどういう評価というか、全般の評価について、何点というとちょっと知事は言ってくれないんだと思いますけれども。
○溝口知事
私は、いろんな施策を、それは政権をとった政党が決めるのは、それは選挙でそういう約束をしていっているわけですから、それがまさに政治のプロセスですから、それはどういうふうに決めるかというのは、そういうものに基づいたものですから、それに対してもちろん違う意見を我々の方から言うということも当然あろうと(思います)。それから国会が始まりますと、今度は野党の立場からいろんな意見も出てくると。そういうやりとりがあって政策というのが微調整なり大きな調整をしながら動いていくわけで、あまりちょっとの局面だけですべてを判断するわけにはいかないですね。
私の経験などでも、政府の意見、野党の意見が交わされることによって政府の意見も変わっていくんですね。野党の言われることに対して国民の賛同がやはり多いなと思うと、政府はそれを変えていくわけですよ。それはだから長いプロセスの話ですね。戦後の政党政治が昭和55年から始まったわけですけれども、その過程でもやっぱり与野党が国会等で議論をする、あるいはそういうものがメディアでも報道され、あるいはメディアのテレビが発達して、テレビでも議論をされる。そういうものが、もろもろが影響し合っておるわけですから、もうちょっと広く、長く考える必要があるんじゃないかというふうに思いますね。
それが一つのコメントでありますが、そういう中で一つ、当面の課題として問題なのは、やはり景気ですね。先ほど来申し上げていますが、世界全体が後退して非常に落ち込んだわけですね。新興国がまだどんどん発展していきますから、それでカバーしているというところがありますけれども、落ち込む前の水準までは回復してないわけですね。それで、その回復も各国のいろんな減税とか財政出動とか、そういう特別な政策で支えられておるわけでして、それで大きな恐慌のようなことは起きないで済んでいるというのが実態じゃないかと思いますから、景気の配慮をこれからも、当初予算が終わりますけれども、補正予算という方法もあるわけですから、よくそこら辺を見て運営をしてもらいたいというのが注文ですね。
そういう意味で、やはり弾力的にそういう事業量を伸縮できるというのは公共事業なわけですね。制度を設計してというのはやっぱり、交付金を配るだけでも去年大変でしたけれども、時間がかかるわけです。公共事業等は、例えば山陰なんかで、我々のところでいいますと、もう道路をつくる準備はしてあるわけですから、もう予算がついてやれば、すぐ工事が始まり、物が動き、人の雇用が増えるということがありますから、遅れているところを整備をする、去年はそういう意味では耐震化とか、あるいはバリアフリー化、学校、福祉施設等もやりましたね。あるいは雇用対策として介護職員の待遇改善のための対策だとか医療だとか、いわば必要、将来やらなきゃいかんいろんな事業を景気対策とあわせて弾力的にやっていくというふうに、弾力的な対応を政府に求めていきたいというふうに思っています。
○山陰中央新報
子ども手当についてもう一歩踏み込んでお話を伺いたいんですが、常々知事、ずっと国が負担される、全額負担されるべきだというふうにおっしゃっていたと思うんですけれども、神奈川県知事などはボイコットされるという発言もありました。島根県として何らかのアクションをされるおつもりというか、どういう訴えかけをされていくのか。
○溝口知事
今回できた案が当初予想されたようなものではなかったかもしれませんが、公約を実現するということで、それから財政の事情なども考えた折衷案としてああいうものができたんじゃないかと思います。しかし、すっきりしない仕組みですから、早くそういうものを整理をされて、明確な形にすることが望ましいと。総務省、総務大臣でしたか、国は子ども手当をもう国費で行う、それから地方は子育てのためのいろんな事業がありますね、放課後学校だとか保育だとか、そういうものは地方でやるとか、そういう案も出ておると思いますから、そういう案をよくこれから国、地方で議論をして、最適な方法になるように我々も努力をしていきたいと思います。
○日本海テレビ
(子ども手当の地方負担について)強く反発している知事さんもいらっしゃいますけども、溝口知事自身はある程度理解しているという(ことでしょうか)。
○溝口知事
それは仕組みの問題があるんですね。結局地方が行う負担というのは、それは地方が必ずしも全部負担するわけじゃないんです、やっぱり(地方)交付税という制度がありますから。だけど不交付団体になると、そういう財源手当てが事実上来ない。(地方)交付税制度はそういうものなんですけども、そういう影響の違いがかなりあると思います。要するに地方負担といっても、一番最後のところは(地方)交付税で調整をする仕組みになっているわけですね、財政力の豊かなところは、東京都などは例えば(地方)交付税が行かないということになるわけです。だからそれが補助金等々(と)の違いなんですね。
いずれにしても私は子ども手当の話は国でやるということで進んでいるわけですから、そういう面で、今回はいわば古い制度と新しい制度が混在したような制度になっておりますが、制度として国でやる部分を明確にしてやる必要があるというふうに考えております。
※()内は、広聴広報課で書き足しました。
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