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11月(第2回)定例記者会見(11月24日)

質問事項

1.高速道路ネットワークの整備について

 

○山陰中央新報

 高速道路のネットワークについて、先ほどつながることが大切だというふうにおっしゃったんですが、改めて今回の概算要求の方針を見られて、どのように受けとめておられるか改めてお願いします。

 

○溝口知事

 そうですね、公共事業全般の削減、その中で道路予算が削減されると、既に工事を相当程度行っているところ、完成が近いところを早く完成させなきゃいかんということにもなりますし、いわば継続中の事業が相当あるということですね。それから既に国庫債務負担行為などで契約して、今年度に支払いをするといったようなのもありますから、いわば既定経費というものが公共事業の予算の中に相当あるわけですね。それを除いた部分については若干伸縮性があるわけですね。その伸縮性のある部分を削減しないと公共事業の全体の削減はできませんから、そうすると伸縮性のきく部分に大きな影響が当座は出てくるということですね。

 

 そういう影響について具体的に説明を受けると如実に分かってくるということでありまして、いずれにしても継続中の事業が完成して、そちらに(事業費が)要らなくなると、今度はまた新規に振り向けていくということになりますから、若干のタイムラグを伴って新規の箇所にも順番が回ってくることを期待をしていますが、しかし、そういう事業費全体が縮むということは、まだ遅れているところにやはり大きな影響が当座、当面出てくるということでありますね。そういうことを国におきましてはよく理解をしてもらいたいと考えています。

 

 それから、それぞれの地方が自立していくためには、やはり基礎的なインフラというのはどこの地域に対しても公平に整備をされてないといけないということをよく主張していきたいというふうに思っています。

 

○山陰中央新報

 全体の事業費が縮まないといけないというのは分かるとして、縮められる部分についてどうメリ張りをつけるか、遅れた地域をどう考えるかということだと思うんですけど、例えば前の日に馬淵副大臣に会われたときに、高速道路のネットワーク整備の考え方については何か言及はあったんでしょうか。

 

○溝口知事

 そういうことを我々はみんなで訴えたわけですね。ネットワークにつながるということは、地方の自立、そういうために必要だと。特に全国を見渡したときに公平性の観点からも必要だということを私も言いましたけれども、関係の9県、同じ立場でありましたね。

 

○山陰中央新報

 副大臣は、それに対して、その気持ちは理解するとかしないとか、そういう言及はあったんですか。

 

○溝口知事

 副大臣の方は、全体の要望をお聞きするということでありまして、そういうことについては格別の、これまでと違った御意見があったわけじゃありませんね。

 

○山陰中央新報

 島根県として2020年を目途に全線の開通ということを要望してこられて、数字を出して要望されてきたんですけど、これに対し、かなり遅れるというか、県の訴えていく戦略に何か影響というか、変化とかありますでしょうか。

 

○溝口知事

 そこはまだ、これからの動きにも依存しますからね。

 

○山陰中央新報

 年度内にも、というのはどうでしょうか。

 

○溝口知事

 公共事業費全体がどうなるかとか。例えば公共事業費は減りましたが、非公共は増えているわけですね。例えば高速道路の完成している部分について高速料金を下げるといったような、公共事業じゃないけれども、そういう形での予算は増やしているわけですね。だから国土交通省全体で見るとそんなに大きく減っているわけじゃないですから、政策の重点にも影響が及ぶわけですね、国土交通省の政策全体、それから公共事業の中の配分の仕方、そういうものに順次影響が及ぶと思います。

 

 それで、もう一つは、国土交通省中国地方整備局長にも申し上げたんですけども、そういう政策がどういうインプリケーション(影響)を持っているか、どういう影響が及ぶかということもよく説明しませんと、なかなか国民全般におきまして理解がしにくいところがあるんじゃないかと。そこら辺をよく国土交通省の幹部に伝えてもらいたいということを言ったわけです。

 

○山陰中央新報

 国土交通省の予算の中で、これも繰り返しになるかもしれませんけど、高速道路の無料化、今、その水準については大分検討し直しておられるようですけど、そこに充てる財源があるんだったら、遅れたところの整備に回すべきだという考えをはっきり持っておられるということでいいんでしょうか。

 

○溝口知事

 それはやはり政府自体がどう考えるかということもありますね、もちろん。だから、それは政策に対する考え方の違いみたいなことは、それは当然起こるわけですけども、私としては、まだ完成してないところがあるわけですから、その点に十分配意をしてもらいたいと思います。それでやはり国のそういう政策は該当する地域の発展に大きく影響するということをよく考えてもらいたいと、我々の立場を主張しています。

 

○NHK

 関連して、端的に2020年ですが、目標どおり全線開通を目指すということに変わりはないということなのか、それともやはりそれは非常に難しい問題になってきたので、それ以外の代替の振興策を考えていかないといけないのか、出雲以西について。これどっちなんでしょうか。

 

○溝口知事

 いや、それはまだ分からないでしょう。どういう、今の要求の段階の来年度の話が出ただけでありますからね。だから今の国全体の予算がどういうふうになっていくかに依存しますから。しかし、我々としては早期の実現を引き続き求めていくということには変わりはないわけです。

 

○NHK

 今のスタンスとしては、目標は、目標どおり掲げていくということでしょうか。

 

○溝口知事

 今は、どういう影響が先まで及ぶかということについては不確定な要素が非常に多いです。

 

○NHK

 じゃあ、それに関連して、この前の9県の知事でしたか、お話しされたと思うんですが、何か今後こういった方策でこういった仕掛けで国に働きかけていくとか、何かどういうアイデアがあるのでしょうか。

 

○溝口知事

 そこは国全体として、やっぱりそういう考え方が共有されませんと難しいわけですね。それは高速道路料金を下げるというのも一つの政策の目的があり、それに伴う効果もあるわけですから、そういう中で、じゃあ公共事業費が減ると、整備が遅れたところに影響が出てくるという関係があるわけですし、それから国全体の予算の中でどうするかという問題がありますね。それはまた今度は国全体として税収が減っているわけですから、その中で歳出をどういうふうに削減をしていくかという問題とも絡んで、いろんな要素が絡んでいるわけです。

 

 しかし、私としては、高速道路というのは教育だとか、それとちょっと似たような、非常に基礎的なサービスを国民に提供するものであり、その地域の発展にも大きな影響を及ぼすものでありますから、公平性という観点をやはり重視すべきではないかと、する必要があるということをよく主張をしていく必要があるということですね。あらゆる政策が、それは地域により、分野により影響を及ぼすようなことになっているわけですね、現実には。

 

○NHK

 後半の質問ですが先ほど、そのための何か方策といいますか、オール知事会というのはなかなか難しいのかもしれませんが。

 

○溝口知事

 それは多くの人にやっぱり理解、サポートされないとなかなか進まないというところがありますね。それはやはり私はそういうサポートをもらうには一定の正当性といいますか、そういうものがなきゃいかんわけですね。それは政治の一つの大きな追求すべき目的として公平性、全国的に見て、やはり大ざっぱに見て公平性が確保されるというのが最も大事な課題じゃないかと思いますね。

 

○NHK

 今後とも整備率の低い県と協調して進めていくと、これは変わらないんですか。

 

○溝口知事

 それは変わりませんね。やはり困っている、整備の遅れているところは共通の利害を有していますけれども、しかし、そこだけではなかなかね、効率性という観点からいうと、もっと交通量の多いところの方を優先するとか、それはそういう議論もあるでしょうし、それからもう高速道路が完成したところでは、むしろそれがよく使われるようにするということが発展に役立つとか、それはいろんな考えがあるわけで、どれがアプリオリに(自明の事柄として)正しいということは言えないわけです。

 

 そういうものをどうやって政治が選択していくかというのが政治の役割なわけですね。だから、そのためには我々の立場、考え方が正当であって必要だということをやっぱり粘り強く主張していくということが大事だと考えております。

 


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