10月(第1回)定例記者会見(10月8日)
質問事項
1.国補正予算の執行停止について
○山陰中央新報
国の補正予算の見直しについてなんですけど、今日、県議会でも全員協議会でリストが示されて、懸念されるものとして幾つか事業が出てますが、県への影響あるなしは別にして、知事自身のスタンスとして、例えば農地の集積加速化事業の全廃とかあるんですけど、知事自身、これは認められないとか、これは仕方がないとか、何か知事自身のスタンスというか、今回どういう受けとめをされているのかということ、質的なものについて。
○溝口知事
前政権は政権としての考えで予算を国会に提出して成立しているわけですね。しかし、その後に政権の交代があって、新しい政権は選挙で公約したマニフェストの実現に向けていろんな努力をしなければいけません。そういう中で財源が不足してますから見直しをされているということであります。
まず、政権内では関係省庁で見直しをして、その結果、これまでに2.5兆円の見直し額が出てきており、まだもう少し必要だということで検討が進められているということであります。
やはり県の立場から見ますと、県の経済、あるいは県民に大きく影響が及ぶようなことは好ましくないわけであります。県の予算自体には今のところ関係する額は軽微だということでありますが、県を経由しなくても、さきほどの農地の集約などは島根の重要な産業であります農業の耕地の集約をするという事業でありますから、そういうものがほかの施策と比べて優先度が低いとは必ずしも思われないわけであります。しかし、政権は政権でいろんな判断をして、全体として意思決定をされるわけでありますから、しかし、そういうものについては農政全般をどういうふうに進めるかという観点の中で、新政権の中でも議論が行われますけども、こういう問題につきましても、農業関係者の方々の意見なども聞きながら、県としての意見も言っていきたいと思います。
○山陰中央新報
そういった意見を聞く場を、県としても設けられるということか。
○溝口知事
ええ。いろんなチャネルがあります。全国の知事会でいえば知事会のレベルでの議論がありますし、それから個別の各省にお願いをするということもありますし、それから意見を、あるいは立場を同じくするような県と一緒、あるいは地方自治体と一緒になって対応するということもあります。
まず、我々の方では中国5県で県知事に既に連絡をとり合って作業を進めております。中国5県の知事会は10月20日前後だったと思います。それに向けて準備を進めて、大体主要なところは考えが一致しております。しかし、そういうものは大粒な話ですね。地方の立場から見て、地方財源を確保するとか、あるいは道路といったように、地方部で整備の遅れているようなところはちゃんと国で配慮をしてほしいとか、そういうようなことは申し上げますが、個別の政策につきましては、やはりそれぞれの役所を通じて、役所に対しても言っていかなきゃいかんということになります。
いろんな政策も対応の仕方は違うわけですね。農業などにつきましては、やはりJAなどとどういうふうに対応するかというのを相談しながらやらないといけないと思いますね。
それから先は、政権の交代はありますが、いずれにしても国政の場でそれぞれの政権が予算編成の時期とか、そういうときに向けて政策をまとめていきますから、そういうプロセスでやっていくということになりますね。そこら辺を与野党を通じて、いろんなチャネルを活用しながら御努力いただきながらしなきゃいけないと思いますし、それから前政権と比べますと、政治で意思決定をしようということが非常に進んでおりますから、話を聞く、あるいは話を伝える相手もそういう方々に対して効果的なものを考えていく必要があると思いますね。
いずれにしても、そういう意味では長い間続いた政権が代わるわけですから、そういう仕方も新しい方法に合わせて変わってくる面もあると思いますが、政府の方の対応もまだ十分できていませんから、そういうものも見ながら効果的な対応をしていくということですね。
○山陰中央新報
政権交代で政策が変わるということはあると思うんですけど、約束されて、今回みたいに斐川町では、もう準備までして、直前まで来て、組合をつくるために努力して、そういうことがひっくり返されるというのはよくないことなんじゃないかと思うんですけど、実態としてそういう影響が出てることに対して、もう少し何か国にものを言っていかれる考えはありませんか。
○溝口知事
それは、いずれにしてもいろんな政策を選択をするときには、関係者の意見をよく聞いてほしいということですね。それが第一じゃないでしょうか。それで、もちろんその意見はいろいろな人によって違いますが、そういうものをやっぱりどうやって選択をしていくかというのが政治なわけですね。しかし、原点は関係する人たちの意見をやはりよく聞くということが最も大事なんじゃないかと思います。
○山陰中央新報
そのプロセスにちょっと問題があったということか。
○溝口知事
いや、問題があるかどうかは、それは政権が代わって、まだ1カ月ちょっとのことですから、来年度の予算編成のプロセスでさらにそういう議論をしていかなきゃいかんと思いますね。
○朝日新聞
今日の県議会の全員協議会で、県予算に対する影響は約2億円程度じゃないかというのが出てたんですけれども、その2億円の中で特に懸念しているところとか、今ありましたら教えていただけますか。
○溝口知事
あの2億円というのも、全部が停止になるとかというようなことはわからないわけでしてね、関係する予算として計上されているものとして2億円程度あるということでありまして、影響額とは違いますね。影響額は、どういうふうに、いろんな予算の中でもいろんな項目があるわけですね。どの部分を停止するかというようなことがわかりませんと具体的な額は出てきません。事項として説明している部分を見ると、その部分が関連しているだろうという推定ですね。それで、それは今までの段階ですから、2兆5,000億円という中にそういう関係するものがあるだろうということであります。
内容は、文部科学省の情報通信に関する教育環境整備事業の補助金ということですけれども、そういう施設整備についての補助金として、県の予算で計上されているものとして約6,000万円ぐらいあります。他に農業関係で1億4,000万円ぐらいあるということでありまして、どのように影響するかというところまでは今のところはわかりませんね。
○山陰中央新報
見直しの中身がここまでわからないというのが、私の方はどうも解せないんですけれど、特に国土交通省についてかなり大きな影響があると思われるものが出てこないということに対して、ちょっとやっぱり現場も混乱を余計させてるような気もするんですけど、その辺はいかが思われますか。
○溝口知事
そうですね、大きい予算でいろんな事業がそのもとにありますから、そういうものを精査しなければいかんということでしょう。それは編成に数カ月かかるわけですから、それをさらに予算が成立して、どこに箇所づけをしてというようなことで進むわけですから、それを見直すとなると、やっぱり一定の時間を要すると思いますね。しかし、影響はありますから、政府の方にはできるだけ早く明確な対応を示してもらいたいということです。
○NHK
知事は、今回の補正の見直しについては、地方に影響が出るようなものにはならないのではないかっておっしゃってたと思うんですけれども、実際には。
○溝口知事
これからどうなるかは、まだわかりませんね。まだ見直しがこれで終わったということじゃありませんからね。
○NHK
今の段階では、どのように捉えられてますか。
○溝口知事
今の段階では、閣僚などの発言についての報道を見ますと、地方に対する配慮をするといった発言と申しますか、報道がありますから、それから現実に県としてはそうですけど、県の予算としては今のところは全体の中からいえば大きくないということです。しかし、もうこれで見直しは終わったと、こういうことじゃないわけですから、よく状況を注視をしていかなければなりません。明日、また知事会がありますから、そういう場で意見交換をして、知事会としてどういう対応をするかということも議論をしますから、そういう中でさらに知事会としても意見を集約して伝えていくということになると思いますね。
それから、補正予算自身もそうですし、来年度予算の編成が始まるわけですから、それはまだよくわからないわけです。いろんなマニフェストに書かれているメニューのうち、どういうものがどういう形で取り上げられていくかというのは、民主党の中でも議論がまだ進んでおりませんね。これは普通、予算の編成は要求から考えますと半年以上かかるわけですから、見直すにしてもやっぱり一定の時間を要するだろうと思いますね。しかし、景気対策の必要性等々、あるいは関係者に対する影響等を考えれば、もう全力を挙げて早い予算編成をお願いをしたいと思います。しかし、早いといっても関係者の意見を聞かないでというのでは困るので、よく聞きながらやってもらいたいというふうに思います。
○山陰中央新報
先ほど文部科学省の情報通信の補助金ということで、地上デジタルテレビですとか電子黒板のお話があるんですけども、そういったお金を、補助金が出なくなって、要は市町村は特に財政難で、これからどうすればいいのかというように困っていると思うんですが、その対応として、県が例えば補助をするとか、そういうことも考えられるんでしょうか。
○溝口知事
そういうところまで今考えるわけにはいきませんね。それは全体への影響があって、結局個別に何を採択するかじゃなくて、やっぱりそれぞれ予算というのは一定の枠があって、その中でどれを採用していくかということですから、全体の中でいずれにしても考えなきゃいけない問題ですね。
○中国新聞
今日の県議会の全員協議会で示された2枚の紙の一覧リストがございますけれども、その中で特に知事が、これは非常に影響が大きいと、それで凍結とか見直し、返納とかというのを撤回してほしいというふうな、そういうふうに考えるもの、非常に影響が大きいと考えるものはございますか。
○溝口知事
まだそういう個別のところまではわかりませんが、例えば農業関係は非常に大きな見直しが行われているわけですね。それは農政全般がどうなるかとかいうことと関連するわけでありまして、そういうものをやはり、そういう大きな枠組みの中で、こっちは減らすけどもこっちは増やすだとか、そういうことが見えてこないと、どういう影響があるかというのはわからないわけですね。そういうことを早く検討を進めてもらうと、その過程で必要な意見を伝えていくということですね。
それから、金額が次いで大きいのは国土交通省ですね。聞くところによると、金額が大きいのは国土交通省で、割合が農林水産省が最も大きいんですけども、国土交通省の予算も、都市開発関係の事業の土地の買収、先行取得といいますか、そういうものを削減するといったようなことであって、地方公共団体とか地方部に大きな影響が及ぶような姿にはまだなっているかどうかははっきりしませんけれども、今のところ必ずしも大きな影響が及ぶということではないようなことだと思います。
いずれにしましても、こういう状況じゃ困るわけでして、できるだけ早く明確な方針、具体的な考え、あるいは内容を示してもらいたいということです。
○山陰中央テレビ
知事、今日、議会で地方の道路整備の促進を求める意見書が採択されましたけども、党派を超えて団結して国に訴えるという、こういった議会の姿勢というものをどのようにお感じになっていますか。
○溝口知事
国全体の話ももちろんありますが、それぞれの地域、あるいはそれぞれの自治体、それぞれ状況が違いますから、そういう意味で島根などにつきましては道路の整備などは大都市圏と比べて遅れてきているわけですから、そういうところの整備を進めてもらいたいということを県が一丸となって言っていくということは大変大事なことでありまして、そういうことについて議会でそういう表明をされるということは、大変重要なことだと思います。
例えば年金のような全国だれにも関係するような問題とか、あるいはそうじゃなくて一定の地域などに特に影響があるものとか、あるいは一定の産業に影響があるものとか、いろいろ違うわけですね。だから、全体でまとまるものもありますし、関係するところで一緒になって行動するものもあると、そういう仕分けをしていかなければなりませんね。中には地方団体間でも全然意見が違うところはありますから、やはり大きな違いはそういう道路の整備のようなところに出てくるわけですね。
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