7月(第1回)定例記者会見(7月9日)
質問事項
2.全国知事会及び首長連合について
○山陰中央テレビ
来週の知事会についてなんですが、現在、知事会で次期総選挙の支持政党を表明しようかというような動きもあるようなんですが、溝口知事御自身は、知事会として支持政党を表明することについてどのようにお考えですか。
○溝口知事
知事会としてそういう議論は、まだこれまではなかったと思います。知事会としては、地方分権をどう進めるかということについて、国と国政の場に訴えるようなものをまとめるという作業はしてきております。それが知事会の動きですね。
それからもう一つの動きは、知事さんとか、他県における、あるいは市町村長さん、首長の方々がそういうことを考えようとか、あるいは考えているというような報道に接しますが、政党の支持ということになりますと、これは私の考え方というか、一般的な見方だろうと思うんですけども、政党は内政から外交、防衛、幅広いわけですね。内政におきましても、例えば今我々が直面している経済対策をどのように進めていくかとか、あるいは地球温暖化問題をどういうふうに対応するかとか、それに関連してCO2の削減問題はどのように対応するとか、あるいは年金、医療、そういった内政の問題がありますね、あるいは農政の問題もあります。それから外交、防衛ということになると、これはまた広いわけでありまして、政党はそういうものを全体としてどうするか、どういう政治活動をするかというのが政党の活動ですから、非常に広いわけです。
一方、知事会がいろいろ議論しているのは、地方分権をどう進めるかということですから、これも大変大事な政策でありますけれども、今言ったような大きな問題を全部カバーするような問題じゃありませんから、やはり政党を支持するかどうか、あるいは知事会のメンバーとしてするかとなると、地方分権だけで決めるというわけにいきませんね。それは現実に難しいんじゃないかというのが私の見方ですね。
○山陰中央新報
逆を言うと、今は分権が一つの物差しになっていると思うんですけど、今おっしゃられたように、例えば外交やら防衛の問題も含めて、総じて政権公約というのを見渡した上で、いわゆる首長連合みたいなものを形成して、首長がグループとして特定の政党をやる、ちょっと今、現実とはこれはそぐわない話ではあるんですけど、そういう動きというのは、知事自体は、是非はどのように考えていらっしゃいますか。
○溝口知事
だから、それは首長というよりも、首長たる個人がどう行動されるかという話じゃないでしょうか。だから、それは個人個人のお考えでおやりになるということと理解しています。
○山陰中央新報
いや、例えば知事もそうかもしれませんが、個人として特定の政党を支持するということについてはいかがですか。
○溝口知事
それは個人としてはみんなあるわけですね。だから、知事として、首長としての連合というか、そういうものについてするということでありまして、分権だけで政党の支持をするということは、なかなか難しいんじゃないかと思います。要するにほかの問題がたくさんありますから。だから、要するに知事というのは分権の観点から政党を支持するというのを決めるのは、あるいは知事会で決めたりするというのは難しいことでしょう。現実的でないと思います。
○山陰中央新報
仮にそういう判断、首長連合であれ知事会であれ、やるのであれば、そういう内政ないしはほかの問題、経済、対策、いろいろ今言われましたけど、例えば外交の問題なんかも踏まえて評価するのであれば、それは知事会であれ、知事を含めた首長連合であれ、それは可とされますか。
○溝口知事
知事会というと、それは一つの組織ですからね、それはそういうものに賛成するかどうかということでしょうが、現実には知事会はそういう組織じゃないですからね、やはり地方の立場から、地方の政策をいわば国に訴えていこうということでありますから、それから知事会としてそういうのを個人個人とれば、それぞれいろんな考え方がありますからね、現実にそういう提案があっても、まとまるというのは難しいと思いますね。それで、私もそれを知事会でやるのは多分できないだろうなと、難しいだろうと思います。
○山陰中央テレビ
それは、溝口知事御自身が知事会としてそういう支持政党を表明することには抵抗があるというお考えだからですか。
○溝口知事
知事会として抵抗があるということよりも、そもそもできないだろうということです。できないというのは、要するに現実的でないだろうと、こういうことです。
○山陰中央新報
適当でないという意味合いもありますか、それ自体が。
○溝口知事
適当でないという意味合いの前に、要するに知事会が防衛問題とか、あるいはいろんな問題について意見をまとめようという機関じゃありませんもんね。それはだから知事会を離れて、個人個人がグループをつくっておやりになるのは、それは政治活動の自由でありますし、それはそういう意見の合う方がまとまってやるというのは、これは当然のことじゃないでしょうか。だから、そこら辺の議論がやや整理をされていないような感じがいたしますね。
○山陰中央新報
その個々の動きというのが本来そういう役割を持っていない知事会の場に持ち込まれようとしているということなのでしょうか。
○溝口知事
だから、分権についての知事会の考え方はあるから、それを各政党に、マニフェストに入れてもらうように働きかけましょうというのはあって、それは必要なことだということでありますね。
○中国新聞
知事会の中の政権公約評価特別委員会というのですか、昨日もテレビでやってましたけれども、政党のマニフェストについて点数で評価をつける、そういった動きもあるようですけれども。
○溝口知事
それも多分分権とか、国と地方との関係に関連する項目だったと思います。だから、あらゆる政策を知事会で評価するなんていうのは、それは知事会の役割じゃありませんね。個人個人でそれはやるべきことでしょうね。あるいは考え方が同じ方々が集まってやると。それは政治活動ですね。知事会の役割は、地方行政の長として担当していますから、地方の実態をよく知っているわけですから、こういう国と地方の関係が望ましいとか、そういうことを国に伝えていく、あるいはそういうことが通るように働きかけるというのが知事会の役割だということなんです。
○山陰中央新報
積極的にそういう首長連合みたいなものに参加されるような意思とかいうのはおありですか。
○溝口知事
だから、そこはいろいろ、どういう人が何を考えているのかというのがまだわかりませんからね、何をやられようとしているのかということもわかりませんから、そういう状況として見ているということですね。だから、要するに分権の話か政党全体の話かというのがどうも、いろんな報道なんかを見てもはっきりしないような感じがしますね。中には政策体系全体ということもありますけども、中には政策を支持するかしないかという問題じゃないかという人も、報道なんかを見ますとありますね。だけど、政党を選ぶというのは、やっぱり政党全体の政策をどういうふうにしようとしているかという内容と、それから、それをどう進めようとしているのかという方法もあるでしょうね。だからちょっとレベルの違う議論じゃないかなあといったような感想をとりあえずは持っております。
○山陰中央テレビ
では、今のお話を総合すると、知事会として支持政党を表明していくということは適当ではないんでないかというお考えですかね。
○溝口知事
適当でないというか、できないだろうということですね、適当の前に。
○山陰中央新報
じゃあ、知事会に対してそういうお考えなのはよくわかりました。首長連合に関しては、個々においては、それは、政治に関しては政治活動の自由で認められているわけですから、個々が個々として集まって特定の政党の支持を表明するということ自体はいかがですか。
○溝口知事
それは当たり前のことですよね、政治活動というのはそういうものですから。考えを等しくする人たちが政党といったグループをつくったり、あるいは政治活動をともにする人が一緒に行動するという、それが政治活動ですから、首長も選挙で選ばれた、政治活動をして選ばれた人ですからね、当然それぞれが一つの考え方をやっぱり持っているわけですよ。
○山陰中央新報
ただ、例えば選挙に出るときに、例えば無所属という形で出ていたりしますよね。いろんな党派を超えたりして、いろんな形でいろんな人が首長になっていて、選んだ側から見ると、私はそういう政党を支持してほしいというつもりであなたに入れたわけじゃないというようなことも、各論だけ見れば、地元で支えている有権者というところを見ると、その辺でねじれたりするようなこともあるのじゃないかと思いますが。
○溝口知事
それはあるでしょうしね。それはそれぞれの政治家、あるいは選ばれた人が自分で考えるべきことでしょうね。
ただ、国政という場があり、地方政治という場があるのは、それぞれがやっぱり役割分担をしているということなんですよ。国全体にかかわるような政策は、やはり国全体の人たちが集まった場で議論をするということで国政の場というのがあるわけですね。それで地方ももちろんそれと関連はしますよ。だけど地方、例えば島根県なら島根県をどういうふうによくしていくかとか、あるいはある市をどういうふうにしようというのは、またそういう役割ですから。
その人たちももちろん国政全般についても、当然地方から関係するようなことについては、よく言っていかなきゃいけませんね。例えば島根県でいえば、今のように過疎法を通してもらうというのは国政の話ですけども、地方の実情を伝えるというのは我々の役割ですから、それは地方としてやらなきゃいけない。しかし、我々の方で防衛問題をどうしてくださいというのは、地方の首長としての役割じゃないですね。それは政治家としては、それはこういうふうにしてもらいたいという活動をするのは自由ですけれども、国政はそういうあらゆるものが含まれているということですよ。
○山陰中央新報
過疎法の関係では、他県とも連携して、物によってはやっていくということも現実にあっているわけですけど。
○溝口知事
それはあるわけですね。
○山陰中央新報
もう一つ、じゃあ関連してなんですけど、ただ、こういう知事、市長クラスという首長が連合という言い方がどうかは別として、特定の国政の選挙に当たって連携、結束をしてどこかを支持しましょうという動きは、これは今までほとんど見られなかった動きだと思うんですね。それが今回起きている背景、要因というのを知事はどういうふうに見ておられますか。
○溝口知事
それはやはり、一つは地方の立場からまとまっていった方がいいという考えがある人たちがかなりおられるということですね。それで私も地方の立場はそれぞれやるべきでしょうが、さっき申し上げましたように、グループとして活動するにしても、考えがある程度というか、相当同じでないといかんわけでして、そうすると、国政の場で支持をするかどうかということになると、やっぱり国政に係る政策全体について一定の考え方が共有されないといけませんね。
そういう議論があんまりない、今までのところね。これからどういうふうに展開していくのかは知りませんが、しかし、地方の主張としては、そういう国政にかかわる問題にももちろん関心を持って政治家としてやるべきでしょうが、主張としてはやはり地方行政、あるいは地方から見た国に対する注文とか、そういうものがやっぱり主たる活動の分野なんでしょう。
○山陰中央新報
知事自身のスタンスはそういう軸足でやっておられるということでしょうね。
○溝口知事
だから、過疎に限らず高速道路なんかも、国政の場ではいろんな議論があるわけですよ、一般財源化しようというのはあったけども、島根県とか高速道路の整備がおくれているところは、それと同じような県らと一緒になりまして、やはり道路財源の確保が必要だと、あるいは高速道路の整備が必要だという主張をするわけです。だから、地方行政に関連することだって、実は都市部と地方部で意見が違ったりするというのはあるわけです。
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