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6月(第2回)定例記者会見(6月24日) 

質問事項

5.県の景気対策の効果について

 

○山陰中央新報

 景気の話ですけども、全国的には今年の1−3月が景気の底で、この4月以降、若干回復の兆しが見えているということなんですが、県としてもそういった動きに呼応して、この6月の補正で過去最大の規模で景気対策をやるということで、ずっと財政面で切れ目のないてこ入れをずっとやってきたわけですけども、今回の過去最大の補正によって、県内の景気にどれくらいの効果があるのか、これからそれによって県内の当面の景気がどうなるのか、その見通しと、それからもう1点は、今回の補正は恐らく短期的な成果をねらっていると思うんですが、こういった短期的な財政出動が果たしてどれくらいもつのか。

 

 過去、10年前にもバブル景気でその経験してて、確かに財政を出した段階は瞬間的にはもつんだけども、しょせんカンフル剤、また息が切れてしまうと、その繰り返しでずっとやってきたわけですね。今回もそのパターンを踏んでて、とにかく緊急避難だということで大型の財政出動やるんですが、それは今回いつまで持続するのか。また2番底、3番底が来て、また新たな財政出動やって、その結果、借金の山をつくるというパターンを繰り返してきたんですが、その辺はどう位置づけていらっしゃいますか。

 

○溝口知事

 1−3月で少し調整が進んだというのは、それまでに、特に自動車とか電機産業だとか、そういう産業を中心に将来の需要の下落が起こると、そうすると在庫が余り過ぎると、そうすると生産を調整しなきゃいかんという動きが非常に速く進んだわけですね。つるべ落としのように進んで、その調整がある程度終わって、在庫も適正水準になっていくと、今度は販売の増加に応じて生産もしていかなきゃいかんという状況が出たということで、いわば異常な時期を脱したというぐらいのことでありまして、それで景気回復が進んだということじゃないというふうにみんな思ってると思いますね。

 

 先行きは、やはり経済全体がどういうふうに拡大をしていくか、そういうことに依存するわけです。そうすると、まだ消費者の先行きの不安、あるいは雇用の減、あるいは時間外の労働時間とか、それはすぐにはなかなか回復しませんね。

 

 それから、世界的に見れば、アメリカの景気の回復というのは相当時間かかるというふうに思ってなきゃいかんわけですね。日本のこれまでの景気回復も、輸出にリードされてきているわけでして、そういうものが本格的にならないと、本格的な回復というのはなかなか実現できないだろうと思いますね。それは昨年来ずっと企業経営者が言っていることですけれども、輸出市場の回復、特にアメリカ市場の回復がないとなかなか回復しないという見方がありますが、その状況は変わってないと思いますね。

 

 それから、金融機関はバランスシート、非常に悪化しておるわけですから、そこが改善しませんと、新規融資とか、なかなか回復してまいりませんね。幾ら金融緩めても、リスクがありますから。

 

 だから、非常に異常な事態は脱したというのが1−3月期の状況で、県内のものづくりの進出企業の方々と話した感じでは、対前年比で七、八割ぐらいに、生産ですね、最近では回復してきていると。それでも20%とか30%の減ですからね。さらに先行きの見通しもはっきりしないと。若干中国の需要なんかで需要の増加、出荷の増加もあるけども、それがどの程度続くかというのもまだ不確かだということなんで、私自身はそういう、さらにマイナスに調整が進むというような、異常な事態は脱したけども、本当に健全状態に戻るのにはまだ時間がかかり得るということを想定していろんなことを考えていかないといかんだろうというふうに思っております。

 

 それは、過去の景気回復のパターン見てもそうですね。一たんバブルが崩壊して、そこから戻っていく過程というのは時間かかるわけです。それで、日本はそういうバブルは今回ありませんけども、外がそうですからね。

 

 それから、効果ですが、しかし、それで対策と効果の話がありましたけれども、対策はやっぱり需要の追加ぐらいしかないんですね。需要が減退するから生産減退しているわけですから、需要をふやすためには、それは民間需要がふえるのはいいんですけども、設備投資はふえない、消費もふえないということになると、やっぱり公的な需要で補完せざるを得ないですね。それは、おっしゃるように短期的な効果が主体ですね。それはやむを得ないわけです。

 

 だから、増加した公的な需要を、今度は民間の需要の増加が補完をしていくような状況にどうやってつくっていくかということが問題なわけですね。それには、そんなにすぐにかかるということはなかなか難しいと思いますね。だから、引き続き我々の方の対策も、そういう中期的な見通しというか、ある程度難しい事態も頭の中へ入れながら考えていかなきゃいかんだろうということです。

 

 県がとりました対策、需要の追加、2月補正と今年度の当初予算で200億ぐらい。今回の補正予算450億程度でありますが、今年度に実施する分が200億ちょっとですね。これ合わせますとGDPのベースで1.8%ぐらいになりますね。それはこれからの事業の執行に伴って発現をしていくということでありますね。それは雇用の増加、あるいは賃金、所得の増加で、今度は消費の拡大というプロセスを通じて広がっていくわけですけども、エネルギーは、そういう公的な支出ですから、民間需要が回復しなければそれは単県にとどまるというのは、これはやむを得ないことですね。対策が悪いんじゃなくて、対策そのものがそういう性格だということを認識して対応しなきゃいかんわけです。


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