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6月(第2回)定例記者会見(6月24日) 

質問事項

2.国道54号三刀屋拡幅事業について

 

○山陰中央新報

 今日、夕方から、広島で国道54号三刀屋拡幅の評価委員会があるんですけれども、これまでもほかの整備局なんかではどんどんどんどん結論が出てまして、三刀屋拡幅についても一時凍結が解除される公算が高いと思われますが、これまでのほかの箇所の議論、動向なんかを見ていて、どういうふうにお考えなのか。

 

○溝口知事

 我々がその件について国交省に申し入れてきましたのは2点あったわけですね。一つは、B/C(※)を評価するに当たって、特にベネフィットの評価で3要素に限定をされていると。走行時間の短縮、走行経費の減少、交通事故の減少と。しかし、それは係数が割合しやすい指標なんですけども、それ以外にもいろいろな効果があるから、それ以外の効果もよく考慮してB/Cをやる。あるいはB/Cだけじゃなくて、数値以外の要素も考慮して、工事をどうするかというのを決めるべきだということを言ってきたわけです。

 

(※)B/C=費用対効果

 

 それから2番目は、54号三刀屋拡幅はもう事業が進んでいるわけですから、そういうところを中断するというのは、ほかの市の事業なんかとも関連しているわけでありまして、そういう事情もよく配慮すべきだと。この2点が中心だったと思いますが、考え方として大事なのは第1点目の方でして、数値が割と計算しやすい効果以外のものを評価すべきだということを言っておって、例えば事故とか災害等があった場合の代替機能ですね、そういうものでありますとか、あるいは救急搬送時間が短縮することによって救命がなされるといったような効果、あるいはまちづくりだとか産業振興にも影響するわけですけども、そういう効果を考えてくださいということなんですが、そういう方向はある程度国交省の方も前から認めてはいるわけですけども、どうしても数字の分に重点が置きがちであったんで、そこを改善される方向に進んでいるんではないかなというふうに思っております。

 

○山陰中央新報

 これまでの状況を見ていると、B/Cの評価の仕方、見直しの仕方というところも非常にあいまいな感じで、ほかの整備局の状況ですと難しいんでしょうけれど、ああいうふうに進んでおって、結局知事としてずっと求めていらっしゃったその3要素以外のをどういうふうに加味していくかというとこが、またぼやけたまんまで進みそうな気もするんですが。

 

○溝口知事

 それは今回の提出される資料等を見たり、議論をよく見て考えたいと思いますが、私どももお願いに行ったりする過程では、国交省も、それはもちろんほかの効果もあるということはよく承知をされておって、そういうものをどうやって取り込むかということが難しいんで、その工夫をされる必要があると、そういう工夫、努力はされているんだろうなと思います。結果をよく見まして、さらに対応していきたいというふうに思います。

 

○中国新聞

 もう一歩踏み込んで、結論は今日の夕方以降になってみないとわからないんですけれども、見通しとすれば、再開が認められるんじゃないかというふうに思うんですが、そのあたりについての現段階の率直な受けとめですね、現段階の三刀屋の部分が再開されるであろう見通しになっていることについての受けとめというのをお伺いできますでしょうか。

 

○溝口知事

 我々としては、再開を決定していただいて工事が早く進むことを期待をしているということであります。

 

○山陰中央新報

 そもそものところで、B/Cで1を割るから一時凍結をするんだということで進んでいて、結局いろいろコスト削減をして、1を上回るか、それ以下の場合でもまた再開、ほとんどの路線で再開するという、全体的なところで、今回の国の手法というか、考えというか、やり方ですね。そもそものところでどうだったんだろうという思いはお持ちではないでしょうか。

 

○溝口知事

 3要素にしても、みんな推計の要素があるわけですね。確実な数字が一本ぽんと出てくるわけじゃなくて、交通量をどう推計するかなんていうのは非常に大きな不確実性があるわけですからね、もともとそういう数値なわけです。だから、ある意味で一本で数字がぱちっと出るようなものではありませんから。ましてや3要素以外にもほかの効果があるわけですからね、そういう効果も総合的に考えていくべきだということなんだと思います。

 

 ただ、そういう数値で、1をちょっと切るぐらいじゃなくて、どう見ても0.5以下とか、そういうのはなかなか工事をするというのは難しいということはわかるでしょうが、1近傍にあるようなところは、ほかの要素もよく考えてやるというのが、要するに現実的な対応じゃないかなと思いますね。

 

○山陰放送

 関連してなんですけども、三刀屋の件に関しては、用地買収とか歩道の整備が進んだ中途半端な状態でストップになった、このおろそかな状況についてはほかに気になるところはありましたか。

 

○溝口知事

 それは、さっき申し上げましたように、我々、要望の論拠として2点あると。1点は、B/Cの仕方の問題。2点は、既に工事が始まっておって、一部はもう道路の拡幅を、用地買収終わってますから、店舗だとかは後ろの方に下がっているわけですから、そういうところでは、そのまま中止されたんじゃ困るわけでしてね、そういう実施をしているかどうかということも、そういう中断とかを決める場合によく考慮すべきだということであります。だから、緊要性が高いということですね、B/C以外の要素としても。

 

○日本海新聞

 そもそも今回の議論なんですけども、工事着手前にきちんと話し合うべき内容だったというふうに個人的には感じているんですけども、今回の一連の騒動を経て、今後の新規の工事ですとか、新しい道路建設について、より厳しいチェックが入ってくるのではないかなという気もするんですが、そのあたりについてはどのように見ていらっしゃいますか。

 

○溝口知事

 今回のリストの公表は、私も今詳しいことは、字句どおり言うわけにいかないんですけども、たしか国会等での議論、あるいは審議会等での議論で、そういう見直しを国土交通省はいつかの時点で行うというのがあって、それのいわば約束を果たすということで行われたというようなことだと理解しておりますけどもね。それはあるにしましても、いずれにしても道路をつくるとかつくらないとか、いつやるかとかというのは、やはりその道路がB/C、あるいはほかの要素も入れて有益だと、あるいは必要だという判断でやらなきゃいかんわけですね。

 

 そういうクリティカルな、本当に必要だというようなところはあんまり議論ないでしょうが、B/C、1をちょっと切るとかね、そういうような状況のところをどうするかというような、一例ですけども、そういうような状況下においては、やはり地元の意見などもよく聞いていただくということが必要だし、聞いただけではなくて、そういうものをやっぱり取り込むような考え方を評価の中に入れてほしいと、これからもそういう話を国交省等に対しまして伝えていきたいというふうに思ってます。


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