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4月(第2回)定例記者会見(4月24日)

質問事項

4.県政2年の評価について

 

○中国新聞

 月末に任期の折り返し地点を迎えるということで、以前の会見でも一度お話が出たことがあるかと思うんですけれども、改めまして知事だからできたというふうに自負していらっしゃる実績、あるいは実現に向けて知事の経験なり人脈なりというのが生かせたんではないかと自負されていることをお願いできますでしょうか。

 

○溝口知事

 僕だからできたというのは、比較ができませんからね、そういうことは言えないんですけども、私自身が言ってきて、その上でどうしたかということで話しますと、やはり島根県を活性化するということが最も大事な課題だということをずっと最初から言っておりまして、最初の段階は、やはり県外に若者たちが流出をして、その結果、少子高齢化が進んで、それで出生数が少なくなって人口が減ると、あるいは県外に出る人が多くなるんで人口が減るということがありますから、やはり産業を興すということが大事だということでありまして、産業の振興については戦略会議というのを設けまして、まず大きな方向を定めていこうといたしました。

 

 それからいろんなことをやるにしても、県の財政が、いろんな理由もありますが、過去から財政の悪化が続いており、それを放置したんでは長期的な展望に立った施策の展開ができませんので、まず財政の基礎をしっかりする道を定めなきゃいかんということをやって財政健全化計画というのをつくったわけですね。それが19年度の年内といいますか、年末前に大体できまして、大きな枠組みができていって、それで、さらにその上に3月末、19年度の、初年度の末には総合発展計画ということで、具体的に分野ごとにどういう施策をやっていくかというのも示して、それに基づいていろんな施策を展開していくことにしました。もちろんいろんな制約がありますから、そういう制約を考えながらやらなきゃいけません。

 

 そういうことで一応進んできているということでありまして、産業振興は去年の秋からの世界的な景気後退が日本に及び、島根にも及んで大きな問題を起こしていますが、誘致企業なんかで見れば、まだ影響は今年度まではそう、非常に深刻な影響を与えたということじゃなくて、進出件数だとかそれに伴う雇用なんかはまあまあある程度確保できたかなという、数字の上からはそんなことが言えそうですね。

 

 それから、財政の健全化の方は、今の景気情勢でどうなるかということが心配されましたが、国の方も地方財政に配慮をしなきゃいかんという考えがかなり浸透してまいりましたね。昨年度、20年度の予算からの交付税の増額といいますか、国からの繰り入れの増額だとか、あるいは譲与税を変えて地方部に少し財源がふえるような措置をとられた。それが今度の対策では特例交付金というようなことになり、それから今回の補正では1兆円ぐらいの交付金、さらに補助事業、直轄事業の地方負担分に対する交付金とか、かなり地方に対する配慮がいろいろなされてきておりますから、県の、島根県だけじゃありませんけれども、地方自治体の財政に大きな負担をかけないでいろんな経済対策が打たれてきているということです。それは我々にとっては大変ありがたいことだなと考えています。

 

 そういうことで、それから対策も、さっき申し上げたように不況対策ということがありますが、実態は大きなものはインフラの整備であったり、島根県がそもそも必要な道路の整備であったり、あるいは学校の耐震化であったり、そういうものがたくさんあるわけですし、あるいは農業だとか産業振興に対する国の助成もありますから、そういう産業振興とか島根を活性化するのに役立つわけで、一石二鳥と申しますか、そういう複合的な効果を持っているんで、それは全体の政策の推進にも役立っているというような印象を持っていますけども、いずれにしても景気の情勢がどうなるかということはまだ見通せませんから、当面は経済対策、今度の補正でもそういうことをやっていきますが、それは私が言ってきました産業振興と財政再建とパラレルになって進んでいるというふうな見方を私はしております。

 

○中国新聞

 失礼に聞こえたら大変恐縮なんですが、今おっしゃられた財政健全化、産業振興というのは、溝口知事でなくても、別の方が知事になられとっても恐らくやられていたと思うし、同じように進められていたのだと思うんですよね。その中で溝口知事が知事になられたからこそできたんだと、あるいはいい方に進めているんだというふうに自身として分析なり自負されとるところがあればお聞きしたい。

 

○溝口知事

 自分こそとは言えないと思うんですけども、例えば地方財政、地方の配慮が必要だなんていうのは、上京するたびに総務省に行ったり財務省に行って話を随分してまいりましたけれども、そういう中で、地方の法人税を譲与税にするとか、そういう議論なんかも早い段階でやったりしましたけれども、だから私だけのということじゃないんでしょうが、そういう意見なんかを言うことによっていろんな進展がありますし、それから国会の県選出の先生方にもよくお願いをするとか、あるいは県議会もやられるとか、みんなの共同作業ですね。

 

 それから、一つ特に私が進めたというのでは、社会貢献活動というのをいろんな機会に繰り返して、そういうものを活発にしていきましょうということで、それは金額的にはそう大きなものじゃありませんが、そういうものは私自身がかなり指揮をしてやってきておりますね。

 

 それからあと、産業振興だとか観光振興なんかも、私もできるだけ、澄田さんも、みんなそうですけども、いろんなPRの場に出て、あるいは東京とか大阪とか広島とかやってきておりますね。

 

 あと、どうでしょう。それからいろんな施策をするときに、総務省、財務省に限らず、厚生労働省とか、そういうところに実際の仕事の行政の上にいる人たち、局長だとか次官などにしょっちゅう言って、その都度意見交換しています。地方から見た問題をいろいろ言っています。そういうものは何かのときには役立ったりするということがあるんじゃないかなと。その人たちもやっぱり地方の生の声も聞きたいし、地方の首長の意見も聞きたいというのがありますから、大体行くと、ぱぱっと、短時間ですけれども、すぐそういう実質的な話をいろいろやることができているというふうに思いますし、それから私自身もやはり島根県は自主財源というのが少ないわけです。県税は一般財源3,000億の中の700億円弱ですからね。だから国の施策がどう展開するというのがやっぱり島根の政策の展開にとって非常に大事なことですね。道路もそうですし、それから交付税もそうですし、あるいは医療もそうですね。

 

 医療についても、やっぱり地方の医学部を充実するとか、地方の定員を増やすということが大事だというふうなことは繰り返して言っていますね。そういう意味で、私が国に対して言っているのは、分権も大事だけども、地方分散が大事なんだということをキャッチフレーズとしては言っていますね。要するに先生、お医者さんの分散ですね、それも結局研修医みたいなものを分散させないといけないわけですけども、あるいは道路の整備も分散ですね。大都市の周辺の道路整備だけじゃなくて、地方道、地方の高速道路を早く整備すると。

 

 我々がやることは、そういう大きな物の考え方を伝えていくということですね。もちろん個別にもいろんな要望をしなきゃいけませんよ、それはやるわけですけども、一つ大事なことは、そういう大きな物の考え方の枠組みだとか、そういうものに地方の考えを反映するように働くということが必要だと、それはかなり上京もしますから、そういう機会はあると思います。

 

○山陰中央新報

 先日、13日、14日で上京されて省庁を回られて、それこそ意見交換、いろんな懸案事項だったり補正予算で、具体的に手ごたえがあったものとか、進捗状況というか、状況が変わったものとか、そういうものはあったんですか。

 

○溝口知事

 いや、それはまだありませんけれども、例の54号の話は道路局長に現状も示して言いましたよ。もう歩道もできているのに、そこを中止するというのは既にやったものがむだになるじゃないですかとか、あるいはもう用地買収も終わって、拡幅のところももう空き地ができていると。それで、そこの道路の近くにあった店舗は後ろの方に下がっていると。やっぱりそんなのを見るとおかしいでしょうというようなことを直接そういう行政の責任者に写真を見せて説明したりする。それがすぐにどうこうということじゃないですが、そういうものを責任者に理解してもらうというのは大事なことじゃないかなと思いますね。

 

 あるいは地域医療の計画がありますけども、それは島根などの中山間地域の町村はいずれも同じ状況なので、そういうところに押しなべて対策が浸透するようなことを工夫する必要がありますよというようなことなども厚労省の次官と話すときに言ったり、財政当局にも言ったりしておりますしね。そういう意味で、これがあったからこうなったということじゃなくて、みんながこういう政策決定なんていうのはいろんな力の相互作用ですから、その一部にすぎないわけですが、そういう中で機会を利用して島根県の状況、地方の状況を説明していくというのが知事の一つの役割じゃないかというふうに考えております。

 

○中国新聞

 その中で、恐らく財務官までやられたという知事の過去の実績、経歴といいますか、が生かせているんじゃないかということでいいんですかね。

 

○溝口知事

 いや、そういうことじゃないでしょう。それは、そういうことじゃないですよね。ただし、国の行政も知っていますし、国の予算も知っていますし、地方から見た場合にこうだということで、話が早いということはありますね。

 


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