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4月(第2回)定例記者会見(4月24日)

質問事項

2.IT産業の振興について

 

○山陰中央新報

 やや話は関連してというようなことになるんですけども、2年前につくられた産業活性化戦略の中で、知事の発案ということだと思いますけど、ITの振興というのを重要分野の一つに入れられて、2年目にその実質的な予算を6,900万円ぐらいですか、たしか編成されて、ただ、結果的には景気の影響もありまして、半額近くが未消化に終わったということだと思うんですけれども、それにもかかわらず本年度は予算額ベースで、当初予算ベースで見るとほぼ倍の1億2,000万円余りがついています。

 

 一般的な感覚でいくと、額だけ見るとやや理解するのが難しい、歩みをたどっているわけですよね。これ数値目標も掲げておられて、例えば付加価値額だと11年で90億円、一つの目標を掲げておられる。予算を消化すること自体が大事ではなくて、あくまでも掲げた目標に対して到達していくということが問われるんですけれども、そもそも予算が消化できないようでは、またその結果に到達するのも難しいという考え方もあると思います。昨年度、事業が、考えたものがうまくできなかった理由というのを知事がどのように分析しておられて、今年度、逆に予算自体は増やして、中身は若干変わっているわけですけれども、これをどのように着実に進めていくのか、その進め方、今までと違うやり方が必要なのかどうなのか、その辺をちょっと、お考えをお聞きしたい。

 

○溝口知事

 IT産業については、これは新しい産業を興すということで、ソフトビジネスパークなどを中心にして多くのソフトウエアのビジネスが島根で、松江で拡大をするということなので、一つはやはり立地の一つの条件が、島根の中でそういうことができる人がいないとだめなわけですね。そのためにはやっぱりトレーニングをしたり、あるいは学生から教育したり、息長くやるほかないんですね。

 

 結局なぜ島根か、松江かというのは、一つはRubyのまつもとさんという一つの存在がありますけども、それからやっぱり松江とか島根にいても、そういう事業はやり得るような産業になっているということがあるわけですね。それから若い人がこういうところに住んで、やることによって人口も増えるということになりますし、息長くやっていこうということで始めているわけで、一つは人材を養成するということですね。それから県内にも既にソフトウエアのビジネスがありますから、県外から来るだけじゃなくて、そこで増えてもいいわけなんで、そこで増えるものに対しても助成を今度、少ししましょうということを新たにしたわけですね。県内にも全国的に売れるソフトウエアをつくっているようなところもありますから、そういうところがさらに雇用を拡大するというのも大事な課題で、その人たちは外から来られる企業に負けないようにやろうと頑張っておられますから、そういう支援も行っていきます。

 

 それからもう一つは、Rubyの関係でいいますと、大型のプログラムに、まだ多くの実績を持っていませんから、Rubyを使ったプログラムをつくることを支援をします。県自身がRubyを使ったプログラムをつくるための予算を計上したり、あるいは市町村とか公益法人などがつくるときにそれを支援するということであるとか、松江市と一緒になってやっていますが、松江市もそういうプログラムを既につくっておられますけれども、そうすると、そういうものの蓄積がエキスパートの育成にもなり、それからそういうノウハウもそういう企業に蓄積されていくということです。

 

 それからもう一つは、県外の企業に対して、ビジネスをするのに、松江というのは非常にいい場所だというPRをしなきゃいけませんね。それには都市にいろんな形で情報を送るとか、あるいはメディアを通じて、雑誌などを通じて送るとか、あるいは説明会をしたりしましたけれども、東京などで説明会をすることによって関心を持ってもらいたいと考えています。それから今年の場合ですと、Rubyは各地で競争して早く、各地というか各国ですね、早くそれを利用できるような形に、いろんなやり方があるみたいですね、Rubyというのは一つの言語ですから、それを違うやり方で活用すると。それの開発競争がいろんなところで進んでいるわけですから、松江で国際シンポジウムといいますか、国際的な会議を開くことによって全国から人が来られる、あるいは海外からも来られる、それで松江の地を見てもらうとか、そのようなこともあります。

 

 それからもう一つは、人材の育成面でかなりの資金を使いますし、それから産学官の協調ですね、島根大学もやっておられますし、高専でも若い人がいますから、そういうことを進めようということで、こういう新しいことをやるときにはある程度思い切って最初にやると同時に、それからやっぱりある程度試行錯誤しながら息長くやっていくということが必要だろうというふうに思いますし、そういう意味で、国からも、国もRubyというのが日本でできたコンピューター言語で、それを促進をしようという気持ちもありますから、そういうこともあり、商工労働部の担当次長で経産省からも出向してもらっております。昨年、この仕事を組織的に進めるということでIT情報関連の室をつくりましたね。今度はさらに国との連携、さらに広い協力をやっていくということで、国からも人材を得てやっていこうということでありますので、そういう長い目で見ないと、それはすべてがうまくいくとは思いませんけども、ある程度リスクテイクをしないと、こういうものはいけないだろうというふうに私は考えております。

 

○山陰中央新報

 おっしゃることはよく理解できるところも他であるんですけれども、片方で今おっしゃられたように、ある意味世界的な開発競争というのも進んでいて、企業誘致も含めて、この辺で集積化を図っていこうとするのであれば、その競争の中でもある程度早目に結果を出していくことも一つはまた条件になっていくだろうというのもありますし、それからもう一つは、金額にこだわるわけではないけれど、ほかの主な産業振興の重要施策に比べて伸び率がちょっと突出していると、事業費のですね。大胆にやるというのはわかる、リスクテイクも必要だというのもわかるんですけど、最後はやっぱり結果が肝心だろうと。将来を見据えたものであっても、やっぱりそのときそのときで一定のステップを踏んでいかなきゃいけないと思うんですね。1年目に関してはつまずいたなという印象を持っています。ここである程度軌道に乗せていかないと、事業の妥当性自体がどうなのかということ自体がやっぱり議論が出てくると思うので、ことし、そういう意味ではとても大事な一年になると思うんですよね。

 

○溝口知事

 それはそういう考えでやっていますが、ものづくりの方は、あそこにセンターをつくって相当の資金を投入してやっていますから、そういう全体のバランスも考慮しています。

 

○山陰中央新報

 だから、例えば新産業とか既存の製造業向けのプロジェクトとほぼ同額に近いような水準まで、今ITが来たということを前提にしてお話ししていますけど、例えばソフト関係のトレーニングというのをおっしゃられますが、去年なんかは実際に受注したソフトを使って若い人材のトレーニングにつなげていこうという計算だったのが、受注自体が景気が悪くなったんで伸びなくなってうまくいかなかったという、これはやむを得ない部分もあるんでしょうけれども、こういう景気情勢の中だから、これから例えば県内のソフト開発に対する助成をやるにしたって、なかなか思うようにいかないところもあるだろうし、だからやっぱり最後は結果を何とか毎年毎年のところで積み上げていかないといけない。

 

 例えばなんですけど、今、担当の方々は一生懸命、何とかしなければいけないということでやっていると思うんですが、例えば知事がトップセールスをして歩くとか、ソフト開発を含めて。そういう今までと違うような、要するにリスクテイクをするという判断は、最終的には知事の決断においてやっているわけだから、リスクが発生しないように御自身でも担保をとっていくというような考えというのもあるのかなと思うんですけど。

 

○溝口知事

 私もソフトウエアのビジネスはかなり回っていまして、東京の会社とか、あるいは北陸とか、私の知ってる人を中心にいろいろやっています。まだそこら辺は出ませんが、今後も引き続きやってまいりますけども、それから職員も一生懸命やっていますから、それにさらにやるような体制をよく構築していきたいと思います。

 

○山陰中央新報

 なかなか固有名詞まではあれかもしれませんが、主に首都圏なんかのソフトウエア開発の関係のところであったりとか、ありますよ。

 

○溝口知事

 行ってますよ。それでかなり関心を示しているところもありますけどもね。

 

○山陰中央新報

 けど、地元のは。

 

○溝口知事

 それから、地元にもいい会社がありますから、地元の会社も事業を拡大するというのも、これはだれが事業を拡大してもいいんで、地元の方もさらにできるような支援をしていきたいと考えています。

 

○山陰中央新報

 地元に関して言えば、情報産業協会自体が知事にこういう振興策をやってくれとお願いに来ているわけだから、僕はそれでやるのは当たり前だと思うんですけど、例えば地元、松江市を初め市町村がソフト、ある意味そういったソフト開発をやるようなことに対しても助成は多分されるんかなということを思うんですけど、首長さんあたりに働きかけして歩かれるとかということも。

 

○溝口知事

 あちらの方は、むしろユーザーの立場で使ってもらうということですね。だからRubyを使ったプログラムをある程度つくらないといけないので、県もユーザーなわけですね。プロモーターであるとともにユーザーなんで、県の方もそういういろんなプログラムをつくっていますけれども、Rubyを使ったものも優先してやるとか、そういうことをやっていこうということです。

 


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