4月(第1回)定例記者会見(4月9日)
質問事項
4.国直轄事業負担金について
○山陰中央新報
国直轄の公共事業の負担金の問題なんですけれども、昨日の晩に全国知事会のプロジェクトチームと大臣との協議があったんですけれども、問題が全体の制度自体の問題と、中身の維持・修繕費をどうするかというところの問題と、細かい部分と2つあると思うんですが、制度全体のところと含めて、改めてどういうお考え、どういう姿勢であるのかということを教えてください。
○溝口知事
国の直轄事業は、例えば道路でいうと全国のネットワークを形成するような基幹道路、これはやはり国が調整しながらやっていかなきゃいかんだろうと。あるところはできたけれども、あるところはできないということですと、あるいは必要度の高いところからできていかないと、全体としてネットワークとして有効なものになりません。
そういう意味で全国的な調整をやっていくのが必要だと。それを高規格のもの、あるいは国道の大きいものというのがありますが、どこまでやるかというのは、議論の余地のあるところでしょうね。
河川についても、県を複数またぐような場合は若干利害が違うところがありますから、国がある程度やっていくということについては合理性があります。だから直轄事業そのものが要らなくなるということじゃないだろうというふうに思いますね。そのときにどこまでやるかということについては、若干の柔軟性があるはずですから、そういうことについては地方の意見もよく聞きながらやっていく必要があるというのが直轄事業についての話です。
それから、直轄の負担金については、事業費についても一定の負担があり、できた国道などの維持・修繕についても負担金があって、維持・修繕の方の負担金は、これは長年、国の経費でやってほしいということが言われておりますね。私もそういうことだろうと思います。
それから、事業費について、関係都道府県の負担をなくしてしまうというのが直轄負担金の廃止ということですけれども、それも一つの考えですけれども、やはり地元に便益が及ぶわけですから、一定の負担があるというのは財政の論理として不自然なことではないというふうに思います。
直轄負担金は、いわば補助裏のようなものですね、逆に言えば補助事業の負担で県負担がありますが、その財源は県債とか、それで県債に対する元利償還費を、公債費を交付税で見るとかということで財源措置はなされているんですね。直轄負担金もそういう財源措置はなされているんです、地方財政計画上では。ただ、それが実態に合っているかどうかというような問題があって、負担金に見合う財源が地方に来てるかどうかということがあったり、そういう問題がありますね。それはよく検討していく必要があるでしょう。
それから、全額なくすかどうかについては今言ったような、じゃあ声の大きいところは全額国費で行われるんで、交通事情の非常に、重要度を国が全部判断するというのがいいのかどうか。やっぱりそこが必要だという地元もある程度負担していくということが合理的かもしれません。そこら辺、議論の余地があるんじゃないかというふうに思います。
それから、直轄負担金をなくした場合に、島根県でいいますと、今度はその分だけ国の事業費が不足するわけですね。それが今度、国の方でちゃんと補てんをされるんならいいんですけども、その分は事業費を減らすということになると、特に道路などは、島根とか、遅れているところをこれから少し重点的にやってほしいわけですから、都市の整備の終わったところは、もう直轄の事業はあまり要らないとか、負担金についてもそれで要らないというのと若干違う、利害の違うところがあるんじゃないかなと思います。
そこら辺は我々もそういう意見を出しておりますけれども、知事会なんかでよく議論をしていく必要があるというふうに思います。
それから、今度は直轄事業をどこで行うかという問題がありますね。それはやはり全国レベルの調整も必要ですけれども、地元のやっぱり意見もよく聞かないといけないと思いますね。例えば河川なんかですと、近畿圏などでダムの建設はそれほど必要じゃないかという地元の意見などがあって、そういう意見は国はよく聞いていかないといけませんね。
島根などでは、むしろ治水ということでいえば、今、斐伊川上流においてダムの建設などをやってますが、これは直轄ですね。これなどはやはり早くやってもらわなきゃいけませんから、私は直轄の意義はあると思いますね。それからこれから大橋川の改修、それから中海の護岸、これも直轄で行われるわけですから、我々としては早くやってほしいわけです。そういうものに大きな影響があるような制度の変更になると困るということは考えています。
ただ、事業費の中にも事務費みたいなのがありますね。今回若干問題になったのは、例えば道路の整備を行う、一体の事務所をつくったりするのに、これも事業を行うためには必要なものですよね。これ、ただどういう事務所をどういうふうにつくるかなどについての情報が十分関係の自治体に伝えられていなかったとか、あるいはそういう議論がなかったということがありまして、そういうことでもう少し国と地方との間でそういう事務費のようなものについてもよく意思の疎通をする、意見交換をするということが必要だと思います。知事会でもそういうことを国に対して申し入れておりますし、島根県も同じ考えですね。
それから、この問題についていいますと、実はそういう事務所も、地方は一定の負担はしますけども、全体の負担は国の国費でやってるわけですから、国の財政支出そのものがやっぱり適正に使われるようなことを、まずやってもらわなきゃいかんということじゃないでしょうか。
だから、それは地方の現場での判断だけじゃなくて、例えば局レベルでそういうことをよくチェックするとか、あるいは国でもそういうことについて指針を出すとか、工事に必要、あるいは事務に必要なものを建てるように、そういうことを整備するということもあると思いますね。
地方が言う前にやっぱり事業主体自身がそういう努力をしなきゃいかんというふうに思いますし、もちろん地方の側からも、そういうことについて意見交換をしたり意見を言ったりすることが大事なことだと思います。いろいろ申し上げましたけれども、そんなふうに私自身は考えております。
○山陰中央新報
いろいろそういう論点がある中で、昨日の協議なんかでも退席される場面などありましたですよね。ああいう、今、全国知事会の流れをどういうふうに見ていらっしゃるか。いわゆる物申していく、激しくやりとりされるやり方ですね、そういう流れをどういうふうに見てらっしゃるのか。
○溝口知事
直轄事業などについてでしょうか。
○山陰中央新報
はい。
○溝口知事
国と議論をしなきゃいかん課題だと思いますね。今の公共事業に限りませんけども、いろんな国庫負担金、補助金、戦後大体できているんですね。それで今の地方分権の中で見直しが行われていますけれども、十分見直しが行われているとは言えない状況なんですね。
そういう意味で、国、地方で、いろんな場で議論をしていくことは大事でしょうね。そういう場を設けるべきだという主張を知事会なんかもしていますが、そういう方向に進んでいく必要があるというふうに思います。
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