4月(第1回)定例記者会見(4月9日)
質問事項
2.国道54号の拡幅について
○山陰中央新報
今少し出たので、三刀屋の54号、国直轄の拡幅の件で、国土交通省が見直しで凍結箇所の中に全国で18カ所ですかね、国が直轄でやる拡幅事業を凍結しますと、B/Cによって。それについて知事がどのような受けとめをしていらっしゃるかというのを改めてお聞きしたい。
○溝口知事
あれは、国土交通省から照会がそれぞれ関係のところにはありまして、私の方も意見を言っております。一つは、今回のこの見直しは交通需要の推計を見直して、このB/Cのベネフィットの部分が少なくなるんで、B/Cが低くなるから今回はそっちで決めたということなんですが、そのB/Cは、走行時間の短縮、それから走行経費の減少、それから交通事故の減少という3つの便益を数値化して、それに対してコストが幾らかかるかということで計算してるんですが、我々の考え方は、その3つの便益だけで便益全体を図るのは、やや考え方が狭いんじゃないかということを国土交通省に対しては従来からも言ってます。
今回も言ってまして、例えば地方では事故だとか災害が起こったときに、代替道路がないとそこに救急車が向かうとか、あるいは復旧のための自動車が向かうとか、あるいは生活物資を運ぶのに困ったりするわけですね。だから、そういうことも道路をつくることによる便益なので、そういうことも配慮してくださいとか、あるいはお医者さん、島根県の場合は拠点病院が大体海岸部にあったりしますけども、そういうときに救急輸送しようとすると、道路が整備されてないと人命にかかわるようなこともあるわけですね。整備されればそういう問題について改善が行われるわけですけども、それの効果を図るのは難しいですけども、そういうことをよく考えてくださいといったようなことがあります。
あるいは、道路の開通によって間接的な効果ですけども、観光客の方が増えるとか、あるいは交通安全が図られるとか、そういう間接効果もあるわけで、今の時間短縮、走行経費の減少、交通事故の減少だけというのでは狭いという主張をずっとしてまして、今回もそういうことを国土交通省には言っております。
それから、三刀屋の拡幅の問題については、やっぱりこれまで国、県、市など関連の自治体、あるいは自治会、地権者との合意、それに基づく期待が形成されているわけですが、それで進めてきたわけですね。一定の区間の話なんですね。それで進めてきてるのに、B/Cという、それも一つの基準でしかないわけですけれども、しかも一定のいろんな考え、基準のとり方があるわけですから、一つの基準でやめてしまうと、これまでやってきた事業だとかが齟齬を来すということになるわけですね。そういうような問題にもよく配慮して考えるべきじゃないかというようなことを言ったりしておりますけどもね。国に対しても、国土交通省にも直接担当の人たちにそういうことも言ってこようかと思ってます。
○山陰中央新報
意見を言われたというのは、いつの時点の話になるんでしょうか。
○溝口知事
それは、発表したときですね。
○山陰中央新報
発表したその日に。
○溝口知事
後でしょう。発表の後で、県の立場としてはこういうことですということを言っております。
○山陰中央新報
そのB/Cの中で3つの項目というのが、大体にして地方にとって非常に不利というか、その3つだけで見られるとという全体的な傾向はあると思うんですけれどもね。
○溝口知事
そうですね。数値化するのが難しいといったことは、それは技術的な背景としてあるかもしれませんけどもね。したがって、だから数値だけで判断するのはやや狭いということなんで、それ以外の面にもよく配慮をしてほしいということ、あるいは既に実施して相当のところまで行ってるものを途中の段階で変えると、むしろそれに伴う損失が大きいかもしれないし、それからいろんな方が関与してますから。
○中国新聞
知事、一方で尾道松江線ができると交通量も54号については大幅に減る可能性があるかと思うんですけれども、それから事業の再評価をやるというのは今、世の中の流れだと思うんですが、一度走り始めた公共事業をとめられないというのはまずいんじゃないかということで再評価というのも行われているかと思うんですが、そういうようなことも考えると、地方部の論理としておっしゃったようなことは非常に大切だと私も思うんですが、なかなか国を説得するなり、あるいは理屈として必要なんだというのをはっきり主張するのがこれからどんどん難しくなってくるかと思うんですが、その辺の観点はどういうふうにお考えですか。
尾道松江線というのは無料ですよね。そうすると大幅に交通量が減るんだと思うんですよ、54号は。
○溝口知事
そういう面はありますが、あそこはやはり歩道だとかを含めて整備をたしかしておりましたよね。それは54号が高規格になっても、もとの道路は人々が引き続き使うということがあるわけですから、そういう交通安全のための面もあるわけですから、そういうことも含めて、要するに評価をしてほしいということですね。
それから、現実にこの場合は歩道用の橋もストップしたというようなことで、今後地元の人の生活などにも影響が出るわけですね。それから現実にもかなりその区間については事業を進めているわけですから、そこを中途でそのままにするのがいいのかどうかという、そういう比較もよくしてほしいということで、地元の皆さんも同じお考えだと思います。そういう地方の実情をやはり国がよく理解をしていただくということが大事だろうと思います。
○山陰中央新報
県内では、ほかにB/Cで1.1だとか1ぎりぎりのところの箇所も幾つかあると思うんですが、そういうところでの危機感というか、このままの指標でずうっと進めていかれると、また次々と見直しの対象になってくるのかなあというのもあるんですが、その辺はどういうふうにお考えですか。
○溝口知事
やはりこういう主張を私どもとしては引き続き国に対してよく伝えていくと、よく実情を理解してもらえるような努力をするということが大事じゃないかというふうに思っています。
○山陰中央新報
じゃあ、上京されて要望されるということですが、どっちかといったら要望というよりも強く訴えていかれるということかと思いますが。
○溝口知事
要望というか、実情をよく理解してもらうようにするということですね。
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