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3月(第2回)定例記者会見(3月30日)

質問事項

1.国の公共事業予算の内示について

 

○山陰中央新報

 国土交通省と農(林)水(産)省から来年度の予算の箇所づけが公表されまして、国の全体の公共事業費が全体では削減という中で、地方にどれだけ配慮されるかというのが焦点の一つだったと思うんですけど、この予算全体を見られて、その辺に配慮があったかどうかという視点で見ますと、どう評価をされますか。

 

○溝口知事

 2月に幅を持った見通しのようなものが示されて、ある程度その段階から予想されておりましたが、幅の中で、ほぼ高速道路などでは中間値で配分をされておるというようなことであります。それから直轄河川などにつきましては、斐伊川の放水路は(平成)20年代前半の完成に向けて予定どおり事業が進捗するというような予算配分になっておる。それから志津見・尾原ダムも(平成)22年度完成に必要な額が計上されておる。それから大橋川の改修の築堤、護岸、用地補償費なども、斐伊川水系の治水事業の中で配分をされるというふうになっておるようです。

 

 道路全体につきましては、山陰道は国の公共事業費が20%弱削減をされておりますから、それと似たような動きになって、全体として事業量も縮小があって、我々としてはこの高速道路の整備のおくれているところ、地方については、ぜひともその早期完成をお願いしたいという要請を今後も国に対してやっていきたいというふうに思っております。

 

 それから、直轄事業以外に補助事業があります。道路の補助事業は2つの助成の方法に変わっております。従来どおり補助事業として実行される(もの)、個別に積み上げがあって、それぞれの事業ごとに幾らという分野と、それは地方の高規格道路といったようなものでありますけども、そうしたものは松江の第五大橋道路など、必要額が配分をされているといったように評価をしております。

 

 それから、河川の関係では、浜田川のダムについては必要な事業費は確保されておりますけども、波積ダム、矢原川ダムは新たな建設段階には入らない、必要最低限の予算措置をするという前提で内示がされております。これも以前の段階でわかっていたことでありますが、そうした河川については検証して、今、検証のための基準を国の方でいろいろ検討されてて、その基準に合わせて検証といいますか、評価ということですね、年末までにどうするかを決めていくというような流れになっていますが、私どもは、この波積ダム、矢原川ダムも過去に大きな洪水を起こしておるわけでありますから、ぜひとも必要だというふうに考えておりますので、また国の基準に基づいた評価をきちっとして、必要性を訴えていきたいというふうに思っております。

 

 全体としては、まだ補助事業以外の交付金になってる部分がありまして、そういう部分がどういうことになるかということもありますが、大ざっぱな全体的な感想を言えば、やはり国の公共事業費が削減された分だけ全体が縮小してると。縮小すると、進行中のものは、これは完成させなきゃいかんと。そうすると新規に始めようとするところ、あるいはまだ始まってないところの事業が抑制をされるというようなことになってますから、そういう点は残念なことだと思います。やはり地方の実情なり、あるいは全国的な整備の状況などもよく見て、おくれたところに配慮をするといったようなことをぜひ、国に対してお願いをしたいと、そういう感想を持っております。

 

○山陰中央新報

 結局全体が減って、進展してるとこ(ろ)は進めて、これからやるとこ(ろ)は抑制という基準においては、全体で一律削減だったなというふうに(思われますか)。

 

○溝口知事

 そこは、そういう考え方に基づいて各県同様な処理といいますか、配分が行われているんだと思います。

 

○山陰中央新報

 そうすると、高速道路でいえば、おくれたところのネットワークをつなぐという意味では、特に配慮というか、そういった意図では予算配分というのは働かなかったんですか。

 

○溝口知事

 それはそうですね、全体が縮小すれば、それはそうなりますね。進行中の事業を放置するわけにいきませんから。

 そういう点につきましては、これから国の方において個別の道路、河川等々の必要性について検証を行い、あるいは予算全体をどうするかという議論の中で、さらに整理がされていくんだろうと思います。私どもとしては、地方の実情をよく見てくださいというのが一つ。それから整備のおくれたところには配慮をしてくださいと、要約すればその2点になろうかと思いますけども、そういう観点から国に要望、要請をしていきたいと(考えています)。

 

○山陰中央新報

 あと社会資本整備総合交付金ですね。これは従来の、去年に比べて補助事業との、去年の補助事業に相当する部分が、見合いでいえば島根県にとっては影響が出たということでよろしいんでしょうか。

 

○溝口知事

 そうですね、今のところどの分が対象になってるかというところが、まだ十分内示の説明として行われてないようですから影響額はわかりませんし、そういうことですね。しかし、推計してみると、やはり公共事業費全体の額の縮小と見合ったような形で減少している可能性があるというふうに見ております。

 

○山陰中央新報

 社会整備総合交付金のことなんですけど、これは要するに補助金を一つにまとめて地方の裁量をふやすというのが一つの目的だったと思うんですけど、一方で、下水道とか道路とか、いろんな分野ごとになってると思うんですけど、この分野のシェアを変えるということになると、またいろんな、地方にとっていいことと悪いこととあるかと思うんです。その予算が確保されるという面があるんだけれども、一方で地方の裁量がふえるということがあるかもしれない。その基準を今度は地方の方がつくっていかないといけないということになるかと思うんですけど、今、現状がそういうふうになってないという話もありますし、要するにこういう形でやるんであれば、県としてどういう形が望ましいというふうに思われますでしょうか。

 

○溝口知事

 交付金といっても、道路とか砂防、港湾、下水道といって、タイプが違うわけですね。それを配分するときにはやっぱり一定のそれぞれの分野でどういう需要がある(か)というのを見て、あるいは配分するということになるんですね。今後は、だから県とか主張する方が計画をつくって、その計画を国の方でチェックをされて、それで整備がこの分野は進んでる、進んでないというようなこと(ろ)を見られて配分されていくと。しかし、配分されていくとしても、全体の量が少ないと比例的に配っても減りますから、そういう面じゃ影響は残ると。だから使い勝手がよくなるという話と、量を確保するという話は別の問題であると(思います)。やっぱり量が確保されないと、使い勝手がよくなっても整備がおくれるという問題があるんですね。

 

 それから、配分については、県の方も計画をつくるときには勝手につくるわけじゃなくて、各地域の実情を見て、こういう分野でこの地域でおくれているからこういう道路の整備、あるいは下水道の整備が必要だと。やっぱり具体的な案件があるわけですよ。それに基づいて計画ができていくということですね。だから、したがいまして県の方へ要望する場合も、あるいは県がやる場合も、県内の各地の状況をよく見てそういう計画をつくると、こういうことになると思います。

 

 それで、国の方はその寄せ集めということになりますね。そうすると、国の方でも分野ごとの必要量が全国的にどのぐらいあるかというのを見て、やはり分野ごとのある程度のめどをつけるということになってくるんじゃないでしょうかね。

 

 使い勝手がよくなるというのは、個別の道路をつくるときに、ここからここまで何メーターで、幅幾らで、どのぐらいの規格でつくって、設計図までやって、そういう細かいことは交付金になると要らなくなって、ある程度やり方は地方に任せる、あるいは道路と並行してほかの事業も一緒にやるようなときに、その交付金も活用ができるような柔軟性がふえるということだと思いますね。だから、具体的な個別の計画がちゃんとできた、それに対して補助が行われるという分野から、交付税のようにそういう積み上げがなくて、人口だとかいろんな全体的な仕様で配分するやつと、その中間の過程にあるということじゃないですかね。

 

○山陰中央新報

 この自由度が増すということについては(どうでしょうか。)

 

○溝口知事

 評価はしている。

 

○山陰中央新報

 評価はしてると。

 

○溝口知事

 今回も大きい事業は、やっぱり金額も大きいですし、一つの固まりですから、それは個別に見られていると。比較的小規模なものは交付金として配分をするというようなことになっておりますね。

 

○山陰中央新報

 そこで、要するに対象となる分野に、県としてはどこに力を入れていくかということが今後問われてくるんかなと思うんですけども、そこのところの力の入れ方、あるいはその力を入れるというのの決め方というのが今後問われてくるんかなあというふうに思うんですけど。

 

○溝口知事

 それはやはり、一つはそれぞれの地方の実情をよく見るということですね。要望をよくお聞きして、何が緊要であるかというようなことをよく見ていくということになりますね。

 

○山陰中央新報

 やっぱり余計やりとりというんですか、実情把握というか、県としても(必要になってくるということでしょうか。)

 

○溝口知事

 それも今までとそう変わるわけじゃないと思うんですね。国に要望する場合も、以前ですと、補助事業ですと、この事業をやっていこうということで、それで国に出すわけですよ。今度は国に出さないけども、県の側でそういう作業はしなきゃいけませんから、同じことなんですよ。ただ、国の場合に道路はこれだけですよと、金額がわかっていると、それに合うようにしなきゃいかんと。そうすると今度、分野ごとの調整というのは、どの程度仕切りが緩やかになるかによりますが、まずそこまでは今回行ってないような印象を受けますね。

 

○山陰中央新報

 じゃあ望ましい方向としては、やっぱり県の方の実情の方に合わせて、そのシェアも変わっていくということが望ましいということ(か)。

 

○溝口知事

 望ましいかどうかですが、国の方も、じゃあ幾ら必要かというのを出すときに、やっぱり分野ごとにどういうものがあるかというのがなしには決められないと思いますね。だから、交付税のような形になるまでの段階としては、やはり主要な分野がありますね。道路でも高規格の道路、それから比較的地域で完結するような道路、それぞれどの程度の需要があるか、あるいは河川なんかで大規模な改修が必要なもの、小さい改修で済むもの、あるいは下水道などもですね。それで、下水道などになりますと、今度は地元の市町村の負担がありますから、そういうものから地元がどの程度の計画で進められるかというのもおのずと出てきますね。

 

※()内は、広聴広報課が書き足した部分です。

 


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