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3月(第1回)定例記者会見(3月17日) 

質問事項

8.県内病院の医師不足について

 

○山陰放送

 医師不足のことを聞きたいんですけども、西部の方は医師不足という声が上がってますが、出雲を中心に東部の方は、医師(の数が)、都市部にも劣らぬぐらい確保できていると。県内での(医師の)偏在について(は)、あるとお考えですか。

 

○溝口知事

 それは数字の上でそういうことを言われているということですね。

 

○山陰放送

 偏在はないと(お考えか)。

 

○溝口知事

 偏在かどうかは、それは定義によるでしょうね。

 

○山陰放送

 あわせて医師不足の関係で、医師が同乗されるヘリの運用も始まるということで対応もあるかと思うんですけども、中・長期的に考えて、対策として講じていかねばならないことはどうお考えでしょうか。

 

○溝口知事

 大きく言って2つあります。特定の地域を見た場合に、拠点病院というのがあって、そこでお医者さんがいなくなる、数が減るということが起こって特別な診療科がなくなるというのが現象面で起こっているわけです。一つは、やはりお医者さんを確保するということを、いろいろ手段があるわけですが、短期的にやれること、中・長期的にやれることありますが、これが一つの領域としてある。

 

 それからもう一つは、お医者さんが負担に感じられるのは、患者さんが増えるということがあるわけですね。それは診察をしてもらう、あるいは病院に来ていろんなことをやってもらう患者さんの方の問題もあるわけです。特に救急関連などで、様子がよくわからないので救急車をすぐ呼んで病院に行くと。そうすると、足らないお医者さんは、そうでなくてもまた夜間勤務しなきゃいかん、そういうのが非常に負担になる。

 

 それで、一つはお医者さんが地域にいなくなる原因として、ほかの大病院で働く、あるいは医局へ行って働く、あるいはどこかへ行くということもありますが、今度は病院じゃなくて診療医になるという形で病院のお医者さんがいなくなることがあるわけですね。そうすると、お医者さん方がそれぞれ診療医になられる場合の、よく言われることですが、病院医はなかなか大変だと、日曜も夜もないと。肉体的にいろんな負担が大きいわけですね。そうすると、それをやっぱり軽くするようなことを考えなきゃいかんと、そういう面がもう一つの分野ですね。

 

 それは住民の方、患者の方の問題であり、あるいはお医者さんを補助する人たちが多いわけですね、事務をする人、あるいはそういう人たちを通じて負担が軽くなるようにする。あるいは診断をインターネットを通じて遠隔地でもできるようにする、そういう問題がありますね。大きく言ってそこも2つあると思うんですね。

 

 しかし、前者のお医者さんを確保するということになると、方法としてはお医者さんを見つけて勤めてもらうと。しかし、これはやってますが、どこでも足りませんので、なかなか容易でないですね。特に足らない地方部におきましては、お医者さんのやっぱり御家族の状況もあるでしょうね。そうするとなかなか難しい。しかし、研修医の方などに奨学金を出して、それですぐ研修が終わったら勤めてもらうとか、そういう短期的な、すぐ効果が出やすい(方法)もありますね。

 

 それ以外に、今度は医学部に入った段階で6年ぐらい奨学金を差し上げて、それで研修が終わったら勤めてもらう、これは10何年ぐらいかかるというようなこととして中・長期な(方法)があると。それから県内でお医者さんに、医学部に進む子供たちを育てると、これになるともっとかかるわけですけども、そういうお医者さんの確保をしなきゃいかん。これは採用の仕方、県内勤務の対応によって手段が分かれているわけです。

 

 じゃあなぜお医者さんが足らないのかというと、原因は今の研修医制度が変わっ(た)とか、あるいはお医者さんが専門医化するだとか、あるいはそういう過程で大都市の大病院にお医者さんが集まるような傾向にあると。そうすると、それは国の医療教育の問題であり、あるいはお医者さんの研修の仕方の問題であり、あるいはお医者さんの育て方の問題でもあるわけですね。そうすると、それは国の政策にもよる。あるいは医学部の定員なんかもそうです。

 

 あるいは病院に勤務されるお医者さん方は非常に、本当に忙しいわけですね。そうすると、そういう病院の勤務医の方々に対する診療報酬、診療報酬の一部を構成するわけですけども、そういうものをどういうふうに設定するかという問題とも絡むわけです。だから、非常に分野が広いんですね。

 

 地元の話になりますと、地元でもやらなきゃいけませんね。それからお医者さんをどこかでつてをたどって見つけるのも、市もやってますよね。市長さんたちもやってます。県もやってます。それから奨学金のような世界になると、今度は県が重点的にやるとか、それから国に要望すると。そうした総合的な対策をとっていかなきゃいかん。

 

 地方部では島根と似たようなことがどこでも起こってるわけなんですね。だから、そういう意味でどこでも起こってるところと連携をして、国に動いてもらうということをやらなきゃいかん。そういう努力をさらに議会の方、あるいは同じ状況にある県などと協力し、あるいは知事会などからもいろいろ話し、それで進めていかなきゃいかんですね。

 

 しかし、予想以上にこの動きは早いですね。県内で起こっていることは広島県でも起こっておって、そのためにお医者さんがそちらの方に帰られるというような問題もあるわけですね。非常にすそ野が広い、そういう私どもは危機感を持って対応していかなきゃいかんというふうに思っております。

 

○中国新聞

 関連で、今の研修医制度が、やっぱり勤務地が自由になって都会に集まるようになったが、ある程度見直しは必要だと考えておられますか。

 

○溝口知事

 そこもあれですね、かつてのような制度に戻すわけにはいかないでしょうからね。結局大学の医局にプールができて、医局の指示で動くということじゃなくて、実際的な技術を習得できるところでやっていこうというようなことになっていますから、短期間にぱっとできる対応というのはないんですが、粘り強くやっていくと、その間、いろんな問題が起きますが、そういう問題に対してできるだけ支障が生じないように対応していく。

 

 一つは今度、西部にも導入しますけれども、防災ヘリを使って緊急の場合の患者輸送をするというようなこと、それからドクターヘリは(平成)23年度を目途に、早く導入をするようにする。それから西部においても車、救急車の移動でできるものはそれが迅速にできるようにするとか、あらゆる手段を考えていかなければいけないというふうに思っております。

 

※( )内は広聴広報課が書き足した部分です。

 

 


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