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2月(第1回)定例記者会見(2月8日) 

質問事項

4.医師確保について

 

○山陰中央新報

 関連してなんですけど、今年に入ってから、もうこれだけで大田市立病院の医師引き揚げ、江津(病院)も引き揚げで、益田(赤十字病院)も指定から外れるということで、県西部の医療崩壊という点が非常に著しいように感じるんですが、知事としてはどういうふうに今をとらえていらっしゃいますでしょうか。

 

○溝口知事

 今の放射線治療機器の話はちょっと別ですけども、お医者さんの方はやはり、お医者さんの研修医の制度が変わって、どこでも研修を受けられるというふうになったり、以前は大学の医局でいろいろここに行きなさい、ここに行きなさいというような指定もできたと思うんですが、そうすると若いお医者さん、大都市の大病院、施設が整っている、あるいは先生方がたくさんいる、そういうところに行くという流れが一つできてるわけですね。だから、地方から大都市にお医者さんの移動があるというのが一つ。

 

 それから、外科医とか産科のお医者さんの場合は医療事故という問題があって、お医者さんは、聞いてみますと、卒業すると何でもできるわけですけども、どの専門医になるかということで外科専門医になるのか産科専門医になるのか違ってくるわけですね。そうすると、そういうところの外科でありますとか産科でありますとか、幾つかの診療科のなる人が減ってるわけですよ。全体では増えているんですね、定員を増やす。しかし、大きな流れとして大都市の大病院に行く人がおると。それで、県内なんかは島根大学、鳥取大学、それから広島、山口、岡山とか、それから京都とか、いろんな大学の先生たちが来ておられる。

 

 そうすると、そういうところも足らなくなるわけです、外科だとか産婦人科とか。そうすると、今、他県で派遣しているところから自分の病院に戻ってもらうというような動きが、また今度起こるわけですね、中国地方の中では。そうすると、島根県の場合には島根大学医学部を卒業された方で全部県内のあれを、お医者さんをやってもらってるわけじゃなくて、いろんなところから来てますから、そちらに流れ、また引き戻されるということになると、県内の比較的大きくない病院などから引き揚げというのが起こるということなんですよ。

 

 だから、これはいろんな問題が絡んでおりまして、一般的にお医者さん、医学部定員を増やすというだけでは済まない、今の国が医療事故なんかに対する体制をちゃんとするとか、あるいは研修医の制度をもう少し地方に不自由が生じないように国としてやるとか、そういうような国の問題もありますよね。

 

 しかし、そうはいっても、そういう問題はすぐには進みませんから、県の方ではお医者さんがいなくなるような病院については地元市町村も一生懸命やりますよね、それから県も赤ひげバンクというような形で、都市とかいろんなところへ出かけていって、来てくださいというのをやりますが、なかなかお金だけでは来てもらえないんですね。家族がいれば、どういうところで勤務をするかとか、そういうことも大きな影響を持つわけですね。短期的にはしかし、そういうお医者さんの確保をやると。

 

 それから、中・長期的にはお医者さん自身も忙しいわけですね。もう本当に当直があったり。だからお医者さんの仕事が円滑にできるように事務処理をサポートする人たちを増やすとか、あるいは地域の病院では今、インターネットが活用できますから、いろんな遠隔地の診察をネットワークでやるとか、それからやっぱりお医者さんを増やさなきゃいかん。

 

 それで、(医師)を増やすためには奨学金を充実をして、一定の奨学金を受けると県内で働いていただけると。それを一つの大きな核にしてやってみますと、正確な数字は必ずしも正確でないかもしれませんが、数年後には100人オーダーとか、そういう人たちが県内で働いていただけるようになりますから、だから、そういう方々に我々が県内で、こういうところで働いてくださいというような調整をしようと。県立病院の中川管理者が県内をいろいろ回っていただいて、いろんなそういう調整をしてもらったり、あと島大の医学部ともそういう仕組みがうまくいくように協議をしているということです。当座の話、中・長期の話、それから国がやらないといかんと。全力を挙げてやっていくというほかありませんね。

 

○山陰中央新報

 今、そういう負のスパイラルに陥ってるような感じがしまして、このままいくと県西部に人が住まなくなって、いわゆる定住策とか、知事がいつもおっしゃられる産業振興とかに大きな影響を、やはり医療というものが崩壊すると及ぼすと思うんですけども、県の医療政策として今年度はもうすぐ終わりますけども、(来年度は)具体的にどういうふうに考えていらっしゃいますか。

 

○溝口知事

 それは、国の方もそういう事態に対して、去年の予算編成、前政権からそうですけども、地域医療の確保のための計画づくりを各県でやってもらって、それに基づいて地域地域の医療問題に対応するということになりまして、島根県は50億(円)ぐらいの資金が来まして、それによって地域医療の確保の計画を進めようとしているわけです。来年度の予算、今年度からだったかな、いずれにしても予算に盛り込んで実行していくと。

 

 その大きな一つが奨学金を、これ長年にわたって要りますから、今の計画は5年の計画だったはずですけども、それで奨学金でお医者さんをふやす、あるいは遠隔地健診ができるように、そういう器具を整備をする、あるいはさらに万が一のような場合にはヘリコプターを使う必要も出てくるので、ヘリコプターの整備も行うということでありまして、全力を挙げて地域医療の確保に努めていきたいと。来年度予算の大きな目玉ですね。

 

○山陰中央新報

 それに伴って県の組織とかという、そういうのを変えたりとか、そういうのは考えていらっしゃいますでしょうか。

 

○溝口知事

 若干の医療体制の強化のための対策は考えておりますけれどもね。中川県立病院管理者に参与ということで、県全体の医療の問題、各市町村と調整をしてもらったり、各病院で事情をよく聞いていただくとか、そういうことも一つのそういう流れの一環ですね。

 

※( )内は、広聴広報課が書き足した部分です。

 


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