12月(第1回)定例記者会見(12月12日)
質問事項
4.大橋川改修について
○新日本海新聞
大橋川改修事業についてお伺いしたいんですが、先日、松江の市長が本会議で、松江大橋の取り扱いは切り離して、中・下流から早期に着工したいという考えを表明されまして、それにあわせて、この問題については鳥取県側の同意が必要なので、島根県と鳥取県で早急に協議をしてほしいというようなことも議場で述べられたんですが、そういう両県協議要望に対して知事はどう対応していかれるお考えでしょうか。
○溝口知事
松江市の方で今のところ市長さんの方針の表明ということでありますが、いずれ議会を含めて対応が正式に固まるんだろうと思いますけども、いずれにしてもそちらの方向で進む形勢にありますから、鳥取県との間では3条件というのが満たされないと工事の開始について鳥取県の合意が得られないということになりますので、工事を進めるためにも鳥取県に対してお願いをしなきゃいかんということでありまして、3条件のうちでは護岸整備ですね、これがまだどういうふうにして整備をしていくかということが決まってないわけであります。今、国交省が護岸整備の案を示して、鳥取県側、それから島根県側と別に協議会の場で調整を行っているところですね。したがいまして、その調整が進みませんと鳥取県側との話ができないわけですけども、いずれにしましても、鳥取県との合意ができるようにお話をしたいと、いずれしたいと思いますという話を昨日、平井知事の方には今回の松江市長の発言を受けましてお伝えをしたところであります。
いずれにしても鳥取県、それから地元の米子市、境港市、住民の方々の御意見いろいろありますから、そういうこともよくお聞きして、鳥取県の側で護岸整備の仕方について了解ができるように、国に対しても鳥取県と一緒になって、我々島根県の方も働きかけていくということを考えているわけであります。
○山陰中央新報
昨日のはお電話ですか。
○溝口知事
電話です。
○山陰中央新報
知事の方からかけられたということ。
○溝口知事
私の方から、こういうことになりましたので、いずれまた協議をしていくことになりますからよろしくお願いしますというごあいさつですね。これ実際の協議は護岸整備について今、国交省が両県の地元と、県等とやっておりますから、その進捗を見て行っていくということですね。
○山陰中央新報
そうしますと、鳥取県の知事と改めてこのことについて協議するのは、護岸の整備について国交省が示した後ということになるんでしょうか、それとも。
○溝口知事
もう示しているわけですね、現状は。
○山陰中央新報
そこについて鳥取県が了解をする......。
○溝口知事
まだ了解をすぐ云々というような状況にはまだなってないですね。まだまだ不十分なところがあるというふうに聞いてますから、だからむしろ協議の前に、鳥取県側の要望が満たされるように、工事をするのは国ですからね、まさに国の直轄でやるわけですね。国に対して両県一緒になって地元の皆さんの御理解が得られるように働きかけていくということが先でしょうね。それも協議の一つ、協議のプロセスの一つということですね。
○山陰中央新報
鳥取県知事との間で言われた協議というのは。
○溝口知事
そういう広い意味で言ってるわけですね。
○山陰中央新報
両県知事が直接協議をする場という......。
○溝口知事
その前にですね、協議というのは、両県で事務方のレベルでね、例えば護岸の整備について、まだまだここら辺が足りませんねというような話が出てきますね。そうすると、じゃあ一緒になって国交省の方に陳情に行きましょう、申し入れしましょうと、あるいは、ついては知事のレベルでもやってもらうようにしましょうとか、そういう話し合いが始まるということですね。それを協議というふうに言ってるわけです。それで、協議の終わりは鳥取県の方がこういう計画が成って、3条件も満たされたということになると、協議が終わって、今度は鳥取県、島根県一緒になりまして、もちろん地元の市町の最終的な回答をもらってからですけれどもね、国交省に対しまして、両県としては協議が調い、工事を始めてもらいたいんでお願いしますというのをするようになったら協議が終了したと。それで、それによって国交省の方が具体的な工事というか、まず用地買収だとか測量だとかを含め、そういうものが始まっていくということになるわけです。
○新日本海新聞
今、環境調査については結果が出て、両県がもう意見も出してますし......。
○溝口知事
そこもまだ......。
○新日本海新聞
はい。森山堤防は......。
○溝口知事
まだ終わってないですね、森山堤防は3月には一応できるだろうと。
○新日本海新聞
はい、これは3月にはできますね。あと残された護岸整備については、鳥取県、米子市、境港市がおおむねこれだったらいいよということで了解したのを見計らって、島根県としては鳥取県側にこの大橋川改修問題について同意を求めていくというようなことになるわけですか。
○溝口知事
いやいや、やってることがもう同意を求める行為ですからね、要するに3条件がそろったら合意が成立するということになって、そしたら鳥取県、島根県、一緒になって国、国交省に対して実際に工事を始めてくださいというお願いに行くと、こういうことになるわけです。だからそれまでが協議です。
○新日本海新聞
そうすると、知事として、両県で合意してもいいだろうという判断する時期というのは、それは......。
○溝口知事
それは鳥取県と、了解を......。
○新日本海新聞
鳥取県側がまた護岸整備について、この計画だったら、もう了解してもいいだろうというような、そういう空気になったときということですか。
○溝口知事
空気というか、そういうことを地元を含めて、これで結構ですというふうな意思表示がないといけません。
○新日本海新聞
意思表示がないと。それまでは島根県側としては待ち続けるというようなことで、特にいつごろをめどに鳥取県側に同意、了解を求めるというような、今時点でのめどというのは持ってはいない。
○溝口知事
まだですね。今、国交省の整備の案がとりあえず出たばかりですから、それで今、話し合いをしているところですから、それでもう十分だというような状況になってるとは私も報告を受けてませんから、まだ護岸整備の仕方などにつきまして、護岸整備をやるのは国ですから、鳥取県の意向、考え、我々もお聞きをして、一緒になって国交省に護岸の整備についてお願いをするということです。
○NHK
知事のその申し出に対して、平井知事の回答というのはどのような回答がきのうありましたか。
○溝口知事
申し入れというか、あいさつですから、それはよく話をしていきましょうと。ただ、護岸整備の問題については、まだこれでいいという状況にはなってないので、そういうことについて一緒にやっていきましょうねという、国に対して働きかけていきましょうということを電話で私からも言ったということです。
○NHK
そのあいさつというのは、松江市長の発言を受けて、改めて連絡をとったという。
○溝口知事
改めてですね。松江市長がこういう発言をされたから、地元としても工事の開始について進めたいという意向が示されたんですよと。しかし、それだけでは工事の開始ができませんから、3条件が満たせるように国に働きかけたり、あるいは相談をしたりしていきましょうということをお伝えしたと。
○山陰中央新報
すみません、繰り返しになるかもしれないんですけども、知事がおっしゃられる広い意味の協議というのは、結局いつから始まると。
○溝口知事
もう今始まっているということですよ。
○山陰中央新報
それ、きのうの電話で......。
○溝口知事
いや、だから、ただ協議というと誤解を受けますからね、要するに話し合いはもう既に始まっているわけですが、島根の方の地元としては、もうそういう方向で進みますから、それに向けてやっていきましょうということをお伝えをしたということです。だから協議の終了というのは、合意が成ったら協議が終了するというふうに考えてもらえばいいわけです。
○山陰中央新報
終了はすごいわかりやすかったんですけど......。
○溝口知事
だから、何か知事が会談をするというだけが協議じゃなくて、事務方がいろいろこうしたらいいじゃないか、ああしたらいいじゃないかということを相談をするプロセスのことを言っておるというふうに理解していただいたらいいと思いますね。
○日本海テレビ
それじゃあ、知事はこの問題で平井知事に対して直接働きかけるような具体的な見通し、当面のところどんなふうに。
○溝口知事
それはやはりあれですね、護岸整備の計画が最もおくれているわけですから、それについて鳥取県の米子市、境港市、あるいは鳥取県の考え方、あるいは国の計画に対する評価が出てきて、それじゃあ国に対してこういうような働きかけを一緒にやっていきましょうというような場面でしょうね、具体的に出てきますよ。
○山陰中央新報
だから、そういう意味では47年の水害以来、島根県さんはずうっと推進に向けて協議をしてきたしということになるんですけど、要は今回、松江市の市長さんが言われた意味というのは、ずうっと中断をしてたものを、その歯車を動かしたいという意図があって動かされてきたわけですね。このアクションに対して、じゃあ県としては何をするのかと言われたときに、いや、協議はもう最初からしてますということになると、市長が言われた意味が島根県の行動には全然影響を及ぼしてないようにも見えるんですけど。
○溝口知事
いや、我々の行動というよりも、むしろ国に行動を起こしてもらうということが必要なわけですよ、護岸については国がやられるわけですから。だから国の護岸の計画も出ましたけども、まだ十分とは言えない状況ですから、協議の主たる内容としては、どういうようにして国に働きかけていくかとか、そんなようなことが当座のテーマになるんじゃないですか。それで、それも、それが早く実現するように両県が協力する、どういうふうにして協力していくかというようなことが主たるテーマでしょう。
○山陰中央新報
そういう意思疎通については、護岸の整備を進めるということにおいての両県の意識というのはもう既に統一されておるという認識ですか。
○溝口知事
具体的なところは、それは地元の住民の方々が、これでいいという、住民の方々の意見をやはりくみ上げていかなきゃいけないでしょうね。
それで、他方で国の方も、基本的にいわゆる地元の方が困らないようにやっていこうという意向だと思いますよ。その具体的なやり方について調整を国との間で要するということです。
○NHK
県としては、市長の発言を受けて、これまでのそういった動きをより加速させようという考えがあるということでいいんですか。
○溝口知事
だから、当事者は国であるわけですね。整備計画をどう進めるかというのを決めるのは国ですよ。島根県がやるわけでもない、鳥取県がやるわけでもない。しかし、護岸がどう進むかが鳥取県の方々にとって大事なことであり、工事着工の条件の一つになって、それが最もおくれているわけですから、そこを早く進めるようにするというのが大事な課題ですから、それに向かって具体的な活動を起こしていくということです。
○山陰中央新報
それと、市長さんのお話の中で、特に中・下流部については、市民が事業進捗を早くしてくれという意味でいうと、やっぱり時期をどんどん早めてほしいという意見が大分あったと思うんですけど、この護岸のことも含めて、早く進んでいかないと予算の措置の問題もありますので、そういう意味で時期というのは、知事の方から見るとどれぐらいの時期にこれが、護岸のあれが合意をできて、鳥取県側から了解が得られるという、そういう時期というのはどのあたりが望ましいとか......。
○溝口知事
それは、我々の方では決められませんね。
○山陰中央新報
いや、決められないんじゃなくて、望ましい時期というのは。
○溝口知事
いや、望ましいも言えませんね、それは。それはやはり望ましいかどうかよりも、地元の鳥取県の米子市、境港市、あるいは鳥取県自身がこれでいいというふうに納得される状況にならないと、やはり合意が得られないでしょう。だから、そのためには国が早くやる、あるいは国がわかりやすい説明をちゃんと地元にする、それで拡幅の工事をしても、整備の方もあわせて進行していくから大丈夫なんだというような確証が地元の方々に得られるように国が護岸工事をすると、それに向けて、そういうものになるように我々が働きかけていくことですよ、それに依存していますから。
○山陰中央新報
その働きかけていくということに対して、例えば島根県知事が松江の市長さんと一緒に鳥取県に出かけられるとか、境、米子に行かれるとか。
○溝口知事
それはあるかもしれませんね。だけど、一番のあれは国交省ですね、国はどういうふうに工事が、最終的な目標をこういうふうに描いて、それをどういう手順でやっていくかということがないと、それがサブスタンスですから、そこがならないと鳥取県の方々もわかりましたということにはなりませんので、そこが一番コアです。
○山陰中央新報
あともう一つ、それに関連してなんですけど、中・下流部を進めてくれという、いわば松江大橋の扱いを切り離しました言い方になってるんで、この大橋川というのは、管理しているのは県の方になるんですけれど......。
○溝口知事
川は......。
○山陰中央新報
川はないですけど、橋は県ですね。
○溝口知事
橋はあれですね、それは橋をどうするかというのは護岸の工事をどうするかということが決まってから決まる問題ですね。だから、まさに斐伊川水系は国の直轄で行われておりまして、だから、国がどういうふうにやるかということが最も大事なんですけども、そこのところについて、まだ鳥取県側の合意が得られてないと。鳥取県の住民の方々の合意が得られてないという状況にあるということです。
○山陰中央新報
いや、ですけど、今、松江市長がああいうふうに言えたというのは、上流部を切り離すということは、松江大橋を保存することについて、市民から保存してほしいという意見があるので、あそこの大橋をどうするかということを一たん棚上げするというのが市民の間で意見として出て、それで落ちつくということになったから中・下流部を進めてくれということになったんですね。
○溝口知事
いや、その前に国交省の方もそこのところをどうするかというのができないと、上流部をどういう工事をするかというのが決まらないと。しかし、下流部では水害なんかが現に起こってますからね、そっちの対応もしなきゃいかん。それについては松江市の方がそっちを早くやってくださいという明確に意思表示がないといかんだったということでしょう。それが明確な意思表示が今までなかったんだけども、下流、中流の方に水害の被害もありますから、そちらを先に進めてくださいということを松江市長がおっしゃったということでしょう。
いずれにしても、大橋川の改修は期間でいえば20年とか、そのぐらいのオーダーでかかる話ですからね、あるところの工事のことについて結論が出ないから、ほかを延ばしたりするというのは適当でないという判断を地元の方でされたということですよ。したがって、地元は工事の再開を、大橋川の中流、下流から始めていこうと、それで国交省にお願いしようということであります。ところが、さらに下流の鳥取県の側の人が開始によって影響を受け得るから、そちらの了解も得られなきゃいかんという問題が残っているということです。
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