11月(第2回)定例記者会見(11月21日)
質問事項
4.県人口の減少について
○山陰中央新報
ちょっと話題を変えるんですけど、きのうちょっと県の方が発表されたんですが、人口の減少がやっぱり加速をしているという状況が出てきておる、この現状についてどういうふうに受けとめられたかということと、いろんな意味で対策というのが必要になってくるんだろうと思いますけれども、この辺、予算にこういう一つの人口に着目した対策というのを、かなり幅広くなるんで、じゃあどこをやればということになるかもわからんですけど、一つ、人口というのはやっぱり県の県勢といいますか、力といいますか、そういうものの一つのバロメーターだとは思いますので、非常に重要だとは思うんですけど、その辺、どういうふうにお考えですか。
○溝口知事
人口の増減は、大きく分けて自然増減と社会増減があるわけですね。自然増減の方は少子高齢化が進んでいきますと、死亡者数が出生数を上回って自然減というのが起こるわけですね。今回の調査では、自然減が3200人弱でしたか、それから社会増減は県に入ってこられる方と、Uターンなんかで帰ってこられる方、あるいは転勤で入ってこられる方、他方で県から出ていく人、進学のために県外に行く、あるいは就職のために県外へ、あるいは県外に進学した人がそのまま帰らないでいるという入県数と出県数の差によるわけですね。出県数の方はいろんなことがありますけども、この地で雇用の場がふえないと増えていけませんので、そういう意味じゃあ産業の振興を行うということが大事な課題ですね。それから入県数の方も雇用がふえれば県外に出た人たちが戻ってくるということでありまして、社会増減は、やはり一番大きいのは雇用の場がどの程度この地でふえるかと。そういう意味でやはり産業振興がいわば人口対策のかなめですね。
産業振興としては、まずは県内企業を、あるいは県内の産業を育成していく、強化していく、これは農林水産業でもそうですね。県産品のブランド化を行うとか、あるいは大都市の市場に売れるような商品をつくる、あるいは農林水産物をつくる、こういうことをやっていかなきゃいけませんね。それから県内企業のやはり技術が高まるということも大事ですから、産業技術センターなどで技術開発を民間企業と一緒になってやる、あるいは産学官で人材の育成を行うと。そういう育成された人材を求めて企業がこの地に入ってくる可能性がありますから、そういうことをやる。それからもう一つは企業誘致を行う。県外から来られた方の誘致を行うと、企業が来られるように誘致を行って、それで雇用をふやす。あるいは県内に進出した企業が事業を拡大をして、それによって雇用をふやすと。
自然増減の方は、これは短期間ではなかなか変わりませんね。高齢者、人口構成というのは、それは何十年という単位で徐々に変わっていくわけですから、しかし、今後の傾向としては、やはり高齢化は進みますから、その分だけ高齢者の人口はふえますが、お亡くなりになる方もそれは増えていくわけですからね、そっちはなかなか短期間で減らないと思いますね。それから出生数の方は、やはり若い人がこの地に多くとどまるようにならないと出生者はふえませんね。
あるいはこの地にいる人が子育てをしやすいようにいろんな支援をするということはありますね。例えば育児がしやすくなるように企業の側で勤務時間の特例とか、あるいは育児休暇をとってもらうとか、そういうのがとりやすくなるとか、そういうことも一つの出生者をふやす手段ですね。県としてはこっころ認定企業だとか、あるいはこっころカードというようなことで育児をする世代を支えていこうというような施策もとっていますが、そういうのもあります。しかし、やっぱりベースは出産をする若い世代がふえなきゃいかんということですね。そのためにはやはり若い人が県外に出なくても、この地で雇用がふえるとか、そういうことをしなきゃいかんので、やはり大宗は産業振興を行うということでしょう。
そういう意味におきまして、産業の振興にはずっと力を入れてきておりますけども、これは県がずっとやっておることですね。産業の振興のためには、例えば道路の整備というのも必要なわけですね。だから、高速道を早く完成されるとか、そういう総合的な対策をやるほかないわけであります。
それからもう一つは、県としていろいろやろうとしても財政の制約がありますから、国に対してはやはり財政力の弱い地方部に対して対策を強化するように求める、あるいは交通が不便なために出てこられない企業もありますから、高速道路の完成を早くするようにお願いをするとか、そんなようなことで、今やっている県の施策のかなりの部分はそういう目的に、人口を減らすといいますか、減らさないようにするということに向けられているということで、そういう総合的な対策を粘り強くやっていく必要があるというふうに考えておりますね。
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