9月(第1回)定例記者会見(9月10日)
質問事項
2.全国学力テスト結果の開示について
○山陰中央新報
全国学力テストの結果についてなんですけれども、秋田県だったり大阪だったり、きのうは鳥取であったりと、結果の開示の仕方についていろんな発言が知事からあるんですが、知事は結果の公表の仕方をどのように考えておられるのかということと、市町村に対してどういう働きかけをされるのかされないのか、お考えをちょっとお聞きしたいなと。
○溝口知事
島根でも発表したらという申し入れがあって、それを教育委員会の方で棄却といいますか、受け入れないということで伝えまして、そうしたところ、異議申し立てといいますか、それが出ておりまして、教育委員会の方でその取り扱いを今、検討しているということですね。
それで、私自身の考えは、そういう教育委員会の検討状況などもよく見て決めたいと思いますけども、一つは、全国テストにせよ、それから県内テストにせよ、計画をして実施をするのは、国の場合ですと文科省であったり、あるいは県ですと県であったりしますが、どの学校が受けるか受けないかというのは、それはそれぞれの学校の判断によるところなんですね。
それは市町村の教育委員会が市町村立の学校については判断されるということなんで、やはり市町村の考え方もよく聞かないといけませんが、つまりそういう学力テストを受けるか受けないかということについては、実施上、最初に取り決めをしておるわけですね。文科省の場合ですと学校別の公表はしないとか、そういう前提で市町村の教育委員会の方も受けておられますから、そういうところをどう考えるかという問題があろうと思います。
そんなようなことも含め、あと情報の公開というのをどう考えるか、こういう問題について、それについてもいろんな意見がありますね。やはりそういうことをまず県の教育委員会で総合的によく考える必要があると思います。
それから、さっき申し上げましたように、小学校、中学校ですと市町村立の小学校、中学校ですから、設置者たる市町村の教育委員会がどう考えるかということも大事な要素だと思いますね。今、そんなことでありまして、もうちょっとそういう島根県内の関係者の検討を待ちたいと思います。
○山陰中央新報
現時点では、市町村分については市町村が自主的に考えてもらうというのが一つ。
○溝口知事
いや、テストを受けるかどうかというのは、義務的なものとか制度的にしなきゃいかんということにはなっていないわけですね。それぞれの設置者というのがあるわけです、学校を運営する、設置している。その人たちが受けるかどうかというのを決めなきゃいかんわけですね。決めるときに、こういう条件でやりましょうと言っているわけですから、そこのところをやっぱりどう考えるかということは大きな問題だろうと思いますね。
○山陰中央新報
テストを実施するときの前提として、文科省が実施計画の中で、県が公表しない、市町村は自主的に判断ができるというふうに決めているので、それが前提だということですか。
○溝口知事
いや、ちょっとそこの細かい文体までは知りませんが、要するに今問題になっているのは、今実施している学力テストを公開するかどうかという問題なんですね。そうすると、それは今実施しているテストがどういう条件でやられているかというのは大事な要素でしょう。それから、そういうこととは別に、将来、学力テストをするときには公表できるようなやり方でやったらどうだというような、また別の問題があると思いますね。その問題を分けて考えなきゃいかんのじゃないかという気がしますけれどもね。
○山陰中央新報
広い意味で子供の学力というのを地域で共有するということも一つ一つ必要なんじゃないかと思うんですが、それのためには、まず公開ということもありかなと思うんですが。
○溝口知事
ええ。だからそれは学力テストを今後どういうふうにしてやるか、あるいは何の目的でやるか、あるいはそういう形でやるとしたら設置者とか、あるいは父兄とか、学校の先生たちがどう考えるかということをよくお聞きもし、その上で違うやり方をするんであれば違うやり方をできるように、そういう話し合いもして決めていく必要があるんじゃないかと。だから、現実に既に行われたものと将来のものというのを区分して考える必要があるんじゃないかと思いますね。
○山陰中央テレビ
では、重ねてお伺いしたいんですが、既に行われている全国学力テストに関しては、知事ご自身は公表はするべきではないというスタンスなんでしょうか。
○溝口知事
いやいや、それはいろんな考えがあると思いますね。した方がいろんな刺激を与えることになっていいとか、あるいはいろんなことを知り得ることになるという意見もあるでしょうし、それからいやいや競争が激しくなり過ぎるとか、あるいは生徒が少ないところなんかですと非常に、その学校内でいろんな意見もあり得るし、それから父兄の方もあるわけですから、だから、それはそういう立場としていろんな意見はあるということですが、現在やっている、例えば県の学力テストですと、そういう学校別までは公表しないということで実施要領に定めて実施をしていますから、それを終わった後変えるというのは可能なのかどうかということはあるでしょうね。多分そういう場合には市町村が結構ですということがないとなかなか無理じゃないかと思いますね。
しかし、それとは切り離して、子供の教育、学力の向上などのためにどういうやり方をしたらいいかというのは、これはあって、むしろそっちの方をしないといかん、する必要もあるんじゃないかというふうに私は思いますけどもね。
やっぱり過去の歴史を見ますと、なかなか学力テスト自身、実施がされにくいこともあったわけですね。それはそういう事情があったからということも多分あるんだろうと思いますから、よく関係者、いろんな意見を聞きながら将来の方向についてはよく検討してもらいたいということであります。
○山陰中央新報
お話を聞いていると、現行のやっている制度上からは公表は市町村の同意も要るので基本的には難しいんではないかと。ただ、子供の学力というようなことをどういうふうに向上させていくかということを考えれば、制度上、改善の余地はあるんではないかというのが基本的なスタンスだということでいいですか。
○溝口知事
そうですね。無理があるというか、市町村がいやいや、うちの市町村はやった方がいいんだというふうに判断されれば、それはそういう問題でしょう。だけど、県なりだれかが、その設置者たる市町村に対してこうしなきゃいかんと強制をしたりすることはできないんではなかろうかと。ちょっとそこら辺は事実関係とか詳細、もうちょっと詰めないといけませんが、概略聞いたところではそんな感じがしておりますね。
だから、各県の今、何人か知事がおっしゃっているというのは、それは意見として言っているということなんじゃないですか。その意見が非常に厳しいものであったりということは、それぞれの方の判断によるところがあると思いますけども、事実関係として判断するのは設置者たる学校だろうという、今やっている試験についていえば。それがいいかどうかというのは別問題だということです。
○山陰中央新報
あと関連して、公表して、その取り組み状況を見て予算の配分、優遇措置をしよういう話も、きのう鳥取の話ではあったようですけれど、それについてはどう思われますか。
○溝口知事
そこになると、私の個人的な見方になりますけども、学力というのは、子供たちがそういう学科試験のようなものに対して、それは大事なんで、そういう学科試験のための勉強をしようというようなモードになるかどうか、いつごろなるかどうかに随分影響されるわけでして、非常に、例えば大都会のように、もう中学校、あるいは小学校から私立に行くか行かないか、あるいは私立の中のどこかに行くか行かないかというのは、競争の激しいところになると、やっぱり学科試験というのが大事だと子供たちも思いますから、あるいは親たちも思いますから、早くから塾へ行ったり、いろいろ勉強したりすると。
そうすると、そういうことをやれば、やっぱり点数は一定の割合で高くなると思いますね。ただ、そういうものにみんな、小・中は公立学校が大部分であって、そういう試験がなくて行けるということであれば、そういう学科テストのための勉強よりも、本を読んだり、あるいは自然に親しんだり、いろんなやり方で子供たちも生育していくわけですよね。だから、学科試験だけを子供の成長の、あるいは発育の最も大事な要素だと考えるのは、やや世界が狭いというのが私の個人的な感じですね。
それで、ある時期になると、また高校受験をしなきゃいかんとか、あるいは大学受験しなきゃいかんとなると、その時点でまた、またといいますか、初めてというか、学科試験の試験をどうやって高めるかというような勉強もし出すわけですよね。そうすると、高校ぐらいになるとまた追いついてくるということもありまして、小・中学校の段階での学力テストがすべてを左右するというような見方をとるのは、やや視野がちょっと狭いんじゃないかというのが私の個人的な感じですね。
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