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8月(第2回)定例記者会見(8月27日) 

質問事項

2.総合経済対策について

 

○山陰中央新報

 話は変わりますけど、政府が総合経済対策を検討しておられて、その背景には原油高、穀物高とかという国民生活や県民生活の窮状があると思うんですけど、間もなくまとまるというようなことだと思うんですけど、知事の立場からいって、今の時期にどういう規模でどういう内容というのが望ましいというふうにお考えでしょうか。

 

○溝口知事

 今ある大きな問題というのは、エネルギー価格が上がりましてね、エネルギーを輸入している国は、いわばその分だけ高いコストをエネルギーの消費に対して支払わなきゃいかんと。つまりいわばその分だけ、そういった日本のようなエネルギー輸入国は国外に購買力が税金のような形で吸収されるというところなんですね。それはもう既に起こっておって、そういう新しい価格体系に合わせて産業構造なり、あるいは消費者の行動というのが時間をかけて調整をされていくわけですけども、しかし、その調整が余りにも急激にしなきゃいかんという事態になっているわけです。

 

 それはエネルギー価格が急激に上がったからそういうことなんで、いずれにしても、それぞれの経済主体で調整をしていかなきゃいかんわけですけども、その調整のコストが余りにも急激過ぎるということで、その調整のプロセスを円滑にするということは、これはやはり国の経済政策として必要なことなんですね。それを今、とろうとしているというのが政府の考えだと思いますね。

 

 一つは、やはり購買力をいわば税金のような形で国外の産油国等に吸収されたわけですから、そういう購買力の減に伴う需要を補てんをするというようなこともあるでしょうし、それから価格が上がりましたから、消費者などはいわばほかのものに使い得る余地が少なくなっていますから、そういう中で特に所得の低い方々に対して調整をしやすくするように支援をするとか、あるいはそれは企業においてもそうですが、そういう特に価格転嫁が難しい、一たん事業規模が縮小すると、今度、回復することが非常に難しいといったような産業に対して一定の支援をするということでありますね。

 

 大体そのようなことを中心に、今、政府が対策をまとめようとしているわけです。今週中ぐらいに報道ではまとまると言っておられますけども、具体的に必要な資金がどうなるとか、そこはまだ若干時間がかかるんじゃないかと見ておりますけども、県の方も国の対策に合わせまして、必要な対策をとっていかなければならないと思っております。

 

 ただ、県自身も20年度の予算でいろんな対策をとってまいりまして、その執行状況を見て、執行が進んでいて、どうも20年度自体で資金がその対策に不足するだろうと見られるようなものを中心に、今度の9月議会で補正の提案をすべく、今検討中であります。それからその後、国の対策が具体的に出てまいりますと、手順としては9月議会中に可能な状況になれば、9月議会でまた追加ということもあり得ますし、それがタイミング的に難しければ11月の議会でというようなことが考えられますけども、そんなようなことを念頭に置きながら、遅滞なく県の対策がとれるように、今、状況を注視し、県としてもいろんなことを検討しているという段階です。

 

○山陰中央テレビ

 関連して、県独自で何か考えてらっしゃるようなものというのはありますか。

 

○溝口知事

 県独自は、既に20年度の予算でやっておりますけれども、これが先ほど申し上げましたように、当初予算で予想した額を超えて執行が進んでおりますから、その追加が多分必要になるだろうということで今作業中ですけども、これなどは県の独自のものですね。

 

○山陰中央テレビ

 全く新規で今回考えているとか、そういうことは。

 

○溝口知事

 全く新規で、いずれにしてもエネルギーの価格高騰に対応する必要な措置をとるということでありまして、仕組みをもう少し柔軟にしたり、そんなようなことはあり得るかもしれませんが、違うタイプのものは今のところは検討のあれには上がっておりませんけども、これから国の対策が明らかになり、そういうものを見ながら必要な措置を検討していきたいというふうに思っています。

 

○山陰中央新報

 政府の対策の規模ですけども、与党の方から二、三兆とか、真水で幾らとかというようなことだと思うんですけど、こういうかなり需要が減退した時期だと思うんですが、その辺、規模として思い切ってやるべきだという派なのか、それとも財政規律の問題もあるし、比較的小規模でというようなことなのか、その辺は、知事自身はどういうふうにお感じになってますか。

 

○溝口知事

 よくエネルギー価格の高騰に伴います購買力の海外への移転が20兆弱ぐらいだと言われてますよね、15兆から18兆ぐらいと。いわばその分だけ日本の国民あるいは企業が支出する部分が国内で使えなくて、産油国等にいわば吸収されたということなんですね。だから、その影響はかなり深刻なものだと思いますね。しかし、その分は結局、回復はすぐはできないわけですね。どういう過程で調整が起こるかというと、やはり価格体系が変わるわけですから、それに合わせて産業構造が変わっていく、あるいは企業の方も状況が苦しくなりますから、今度は新しい状況に対応した商品をつくると。省エネがさらにきいたような商品をつくって、それを国外に輸出をすると、そういう調整をしなきゃいかんわけですね。そうすると、そのためにまた投資をしたりするということも必要ですし、それからそれだけの需要の減退が起こると景気にも大きな影響を及ぼしますから、やはり景気が過度に下降しないように配慮はやっぱり考えないといけませんね。

 

 それから、特にそういう新しい価格体系に移行する際の調整が難しいですね。中小企業でありますとか、あるいは農林漁業等に対して調整をしやすくするような支援をしていくというのは、やはりこれはばらまきとは違って、必要な経済政策だろうと私は思いますけども、そういう観点から今、政府は検討しておりますし、県も必要な対応をそれと並行しながらやっていこうという考えです。

 

○山陰中央新報

 規模については、具体的には言えないけど、やっぱり一定のものは......。

 

○溝口知事

 一定の規模はやっぱり必要でしょうね。それはやはり20兆というと、GDPが500兆ですから2.5%ぐらいになるわけでして、ほっとけば、いわば2.5%購買力が落ちるということで、その分が補てんされないと成長も大きな影響を受けますからね。そういう中で新しい投資が起こるということになれば、その分は需要の減退を若干は補てんをする効果を持ちますし、それからそれによって調整が進むというと、新しい事態に対するそういう努力が円滑に行われやすくなるわけですから必要だと私は思っておりますけどもね。

 

 だから、そういう意味で省エネの努力に対して支援をするといういろんなスキームが今度の政府の構想の中にも入っていますけども、これは合目的な政策だというふうに判断しています。

 

 


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